日本人で戦艦大和と零戦を知らない人は、あまりいないでしょう。
かつて海軍の街として栄えてきた広島県呉市には、世界最強と言われた戦艦大和の10分の1の模型を展示している「大和ミュージアム」があります。
また、このミュージアムには本物の零戦を展示しているのです。
実際に大和ミュージアムを訪れてみると、全長26.3mもある巨大な大和の模型や栄光の零戦の姿には興奮を隠せませんでした。
本記事では、かつて呉軍港で建造された戦艦大和について学べる「大和ミュージアム」を紹介します。
大和ミュージアムで大和の模型と本物の零戦を見よう
迫力ある戦艦大和の10分の1の模型
大和ミュージアムのメインの展示物と言えば、やはり戦艦大和の模型ですね。
かつて世界最強最大の戦艦であった「大和」は、全長263m、幅38.9mのスペックを誇り、もはや船と言うより「島」と言った方が良いほどの巨大さでした。
大和ミュージアムにある戦艦大和の模型は、10分の1とは言え、全長26.3mもあるため迫力満点だよ。
この大和の模型を見て下さい。驚くほど精巧に作られていますね。
大和の模型を作るのは骨が折れる仕事だったでしょう。
当時、戦艦大和は国家機密であり、敗戦直後には設計図などの多くの資料が焼却処分されたそうです。
残っていた資料や写真、潜水調査の水中映像などを元にして、できる限り本物に近づけて再現されました。
今後、新たな資料の発見や新たに判明した事実があった場合は、この大和の模型を改装する可能性があるかも。
見れば見るほど、カッコイイですね。また、カッコイイだけでなく機能美を感じます。
戦艦大和と言えばこの46cm口径の砲門ですね。世界で46cm砲が搭載された艦船は、大和と姉妹艦の武蔵だけでした。
これは、現代においても最大の艦載砲であり、最大射程は42kmもあったそうです。
残念ながら今では46cm砲を製造する技術が失われており、再現できません。
46cmの艦載砲は、ギネスブックにのっているよ。
大和の砲弾の91式徹甲弾です。重量1.46トンもあるとんでもない重さの大きな砲弾ですね。
また、喫水線下の艦首部分が丸くなっているのも特徴です。これは、球状艦首と呼ばれています。
日本で初めて球状艦首を導入した艦船が大和でした。
球状艦首は英名でバルバス・バウと呼ばれ、船の造波抵抗を打ち消すために効果があり、航行速度を高め燃費を改善する重要な要素があります。
現代の船にも球状艦首は活かされているね。
並んでいる対空砲や機銃の配置さえも美しさを感じます。
カタパルトから水上偵察機が飛び立つところでしょうか。
艦橋もカッコいいです。ここに艦長や司令官が入り大和の指揮を取っていたのですね。
まさしく大和の頭脳とも言えるところです。
そのため、艦内でもひときわ分厚い装甲が用いられていました。
大和は自艦が搭載する46cm砲に対して、20~30kmの距離が安全と言われており、当時の戦闘距離では遠距離であったため、絶対の防御力を誇ることから「浮沈艦」と呼ばれていた事もうなずけます。
大和の基準排水量は6万4千トンもあり、装甲だけでも2万トン以上あったそうです。自艦の約3割が装甲とは、まさしく鉄壁だね。
それにしても、大和の模型は迫力がありました。
個人的には、この大和の模型が海の上を航行している姿を眺めてみたいですね。
【船あれこれ】
下記記事では、戦艦大和と同じように日本を守護している船(潜水艦)の様子やクルーズ船に乗った光景などを紹介します。
大興奮!本物の零戦とご対面
大和は模型でしたが、この大和ミュージアムには本物の零戦が存在します。
大和ミュージアムで展示されている零戦は、正式名称「零式艦上戦闘機六十二型」です。
零戦には多くの派生型が存在していて、六十二型は零戦の後期バージョンに当たります。
展示されている機体は、エンジントラブルで1945年(昭和20年)8月6日に琵琶湖へ不時着した物です。
琵琶湖へ不時着して33年後の1978年に、海底に沈んでいた零戦の引き上げを行ないました。
琵琶湖は淡水のため、引き上げた零戦の復元が可能だったと思うよ。海に沈んでいたら復元は絶望的だね。
当初は京都の嵐山美術館で展示されていましたが、その後、和歌山のゼローパークで展示され、2005年から大和ミュージアムへ展示された経緯があります。
日本に現存している零戦は10機ほどと言われており、六十二型は大和ミュージアムでしか見る事ができません。
こちらは零戦の心臓部、いわゆるエンジンです。三菱重工が開発・製造しました。
航空機のエンジンを見る機会などほとんどないため、本物の零戦を見た事と合わせ大興奮!!
