約700以上の島々が織りなす多島美が有名な瀬戸内海ですが、「海道」と呼ばれる7つの絶景ロードが整備されており、多くのサイクリストが訪れます。
世界的に有名な「しまなみ海道」を始め、裏しまなみの異名を持つ「とびしま海道」や「はまかぜ海道」など穏やかで美しい瀬戸内海を眺めながらサイクリングへ出かけましょう。
海道が整備されている島々には、美麗な橋が架かり、島旅を漫喫できますね。
時間が許す限り、自転車と一緒に瀬戸内の海道を走り、一生に残る旅の思い出を作ってみませんか。
本記事では、瀬戸内海周辺に位置する7つの海道の魅力を紹介し、サイクリングの楽しさを学べます。
瀬戸内海の7つの海道とは
瀬戸内海周辺の7つの海道は、広島県と愛媛県に所属しており、それぞれ違った魅力があります。
全ての海道にいえますが、潮風を感じながら瀬戸内海の絶景ロードを自転車で走るだけでも満足度が高いですよ。
それに加えて、道中には魅力的な観光スポットが目白押し。そんな観光スポットへ立ち寄れば、より楽しさが何倍にも膨れ上がるでしょう。
ご当地の歴史や文化、飲食、特産品などにぜひ触れてみて下さい。サイクリング前に感じていた海道の憧れが、好きに変わり、何度でも足を運ぶようになるに違いありません。
そんな素敵な7つの海道を以下にまとめました。
それぞれの海道について紹介します。
しまなみ海道
しまなみ海道は、サイクリストの聖地と呼ばれ、毎年世界中から多くのサイクリストが訪れる絶景ロードとして知られています。
サイクリストでなくても、しまなみ海道の名前を知っている方は多く、抜群の知名度ですね。
本州の広島県尾道市から四国の今治市の間にある6つの大小様々な緑あふれる島には、美麗な橋が架けられており、自然が織りなす造形美と巨大な橋の融合は、瀬戸内海の景観と見事に溶け込んでいる。
橋を通過するたびに、眼下の景色に言葉を失うでしょう。
しまなみ海道の基本情報を以下にまとめました。
- 起点・終点
- 【広島県尾道市側】JR尾道駅前にある向島へ向かう渡し船乗り場の近く
- 【愛媛県今治市側】サンライズ糸山
- 走行距離 約70km
サイクリング中に出会う海の景色は、世界中に知れ渡り唯一無二の絶景ロードとして、春夏秋冬を通して多くの人々を魅了し続けます。
こちらは、しまなみ海道の舞台です。(赤ラインが、しまなみ海道の公式ルート)
「向島、因島、生口島、大三島、伯方島、大島」の6つの島を渡りながら、それぞれの島の観光地へ立ち寄り、地元住民と触れ合ったり、各島の歴史や文化を学ぶのも面白い。
こちらの写真は、因島公園からの景色。海の碧に島の緑が良く映えています。
また、サイクリストならば、大三島にあるサイクリストの聖地の記念碑は見逃せません。
この記念碑は「道の駅 多々羅しまなみ公園」にあり、この道の駅から見える多々羅大橋共々、フォトスポットとして人気が高いですね。
しまなみ海道では、毎年サイクルイベントが開催されており、全国から多くのサイクリストが集結し、大いに盛り上がります。興味がある方はぜひ参加してみてはいかがですか。
しまなみ海道のについては、下記関連記事でくわしく説明します。
とびしま海道
とびしま海道は、しまなみ海道の西に位置する安芸灘諸島の島々を、美麗な橋で結んだ絶景ロードです。
とびしま海道の名前から庭園の飛び石のように、島から島へ渡り歩く光景を連想できる。本州の広島県呉市川尻町から愛媛県に所属する岡村島まで5つの島で構成されています。
穏やかな瀬戸内海を、より身近に感じられるコース取りは、実に素晴らしい。
とびしま海道の基本情報を以下にまとめました。
- 始点・終点
- 【広島県呉市側】安芸灘大橋
- 【愛媛県今治市側】岡村島
- 走行距離 約30km
こちらが、とびしま海道の舞台です。(赤ラインが、とびしま海道の公式ルート)
