四国最大の都市「松山市」。
その中心にそびえ立つ威風堂々とした名城が「松山城」です。
松山市のシンボルであり、代表的な観光スポットとして、毎年多くの観光客が足を運びます。
江戸時代以前に建築された天守が、今も残っていますので、歴史的価値が非常に高いですね。
また、芸術的に美しい石垣や恋人の聖地に選ばれている「二の丸史跡庭園」など見どころも盛り沢山。
更に愛媛県の都市伝説?を体験できますよ。松山城へ訪れたら絶対に外せません!
本記事では、松山城の見どころや都市伝説の体験談について紹介し、その魅力をお伝えします。
松山市のシンボル「松山城」とは
松山城は、愛媛県松山市の中心部にある標高132mの勝山に築かれた平山城です。
現存12天守の1つに数えられ、攻守の機能に優れた連立式天守の姿はとても美しい。
城内には、21棟の重要文化財があり、4つの登城道を備えています。
また、登城するには、麓から本丸手前までロープウェイ・リフトが運行しているので非常に便利ですよ。
関ヶ原の戦いで活躍した加藤嘉明(かとう よしあき)が初代藩主となり、松山城を築城しました。
その後、新たに城主となった蒲生忠知(がもう ただちか)が二之丸などを完成させ、1635年には、松平定行(まつだいら さだゆき)が城主となり、以後明治維新まで四国の親藩として統治した歴史があります。
そのため、松山城の紋章は、徳川家と家門である「丸に三つ葉葵(通称:葵の御紋)」ですね。
麓には城山公園が整備されており、桜の名所として、開花期には大勢の花見客で賑わいます。
松山城は「日本100名城」や「日本の歴史公園100選」、「日本さくら名所100選」に選ばれているよ。
松山城は、ライブカメラによりネットで配信中。松山城の天守と本丸の現在の様子を確認できます。観光前に天候や桜の開花などがチェックできるのは、実にありがたいですね。
Googleなどで「松山城 ライブカメラ」と入力して、検索してみて下さい。
【周辺の見どころ】
松山城周辺の見どころを、下記記事で紹介します。
【見所①】美しい天守閣と最上階からの眺め
松山城の天守は、その威風堂々とした姿がとても存在感があり、大変魅力的ですね。
精巧に築かれた外観は、とても迫力がありますよ。
連立式天守となっている松山城の防衛は、実に堅牢。
連立式天守とは、天守・小天守・櫓を四方に配置し、渡櫓でつなぐ形式であり、天守防衛の究極の姿とも言われているとか。
松山城と同じ現存12天守である「姫路城」も連立式天守であり、非常に外観が美しいね。
天守の内部は、鎧や刀などが展示されており、往時の歴史に触れることができます。
多くの展示品がありますが、広々としているので歩きやすい。
特に最上階からの眺めは、素晴らしい!
標高161mの高さから、松山市街を始め、西には瀬戸内海、南には遠く石鎚山系が望めます。
360度のパノラマビューは、必見ですよ。
こちらが天守からの景色。
うん、来て良かったと心から思える瞬間です。(嬉)
聞くところによると、この天守からの眺望が、ミシュランの1つ星を獲得しているという。
城郭からの眺望で星を獲得しているのは、全国でも松山城しかありません。
松山城からの眺望は、昼間でも素晴らしいですが、夜景も人気があります。夜間にライトアップされたその姿は、幻想的に満ちているという。
2020年7月には、日本夜景遺産の「ライトアップ夜景遺産」に選ばれました。
【お城の紹介(その1)】
旅先では、様々なお城や城跡へ訪れたりしますので、下記記事で紹介します。
【見所②】芸術的な美しさが特徴的な石垣
松山城の城内には、多くの石垣が残っています。
その多くは、加藤嘉明時代に築かれた物ばかり。
高さが10mを越える石垣もあり、その大きさは一見の価値がありますよ。
そんな石垣の中には、美しい曲線を見せる「扇の勾配」が素晴らしく、思わず足を止めてしまいます。(私がそうでした。)
実は、松山城の石垣には、小説「坂の上の雲」の主人公の1人である秋山真之が少年時代によじ登ったという伝説があるとか。
それが本当ならば歴史ロマンを感じますね。
特に迷路のように曲がって敵を防ぐ、高さ14mのの屏風折(びょうぶおれ)は、芸術的な石垣であり、「これ本当に軍事目的で築いたの?」と思わせる。
うん、これほど美しい石垣を見学できるのは、松山城の大きな魅力の1つですね。
松山城には、とても珍しい「登り石垣」と呼ばれる石垣があります。
登り石垣とは、山腹から侵入を試みる敵兵を阻止するために築かれており、麓の曲輪と山頂の本丸を山の斜面を登る2本の石垣で連結したものです。
万里の長城をイメージすれば分かりやすいかな。
登り石垣の長さは230m以上もあり、日本一の長さですね。このような石垣は、現存12天守の中では、松山城と彦根城の2城だけです。
【お城の紹介(その2)】
旅先で訪れたお城や城跡には、見事な石垣があり、とても驚くことがありますね。そんなお城や城跡を下記記事で紹介します。
【見所③】恋人の聖地に選ばれた「二の丸史跡庭園」
ロープウェイ乗り場から天守へ向かった場合、少し遠回りになりますが、足を運んでおきたい場所が「二の丸史跡庭園」です。
