E-Bikeに乗って100km以上のサイクリングへ出かけた際、気になるのがバッテリー切れの心配ですね。
E-Bikeは、モデル毎に一充電当たりの走行距離は公表されているので、参考にするのが一般的ですが、本当にその値を鵜呑みにして大丈夫なのだろうか。
結論からいえば、あくまで参考値として考えた方が無難ですよ。
実際のサイクリングでは、アップダウンの頻度や気温や風向きなど様々な要素が絡み合い、バッテリーの消耗は変化するもの。そのため、必ずしもカタログスペック通りにはなりません。
そこで、E-Bikeではバッテリーを消耗させない走り方が大事になる。さらにバッテリーの扱い方しだいでは、長持ちするものだ。
本記事では、E-Bikeでバッテリー切れを起こさずに長距離を走りぬく秘訣を説明します。
E-Bikeのバッテリーをできるだけ切らさずに長距離を走る方法
日本国内で販売される全てのE-Bikeは、日本独自のアシスト規制が適合されています。
その規制とは、時速10km未満であればアシスト力は最大2倍となり、時速10~24km未満になると、速度が上がるにつれアシスト比率が徐々に低下する。
そして、時速24km以上になれば、アシスト比率がゼロになる仕組みですね。この仕組みにより、国内のE-Bikeは高速走行の方が、低速走行と比べてバッテリーは消耗しません。
つまり、ずっと高速移動をすれば、バッテリーの消耗は少なくなり、理屈上では100kmを走破しても思ったほどバッテリーが減らないことが分かるだろう。
まぁ、これはあくまで理屈上でのお話ですよ。
サイクリングをするならば、ゆっくりと走りながら景色を眺めたいと思う瞬間があります。
それは、目が覚めるような美しいシーサイドロードや燃えるような紅葉、情緒ある町並みなどがあり、そのような景観は、目に焼き付けておきたいものだ。
それに、人通りが多いところでは、徐行するのが当たり前なので、低速走行する機会はそれなりに多いですね。
特に100km以上の長距離サイクリングとなると、このような機会に恵まれます。
実際、スピードの強弱でバッテリーの消耗を考えながら走っている人なんて稀でしょう。それよりもコース上に坂道がどれくらいあるものなのかを気にする人が多い思う。というのは、坂道を上るときがバッテリーの消耗が大きいからですね。
そこで、長距離サイクリングでも普通に走りながら、バッテリーをできるだけ切らさない方法を以下にまとめました。
- アシスト力が弱いモードを活用する
- 重い荷物はできるだけ運ばない
- できるだけ平坦の舗装路を走る
- ストップ・アンド・ゴーが少ないコースを走る
それぞれについて説明します。
アシスト力が弱いモードを活用する
E-Bikeのモデルにもよりますが、一般的にはアシストの強弱をスイッチで操作できるようになっています。
アシストを強くするほどパワフルな走りとなり、勾配が10%を越えるような坂道でも鼻歌交じりで颯爽と駆け上れるようになる。平地では、力強い走りに感動するでしょう。
だからといって、ずっとアシストを強めたままでいると、バッテリーの消耗が激しすぎます。
短距離であればそれでもかまわないのですが、長距離走行となると、そのような走りでは途中でバッテリーが切れかねません。
そこで、普段はアシスト力を弱めにしておき、急坂などここぞという時のみアシストを強くする使い方がベストです。
ここで1つ注意したいのは、バッテリーの消耗をあれこれ考えすぎて、急坂でもアシストを使わないのは本末転倒ですよ。アシストを使わなければ、反対に脚力を使う羽目になり、かえって体力の消耗が大きくなります。
また、下り坂では、時速24kmを越えるスピードが出る機会が多いですね。なので、アシストを切らなくても仕組み上バッテリーは消耗されないので、意識してアシストを切らなくても大丈夫です。
重い荷物はできるだけ運ばない
E-Bikeは重い荷物を載せて走るのに適しているため、普段のサイクリングだけでなく自転車旅でも活躍します。
だからといって、荷物をたくさん載せ過ぎて走ると、走行距離次第ではバッテリーが切れてしまう可能性がある。これは、自転車の発進時に荷物が重いと、荷物がない時と比べてバッテリーの消耗が大きいからですね。