また、零戦が展示されていたフロアには、特殊潜航艇「海龍」も展示されていました。
この海龍も本物です。水中を航空機のように自由に航行・浮上ができる世界で初めての有翼潜水艇です。
その他には、酸素魚雷や特攻兵器「回天」の本物が展示されていました。
戦艦金剛に実際に搭載されていたヤーロー式ボイラーを見る事ができます。
1931年(昭和6年)3月に行った戦艦金剛の近代化改修の際撤去されたそうです。
普段お目にかかる事ができない貴重な兵器の数々を見学できて、有意義な時間を過ごせました。
呉の歴史、鎮守府の開庁から戦後まで
明治時代以降、海軍の街として発展してきた呉市の歴史について学べます。
ペリーの来航をきっかけにして、徳川幕府の鎖国政策は終わりを告げます。
そして、西洋の進んだ技術を導入して船を造るために海軍を創り、その拠点の一つとして呉に鎮守府がおかれました。
数十年後、太平洋戦争が始まると、日本の艦艇の建造や修理を行なうため、呉海軍工廠の役割はより重要になっていきます。
戦後、荒廃した呉市は、平和産業港湾都市を目指して復興を遂げました。
現在の呉市は、戦前から長い時間をかけて育ててきた技術と新しい技術が結びつき、世界最大のタンカーを数多く建造できる臨海工業都市として発展しています。
【博物館の紹介】
大和ミュージアムのような博物館には、旅を続けていると立ち寄ったりしますので、下記記事で紹介します。
戦艦陸奥の遺品(41センチ主砲身ほか)
大和ミュージアムの建物前には、戦艦陸奥の41cm主砲身を展示していました。
陸奥が建造された当時は世界最大の艦載砲であり、呉海軍工廠で開発された経緯があります。
41cm主砲身の隣には、戦艦陸奥に取り付けていたスクリューも展示されおり、実在した戦艦陸奥の大きさを想像して、思わず「ほぉー」と声を上げてしまいました。(笑)
また、戦艦陸奥に使われていた錨とフェアリーダーも展示されています。
フェアリーダーとは、船から出し入れするロープなどを保護するための金物ですね。
大和ができるまで戦艦陸奥は、姉妹艦の戦艦長門と供に帝国海軍の象徴として多くの国民に親しまれてきました。
艦これとコラボ、大和さんに会おう
「艦これ」8周年を記念して、2021年4月23日より、大和ミュージアムとコラボを開催していますね。
「艦これ」とは、大人気ブラウザーゲーム「艦隊これくしょん」の略称だよ。
大和ミュージアムの入口前には、艦これのキャラクター「大和さん」がお出迎えしてくれます。
館内に入ると、様々な大和さんのパネルが設置されていました。
昔、私は「艦これ」で遊んだ事がありますが、残念ながら余り大和さんは使わなかったですね。
私が使っていたキャラクターは、大和さんと同じ戦艦枠では金剛さんと榛名さんを使っていました。
大和さんは戦艦大和と同じく強いキャラクターなのですが、燃費が悪いので私の戦闘方針と合いませんでした。
キャラクターと言えば「艦これ」には関係ないですが、ポセイドンの銅像がありました。
ポセイドンは、ギリシア神話で海と地震を司る神として登場しますね。
その他には呉市のマスコットキャラクター「呉氏」がいます。
以前、YouTubeでヒット曲「CRAZY GONNA CRAZY」の替え歌「呉ー市ーGONNA呉ー市ー (クレーシーゴナクレーシー)」の プロモーションビデオ を見ましたが、呉氏とダンサーたちのキレッキレのダンスが軽快な曲と見事にマッチしており、非常に楽しめた記憶があります。
呉氏のプロモーションビデオは複数あり、今でもYouTubeで見れるよ。
豊富な品揃えの売店
大和ミュージアムの館内には売店があり、グッズや土産物を購入できます。
戦艦大和のプラモデルやフィギアがありますね。
様々な雑貨が所狭しと並べられていました。
海軍と言えば忘れてならないのが「海軍カレー」ですね。(笑)
売店から少し離れたところには、記念メダルの自動販売機がありました。
