日本のエーゲ海と呼ばれている牛窓海水浴場の近くには、牛窓神社が鎮座しています。
牛窓神社には、古くから牛鬼を退治した伝説が残っていることをご存じでしょうか。
うっそうとした木立ちの間を歩き、長い石段を登ったその先に現れる牛窓神社を参拝しながら、牛鬼伝説について振り返っていきたいと思います。
本記事では、岡山県のパワースポットの一つである牛窓神社で体験した出来事を紹介します。
牛窓神社とは
牛窓神社は、平安時代の長和年間(1012~1016年)に創建されたと言われています。
牛窓海水浴場の近くにある363段の石段を上った先の林の中で鎮座している神社です。
その昔、神功皇后が牛鬼を退治したという伝説が残っていることで知られていますね。
ご祭神は、応神天皇(おうじんてんのう)、神功皇后(じんぐうこうごう)、比売神(ひめがみ)、武内宿禰(たけうちのすくね)です。
ご利益は厄除け、航海安全、家内安全、ご縁結びなどがあります。
【神社仏閣の紹介】
旅の道では、様々な神社仏閣へ訪れて参拝します。そして、御朱印をもらうのがとても嬉しいですね。私が旅の道中で訪れた神社や寺院を下記記事で紹介します。
牛鬼について
牛鬼の読みは「うしおに」又は「ぎゅうき」と読みます。
この牛鬼は主に海岸に現れては、人々を襲うと言われている西日本に伝わる牛の怪異です。
性格は非常に残忍・獰猛であると言われています。
「力の象徴」とされてきた牛の怪異は、とても力が強いため、神や上人、山伏などでないと手に終えないとされてきました。
また、怪力だけでなく、魔力や神力、毒の息、変化など様々な武器を使いわけます。
瀬戸内市の牛窓神社を訪ねて、牛鬼伝説を振り返る
牛窓海水浴場の光景
牛窓神社の周辺には、牛窓海水浴場があり、牛窓神社へ続く道が整備されています。
車で訪れる場合は、この牛窓海水浴場の直ぐ近くにある駐車場を利用しましょう。
牛窓神社へ訪ねる前後で、この海水浴場へ立ち寄って海の絶景を眺めてみませんか。
私が訪れた日は、この海水浴場に数人の親子が楽しく遊んでいる光景を目撃して、ほほえましく思えました。
牛窓町には、牛窓新八景なる景観の良いスポットがあり、その一つが牛窓海水浴場こと「宿井の浜」です。
牛窓新八景に認定されているスポットでは、浮き輪が飾られており、その浮き輪には「牛窓新八景」と書かれているため分かりやすいですね。
個人的なおすすめの時間帯は、何と言っても夕暮れです。夕暮れ時の海の景色は格別ですね。
【海の絶景を紹介】
旅を続けていると牛窓海水浴場のような綺麗な海沿いの道を走ったりしますので、下記記事で紹介します。
展望台からの眺め
牛窓海水浴場の端の方には、牛窓神社の鳥居がありますので、くぐり抜けて階段を上りましょう。
案内板によると、展望台まで150m、牛窓神社までは360mあります。
鳥居をくぐり抜けると、直ぐに石碑を見つけました。残念ながら達筆すぎてなんて書いてあるのか読めません。(泣)
一歩づつ階段を上って行きましょう。近くにあった看板には「夢を語ロード」と書かれており、なかなか良いフレーズに感心した次第です。
木漏れ日を浴びながら階段を上っていると、急に視界が開けてきます。あと少しで展望台ですので、頑張りましょう。
階段を上り切るとベンチがありました。疲れたらここで休憩すると良いですね。
もう少し歩けば展望台があります。
こちらの蕪崎園地と書かれた立札がある階段を上れば、展望台へ辿り着きます。
展望台から牛窓の海を堪能しましょう。
私が訪れた日は、空に雲がかかり生憎の天気でしたが、綺麗な牛窓の海が見て取れました。
牛窓の海は、日本のエーゲ海と呼ばれています。
この牛窓神社から少し離れている「牛窓オリーブ園」からの眺めは特に綺麗で、日本のエーゲ海と言うのも「なるほど」と素直に頷けますね。
また、牛窓の絶景スポットへ足を運びたい方は、「牛窓新八景」と呼ばれている場所へ訪れてみましょう。
随神門を見学しよう
展望台を後にして、牛窓神社を目指しました。
