
近畿地方4県巡りの最終日となる4日目は、奈良県天理市から始まります。
昨日は、三重県名張市にて赤目四十八滝(あかめしじゅうはちたき)の観光などを楽しみました。(3日目の旅の様子はこちらです。)
本日は午前中に、起死回生を図れるご利益で有名な石上神宮へ参拝する予定。その後、京奈和自転車道を疾走して京都府へ入り、新感覚で漢字を楽しく学べる「漢字ミュージアム」を訪ねます。
最終日に相応しく、朝から良く晴れているので、昨日と打って分かってテンションが上がる上がる。さて旅の道中では何を見て、何を感じるのかとても楽しみですね。
本記事では、奈良県天理市から旅立ち、京都府京都市まで自転車で旅をした様子をお届けします。
日本最古の神社の一つ「石上神宮」へ参拝

本日は近鉄・天理駅からスタート。
個人的に天理市といえば、天理教のイメージが強いかな。聞くところによると、天理市の人口の内、約4人に1人が天理教信仰者というのだから凄いですね。
全国に約14,000件の教会があり、たとえ信者でなくても教会を見かけた人は多いと思います。その総本山である天理市では、天理教関連の施設をよく見かけました。

天理駅から東へ向けて自転車を走らせていると、イチョウ並木へ突入。
イチョウは、天理市のシンボルとして親しまれており、その見事な景観に思わず頬が緩みます。


その通りから天理教の教祖殿や天理大学附属天理参考館を見つけ、その規模の大きさにビックリ。遠くからですが、思わず写真を1枚撮った次第です。
カメラを趣味にしている人は、私と同じようにスナップ撮影をたしなむ機会が多いだろうな。カメラを持っていると、気になるものを見つけると、つい撮影したくなります。
さて、私が今向かっている場所は「石上神宮(いそのかみじんぐう)」です。石上神宮といえば、起死回生を図れるご利益と国宝・七支刀(しちしとう)が有名。それに日本最古の神社の一つに数えられている。
まぁ、七支刀は普段から一般公開されていないので仕方がありませんが、ご利益にはあやかりたいですね。
イチョウ並木を抜けてると、いつの間にか天理環状線(県道51号)へ入りました。布留の交差点を右折して南下すると、300mも走らない内に石上神宮の駐車場へ到着。駐車場に自転車を停めて、参道へ向かいます。

朝早くから参道を歩くのは気持ちがいい。それに荘厳で静謐な雰囲気が良い感じ。思わず身を引き締めながら、ゆっくりと歩いた先には大鳥居を見つけました。
檜造りの大鳥居というのは、周囲の雰囲気によく似合っているぞ。

そして境内へ入ると、なんとたくさんの鶏が元気に駆け回っているではないですか。
実は、石上神宮では鶏を放し飼いにしています。御神鶏(ごしんけい)と呼ばれる神様の使いなので、失礼のないように。特に彼らの食事の邪魔をするなんてもってのほかですね。
彼らの邪魔にならないように見物していましたが、その姿に何だか平和を感じるな~。

その後、朱塗りの立派な楼門をくぐり抜けると、目の前には立派な拝殿が登場。特にその造形の美しさが目を引きます。
ご祭神の布都御魂大神(ふつのみたまのおおかみ)は、布都御魂剣(ふつのみたまのつるぎ)に宿る神霊ですよ。
布都御魂剣は、別名で十握剣や天羽々斬剣(あめのはばきりのつるぎ)と呼ばれているそうな。
石上神社へ十握剣を移す前に奉納されていた神社が、岡山にある石上布都魂神社 (いそのかみふつみたまじんじゃ)です。
あとから気が付いたのですが、今回の旅を始める前に偶然にもこの神社へ参拝していたので、これも縁なのかなと思いました。

そもそも石上神宮を訪れた人の中には、不思議な体験をした人が多いという。たとえば、境内へ足を運ぶと鳥肌が立ったり、何とも言えないような感覚に包まれことがあるそうです。
そのような場所なので、私も知らず知らずの内に、導かれたのかも知れないですね。
石上神宮と石上布都魂神社については、下記関連記事でくわしく紹介します。
池の中にポツンと建つ不思議な祠

石上神宮を後にして、天理環状線(県道51号)を道なりに進みます。まずは奈良市を目指して、北上を開始。最終的に向かうのは京都府京都市ですね。
京都市までは、距離にすると約70kmぐらいかな。本日はサイクリングがメインとなるため、観光は少なめですが、気になった場所があれば立ち寄るぞ。
そうそう気になったといえば、Googleマップを見ていた時に周りが池に囲まれた場所で、祠(弁財天社)がポツンと建っている場所を見つけました。ということで、まずはそこへ立ち寄ります。

