広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ世界的に有名なサイクリストの聖地こと「しまなみ海道」。
そのしまなみ海道が通る生口島には、西の日光と呼び声が高い絢爛豪華な博物館があることをご存じですか。
その博物館は、耕三寺博物館と呼ばれており、特に白亜の大理石が敷き詰められた庭園は、インスタ映えのビュースポットとして認知されていますね。
本記事では、大理石庭園こと「未来心の丘」を中心に耕三寺博物館を紹介します。
耕三寺博物館とは
耕三寺博物館は、1953年(昭和28年)に耕三寺家の美術コレクションを公開するため、国の登録博物館として開館しました。
日本の古建築を模して建てられ堂塔の建築美は一見の価値があり、その煌びやかさから「西の日光」と呼び声が高いです。
また、本堂や多宝塔など多くの建築物が国の登録有形文化財に指定されている点も見逃せません。
特に「未来心の丘」と呼ばれている大理石庭園の風景の美しさは訪れる人々を魅了するでしょう。
【博物館・資料館の紹介】
旅先では色々な博物館や資料館などへ立ち寄りますので、下記記事で紹介します。
未来心の丘を堪能、インスタ映えする白亜の大理石庭園
耕三寺博物館を訪れたら是非立ち寄って欲しいビュースポットが「未来心の丘」です。
未来心の丘は、山門から入って一番奥に当たる本堂の裏手にあります。
この丘がある方向へ歩いていると、こちらの案内石を発見。更に奥の方へ歩いて行きましょう。
すると、未来心の丘の入口へ辿り着きました。
階段の近くはエレベーターがありますね。
しかし、できれば階段を上って、白亜の大理石で造られた遊歩道を歩くことをおすすめします。
普段滅多にお目にかかることができない大理石の遊歩道を歩かないのは実に勿体ないです。
丘までの距離はそれほど長くはありませんので、ゆっくり周りの景観を楽しみながら歩いて行きましょう。
しばらく歩いていると、目の前には、大理石で埋め尽くされた美しい庭園の姿が現われました。
未来心の丘は、5,000平方メートルにもおよぶ広い敷地内に、白い大理石が敷き詰められた庭園です。
使われている大理石は、何と約3,000トンにものぼり、園内には大小様々なモニュメントが造られていますね。
この丘は、イタリアで活躍されている彫刻家の杭谷一東(くえたにいっとう) 氏が家族愛をテーマに設計・製作した物です。
杭谷氏が大理石一つ一つと対話しながら、自然との調和を大事にして創造した壮大で美しい庭園は、訪れる人々の心を魅了します。
未来心の丘で使用されている大理石は、杭谷氏のアトリエがあるイタリアのカッラーラで全て採掘したそうだよ。
未来心の丘へ設置されているモニュメントは、仏の世界を守護する十二天(じゅうにてん)を表現しています。こちらは「未来からの炎」と呼ばれている作品です。
東南方を護る「火天(かてん)」の炎を表現したモニュメントですね。
こちらは「風の四季」と言う作品で、西北方を護る「風天(ふうてん)」の屏風を表現しています。
この屏風は4枚に分かれており、それぞれは春夏秋冬を表現しているそうですが、わかりますか。
この屏風には穴が空いており、顔ハメができるので記念撮影にどうぞ。
こちらの作品は「白獅子の塔」です。南西方を護る「羅刹天(らせつてん)」 が乗る獅子を表現していますね。
この塔の手前側にある大理石が少し傾いていますね。実はこの大理石の上に乗って、滑り台として遊べます。
未来心の丘の作品は、鑑賞だけでなく直接触れて遊ぶことができるのも人気の秘密です。
純白の大理石の階段を上った先に見えるのは「光明の塔」です。
この塔は未来心の丘のシンボル的な存在であり、中心部の一番高いところに設置されています。
塔まで辿り着くと、瀬戸田の風景が一望できるビュースポットになっており、遠くには瀬戸内海が見渡せますね。
また、白亜の大理石庭園の全景が広がっており、まるでギリシャのサントリーニ島を思わせる異国情緒あふれる景色を堪能できます。
この丘ではカフェが営業していますので、カフェで休憩して一息つくのも良いですね。
未来心の丘にあるカフェは「カフェクオーレ」と言う名前だよ。バケットサンドやシャーベット、ブラッドオレンジジュースなどを頂けるね。
未来心の丘を隅々まで散策して、白亜の造形美を余すことなく堪能しましょう。
驚きの建築美、耕三寺博物館を見て周ろう
龍と波と狛犬の浮彫が目立つ山門
耕三寺博物館の入口にある山門からして、その独特の景観に驚きを禁じ得ません。
こちらの写真を見て下さい。あまりの華やかさに敷地内へ入る前から圧倒されそうです。
山門の奥には、飛鳥時代の建築様式であるエンタシスの特徴を忠実に再現した中門が見て取れます。
