あなたは、小容量のサドルバッグとツールケースのどちらを使っていますか。
一般的には、どちらも携帯工具やパンク修理に必要なアイテムを収納する使い方が多いです。
同じような用途で使われていますが、どちらを選べばよいのか迷う人も少なくないでしょう。実は、あなたのサイクリングのスタイルで、使い分ければ効果的ですね。
それぞれの特徴を理解した上で、選択すると失敗する可能性は限りなく低い。また、必要に応じてサドルバッグとツールケースの両方を、一緒に使った方がよい場合もある。
本記事では、サドルバッグとツールケースの特徴(メリットとデメリット)と使い分けについて説明します。
サドルバッグの特徴(メリット・デメリット)
サドルバッグは、容量が1L程度の小容量から4L以上もある大容量のものまで、豊富なラインナップがあります。
そのため、サイクリングのスタイルによって選択肢の幅が広い。大容量のものであれば、ママチャリのカゴのような扱い方もできるため、普段のサイクリングでも意外と重宝する場面が多いですね。
それに、1箇所にアイテムをまとめておけるため、忘れ物もし難くなる。
サドル下に取り付けるため、ダンシングによってサドルが振られると、重量バランスが悪くなるかも知れません。特にヒルクライムでダンシングする機会が多い人にとっては、大きなデメリットですよ。
また、テールライトをシートポストに取り付けるならば、サドルバッグとの兼ね合いが難しくなるでしょう。サドルバッグによっては、バッグ自身にテールライトを取り付けられる製品もありますね。
小容量のサドルバッグでは、パンク修理に必要なアイテムと携帯工具を持ち運ぶ使い方が一般的です。この使い方はツールケースと全く同じ。
ツールケースと比べて、重心が地上より高い位置になるため、安定性が悪くなる。けれど、ボトルゲージを1つ占有しないため、夏場にダブルボトルの使い方が可能だ。
ここまで説明したサドルバッグのメリットとデメリットを、以下にまとめました。
- メリット
- 容量の幅が広い
- 荷物を1つにまとめられる
- ボトルゲージを1つ占有しない
- デメリット
- 重心が高くなり安定性が悪い
- ダンシングの際に影響する可能性あり
- テールライトの取付けに苦労する
サドルバッグは、アイテムの持ち運びに便利ですが、メリットとデメリットをよく理解した上で、自分の走りにあったものを選びましょう。
ツールケースの特徴(メリット・デメリット)
ツールケースは、ボトルゲージに挿入する使い方のため、サドルバッグに比べて大容量のものはありません。
どのツールケースでもサイズ幅はほぼ同じになりますが、サイズ長が違う製品がラインナップされているので、アイテムの収納できる容量に若干違いがあります。
もしフレームバッグを取り付けるならば、サイズ長によっては、接触して邪魔になるかも知れないので注意しましょう。
何にしても荷物が増えると、ツールケースだけでは対応できなくなる。一般的にツールケースは、パンク修理に必要なアイテムと携帯工具を収納する使い方が多いですね。
ボトルゲージに挿入する関係上、サドルバッグに比べて重心を低い位置にもっていける。
これは、左右に振るダンシングの際、走りに与える影響が少ないため、より身軽さを感じたいのであれば、サドルバッグよりツールケースを使用するのをおすすめします。
けれど、ボトルゲージを1つ占有してしまうため、夏場など2本以上ボトルを持って行きたい時に、困ることが多い。
どうしても、ボトルを2本以上持っていきたいならば、ボトルゲージの追加キットを使えば解決できるので、必要に応じて検討して下さい。
もしロードバイクやクロスバイクなど自転車を、2台以上所有しているならば、ボトルゲージに収納する使い方は、気軽に取り外しができるので扱いやすいです。
ここまで説明したツールケースのメリットとデメリットを、以下にまとめました。
- メリット
- サドルバッグに比べて重心が低い
- ダンシングした際、気にならない
- 脱着が簡単
