SONYが販売する高級コンデジで有名なのが、cyber-shot RX100シリーズです。
このシリーズの原点といえる「RX100」は、シリーズの中でも最もシンプルであり、今でも十分現役で使えるカメラですね。
このRX100初代をベースに、様々な機能が施され、飛躍的に性能アップしたのが、2023年時点で最新機種「RX100M7」になります。
スナップ撮影が中心であるならば、高画質なRX100初代は、その力を十分に発揮しますよ。
近年、高級コンデジは10万円を越える高額なものが多く、優れた性能を誇りますが、購入するのには二の足を踏む人も多いでしょう。
本記事では、安価な高級コンデジが欲しい人に向けて、RX100初代の優れたところや物足りないと思うところについて説明します。
RX100初代とは
RX100初代は「1型の高画質が、ついに手のひらに」をコンセプトに誕生し、2012年6月15日に販売され既に10年以上経ちました。
通常、カメラなどの家電品は、モデルチェンジがされると、その前の機種は販売終了となることが多いのですが、RX100シリーズに関しては、新製品が販売されても前機種を販売し続けるといった珍しい売り方をしています。
残念ながら2021年に生産中止となりましたが、発売から9年に渡り生産されてきた人気機種であり、今でも根強い人気を誇っています。
今では、店頭で在庫があれば購入できますが、主にインターネットを使ってAmazonや楽天市場などで購入できますね。
RX100初代のポイントは、以下の通りです。
- 大型の1型センサーを搭載
- F1.8の大口径カールツァイス「バリオ・ゾナーT」レンズを搭載
- 撮影機能はミラーレス一眼と同等
- 持ち運びしやすいコンパクトサイズ
また、写真だけでなく動画も撮れますよ。4Kは無理ですが、フルハイビジョンの1,920×1,080/60pの動画を撮れるので、記録用にちょっとした動画を撮りたいならば十分でしょう。
今の時代でも十分通用するその性能は、スナップ撮影に最も力を発揮します。
スナップ撮影中心なら十分現役で使える
RX100初代は、最新機種のRX100M7(RX100M7のレビュー記事はこちら)と比較すると、性能的に色々と劣るところが見られるのは仕方がありません。それでも、スナップ撮影を中心にするならば、今でも十分使えるカメラです。
ハッキリいえば、今時のカメラと比較すればAFは遅いし、液晶は固定、それにファインダーもない。でも目で見た物を撮影するには、それらの機能がなくても写真は撮れますね。
今のカメラは、色々な機能がてんこ盛りで、全ての機能を使いこなせていない方も多いでしょう。その点、RX100初代は「シンプル イズ ベスト」を体現したようなカメラですよ。被写体にカメラを向けて、シャッターを切るだけで、高画質な写真が撮れます。
つまり、RX100初代は、以下の条件を満たす方に向いているカメラですね。
- 手軽に綺麗な写真を撮りたい
- コンパクトで持ち運びが簡単なカメラが欲しい
これらの条件は、実はRX100初代だけでなく、RX100シリーズ全てに当てはまるのですが、安価な高級コンデジが欲しい方は、RX100初代を検討してみる価値は十分あります。
普段の日常生活や旅行先で、面白いと感じた瞬間にポケットに忍ばせていたRX100初代をサッと取り出して、直ぐに撮影するスナップ撮影にピッタリ。
そんな使い方がとても似合うカメラが、RX100初代から脈々と受け継がれているRX100シリーズの特徴です。
ここが良い!RX100初代の優れたところ
RX100初代の優れたところを、以下にまとめました。
- 高級コンデジの中でもかなり安価
- 画質がよくズーム性能も良好
- 明るいレンズを搭載している
- 手のひらサイズなので持ち運びがしやすい
それぞれについて説明します。
高級コンデジの中でもかなり安価
10万円を越える高級コンデジが珍しくない中、RX100初代は新品でも3万円代で購入できます。
私の記憶では、発売当初は6万5千円でした。すでに10年以上も経過して、次々に性能がアップした新機種が発売されれば、安価になるのは分かりますが、それでも3万円代で1型センサーの高級コンデジが買えるのは魅力的です。
初めて高級コンデジを購入しようと思っている方にとって、十分手が届くお値段です。
また、既にメインカメラを持っている方でも、サブカメラとして使えるスペックがあります。(スペックについては後述します。)
【カメラに関する話】
カメラに関係する様々な話を、下記記事で紹介します。
画質がよくズーム性能も良好
RX100初代だけでなく、RX100シリーズは全て大型の1型センサーを搭載しています。一般的なコンデジでは、1/1.7型や1/2.3型というセンサーサイズであり、それと比べると約2.8~4倍の大きなサイズですね。
このセンサーサイズが大きいほど、カメラは光を取り込むので、黒つぶれや白とびが発生しにくい色の階調も豊かな綺麗な写真が撮れます。
それにRX100初代は、有効画素数が2020万画素もあるため、プリントも心配ありません。
また、レンズの焦点距離は28ー100mmであり、広角のスナップに適している画角です。更に光学ズームは3.7倍ですので、スナップ撮影ではほとんどのシーンで活用できます。もちろん手ぶれ補正も優秀ですよ。