都会の喧騒とは全く異なる島独得のゆったりとした時間が流れ、優しい気持ちでサイクリングを楽しめる。
造船所が多いしまなみ海道とは異なり、小舟が浮かぶ古き港町をよく見かけます。そんな港町へ立ち寄れば、自然に心が穏やかになる。
また、車の交通量は、それほど多くないのも嬉しいポイントですよ。
特に大崎下島には、御手洗の町並み保存地区がありますので、ぜひ立ち寄ってみて下さい。
きっと江戸時代にタイムスリップしたような感慨に襲われるでしょう。
また、サイクリストに取って大先輩にあたる伝説のチャリダー「中村春吉の石碑」が立てられているのも見逃せません。
中村春吉氏は、日本人として初めて世界一周を成し遂げた偉人です。
とびしま海道は、しまなみ海道と同じく毎年サイクルイベントを開催していますので、興味がある方はぜひ参加してみてはいかがですか。
とびしま海道と御手洗の町並み保存地区については、下記関連記事でくわしく紹介します。
はまかぜ海道
はまかぜ海道は、しまなみ海道の愛媛側の起点・終点となるサンライズ糸山から、日本最古の温泉として知られる道後温泉本館までの海岸線コースです。
主に国道196号線をメインルートとして走るため、車の交通量はそれなりに多いですが、フラットな平坦路が続きます。
海岸線は、海風をさえぎるものがほとんどなかったりするので、横風や向かい風には気を付けるように。向かい風がきつい場合は、無理をせずゆっくり走るのが攻略のポイントです。
はまかぜ海道の基本情報を以下にまとめました。
- 起点・終点
- 【愛媛県今治市側】サンライズ糸山
- 【愛媛県松山市側】道後温泉本館
- 走行距離 約50km
こちらが、はまかぜ海道の舞台になります。(赤ラインが、はまかぜ海道の公式ルート)
道中では、ぜひ「星の浦海浜公園」へ立ち寄ってみて下さい。美しい砂浜からエメラルドグリーンの海を堪能できるおすすめスポットですよ。
この公園から見える綺麗な海を見ていると、心が洗われますね。また、浜辺からは船の整備中の様子を目撃できたり、航行する船の流れをボーと眺めるのも面白い。
ある意味ぜいたくな時間の使い方といえます。
その他にも今治城や松山城など、城好きには溜まらないスポットが目白押し。
さらに道後温泉本館で道後温泉につかりながら、サイクリングの疲れを落としてみてはいかがですか。その後、ゆったりしながら道後温泉観光へ出かけるのも良いですね。
はまかぜ海道については、下記関連記事でくわしく紹介します。
ゆめしま海道
ゆめしま海道は、しまなみ海道の少し南側に位置しており、4つの島「弓削島、佐島、生名島、岩城島」から構成されています。
2022年3月20日には、予定通り生名島と岩城島を繫ぐ岩城橋が開通したことで、ゆめしま海道は全て開通しました。
ゆめしま海道が他の海道と異なるところは、船を使わなければ最初の島へ上陸できません。
ゆめしま海道の基本情報を以下にまとめました。
- ゆめしま海道とは「弓削大橋、生名橋、岩城橋」の3つの橋にまたがる道の愛称。
- 走行距離 約6km
こちらが、ゆめしま海道の舞台です。
島へ上陸した後は、それぞれの島巡りを堪能しましょう。
車の交通量は少ないため、快適にサイクリングができますね。特におすすめは、弓削島にある久司山展望台からの景色。
この展望台からは、瀬戸内海の多島美に囲まれた景色が、湖のように見える大絶景が広がっています。
また、ゆめしま海道を構成する弓削大橋や生名橋から静かに揺らめく瀬戸内海の景色を眺めていると、幸せな気分になる。
ゆめしま海道については、下記関連記事でくわしく紹介します。
かきしま海道
かきしま海道は、広島湾に食い込むように広がる江田島と倉橋島、能美島で構成される絶景ロードで、その名前の由来となった牡蠣筏を至るどころで目撃できます。
道中は、起伏が少ない美しいシーサイドロードが続き、穏やかな瀬戸内海を横目にサイクリングを満喫できる名コースですね。
