岡山県玉野市にある宇野港周辺には、2010年から3年ごとに開催されている瀬戸内国際芸術祭で展示されたアート作品を見学できます。
宇野港のシンボルと言っても差し支えない、「宇野のチヌ」はいろんな雑誌にも紹介されていますので、知っている人も多いのではないでしょうか。
宇野港周辺には、以下の絶景・観光スポットがあります。
- 宇野港周辺のアート作品
- 天空の鳥居
- 玉比咩神社
- 王子ヶ岳
- 渋川海岸
- 渋川マリン水族館
天空の鳥居と言えば、香川県観音寺市の高屋神社が全国的に有名ですが、岡山県にも天空の鳥居がある。
本記事では、宇野港周辺のスポットを紹介します。
尚、渋川海岸と渋川マリン水族館、王子ヶ岳については、下記記事をご覧になって下さい。
宇野港周辺に展示された瀬戸内国際芸術祭のアート作品を見学
船底の記憶と宇野のチヌを見よう
目の前には「ようこそ宇野港へ」と書かれたゲートがそびえ立っていました。
このゲートをくぐり抜けると、遠くには海が広がっているのが見えてきます。
宇野港の周辺には温泉施設「瀬戸内温泉 たまの湯」があったり、キャンプ場や食事ができるところもたくさんありますね。
近くには宇野駅があるため、アクセスは非常に良いですよ。
自転車旅のキャンプ場所にお勧めだよ。
さて、奥にある埠頭へ向かってみよう。
多くの人が釣りをしたり、近くにある芝生で談笑しているのを目撃。
その芝生の上には、黒くて大きなオブジェが設置されており、初見では「????」の感じになるだろう。
こちらは「船底の記憶」と呼ばれる現代アート作品。2013年の「瀬戸内国際芸術祭2013」で展示され今に至ります。
旧大日本帝国の軍艦で使用されていた錨や、ノルウェー船のスクリューに玉野市が不要となった鉄くずを溶接した作品ですよ。
錨は海底へ沈めて船を固定する物だね。そのため、錨を集めて作った物には、船底を見つめていた強い記憶が宿るのかも知れないね。
少し離れたところには、魚の形をしたオブジェが見えるじゃないですか。それがこちらの「宇野のチヌ」と呼ばれる作品だ。
この作品は、2010年の「瀬戸内国際芸術祭2010」で展示された現代アートです。
長さ5m、高さ3.5mの巨大なチヌ(クロダイ)の形をしている。宇野港などに漂流してきた廃棄物を利用して作成されたという。
カラフルなグラデーションで美しく見せているのが魅力的ですね。
宇野のチヌは、いろんな雑誌で見かけるね。近づくと廃棄物だらけなのが良くわかるよ。(笑)
2016年には新たに「コチヌ」が仲間に加わり、より賑やかになりました。
このコチヌには、頭からお尻へ抜ける滑り台が付いているので、小さなお子さんに人気が高い。
大人が滑るには、小さすぎるかな。子供が元気よく遊んでいる姿は、癒されますね。
愛の女神様に出会える
宇野港と宇野駅の直ぐ近くには、シーサイドパークがあるので、ぜひ足を運んでみて下さい。
このシーサイドパーク内には、一際目立つ大きな女神様がお出迎えしてくれます。それが、シーサイドパークのシンボル的な存在である「愛の女神様」ですね。
この女神様は愛・若さ・美を表しており、集まった人々が海辺や自然の美しさを楽しむのを待っている森の妖精をイメージしているそうですよ。
インドの彫刻家であるドルヴァ・ミストリーさんが作成しました。
この愛の女神様のおしりにタッチすると、幸せが訪れるかも知れません。
今ではたくさんの恋人たちが、おしりに仲良くタッチして願いを込めているね。
おしゃれな宇野駅の駅舎と走る現代アート
宇野駅の駅舎は、その外観が現代アートになっていて、おしゃれな感じがします。
駅周りはロータリーになっていて足元には、動物の石像たちがいるため踏まないように注意しよう。(笑)
特に駅の中央には、傾いた塔が目立っている。
塔の上をよく見てみると、なんと多くの海洋動物たちの石像が並んでいるではないですか。
うん、これは海洋生物の大行進かな。
先端には、飛び跳ねるイルカでビシッと決めています。くっ~、カッコいいぞ!
