自分の大切な自転車が盗まれるなんて、そんな事態は正直想像したくないですね。
もし盗難被害にあった場合、何をしたらよいのか知らずにいると、ずっと自分の自転車を取り戻せないかも知れません。
盗難直後は、とても心穏やかではいられませんが、冷静に落ち着いて対処しましょう。
事前に「警察に被害届を出す」など自転車が盗まれた時にやるべき手順や手続きが分かっていれば、スムーズに対処できますよ。
それに、被害届を出した後、警察がどのように対応するのか気になりませんか。
本記事では、盗難された場合に行う手続きや自転車が見つかった時の対処、被害届が出された後の警察の対応について説明します。
自転車が盗難された場合にやるべき手順とは
「外出先で自転車を駐輪後に傍から離れ、しばらくして戻ってくると自転車が無くなっていた」という経験や話を聞いたことある人は、少なくないと思います。
突然、自転車が盗難されてしまうと心穏やかでいられる人は稀ですね。自転車に愛着があればあるほどです。
人によって反応はまちまちですが、悲しみにくれる人もいれば、怒り心頭で周りが見えなくなる人もいるでしょう。また、パニックになる人もいるかも知れません。
しかし、そんな状態では大事な自転車を見つけることができないので、一回深呼吸をして落ち着いて下さい。
例えば、ショッピングセンターやイベント会場の駐輪場にとめていた自転車がなくなっていたのならば、自転車整理のために場所を移動された可能性があります。
また、私有地や放置禁止区域など、停めてはいけない場所に駐輪していたならば、まずはじめに撤去を疑うべきです。
撤去されたのではなく、間違いなく盗難と思えるならば、速やかに警察へ自転車盗難の被害届を出して下さい。
そこで、自転車が盗難されたらやるべき手順を以下にまとめました。
スムーズに対応することで、盗まれた自転車が早く見つかる可能性が高まりますので、決して後回しにしないように。
それぞれの手順で行う「手続き・やるべき事」について説明します。
盗難ではなく、撤去された場合は、駐輪していた近くに撤去公示の張り紙が貼られています。
撤去公示の張り紙を見つけたら、張り紙には最寄りの受け取り場所や連絡先が記載されていますので、それを見て対応しましょう。
盗難被害にあった状況を整理
先ほど触れました撤去公示の張り紙がなかった場合、盗難された可能性が高くなります。
特に自転車の鍵が切られた傷あとがあれば、盗難されたと断定して構いません。
ここで注意して欲しいのが、自転車を盗まれたからと言って、無闇に探し回らないことです。無闇に探し回っても見つかる可能性はかなり低く、状況をより悪化させてしまうかも知れません。
まずは、盗まれた状況を把握することに努めましょう。
少なくとも以下の4つについて確認し、メモを残しておけば、警察に被害届を出す時に役立ちます。
- 盗難が発生した日時と場所
- 自転車の種類(シティーサイクル、ロードバイクなど)
- 自転車の特徴(メーカ名、色など)
- 自転車の装備品(サイクルコンピュータやライトなど)
メモ帳がなければ、スマホなどに入力しておこう
【自転車の装備品に関する話】
自転車には数多くの装備品がありますね。下記記事では、自転車旅の装備品に関する話を紹介します。
防犯登録や保険の資料を準備
「自転車が盗まれた」と気付き、盗まれた状況を整理した後で、直ぐに警察へ行くのはちょっと待って下さい。まだやるべき事があります。
盗難被害の被害届を出すには、自転車の防犯登録番号や車体番号が必要なので、自宅に戻ってそれらを示す書類を探しましょう。
普段から必要な書類を分かりやすい場所に保管していれば、いざと言う時に取り出すのが簡単ですね。
尚、防犯登録番号や車体番号がなくても被害届は出せますが、その場合は自転車が見つかったとしても自分の元に戻ってくるのが遅れてしまう可能性があります。
警察からしてみれば、自転車の外観的特徴だけで判断する訳なので、確実にあなたの自転車なのか分かりません。