両側に高い木々に囲まれた何やら雰囲気のある道を歩きます。
その先には大きな門が見えてきました。
この門は随神門ですね。
随神門とは、神域に邪悪な物が入るのを防ぐため、神様を配置している門のことを言います。
そのため、この門の左右には神様たちが門番をしていますね。
財運をお守りして下さる左大臣「奇磐間戸神」(くしいわまどのかみ)と、心の平穏をお守りして下さる右大臣「豊磐間戸神」(とよいわまどのかみ)が牛窓神社を護っていました。
この随神門をくぐり抜けた後で、少し歩けば終点、牛窓神社へ辿り着きます。
牛鬼の伝説を振り返る
牛窓神社に伝承されている牛鬼伝説についてお話します。
仲哀天皇は妻である神功皇后と共に三韓征伐のためにこの地へ訪れました。
そのとき、鬼が現れ襲いかかってきたそうです。
仲哀天皇の弓で射抜かれた鬼は倒され海に沈んだそうですが、流れ矢にあたった仲哀天皇が崩御しました。
この鬼の名前は塵輪鬼(ちんりんき)と言われています。
意思を継いだ神功皇后は、男装して三韓征伐を達成した後で戻ってくると、倒された鬼の魂魄が大きな牛鬼となり、神功皇后一行へ襲ってきたのです。
この時、老人に化けた住吉明神が牛鬼の角をつかんで海へ投げ倒して神功皇后を助けたという話が残っています。
かつてこの地には、牛鬼のような怪異がいたことを思うと怖くなりますね。
拝殿で参拝しよう
周辺には神聖な空気が漂っているのを感じました。
凛々しい姿の狛犬たちが見えます。
境内を歩いて行った先には、立派な拝殿がありました。
こちらは本殿です。
牛窓神社では、牛窓伝説に登場する神功皇后の神霊が祀られています。
由緒ある御本殿の出で立ちには、牛鬼が復活することなく、多くの人々を守る意思のような物を感じ取れました。
牛窓オリーブ園から牛鬼の成れの果てを見てみる
牛窓神社から西へ約2.3kmほど離れたところには、牛窓オリーブ園があります。
牛鬼の最後を知るために、この牛窓オリーブ園を訪ねましょう。
こちらの写真は、牛窓オリーブ園から眺めた海の絶景です。
このオリーブ園からは、牛窓伝説で登場する牛鬼の成れの果てを見ることができます。
オリーブ園の眼下から見える島々が牛鬼がバラバラになった姿です。
頭が「黄島」、胴が「前島」、尾が「青島」、お尻が「黒島」になったと伝わっています。
黄島と青島は前島に隠れていて見えません。
道端に突然現れる牛鬼人形
牛窓オリーブ園からの帰路は、県道39号線を通過することをおすすめします。
その道中には、牛窓町をアピールしているオブジェを見ることができますね。
また、そのオブジェの近くには、外観が風車の公衆トイレもあって面白いです。
そして、何と言っても県道39号線を走ったその先には、牛鬼人形がいます。
その人形を見た瞬間「ぎゅうきー!!!」と大声を上げてしまいました。(笑)
この牛鬼人形は、廃材やジャンク品などを使用して作られていて面白いですね。
【面白いオブジェや展示作品】
旅の道中では、道端に面白いオブジェや展示作品を見かける機会はかなり多いです。それらの中には興味深い作品も多く、思わず見入ってしまうこともありますね。私が旅の道中で目撃したオブジェや展示作品について下記記事で紹介しています。
牛窓神社の基本情報とアクセス
住所 | 岡山県瀬戸内市牛窓町牛窓2147 |
電話番号 | 0869-34-5197 |
【アクセス】
- JR邑久駅からタクシーで約20分
- 邑久ICから車で約15分
牛窓神社には、表参道と裏参道があります。今回紹介したのは、表参道です。裏参道の方から車で牛窓神社へ直接向かうことができますが、駐車場は少ないですね。表参道からゆっくりと歩いて、周りの景色を楽しみながら神社へ参拝することをおすすめします。
牛窓神社の駐車場
牛窓神社の無料駐車場は、牛窓海水浴場の直ぐ近くにあります。
まとめ
牛窓神社は、牛鬼伝説が残っている由緒正しい神社です。
風光明媚な瀬戸内市牛窓町へ訪れる機会があれば、是非お参りに訪れてみて下さい。
恐ろしい牛鬼を退治したパワーを授かるやも知れません。