自転車を走らせながら、のどかな景色と天気の良さに上機嫌♪
思わず鼻歌を歌いながら、約6kmほどの距離をマイペースに進んでいると、高畑山線(県道188号)の合流地点が見えてきました。

その手前側にあるわき道へ入り、道なりに進んで行くと、道幅が狭くなっていく。周囲にはこれといった建物が見当たりません。
道が合っているのか不安を覚えていると、丘のように盛り上がっているところに朱塗りの鳥居が見えてきました。きっとあれが弁財天社でしょう。
どうやら近くまで自転車で行くことができないみたい。なので、通行の邪魔にならないところで自転車を停めます。

そして、鳥居へ向けて草むらの中にできていた小さな道を歩くと、右手側には大川池(竜王池)が広がっていました。
その池の中には、ポツンと小さな島が浮かんでおり、池の対岸からは、その島へ向けて鳥居が並んでいるのが良い感じですね。
どうやらこの小島は、大川池塚古墳なんだそうな。その墳頂部付近に弁財天社が建っています。
後から調べて分かったのですが、奈良市史によると、外部施設や内部構造が判明しないということで、古墳でないという判定も困難なんだとか。ということで、一応古墳にしておくということでした。
なるほど、個人的には古墳に見えませんでしたが、古墳と考えておくと歴史ロマンを感じます。

鳥居の前へ到着すると、何やら特別感をヒシヒシと感じるぞ。意を決して中へ入る。
周囲は木々に囲まれてはいますが、頭上に陽光がそれなりに降り注いていますので、暗くはありません。

鳥居をくぐり抜けて数秒で、目の前に弁財天社が見えてきました。
小さな祠ですが、なかなかどうして不思議な雰囲気があるかな。残念ながら特に由緒書きなどが見当たらなかったので、くわしいことは不明です。
弁財天様といえば水の神様。周囲には畑がたくさんあったので、雨乞いの神様として、丁重にもてなしていたのではないでしょうか。
奈良公園で休憩して旧奈良監獄を見物に行く

弁財天社の参拝を終えると、高畑山線へ合流を果たし、奈良市街へ向けて北上します。
しばらくすると、奈良名張線(県道80号)へ入り、道なりに進めば奈良公園へ到着。弁財天社から約6kmほどしか走っていないので、ロードバイクにとっては庭感覚ですよ。
周囲の道路では、鹿がゆっくりと闊歩しているぞ。そのため、鹿の後ろには、車が列をなしている。去年来た時もこのような光景を見かけたな。
車のドライバーからすると、神経を使うのだろう。また、この辺りに住む人たちにとっては、これが日常なのでしょうね。そんなことを考えながら園内へ入り、休憩を取りました。


園内の至るどころで見かける鹿たちは、全て野生ですよ。それにしても平日にも関わらず、人が多すぎる。
そもそも奈良公園自体が、日本を代表する観光スポットの1つとして、国内外に大人気。年間約1,300万人の観光客が訪れるというのだからその人気の高さを伺い知れます。
それに加え、東大寺や春日大社、興福寺などの歴史的建築物がたくさんあるので、見どころに事欠かしません。

おっ、人力車の後ろに鹿がいるではないですか。人力車をつけてきたのかな。もしそうだとしたら、可愛いすぎるぞ。
ただ鹿を眺めながら休憩するだけでも、色々と想像をかきたてられて、楽しい時間を過ごせました。
休憩を終えて奈良公園を立つと、県道754号線を北上。なかなかの交通量ですが、渋滞になるほどではないので気にしません。
住宅が立ち並ぶ中を疾走していくと、今住家の交差点へ到着。ここから県道754号線の左手側に分岐する奈良街道へ入ります。

そこから約450mほど北上すると、目の前にお洒落な外観の建築物が見えてきました。
この建築物が旧奈良監獄ですね。明治時代に建設された近代刑務所の一つで、れんが造りの外観とお洒落なデザインが光ります。



工事中だったので、入口のみを見物。入口だけを見ると、全く監獄とは思えないかな。
窓は背が高く、半円アーチ窓と櫛形窓が左右対称に並ぶのがいい感じ。それに門柱とアーチ状のデザインも秀逸だ。また、建物全体を眺めた時に、白い花崗岩を入れることで、いい感じのアクセントになっている。窓の鉄格子が無粋ですが、監獄だから仕方がないでしょう。
たしか、私の記憶によると2024年には「監獄ホテル」としてリニューアルする予定だったはずだ。気になったので、後から調べてみると2026年の春に開業する予定でした。工事が延びたのか、私の記憶違いだったかも。
また来る機会はあると思うので、その際には内部を見学できたらいいですね。
気持ちよく京奈和自転車道を疾走