それに全画素超解像ズームを使えば、ある程度の画質低下はまぬがれませんが、7.2倍までのズームが可能です。
スマホはズーム性能に弱く、ズームすると画質の低下につながる場合が多いですね。その点、光学ズームができるコンデジはその点で優位に立ちます。
明るいレンズを搭載している
RX100初代には、ZEISS(ツァイス)レンズが搭載されており、F1.8~F4.9の明るいレンズを採用。特筆すべきはF1.8が使えること。最新のRX100M7はF2.8なので、それと比べて2.42倍の明るさを誇ります。
そのため、暗いところでも描写性能がよいので、室内でも十分撮影できますね。
また、ZEISSのレンズなので、描写性能もコンデジにしては十分すぎますし、むしろ一眼レフに匹敵しているといえるかも。立体感やボケ味の表現ができるので、撮影の幅が広がります。
手のひらサイズなので持ち運びに優れる
RX100初代に限らずRX100シリーズの全ては、コンパクトサイズなため持ち運びがしやすいです。
先ほども触れましたが、ポケットに忍ばせておいて、撮りたい瞬間にサッと取り出し、撮影する使い方ができます。
人にもよりますが、カメラを持ち運ぶというストレスから解放されるのは、快適そのもの。そういう意味でもコンパクトサイズというのは、極めて重要な要素でしょう。
RX100初代が物足りないと思うところ
RX100初代をスナップ撮影で使っていて、物足りないところについて説明します。
まずは、ファインダーがついていないため、逆光時などでは液晶パネルが見えにくいです。普段からファインダーで撮影することに慣れている人には、残念に感じるかも。
ちなみにRX100シリーズでファインダーが付いたのは、RX100M3以降ですよ。
特に私が気になったのは、一枚撮りで一度シャッターを切って次に撮影するときに、ツーテンポやスリーテンポ遅れて撮影が可能になるところですね。
これはRX100M7との比較になるのですが、RX100M7は次々にシャッターが切れていたので、かなり気になりました。
けれど、RX100初代のシャッター感覚に慣れてしまえば、問題ないでしょう。
その他には人にもよりますが、Wi-FiやBluetooth機能がないことです。これらの機能が搭載されているカメラであれば、撮影した写真をスマホへ簡単に転送できるので、SNSの投稿も容易です。
SNSに力を入れている人にとっては、かなりマイナス要因になりますね。
RX100初代を再評価した理由
私は主にRX100M7で写真を撮っていますが、ある日突然、ズームで撮影すると酷い白とびが発生する謎の現象がおきてしまいました。メーカーに原因を調査してもらうと、修理にはそれなりの部品交換が必要ということに。修理費用は、新品のRX100初代が2台も買えてしまいます。(シクシク)
そんな理由で、箱の中にしまっておいたRX100初代を復活させた次第です。(RX100M7はいずれ修理しますが、直ぐには難しいですね。)
久しぶりにスナップ撮影してみると、これが中々いい感じだったので、2泊3日の旅に出かけて使ってみて感触を確かめた次第です。
RX100M7と比べてしまえば、望遠性能や連射性能などに多少不満はありますが、十分使えることを再認識しました。
RX100初代のスペック表
型番 | DSC-RX100 |
発売日 | 2012年6月15日発売 |
有効画素数 | 約2020万画素 |
撮像素子 | Exmor CMOS |
センサーサイズ | 1型(1インチ) |
光学ズーム | 3.7倍 |
レンズ焦点距離 | (35mm換算)28-100mm |
レンズ開放F値 | F1.8-4.9 |
連続撮影速度 | 約10枚/秒 |
シャッタースピード | 30-1/2000秒 |
ISO感度 | ISO160-6400 拡張 ISO80/100 |
測距点 | 25点自動測距 |
撮影可能枚数 | 約330枚 |
外形寸法 | 約101.6 x 58.1 x 35.9mm |
質量(本体のみ) | 約240g |
動画記録方式 | FHD 60p |
まとめ
RX100初代は、発売から既に10年以上経過した高級コンデジですが、スナップ撮影ならば今でも十分現役で使用できますね。
最期にもう一度、RX100初代の優れたところや物足りないところを以下にまとめます。
- RX100初代の優れたところ
- 高級コンデジの中でもかなり安価であり、コストパフォーマンスが抜群によい
- 大型の1型センサーを搭載しているため画質がよく、3.7倍(焦点距離100mm相当)の光学ズームはスナップ撮影に良好
- 明るいレンズを搭載しているため、室内の撮影やボケ味の表現ができる
- 手のひらサイズなので持ち運びがしやすい
- RX100初代の物足りないところ
- ファインダーがないため、逆光時などでは液晶パネルが見えにくい
- 一枚撮りで次々に撮影したい時に、一度シャッターを切ると、次のシャッターが切れるようになるまで間がある
- Wi-FiやBluetooth機能がない
2021年に生産中止となりましたが、インターネットを使えばAmazonや楽天市場などで購入できるので、安価な高級コンデジが欲しい人は検討してみては如何でしょうか。