また、宇野駅案内所では面白い外観の自転車をレンタルできる。
この自転車も実は現代アートであり、「終点の先」と呼ばれる作品ですね。
2016年に作られた作品であり、連絡船をイメージしています。
ちなみに、この自転車は10台あるそうですよ。
ユニークな外観をした自転車で宇野港周辺をポタリング(自転車を使った散歩)するのはきっと楽しいよ。
宇野港
- 住所 岡山県玉野市築港1丁目地内
- 電話番号 0863-21-3486(玉野市観光協会)
【オブジェやアート作品の紹介】
旅を続けていると、宇野港や宇野駅周辺のような様々なオブジェやアート作品を目撃しますね。下記記事では、そんなオブジェなどについて紹介します。
まるでボルダリングの体験、観音寺にある天空の鳥居へ行こう
広昌山観音寺へ向かおう
天空の鳥居は、2020年6月に広昌山観音寺の裏庭にある巨石の上に作られた名所です。
その巨石には朱色の鳥居が立っている。
写真を撮って拡大してみると、やはり天空の鳥居です。
目の前に見えた巨石を目指して路地裏を進んでいると、広昌山観音寺へ到着しました。
観音寺は、天狗山(広昌山)の麓にある日蓮宗寺院です。優生観世音菩薩を祀っています。
境内はこじんまりしていて、それほど広くはありませんね。境内にあった立札には、天空の鳥居へ向かうに当たり注意事項が書いてあるので、よ~く、確認するように。
読んで見ると、鳥居までの道中は大変滑りやすいため足元に注意が必要ということ。
また、道中の判断や行動により、いかなる結果・損害が発生した場合においても自己責任になります。
う~む、これはそれなりに注意が必要な場所だということが、ヒシヒシと感じ取れる。
しかし、この時点で私はそのような認識でしたが、後でその認識が甘かったことに気が付き、反省した次第です。
天空の鳥居へ登ろう
天空の鳥居へ登る入口は、境内の奥の方にあり、周りには旗が立っているため直ぐにわかります。
道はそれなりに整備されているため、歩きやすい。
また一本道であるため迷うこともないですね。
しばらく歩くと鉄柵の前へ到着しました。
どうやらイノシシの侵入防止の鉄柵のようです。
その鉄柵を開けて、中へ入る。中へ入った後は、鉄柵を閉めるのを忘れずに。
境内から約10分程度登ると天空の鳥居へ辿り着くみたい。
ゆっくりと先へ進んでいると、休憩できる場所へ到着しました。
ベンチがあったため、そのベンチに座り少し休憩します。
ここまで登ってきた道中には、特に何も問題ありません。
この休憩場所にあった掲示板には、これから向かう天空の鳥居の道中に対する注意書きが書かれています。
その掲示板を読んで、「・・・修行道、命大切、ボルダリング???」と私の頭の中に一抹の不安がよぎりました。
せっかく天空の鳥居からの景色を楽しみにして訪れたので、ここで諦めたくありません。
ということで、自分を奮い立たせ先へ進むことに。
ここから先は、周りあった石の表面に赤色の矢印が描かれていて道順を示している。
その赤矢印に従い、慎重に歩きます。
流石に修行道と言うだけあって、とても歩きづらい。
しばらく歩くと大きな岩に「ガンバレ」の文字と上矢印が描かれていました。
視線を矢印の方へ向けると、周りにある巨石の上に朱色の鳥居が立っているのを発見。
「・・・これ以上鳥居へ向かう道はない。この斜面を登るのか。だからボルダリングなのか。」
その光景を見て、先ほどの休憩場所で読んだ注意事項に納得がいきました。
四つん這いになり、恐る恐る鳥居を目指します。
足元は砂利であるため、滑りやすく、下へ落ちると冗談抜きに命がありません。
一歩一歩慎重に進む。その歩みは亀のごとし。
そして、鳥居が立っている巨石より高く登り、眼下を見渡すると、そこには玉野市の市街地と瀬戸内海を一望できる絶景が広がっていて大興奮!!
