
近年、健康志向の高まりや環境意識の向上などの理由により、都市部では自転車利用者が増えています。
そのため、交通事故全体に占める自転車の割合が増加傾向ですね。乗車時に交通ルールをしっかりと守るだけでなく、未然に事故を防ぐためには、乗車前に自転車を点検することも重要です。
たとえば、スピードを出している最中に、ブレーキが効かないことが分かるのは怖すぎる。そこで、セルフチェックをするに当たり、合言葉を活用しよう。
本記事では、自転車の安全点検の項目を覚えるために、全国に広がった合言葉「ブ・タ・は・しゃ・べる」を紹介します。
目次
自転車は乗車前の安全点検が大事

どのような乗り物でも自分の命を預けて運転するため、日頃から乗り物の安全点検が大事です。
特に自転車は、車やバイクのように燃料を必要とせず、運転免許も必要ないので、誰もがお手軽に運転できるのが魅力的。車ほどのスピードは出せませんが、徒歩とは比べものにならないスピードを、簡単に出すことができます。
ママチャリであれば、平坦路は時速15kmぐらいですが、ロードバイクやクロスバイクのようなスポーツ自転車ともなると、時速30km以上を出すのもそれほど難しくありません。
たとえママチャリでも急坂を一気に下るのであれば、時速30kmを普通に越えますね。

点検をおろそかにして、ブレーキが効かない状態を知らないままで運転していたとすると、ゾッとするだろう。その理由は、単純に止まることができないし、もし歩行者や車、壁などにぶつかりでもしたら、速度が速いほど衝撃が大きくなるからだ。
たとえば、歩行者にぶつかってしまうと、速度が速いほど重大事故に発展する可能性がかなり高い。時速30kmともなると、建物の2階程度の高さから落下するほどの強い衝撃ですよ。
車のエアバッグが作動する基準となる衝撃なのだから、かなり危険です。
もちろんブレーキだけでなく、タイヤやハンドル、ギア、チェーンなど点検すべきところは多い。乗車前にじっくりと観察して、異常がないか確認して下さい。
日頃から自転車を注意深く観察していれば、異常な状態があると違和感を感じやすいですね。乗車前に点検することで、事故の芽を事前に積むことができます。
自転車の安全点検は合言葉で覚える

自転車の乗車時にセルフチェックを行なうにあたり、経験が乏しい初心者では、具体的にどこを点検すれば良いのか悩みますね。
実は、点検項目を覚えて置く便利な合言葉あることを知っていますか。それが冒頭でも触れた「ブ・タ・は・しゃ・べる」です。
これは自転車協会が定めた、自転車の安全点検項目の頭文字を並べたもの。警察や学校などでは、交通安全教育の一環として広く使われているので、聞いたことがある人も多いと思います。
それぞれの頭文字の点検項目は、以下の通りです。
- 「ぶ」= ブレーキをチェック
- 「た」= タイヤをチェック
- 「は」= 反射板をチェック
- 「しゃ」= 車体をチェック
- 「べる」= ベルをチェック
それぞれについて、くわしく紹介します。
「ぶ」= ブレーキをチェック

まず始めに、前後のブレーキの効き具合を確認しましょう。効いていなけば、もちろんアウトです。
もしブレーキレバーがグリップに当たるぐらい握らないと、ブレーキが効かないのであれば、たとえ制動力があったとしても、いざという時に停まれませんので、こちらもアウトですよ。
反対に効きすぎるのも危ないですね。ブレーキレバーを少し引いただけで急ブレーキがかかるのは、転倒リスクが高まります。
また、ブレーキレバーの握り具合の確認や、ブレーキワイヤーが伸びていたり、外れていないか確認すること。
さらにブレーキをかけた時にブレーキシューがホイールの片側にしか当たらないのであれば、両側から均等に当たるよう調整しましょう。それに、ブレーキシューの減り具合が大きいのであれば、速やかに交換して下さいね。
「た」= タイヤをチェック