短中距離程度であれば、私の経験上それほど気にしなくても大丈夫でしたが、100km以上の長距離を走るのであれば気にしておいた方が無難です。
昔何かの雑誌などで読んだのですが、車種しだいでは5kgほど荷物が増えると、3%ほど航続距離が減少するという記述がありました。
つまり、荷物が30kgとなれば9%も航続距離が短くなり、100km走れるバッテリーならば91kmまで走行距離が短くなるということ。意外に影響が大きいですね。
【荷物を載せるバッグの紹介】
自転車に荷物をのせるには、サドルバッグやフレームバッグなど様々なバッグを活用することが多い。下記記事では、そのようなバッグを紹介します。
できるだけ平坦の舗装路を走る
サイクリングのコースを考える際、できるだけ平坦の舗装路を走るように考えよう。そうしたほうが、バッテリーの消耗を抑えれます。
坂道は平地に比べて積極的にアシストが使われ、勾配が大きくなるほどアシストの力を顕著に感じるだろう。そのおかげで、スイスイと坂道を駆け上れるのですが、バッテリーの消耗は激しいですよ。
また、道の勾配だけでなく、路面状況でも影響を受けます。たとえば、林道のように路面が柔らかい未舗装路を走ると、舗装路と比べてアシストが使われるので、バッテリーの消耗がしやすいです。
一概にはいえませんが、未舗装路の走行距離は、舗装路の走行距離と比べて半分程度になることも十分あり得ます。
ストップ・アンド・ゴーが少ないコースを走る
E-Bikeのバッテリーが一番使われるタイミングは発進時です。実際、発進時の力強いアシストのおかげで、スムーズに走ります。
町中など信号が多いところを走ると、ストップ・アンド・ゴーの頻度が多くなり、比較的バッテリーが消耗されてしまう。だからといって、無理にストップ・アンド・ゴーの頻度を減らすのは、個人的には賛成できないですね。
ストップ・アンド・ゴーというのは、必要に応じてするものなので、それを制限するのはかえってストレスが溜まるものだ。
そこで、どうしても気になるのであれば、ストップ・アンド・ゴーの少ないサイクリングロードのようなコースを積極的に走るようにしましょう。
E-Bikeの胆となるバッテリーを長持ちさせる秘訣
E-Bikeのバッテリーは何度も充電して使えますが、永遠という訳ではありません。一概にはいえませんが、だいたい700~900回で3~4年を目安に寿命を迎えます。
もし全然使っていないので、まだ使えると思っていたらそれは大間違いですよ。たとえ使っていなくても劣化は進むものです。
バッテリーの減りが早く感じてきたら、それは寿命を迎えるサイン。スルーしてそのまま使い続けていると、思わぬ故障の原因になりかねません。なので、新しいバッテリーに交換するのが無難です。
バッテリーは、扱い方しだいで寿命が長くなったり短くなったりしますので、長持ちさせる秘訣について以下にまとめました。
- 充電は過充電を避け適切なタイミングで行なう
- 直射日光が長時間当たる場所には置かない
- 電池の残量を常に空にしない
それぞれについて説明します。
充電は過充電を避け適切なタイミングで行なう
E-Bikeのバッテリーには、主に「リチウムイオン電池」と「ニッケル水素電池」の2つがあり、リチウムイオン電池が主流です。
ニッケル水素電池はメモリー効果があるため、電池の残量がまだ全然ある状態では、何度も充電を繰り返していると、最大容量が低下する恐れがあるので気を付けたい。
なので、リチウムイオン電池がおすすめです。この電池は、メモリー効果がなく小型軽量タイプなので扱いやすいですね。
どのバッテリーでもいえますが、充電が終わっていてもそのままずっと充電器につないでおくのはやめよう。
というのは、過充電はバッテリーに大きな負荷をかけるため、寿命を縮める原因となる。充電完了後には、速やかにバッテリーを充電器から外して下さいね。
また、充電は適切なタイミングで行なうこと。目安としては、充電の残量が40~60%を下回ってきたタイミングで充電するとよいでしょう。