これはテンションが上がる景色ですね。
では、今度は鳥居へ向かうため慎重に下ります。
ここまで登るのに大変苦労しましたが、実は下る方がもっと大変。なぜなら足元が砂利道なのでとても滑りやすい。
ほとんど寝そべるように姿勢を低くし、体重の重い亀のごとくゆっくりと慎重に進みます。これ足を踏み外したら本当に命が危ない。なので超真剣ですよ。
そして、鳥居が立っていた巨石の近くへ到着しました。ふぅ、一時はどうなるのかと思ったぞ。
この巨石の近くには小さな脚立があり、それを使って巨石へ登り鳥居へ向かう。
鳥居が立っていた巨石の上に到着した後で、鳥居を見上げました。
約1.8m近くある木製の鳥居は、蒼天の中で良く映えます。
この鳥居の中から見渡した景色に再度興奮。
玉野市の市街地が一望できる絶景スポットですね。
遠くに見える瀬戸内海の多島美が素晴らしい♪
「我ながらよくこんな場所を上ったな」と感心しました。(汗)
巨石から降りた後は、慎重に足元を確かめながら降りて行きます。
そして、先ほどの休憩場所へ辿り着き、安堵のため息をつきました。(本当に無事で良かったです)
【標高が高いところからの絶景】
標高が高いところから見下ろすと素晴らしい絶景に出会えたりしますので、下記記事で紹介します。
天空の鳥居へ登るための注意事項
天空の鳥居から眺めた景色は素晴らしいのですが、冗談抜きに命がけです。
はっきり言って、この天空の鳥居は軽装でくる場所ではありません。
しっかりとした装備(軍手や長袖の服、長ズボン、滑り止めが付いた靴など)をしていないと本当に命の危険があります。
また、小さな子供や足腰の弱い老人にはかなり厳しい場所です。休憩場所までは全く大したことはないのですが、その先の修行道は大変でした。
広昌山観音寺(天空の鳥居)
- 住所 岡山県玉野市築港3丁目14-20
- 電話番号 0863-21-4485(広昌山観音寺)
- 拝観時間 8:00~18:00
- 定休日 無休
玉野市の地名の由来となった玉比咩神社
玉比咩神社の伝承
「玉比咩神社」(たまひめじんじゃ)には不思議な伝承が残されているそうな。
それは、ある夜に玉比咩神社の御神体から3つの火の玉が飛び出したところから始まります。
それぞれの火の玉は、龍神が棲むと言われている臥龍山、旧備前国きっての観音霊場であった西大寺、瀬戸内市の牛窓地区へ飛んだという。聖なる地へ火の玉が飛んで行ったと言うことで、この御神体はこの世の物ではない神聖な物として受け止められたそうですよ。
近年、この御神体はその神秘性からパワースポットとして知られるようになりました。
玉比咩神社へ参拝しよう
玉比咩神社は、玉野市玉地区のお店や住宅地が立ち並ぶ道路沿いにあるため、アクセスが非常に良いですね。
鳥居の前は直ぐ道路なので気を付けよう。(それなりに車の往来があります)
鳥居の奥には、石畳みの道が拝殿まで続いており、その上をゆっくりと歩いて拝殿へ向かいます。
境内を歩いていると、目の前には御神体である巨石が良く見える。
神聖な雰囲気が漂う境内を歩いて拝殿の前へ立ち止まり、願いを込めてお祈りをしました。
この神社のご祭神は豊玉姫命(とよたまひめのみこと)であり、竜宮城伝説に登場する乙姫様です。
うん、これは歴史ロマンを感じずにいられません。
ご利益は開運全般や安産、子授け、合格祈願、勉強運などがあります。
【神社仏閣の紹介】
旅を続けていると様々な神社仏閣へ訪れますので、下記記事で紹介します。
玉比咩神社の御神体のパワーを頂こう
拝殿へ参拝し終わった後は、御神体へ向かいましょう。
玉比咩神社は御神体である立石にちなんで立石神社とも呼ばれているそうですよ。
御神体へ近づくとその巨大さがより露わになりました。
こちらを見て下さい。なんと見事な立石でしょうか。この岩は玉石とも呼ばれ、玉野市の地名の由来となりました。
万葉集には「ぬばたまの夜は明けぬらし玉の浦にあさりする鶴鳴き渡るなり」と詠まれていて、玉野の地はその昔は「玉の浦」と呼ばれていたそうです。「玉の浦」の「玉」は、この立石の外観から取られたようですね。
昔はこの立石はもう少し丸みを帯びていたと伝えられています。かつてこの辺り一帯は入り江であったため、海水で多少浸食されていたかも知れませんね。
また、立石は海の中から立っていたため、とても珍しい物でした。そのため、船で人々はここへ訪れたそうです。
この御神体の周りは濠が掘られていますが、石橋が設置されているため近づける。
ということで、御神体に直接手で触れて目を閉じて願いを掛けます。
すると、手のひらからパワーを頂いたような感じがしました。さすがはパワースポットですね。
玉比咩神社
- 住所 岡山県玉野市玉5-1-17
- 電話番号 0863-31-6805(玉比咩神社)
まとめ
今回本記事で紹介したのは、岡山県玉野市にある「宇野港周辺のアート作品、天空の鳥居、玉比咩神社」の3つのスポットです。
宇野港周辺には、たくさんの見所がありますので、もし玉野市へ訪れる機会があれば立ち寄ってみて下さいね。
ただし、天空の鳥居へ登る場合は、命に関わるのでしっかりと準備を整えましょう。「とりあえず登ってみるか」のような軽いノリで登るところではありません。
【サイクリストの管理人からの一言】
自転車で散歩のようにゆっくりと宇野港周辺を見て周ってみませんか。下記記事では、自転車でゆっくり周ることの素晴らしさについて紹介します。