かきしま海道の基本情報を以下にまとめました。
- 起点・終点
- 【広島県呉市側】JR呉駅
- 【広島県江田島市側】切串港
- 走行距離 約70km
こちらが、かきしま海道の舞台になります。(赤ラインが、かきしま海道の公式ルート)
特に目玉と呼べるのは、音戸の瀬戸に架かる音戸大橋でしょう。
鮮やかな赤色のループ橋は、見た目からして他の橋とは一線を画しています。
尚、呉駅からかきしま海道をスタートした場合は、ゴールの切串港からフェリーで広島港や呉ポートピアへ航行することになりますので、フェリーの出航時刻の確認を忘れずにしておきましょう。
かきしま海道を自転車で旅した様子について、下記関連記事で紹介します。
さざなみ海道
さざなみ海道は、主に国道2号と国道185号をメインルートにし、広島県尾道市から広島県呉市の海岸線を走るシーサイドロードです。
幹線道路を走るため、それなりに車の交通量は多いのですが、綺麗に整備されたアスファルトの道であるため、快調に自転車を走らせます。なので、スピードの出し過ぎに注意しましょう。
走りに集中し過ぎると、せっかくの瀬戸内海の景色を漫喫できないですよ。
時には自転車のギアをインナーにして走り、ゆっくり瀬戸内海の美景を眺めるだけの心のゆとりは持ちたいものです。
さざなみ海道の基本情報を以下にまとめました。
- 起点・終点
- 【広島県尾道市側】JR尾道駅
- 【広島県呉市側】JR呉駅
- 走行距離 約82km
こちらが、さざなみ海道の舞台になります。(赤ラインが、さざなみ海道の公式ルート)
道中では、安芸の小京都と呼ばれる竹原市へ立ち寄り、歴史を感じる古い街並みを観光できます。
また、ウサギ島と呼ばれ、数百の野生のウサギが暮らす「大久野島」へ渡航するのも良いですね。
さざなみ海道と竹原市の町並み保存地区については、下記関連記事で紹介します。
せとかぜ海道
せとかぜ海道は、伊予市しおさい公園から始まり、佐田岬半島の三崎港まで走るサイクリングコースです。
伊予灘の景色を楽しめるドライブコースとして定着している「夕焼けこやけライン(国道378号)」と2つの海を貫きながら西へ伸びている「佐田岬メロディーライン(国道197号)」を走ります。
四国の地図を見ると分かるのですが、愛媛県の西端は先っぽが尖っている。この尖ったところが佐田岬半島ですよ。
このような先っぽについて考えていると、どんな所なのかワクワクしてきませんか。
せとかぜ海道の基本情報を以下にまとめました。
- 起点・終点
- 【愛媛県伊予市側】伊予市しおさい公園
- 【愛媛県西宇和郡伊方町側】三崎港
- 走行距離 約82km
こちらが、せとかぜ海道の舞台になります。(赤ラインが、せとかぜ海道の公式ルート)
夕焼けこやけラインでは、長浜大橋や下灘駅、ふたみシーサイド公園など見どころが多いです。
特に夕日が映える海に近い絶景駅として知られる下灘駅は、観光客が多い。駅の利用者に迷惑をかけないよう心掛けて下さい。
伊予市から八幡浜市までは、比較的フラットで快調に走れますが、佐田岬方面へ向かうにつれ、それなりのアップダウンがあるため覚悟が必要ですね。
せっかく四国の端っこまで訪れるので、ゴールの三崎港より更に西にある四国最西端の佐田岬灯台へ足を延ばすのがおすすめ。
せとかぜ海道を自転車で旅した様子と下灘駅について、下記関連記事で紹介します。
まとめ
瀬戸内海を堪能できる「海道」の名前が付いた絶景ロードを紹介しました。
各海道は、案外近くに集まっていますので、一つの海道を漫喫するのも良いし、複数の海道を一緒に走るのも良いですね。
どの海道を走ったとしても十分な満足感を得られ、より自転車と瀬戸内海の風景が好きになる。
走るたびに違った景色に出会えたり、新たな発見があることも。また島に暮らす人々との触れ合を通じ、より島旅に魅力を感じていくでしょう。