かつて松山藩の2代藩主、蒲生忠知(がもう ただとも)の邸宅がありました。
現在は、御殿の間取りを水と砂利で再現した庭園に整備されており、散策を楽しめます。
尚、ここはただの庭園ではなく、恋人の聖地としても有名ですよ。
その由来は、日本人看護師とロシア人兵士のラブロマンスによるもの。
この庭園には、松山城の「大井戸」の遺構があり、発掘調査の際、この大井戸から1枚のロシア金貨が見つかったそうです。
この金貨に男女の名前が刻まれおり、実在する人物であることが分かりました。
それが、ロシア人の男性捕虜と日本人女性看護師だった訳ですね。
当時は日露戦争の真っ只中、かつてこの庭園にあった病院で、2人は恋に落ちたのでしょう。
あの戦争から100年以上経過して祝福され、2013年に「恋人の聖地」として認定されました。
なぜ、金貨が投げ込まれたいきさつは不明ですが、素敵なお話ではないでしょうか。
【恋人の聖地の紹介】
旅を続けていると、観光地化している恋人の聖地へ立ち寄ることがありますので、下記記事で紹介します。
【見所④】葵の御紋が沢山、現存天守で唯一の親藩
今の天守は、落雷による焼失の後で、1854年に松平氏によって再建されたものです。
現存天守の中では、松山城だけが親藩が築いた城ですね。
親藩とは、徳川家康の男系子孫の家すべてを指しています。
有名どころでいえば、御三家(尾張、紀州、水戸)です。名前くらいは、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
それを証明するように、瓦などには徳川一門の家紋「丸に三つ葉葵(通称:葵の御紋)」が見て取れます。
もちろん天守にも三つ葉葵が刻まれていますので、お見逃しなく。
天守には1対のシャチホコが松山後を見守っています。
一の門から見える南側の玉をくわえているシャチホコが「天丸」、北側からみえる口を閉じているのが「まつ姫」です。
2006年にシャチホコの愛称を全国へ公募して決まりました。また、同年6月には市長からお城の住民票が交付されています。
【見所⑤】縁起の良い「天神櫓」
松山城には、縁起の良い天神さまが祀られている櫓があります。
それが、天守が建つ本壇(天守曲輪)の東北に位置する「天神櫓」ですよ。
もともとは、甲冑や鎧兜を保管する櫓だったのですが、松平家の遠祖にあたる菅原道真公を祀ったため天神櫓という名前が付いたとか。
全国的にも珍しい、寺社建築の正面扉(しとみど)を有する櫓ですね。
天守群の中に学問の神様がおられるのは、隠れたパワースポットと言えるでしょう。
松山城自体が勝山に築城されたことから、勝山城とも呼ばれています。うん、縁起が良いですね。
【見所⑥】リフトから眺める景色
松山城は、登城道はそれなりにしんどい上り坂が続きます。
城の周辺を含めじっくり見学したい方は、それでも良いですが、そうでない方は、ロープウェイ・リフトを利用するのがお勧め。
麓にある賑やかな大街道には、ロープウェイ乗り場がありますよ。
ロープウェイを使えば約3分で8合目の長者ヶ平(ちょうじゃがなる)へ到着しますね。(リフトの場合は約5分で到着)
そこからは、約10分ほど歩けば天守入口へ辿り着きます。
私はリフトを利用しましたが、待ち時間がないので、スムーズに天守の近くまで行けました。
リフトに乗りながら、目の前に近づいてくる天守や眼下の景色が面白い。
時間帯によって変わる景色を堪能しながら、登城を楽しみましょう。
個人的なお勧めとして、ロープウェイやリフトで天守へ赴き、帰路は登城道を歩くのが松山城をより漫喫できますね。帰路は下り坂になるので、歩きやすいですよ。
ちなみに、ロープウェイ乗り場の直ぐ近くには、東雲口(しののめぐち)登城道があります。
松山城ロープウェイ・リフト
- 料金
- (往復)大人520円、小人(小学生)260円
- (片道)大人270円、小人(小学生)140円
- ロープウェイ・リフトとも無休で運行
区分 | 営業時間 |
---|---|
ロープウェイ | 2月~7月 8:30~17:30 8月 8:30~18:00 9月~11月 8:30~17:30 12月~1月 8:30~17:00 |
リフト | 通年 8:30~17:00 |
都市伝説?を体験しよう、ポンジュースが出る蛇口
「愛媛の家庭には3つの蛇口がある。青の蛇口は「水」が出て、赤の蛇口は「お湯」が出る。そして、オレンジの蛇口をひねるとポンジュースが出る」という話を聞いたことがありますか。
嘘か本当か不明ですが、少なくとも松山城では、その都市伝説を体験できますね。
体験場所は、城内の本丸広場にある売店。
この売店では、美味しいスイーツを楽しむことができますが、こちらの蛇口が凄く印象的。
大々的に都市伝説をアピールしていました。(笑)
早速、私もチャレンジします。2つのカップから選べて、プラカップ(350円)とビアジョッキ(500円)がある。
もちろん私は、迷わずビアジョッキを選択。
蛇口をひねると、ドバー!とポンジュースがジョッキに流れてきました。
そして、ジョッキを口に当てほとんど一気に飲み干します。
うん、さすがは果汁100%、凄く美味しい!