旧奈良監獄を後にして、両脇に住宅が立ち並ぶ奈良街道をゆっくりと走ります。
奈良街道は大和街道とも呼ばれており、京都市から奈良市に至る道ですよ。歴史や地理的な理由より、複数のルートが存在するみたい。
飛鳥時代には、難波津・四天王寺と斑鳩里・法隆寺を結ぶ街道が整備されていて、聖徳太子もこの街道を使い往復していたという。そう考えると、感慨深いですね。
奈良街道を道なりに北上を続け、京都府木津川市へ入ります。市内を流れる一級河川・木津川の近くに京奈和自転車道の入口があるのは、去年偶然にも見つけたので知っている。

ということで、あっという間に京奈和自転車道へ入りました。さて、ここからはとても走りやすい、サイクリングロードをいざ参る。
平日ということもあってか、人通りがほとんどないし、それにほぼ平坦路なのもありがたい。



思わず鼻歌が飛び出すほどですよ。周囲の景色を楽しみながら、ゆっくりと自転車のペダルを回します。
ところどころにブルーラインがあるので、それに沿って走るだけなのは楽ですね。また、周辺には何も遮るものがないため、見晴らしが良いぞ。
ただし、風が強い日は注意が必要と思う。逆風ともなれば、全く前へ進まないだろうな。
そもそも天気が良く、走りやすいサイクリングロードというのは最高だ。嬉々として前へ前と突き進みました。

時折、サイクリストと遭遇することも。たまたまでしょうか、実際歩いている人より、自転車に乗っている人の方が多かったです。

おっ、あれは茶畑ではないですか。木津川の河川敷には、茶畑をいっぱい見られます。たしか去年来た時は、黒いシートで覆われていて、中は見れなかったかな。
どこまでものどかな風景が広がっており、癒される~。
京都府の山城地域は、お茶を育む技術と文化が花開いた土地柄。特に宇治茶が有名ですね。

道中には東屋などがあり、疲れた一息ついていこう。
そもそも京奈和自転車道は、京都市西京区嵐山から奈良県を通過して、和歌山県にある和歌山港までを結ぶ自転車道ですよ。全長約180kmもあるのだから、1日で走りきるのも大変だ。
なので、いずれは分割して周辺を観光しながら走りたいと密かに思っています。
京奈和自転車道を駆け抜けてどれくらい時間が経ったでしょうか、右手側には木津川に架かる上津屋橋(流れ橋)が見えてきました。
上津屋橋は、日本最大級の木橋であり、時代劇では定番のロケ地として有名ですね。去年は京都方面からこの橋を渡ると、意図せず京奈和自転車道へ入って、そのまま奈良市へ向けて進んだのを覚えているぞ。

しかし、去年と違ってどうも様子がおかしい。近づいてみると、通行止になっているではないですか。これは、いったいどういうことだ!?
後から調べて分かったのですが、2024年10月21日に発生した火災による被害の復旧工事を行なっているようです。

これは完全に想定外でしたね。どうしようか悩んでいると、とりあえずサイクリングロードを北上して、向こう岸へ渡る橋がないか探してみることにしました。

上津屋橋のすぐ奥に見える橋は、高速道路なのでパス。2kmほど走ったでしょうか、木津川大橋を発見。
この橋を使って、御山町へ入ります。
【自転車旅に役立つアイテムの紹介】
自転車旅に役立つ様々なアイテムを、下記記事で紹介します。
漢字ミュージアムへ向けてレッツゴー

木津川大橋を渡り終えると、これまでののどかな風景は一変し、都会の風景に変貌を遂げる。もちろん交通量も桁違い。より慎重に自転車を進めます。
宇治淀線(府道15号)を東へ向けて走行中にお腹が減ってきたので、どこかで昼食を取ろうと考えていたら「餃子の王将」を見つけました。餃子の王将の本場は京都ですね。ならば行かねばなりません。(笑)
ということで、早速店内へ入ると、大盛況のようで行列ができているではないですか。並ぶか少し悩みましたが、すでに私の口はラーメンとチャーハンとなっているぞ。なので、しばらく待つことに決定。