そのため、防犯登録番号や車体番号による確認であれば確実にあなたの自転車であると判断できるのです。
ちなみに私は、自分の財布の中に、自転車の防犯登録番号と車体番号を控えたメモ用紙を入れており、いざと言う時に備えています。
また、防犯登録番号や車体番号を示す書類以外にも、盗難保険に加入しているのであれば、後から保険会社へ連絡する際に必要となるので、保険の資料も探しておきましょう。
防犯登録番号は、防犯登録時の控えか車体に貼り付けた防犯登録シールに記載されています。
車体番号は、自転車の保証書に記載したり、自転車本体へ刻印されていますね。尚、刻印場所は、メーカーによってバラバラなので発見が難しいかも知れません。
警察に被害届を出す
警察へ被害届を出す際に必要になる物を以下にまとめました。
最寄りの警察署や交番、駐在所へ行って被害届を作成しましょう。
被害届を作成するに当たり、自分の住所氏名はもちろんのこと、盗まれた自転車の特徴や発生日時・場所などが尋ねられます。
事前に盗まれた状況を整理したメモを残しておくことで、スムーズな対応ができますね。
また、必要に応じて盗難現場へ案内を求められることもあるので、その際は快く応じて下さい。
尚、所轄警察署防犯係(自転車の盗難に遭った場合は刑事課)又は防犯登録場所(主に販売店)で防犯登録データの開示請求ができます。
無事見つかれば、警察から連絡が入りますので、それまで待つしかありません。
もし被害届を出さないでいると、見つかった自転車が犯罪に使われていた際にあらぬ疑いがかけられたり、遠方で自転車が発見され高額な自転車撤去費用を請求されたりします。
そんなことにならないためにも、被害届は早急に提出するようにしましょう。
また、自転車の保険に加入している場合は、保険を請求する際、被害届の受理番号が必要です。
保険会社に連絡を入れる
警察へ被害届を出した後は、自転車の盗難保険に加入しているのであれば、保険会社へ連絡を取ります。
かりにあなた自身が加入していなくても、マンションやアパートの駐輪場にとめていた鍵をかけた自転車が盗まれた場合、「家財」対象の火災保険で補償される可能性がありますよ。
加入していた保険の内容によっては、補償金額や補償内容も異なり、契約時に設定した補償額に応じて保険金がおりますね。
また、盗難された同じ自転車のモデルを割安で購入できる場合もあります。
今一度、保険の内容について確認しておくと良いでしょう。
被害届が出された後の警察の対応
被害届をもとにして、警察のデータベースにあなたの自転車が盗難されたことが登録されます。
その後の対応は、主に以下の2つです。
- 職務質問の際の確認
- 遺失物・盗難品の確認
それぞれについては、後でくわしく説明します。
その他にも必要に応じて、警察は現場周辺の防犯カメラの画像を解析し、盗難現場を確認するといった捜査を行うでしょう。
しかし、被害届を出した後、何時まで経っても自転車が見つからないケースが多いので、覚悟はしておいて下さい。
職務質問の際の確認
警察官は、夜に無灯火で走っている自転車を見つけたり、不審な動きをしている自転車を見つけると職務質問をすることがありますね。
その際に防犯登録番号を確認して自転車の所有者を判断しています。
盗難の被害届が出されていたら、防犯登録番号から直ぐに盗難車であると判断できるのです。
その後、犯人は捕まり、窃盗罪で起訴された後で、自転車はあなたの元へ戻りますよ。
遺失物・盗難品の確認
犯人の目的が自転車の転売でなければ、大抵どこかで乗り捨てられます。
そうなると、その土地の所有者は遺失物として、その自転車を警察へ届け出してくれる可能性が高いですね。
警察では、提出された被害届の防犯登録番号や車体番号と照合を行ない、同じ物であると判断できれば、あなたへ連絡を入れてくれます。
また、窃盗罪で逮捕された犯人の住宅を家宅捜索した際に、あなたの盗まれた自転車が見つかる場合があることも。