直射日光が長時間当たる場所には置かない
バッテリーというのは、高音・低温、多湿の環境に弱く、そのような場所で充電していると、バッテリーの劣化や充電できないといった問題が起こり得ます。
それだけでなく、最悪は発火事故が起きる原因になるので、絶対に注意するように。
これは充電作業だけでなく、バッテリーを保管する際にもいえること。トラブルを避けるためにもバッテリーが苦手とする環境では、作業や保管は行わないように心がけて下さいね。
バッテリーの保管場所は、約15~25度の室内で直射日光が当たらない場所が適切です。
E-Bikeを長期間使わない場合はバッテリーを取り外し、予備バッテリーも含めて、そのような場所へ保管しましょう。
電池の残量を常に空にしない
E-Bikeで主流で使われるリチウムイオン電池は、残量がゼロになると電圧が急激に下がる特徴があります。
その状態のまま放置していると、バッテリーの劣化するスピードが加速する原因となり、寿命が短くなるのが欠点ですね。
なので、常に残量をキープしておくのが大事。バッテリーの残量は、40~60%を目安に維持しておきたい。先ほども触れましたが、目安を下回ってきたタイミングで充電するのが無難です。
たとえ長期間使わない場合でも、定期的にバッテリーの残量を確認して、保管中でも残量がゼロにならないように気を付けて下さいね。
E-Bikeはバッテリーが切れても普通に走れる
「E-Bikeはバッテリーが切れると、走りが重くなる」と思っている方は、それなりに多いのではないだろうか。
実はそんなことなく、普通に走れます。そもそも国内のE-Bikeは仕様上、時速24km以上になると、アシスト比率がゼロになるので、バッテリーが切れた状態となにも変わりません。
確かにアシストを受けた状態と比較すれば重く感じますが、それは当たり前でしょう。また、軽量なロードバイクのようなスポーツ向け自転車と比べると、重量がある分走りに重さを感じますね。
そもそもE-Bikeは、スポーツ向けの自転車にバッテリーを搭載した自転車です。アシストがなくても基本性能は高いですよ。
平坦路であれば、漕ぎ出しに少し重さを感じますが、スピードが乗ってくるとあまり気にならなくなる。けれど、坂道は重量があるため走りが重いですね。
全体的にみれば、バッテリーがなくてもそれなりに走れるため、バッテリー切れに対して必要以上に恐れを抱く必要はありません。
いざという時に備えて予備バッテリーを用意しておく
最近のE-Bikeは、普通に100km以上走れるモデルが多く、短中距離をメインに走るのであれば、あまりバッテリー切れを心配する必要はないです。
もし100km以上のロングライドに挑戦し、峠や山道を走る機会が多いのであれば、万が一に備えて予備バッテリーを準備しておきたい。
具体的には、E-Bikeにフロントバッグやサイドバッグなどを取り付けて、バッグに予備バッテリーを入れておこう。
特に劇坂が続くのであれば、アシスト力は常に強めに設定することが多いので、予想以上にバッテリーの減りが早くなる。予備バッテリーが「ある」のと「ない」のでは、精神的な安心感が全然違います。
また、ロードサービスを受けられる自転車保険へ加入していれば、いざという時に安心して対応してもらえますね。
まとめ
本記事では、E-Bikeでバッテリー切れを起こさずに長距離を走りぬく方法を説明しました。
最後にもう一度、その方法を以下にまとめます。
- アシスト力が弱いモードを活用する
- 重い荷物はできるだけ運ばない
- できるだけ平坦の舗装路を走る
- ストップ・アンド・ゴーが少ないコースを走る
このような走り方を徹底することでバッテリーの消耗を抑えられるので、最後までバッテリー切れを起こさない確率を上げれます。
また、バッテリーは普段の扱い方しだいにより、寿命が短くなるので気を付けよう。
最悪、走行中にバッテリーが切れたとしても走ること自体はできるので、慌てる必要はありません。
特に坂道を上る時はバッテリーの消耗が大きくなるので、100km以上の長距離サイクリングでは、平坦路を中心に走るのをおすすめします。