それに、見晴らしの良い本丸広場で飲むのは格別でしょう。
松山城へ訪れたら是非、チャレンジしてみて下さい。
松山城以外にも、松山空港など数ヶ所でポンジュースが出る蛇口があるよ。
松山城(天守閣)を観光する際、注意すべきこと
天守の中へ入ったら階段に気を付けましょう。
築城当時のままの急な階段のため、上るのが大変だけど下りるのは、もっと大変ですよ。
聞いたところによると、階段の角度は55度もあるという。
どう表現すれば良いのか悩みますが、階段というよりハシゴと呼んだ方が良いのでは。
なので、1つ1つ丁寧に気を配りながら上り下りをしないと、転んでしまったらかなり危ない!
敵兵の進入を遅らせるための工夫とはいえ、当時住んでいた人たちは大変だったかも。(少なくとも私は慣れることがないと思う)
また、天守にはトイレがありません。トイレは本丸広場の売店横やロープウェイ乗り場の長者ヶ平駅西側にあります。
天守に入る前には、事前にトイレへ足を運んでいた方が安心ですね。
注意点をまとめると以下になります。
- 天守内の階段の上り下りは、気を配り丁寧に歩く
- 天守内にはトイレがない
松山城の基本情報とアクセス
住所 | 愛媛県松山市丸之内1 |
電話番号 | 089-921-4873(松山城総合事務所) |
営業時間(本丸広場) | 5:00~21:00(11月〜3月 5:30〜21:00) |
営業時間(天守、二の丸史跡庭園) | 2月~7月 9:00~17:00 8月 9:00~17:30 9月~11月 9:00~17:00 12月~1月 9:00~16:30 ※入場は営業終了時間の30分前まで |
定休日 | 12月第3水曜日(大掃除) |
松山城天守観覧券 | 大人520円 小人(小学生)160円 ※25名以上で団体割引きあり |
二の丸史跡庭園の入園料 | 大人200円 小人(小学生)100円 ※25名以上で団体割引きあり |
【アクセス】
- JR松山駅から「道後温泉行き」市内電車で「大街道」へ下車後、徒歩約5分(電車の乗車時間は約10分)
- 松山空港から「道後温泉駅前行き」リムジンバスで「大街道」へ下車後、徒歩5分(バスの乗車時間は約30分)
- 松山自動車道「松山IC」から車で約20分
松山城の駐車場
松山城のロープウェイ乗り場の近くには、有料の松山城駐車場(喜与町駐車場)があります。(普通車12台、バス8台)
ご利用は先着順で、ご予約は受け付けていません。
基本料金は2時間、30分ごとに追加料金が発生します。
- 普通車:基本料金 420円、追加料金 100円
- バ ス:基本料金 1,050円、追加料金 200円
営業時間は、「8:00~ロープウェイ営業終了時間 + 30分後」です。
尚、ロープウェイ乗り場までは、徒歩で約2分ほどですね。
松山城駐車場以外にも周辺には、有料駐車場が沢山あります。
まとめ
松山市のシンボル「松山城」は、標高132mの勝山に築かれたお城であり、抜群の眺望を誇ります。
美しい石垣や恋人の聖地に選ばれている二の丸史跡庭園など見所が盛り沢山のため、時間に余裕を持って観光しましょう。
天守の見学を含め所要時間は、90~120分ほどみておくと良いです。
本丸広場の売店では、蛇口をひねるとポンジュースが飲めますよ。
是非、愛媛県の都市伝説?を体験してみて下さい。
貴重な現存12天守の1つである松山城を隅々まで、見て回りましょう。