しかし、そういったケースでは、転売目的が多く、パーツを分解しているかも知れません。
そのため、原形をとどめていない可能性は十分ありえます。
この場合も、防犯登録番号や車体番号で照合して、あなたの自転車と分かれば、あなたへ連絡を入れてくれますね。
【自転車のパーツに関する話】
自転車は、フレームやブレーキ、タイヤなど数多くのパーツの集まりです。下記記事では、フレームやブレーキなどについて色々紹介します。
基本的に捜索はしてくれない
警察では、自転車を探すだけに特化して、人員を割いてまで捜査をしてくれることは基本的にありません。
2021年だけでも東京都では、約2万件近くの自転車の盗難事件が発生しています。
これだけの数を警察だけで探し当てるのは、現実的に無理がありますね。
そうなると、自転車が見つかるのは、ほとんど運の要素が大きいのではないでしょうか。
しかし、自転車盗難の被害届を出して手続きをしていなければ、たとえ自転車が見つかったとしても、あなたの自転車と判断する根拠が何もないため、あなたに取っては見つかる可能性はほぼゼロです。
被害届を出すことで、確実に見つかる可能性が向上します。
この被害届は、データベース化されているので、情報の共有化を図ったり、地域ごとの盗難発生件数の把握が簡単にできますね。
あまりに沢山の自転車が盗難されると、警察では、パトロールの強化や職務質問の対象者を増やすなどと言った対応をする可能性も十分考えられる訳です。
その結果、盗まれた自転車が見つかる可能性が上ったり、今後の盗難被害の減少につながります。
自転車が見つかったらやるべき事
盗難された自転車が運よく見つかりました。見つけた方法によっては、その後の対応方法が違ってきます。
自転車が見つかるケースは、大抵以下の2つですね。
- 警察から自転車が発見された連絡があった場合
- 自分で見つけた場合
それぞれについてその後の対応方法を説明します。
警察から自転車が発見された連絡があった場合
警察から自転車が見つかったと連絡があったら、指定された場所へ取りに行きましょう。
指定場所は、自転車を保管している警察署や交番になることが多いです。
そこで、間違いなく自分の自転車であると確認できたら書類に印鑑を押します。
そのため身分証明書と印鑑は、忘れずに持参して下さい。
尚、犯人が分かっていれば、犯人について教えてくれますよ。
自転車を良く確認して、何か破損がある場合は、犯人に対して損害賠償請求を出せます。
自分で見つけた場合
運よく道端で自分の自転車を発見できた場合、「やった!見つかった」と思いそのまま自分で回収したい気持ちは良くわかります。
しかし、そこはじっと我慢して下さい。
犯人が近くにいたり、自分の自転車ではない可能性だってあるのです。
余計なトラブルに巻き込まれないためにも、まずは警察へ連絡を入れて下さい。そして、自分の自転車であることが確認できたら、被害届を取り下げます。
尚、被害届を取り下げる場合に身分証明書と印鑑が必要になりますので、忘れずに持参しましょう。
まとめ
自転車が盗難された場合は、どうしても平静を保つのが難しいですね。
そこで、一度深く深呼吸して落ち着いて、冷静に対処しましょう。
本記事では、自転車が盗難された際、やるべき手順について説明しました。
最後にもう一度、その手順について以下にまとめます。
- 発生日時や盗難場所など盗難被害にあった状況を整理する(メモを取る)
- 防犯登録や保険の資料を準備する
- 警察署や交番へ出向き、被害届を作成し提出する
- 被害届を提出した後で、保険会社へ連絡を入れる
被害届を出した後は、特にあなたがやるべきことはありません。
警察から連絡がくるのを待ちましょう。また、被害届を出していれば、盗まれた自転車によるトラブルを免れます。
普段から、盗難被害にあわないためにも、自転車から離れる場合は、必ず鍵をかけて下さい。
常に防犯意識を高く持ち、盗難に対する予防をしっかり行いましょう。