店内の回転率が高いようで、思ったより待ち時間が短かったですね。私が食したのは、ラーメンと半チャーハン、餃子、唐揚げのセットメニュー。
空腹ということもあって、あっという間に完食です。いや~、美味しかったな、満足満足♪
その後、再び自転車へ乗り込み、約1.5kmほど宇治淀線を東へ向けて走ると、大久保の交差点へ到着。4つ角となっていたので、この交差点を左折して、城陽宇治線(府道69号)を北へ向けて突き進む。
しばらくすると、国道24号へ合流したので、道なりに進んでいると前方に宇治川が見えてきました。

宇治川に架かる観月橋を渡ります。すでに京都市伏見区へ入っているので、ここまでくれば京都駅周辺まであと少し。
このまま国道24号を進めば、京都駅の近くまで到着するのですが、せっかく伏見区に来たのだから、伏見稲荷神社の千本鳥居をチラッと見ていきたいかな。

国道24号線の途中から分岐している奈良(大和)街道へ入り、町中を突き進む。前方に数台タクシーが連なって移動しているのが見えますが、おそらくお目当ては伏見稲荷神社だろうな。
伏見稲荷神社へ近づくにつれ、人混みとなってきたぞ。伏見稲荷神社前へ到着すると、たくさんの参拝者にあふれていました。予想はしていましたが、さすがは世界的に有名な観光スポットです。

そういえば、私は何度も京都へ旅をしており、金閣寺や清水寺など色々と見て回りましたが、伏見稲荷神社へ参拝した記憶がない。
本日は時間的に無理なので諦めますが、今度京都へ来たら伏見稲荷神社へお詣りに行きたいですね。
本町通りを北上していると、JR東福寺駅前の交差点へ辿り着いたので、そこを右折して東大路通り(府道143号)を道なりに進むと八坂神社前へ着きました。
京都市街の中心部は、人や車がもの凄く多い。大都市なので、自転車で走るのは向いていないといえます。なので、ペースをかなり落として、ゆっくりと進まないと危ないですね。
八坂神社前の交差点を左折して、四条通りを進むこと数十秒。ついに漢字ミュージアムへ到着しました。

漢字ミュージアムはその名の通り、漢字をテーマにしている博物館です。2016年6月に日本漢字能力検定協会が開館しました。
漢字と聞くと、堅苦しいと感じる人が一定数いますが、全然そんなことはなくゲーム感覚で楽しく学べます。

受付を済ませると、まず初めに目に飛び込んでくるのは「今年の漢字」です。「今年の漢字」は、京都・清水寺で発表される年末の風物詩として有名ですね。
2023年に選ばれたのは「税」の一文字。確かに2023年は、税に関する制度変更や増税議論が活発に行われていたので、多くの人がこの漢字を選んだのは納得感がある。
また、歴代の「今年の漢字」も別のフロアにまとめて展示しており、その漢字を見ると、その年の情勢を何となく思い出します。


その他にも「漢字5万字タワー」を始め、漢字回転すし、漢字の歴史絵巻などを通して、至るどころで漢字を楽しく学べる工夫がてんこ盛り。
ただ見学するだけでなく、体を使ったり、クイズ形式で回答したりなど体験しながら学ぶのは面白いですね。

館内を一通り見て回り、漢字ミュージアムを後にする頃には、日が暮れてきたので急いでJR京都駅へ向かいました。その道中に空を見上げると、グリーンに輝く京都タワーを発見。
普段は白色なのですが、啓発活動に合わせて、ピンクやグリーンなどに変化するそうですよ。そういえば、グリーンカラーの京都タワーは初めてみたかも♪
JR京都駅へ到着後、ロードバイクを輪行袋に仕舞い新幹線に乗って、帰路につきました。
漢字ミュージアムについては、下記関連記事でくわしく紹介します。
まとめ

4日間かけて滋賀・三重・奈良・京都を巡りました。
一つの県をじっくりと見て回るのも楽しいですが、毎日違った県を見て回るのは、それだけで新鮮ですね。
本日は1日中良い天気が続き、気持ちよく旅が続けられました。やはり自転車旅には、天気が最重要な要素といえます。
石上神宮では、境内を駆け回る鶏たちを見かけたり、奈良市街では鹿の集団を見かけました。鶏にしろ鹿にしろ大切な神様の使いたちですよ。
また、漢字ミュージアムでは様々な体験を通じて、漢字を学べるのが面白かったです。
それに京奈和自転車道は走りやすかったかな。京都から和歌山まで続いているサイクリングロードですが、いつか走破してみたい。全体的に人通りは少なく、すれ違う自転車も少なめだったので、ノーストレスで快適に走れました。
次回はどこを旅しようか。それを考える時間も実際に旅へ出かけるのと同じように楽しいですね。