山門の扉を良く見てみると、龍と波の浮彫の意匠が素晴らしいですね。この他にも狛犬の浮彫もありました。
この山門は、京都御所「紫宸殿の御門(白木造り)」と同じ様式で造られているそうです。
また、山門及び中門は、国の登録有形文化財に指定されています。
絢爛豪華な孝養門
耕三寺博物館のシンボル的な建物と言えば、日光東照宮の陽明門を模して造られた「孝養(こうよう)門」でしょう。
孝養門の建立は大変な苦労が伴いました。
この大事業を推進するためには、日光陽明門の実測図面を得るために文部省と交渉して図面の入手から始まり、更に工匠たちを日光へ派遣して実地見学を行なった末、約10年かけて1964年(昭和39年)に完成させた次第です。
そのため、孝養門の寸法、木組みなどは陽明門と同じになっています。
しかし、陽明門とは異なる部分もあり、彫刻や金具、彩色などは仏教様式や昭和を代表する彫刻家の作品を取り入れ、陽明門に比肩する豪華な極彩色の門を誕生させました。
煌びやかな飾りや文様に目がチカチカします。(笑)
龍の彫り物には躍動感があり、今にも飛び立ちそうですね。
きっと、門のてっぺんにはおわす風神様(又は雷神様?)が護ってくれているのでしょう。
この孝養門を見続けていると、まるで極楽浄土に迷い込んだような雰囲気に包まれてしまいますね。
平等院鳳凰堂をモデルにした本堂
耕三寺博物館の本堂は、京都宇治の平等院鳳凰堂を原型とし、約9年の歳月をかけて1940年(昭和15年)に建立しました。
平等院鳳凰堂と言えば、10円玉の表面に描かれており馴染み深いですね。
硬貨の表・裏は、法律上では特に決められていないよ。しかし、造幣局で作業する必要性から年銘(発行年)のある側を「裏」としているそうだね。
大屋根の両端には、銀色の鳳凰が羽ばたいており、左右対称形になっている翼廊が見て取れます。
また、極彩色を施した見た目は原作より一段と華やかですね。
この本堂は、国の登録有形文化財に指定されています。
【神社仏閣の紹介(その1)】
旅先では様々な神社仏閣へ訪れ参拝していきますね。下記記事では、旅先で訪れた神社仏閣を紹介します。
凛とした佇まいの五重塔
境内には、凛とした雰囲気をまとった五重塔が見て取れます。
この塔は、国宝である奈良の室生寺五重塔を原作として比較的忠実に再現されました。
しかし、内部の心柱は鋼管を使用しており、昭和時代の技術を反映しています。
また、基壇の高欄や初重の柱の仏像の浮彫など外観上は当寺の特色をだしていますね。
救世観音大尊像のオーラに触れてみよう
台座などを含むと総高さが15mに達する救世観音大尊像です。
奈良法隆寺の夢殿のご本尊である秘仏救世観音を手本として作られました。
この観音像の基礎は、鉄筋コンクリートで固めており、その基礎の上に鉄心を組み、コンクリートと漆喰を併用し肉付けした上に塗装して作っています。
是非、観音様を仰ぎ見て祈りを捧げてみませんか。
観音様のオーラを感じ取ることができるかも知れません。
【神社仏閣の紹介(その2)】
旅先で訪れた神社仏閣を、下記記事で紹介します。
耕三寺博物館の基本情報とアクセス
住所 | 広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田553-2 |
電話番号 | 0845-27-0800 |
営業時間 | 9:00~17:00(潮聲閣のみ 10:00~16:00) |
定休日 | 無休 |
料金は以下になります。
- 大人1,400円(10名以上の団体で一人当たり1,200円)
- 大学生1,000円(10名以上の団体で一人当たり800円)
- 高校生800円(10名以上の団体で一人当たり600円)
- 中・小校生以下は無料
- シニア(65歳以上)1,200円(10名以上の団体で一人当たり1,000円)
- 障害者手帳などをご提示の方とその介護者1名は、個人料金の半額で入館可能
- 書院潮聲閣は、現地で別途入館料が必要(大人・小人200円)
【アクセス】
- JR尾道駅からタクシーで約40分
- 生口島北ICより車で約13分
耕三寺博物館の駐車場
耕三寺博物館と平山郁夫美術館が共用する無料駐車場があります。(普通車:約40台)
まとめ
西の日光と呼ばれている耕三寺博物館の豪華絢爛な建築物には、目を張る物があります。
また、白一色に統一された大理石庭園である未来心の丘は、絶対に立ち寄りたいビュースポットです。
瀬戸内海に浮かぶ生口島へ訪れたら是非、耕三寺博物館へ立ち寄ってみて下さい。
きっとその煌びやかな光景は、この先ずっと記憶に残るでしょう。
【しまなみ海道をサイクリング】
しまなみ海道をサイクリングしながら、耕三寺博物館へ訪れてみませんか。下記記事では、しまなみ海道について紹介します。