記念に1つ如何ですか。
大和ミュージアムへ訪れた記念に知人友人宛に土産物を買って帰るのも良いでしょう。
【土産物あれこれ】
旅先では土産物を買うことは良くありますね。下記記事では、旅先で目撃した土産物について紹介します。
大和ミュージアムに隣接する大和波止場へ行こう
大和ミュージアムの裏側には波止場が広がっています。
この波止場は、「大和波止場」と呼ばれており、実物大の戦艦大和の左甲板を再現した公園になっていました。(Googleマップの航空写真で見てみると、確かに左甲板に見えますね。)
海が見える方向へ歩いていくと、遠くには護衛艦が見えてきます。
護衛艦は整備中なのでしょうか。
芝生の上には犬の銅像が並んでいます。
うん、これどう言う事?(並んでいた犬の先頭です)
なるほど、先頭の犬がワープしてるのね。(並んでいた犬の最後です)
しばらく波止場を散策した後で、波止場の入口へ戻ってみると、実物の潜水調査艦「しんかい」が展示されている事に気が付きました。
「しんかい」は、戦後に初めて建造した本格的な有人深海調査艇です。
1969年に川崎重工業で建造され、翌年の1970年から海上保安庁が所有すると、1975年まで伊豆半島沖などの水深600mまで調査を行なっていました。
【公園の紹介】
大和波止場のように旅先では、様々な公園へ立ち寄りますので、下記記事で紹介します。
大和ミュージアムの基本情報とアクセス
住所 | 広島県呉市宝町5番20号 |
電話番号 | 0823-25-3017 |
営業時間 | 9:00~18:00(入館は17:30まで) |
休館日 | 火曜日(火曜日が祝日の場合は翌日休業) 4/29〜5/5、7/21〜8/31、12/29〜1/3は無休 |
料金 | 【個人料金】 一般(大学生以上)500円、高校生300円、小中学生200円 【団体料金(20名以上)】 一般(大学生以上)400円、高校生200円、小中学生100円 未就学の幼児は無料です。 |
呉市内に在住在学の高校生以下の人や呉市いきいきパス「敬老」をお持ちの人などは無料です。全額無料の対象になる人については、大和ミュージアムのホームページでご確認下さい。
【アクセス】
- JR呉駅から徒歩5分(広島空港からエアポートバス「呉広島空港線」に乗って呉駅まで約58分)
- 呉ICから車で約5分(距離は約2km)
- 呉中央桟橋から徒歩1分
大和ミュージアムの駐車場
大和ミュージアムの周辺には有料駐車場があります。
駐車場名 | 収容台数 | 料金 | 備考 |
---|---|---|---|
大和ミュージアム駐車場 | 67台 | 1時間100円 | 24時間営業、車両制限有り(長さ5m以下、幅2m以下、高さ2.1m以下、重量2t以下まで)、67台の内2台は身障者用スペース |
マリンビル3号館 | 220台 | 30分100円(最大料金600円) | 営業時間は7:00~24:00(24:00以降、翌日7:00まで入出庫できません)、車両制限有り(高さ2.1m未満、重量2t未満まで) |
中央桟橋ターミナル駐車場 | 27台 | 最初の30分は無料、30分を超え60分までは100円で、その後30分ごとに100円追加。(24時間まで最大1,200円) | 車両制限有り(車長5m以上または車幅2m以上は駐車禁止) |
まとめ
大和ミュージアムでは、呉市の歴史や戦艦大和について学ぶことができます。
メイン展示物である戦艦大和の10の1の模型は、精巧に作られており、全長26.3mもあるため大変迫力を感じました。
また、本物の零戦を見ることができる日本国内で数少ないスポットです。
広島県呉市へ訪れる機会があれば、是非、大和ミュージアムへ立ち寄ってみて下さい。
貴重な体験ができるでしょう。
【旅に役立つアイテムやサービスの紹介】
旅先で役立つ様々なアイテムやサービスを、下記記事で紹介します。