- デメリット
- アイテムをたくさん収納できない
- フレームバッグを取り付ける際、邪魔になる場合がある
- ボトルゲージを1つ占有してしまう
持ち運ぶものがパンク修理に必要なアイテムと携帯工具だけならば、ツールケースだけでこと足りますので、サドルバッグは必要としません。
すると、サドル下が空くことにつながり、見た目がスッキリする。カッコイイ見た目を保ちたいと考えているならば、ツールケースを使うという選択肢はありですね。
ボトルゲージの増設
ボトルゲージを増設するに当たり、どこへ取り付けるのかがポイントになります。
サドルレールに取り付ける方法がありますが、レールの素材によっては禁止されていたりする。それにツールケースのメリットである低重心の反対をいく行為となるため、おすすめはしません。
ハンドル用のボトルケージもあるため、そこに取り付けてもいいですが、重心が高くなるという意味ではどうだろうか。
そこまでするならば、素直にサドルバッグを使った方がよいと思います。
低重心を考慮すれば、フレームのダウンチューブ裏にボトルケージを増設するのが理にかなっている。
ただし、地面と近いので汚れやすいのがデメリット。人によっては気にしないかも知れませんが、見た目が微妙ですね。少なくとも私はその見た目が好きではありません。
【サイクリングに欠かせないアイテム】
ボトルや鍵などサイクリングに欠かせないアイテムを、下記記事で紹介します。
サドルバッグとツールケースの比較結果
サドルバッグとツールケースの特徴から、両方を比較した結果を以下にまとめます。
比較項目 | サドルバッグ | ツールケース |
---|---|---|
容量 | 少容量・大容量 | 少容量 |
重心 | 高い | 低い |
ダンシングへの影響 | 可能性あり | なし |
シートポストへのテールライトの取り付け | 困難 | なし |
ボトルゲージの占有 | なし | 1つ占有される |
脱着のしやすさ | 脱着に少し手間がかかる | 脱着がしやすい |
こうしてまとめてみると、同じような用途として使えるのに、両者には明らかな違いがあることがハッキリしますね。
サドルバッグとツールケースの使い分け
サドルバッグとツールケースそれぞれの特徴を理解すれば、サイクリングのスタイルで使い分けた方がよいことに気付かされます。
たとえば、以下のような扱い方がおすすめ。
- 春・秋・冬のサイクリング:ツールケースまたは小容量サドルバッグ
- 夏場のサイクリング:サドルバッグ(ダブルボトルとする)
- ロングライドや自転車旅:大容量サドルバッグ + ツールケース
- キャンプライド:大容量サドルバッグ + ツールケース
最終的には持ち運ぶ荷物の量によって、スタイルは変わってきますね。
特にロングライドや自転車旅、キャンプライドでは、荷物が多くなりがち。なので、大容量サドルバッグを活用する場面が多い。
バッグに輪行袋や着替え、キャンプ道具を入れて持ち運びましょう。その際、パンク修理に必要なアイテムや携帯工具は、まとめてツールケースに収納すると整理がしやすいです。
また、普段のサイクリングで輪行袋を持っていくならば、サドル下に取り付けたり、大容量サドルバッグに入れて持ち運びましょう。
最終的に何をもっていくかによって、必要とする容量がかわってくる。
必要に応じて、サイドバッグやフロントバッグ、フレームバッグなどを自転車に取り付けると、サドルバッグやツールケースはなくても困らなくなります。
まとめ
本記事では、サドルバッグとツールケースの特徴(メリットとデメリット)と使い分けについて説明しました。
小容量サドルバッグとツールケースでは、中に入れるものは、パンク修理に必要なアイテムなどに限定されるためほぼ同じになる。なのでお好みで利用するとよいですね。
持ち運ぶ荷物が多いほど、大容量サドルバッグが必要な場面は多い。それぞれのメリットとデメリットをよく理解した上で、サイクリングのスタイルで使い分けるとよいでしょう。