ブレーキのチェックを終えたらタイヤを点検しましょう。
タイヤに適正な空気圧が入っているでしょうか。タイヤによって、適正空気圧は変わりますが、空気圧が低いとパンクリスクが高まります。
また、タイヤの接地面がすり減っていたり、サイドにひび割れがないのか確認すること。劣化したタイヤを使い続けていると、突然パンクしたり、破裂したりするので注意が必要ですね。
もしタイヤにガラス片や石、釘などの突起物が刺さっていれば抜いて下さい。その結果、空気が洩れてしまいパンクするかも知れませんが、走行中にパンクすることを思えば、全然気が楽です。
その他には、ホイール(特にスポーク部分)などに紐や草などが巻き付いているのであれば、取り除きましょう。
「は」= 反射板をチェック

夜間走行時に役立つアイテムがライトと反射板(リフレクター)です。
特にリア側の反射板は、後方に取り付けるため、車などのライトの光を反射して、車のドライバーに自転車の存在を知らせる役割があります。
そのため、反射板が汚れていたり、壊れていて機能しなくなっていないか確認して下さいね。具体的には、夜間や暗い環境で後方100mの地点からライトを照射した時に、自転車の存在が分かること。確認の際には、取り付け位置や角度が正常なのかもチェックしましょう。
また、フロントライトが問題なく点灯して、照射角度や位置が正常なのかも確認して下さい。
反射板だけでなく、リアライトも併用すると、より視認性がアップ。ライトは自ら発光して、暗闇の中に潜む自転車の存在をあらわにするので、効果が抜群です。
尚、道路交通法では、リアライトを点灯させるのであれば反射板は不要ですが、リアライトを点滅で使用するならば、反射板は必須になります。
「しゃ」= 車体をチェック

ブレーキ・タイヤ・反射板のチェックを終えたら、よいよ車体をじっくりと確認します。
車体は見るべき箇所が多いので、一つづつ確実に点検すること。そこで、主な点検項目を以下にまとめました。
- フレーム:傷や亀裂、錆が発生していないか
- ハンドル:ハンドル回りにガタツキがなく、前輪に対して直角になっているか
- サドル :サドルが適切な高さでしっかりと固定されているか
- チェーン:さびていないか
- ギア :すり減っていないか、変速がスムーズにできるか
- ペダル :ガタツキがないか
- カゴや荷台:しっかりと固定されていて壊れていないか
そして、最後に軽く走らせてみて異音がするようでしたら、異音が発生している箇所をチェック。異音は不具合を知らせるSOSですよ。また、折りたたみ自転車では、おりたたみ部分の固定が緩くなっていないかも点検して下さいね。
その他にも気になるところがあれば、スルーしないで納得いくまで点検しましょう。
「べる」= ベルをチェック

最期にベルに破損がないか確認して実際に鳴らしてみよう。そして、確実に聞き取れる音量なのか点検します。
普段ベルを鳴らす機会はそれほど多くはないと思いますが、危険が差し迫った時など咄嗟に鳴らすために、操作しやすい位置に取り付けて下さいね。
狭い駐輪場などで自転車を停めた際には、横の自転車とぶつかり、ベルが壊れてしまう可能性はゼロではないので注意すること。普段あまり使わないため、点検するのを忘れがちになってしまいますが、しっかりと確認しましょう。
安全点検には「ハラブッタベサ」という合言葉もある

自転車の安全点検には、「ハラブッタベサ」という合言葉もあります。
こちらも「ブ・タ・は・しゃ・べる」と同じく、安全点検項目の頭文字を並べたものですね。それぞれの頭文字の点検項目は、以下の通り。
- 「ハ」= ハンドルをチェック
- 「ラ」=ライトをチェック
- 「ブ」=ブレーキをチェック
- 「タ」=タイヤをチェック
- 「ベ」=ベルをチェック
- 「サ」=サドルをチェック
点検内容は、基本的に「ブ・タ・は・しゃ・べる」と同じなので、あなたが覚えやすい方の合言葉で、乗車前にセルフチェックを行ないましょう。
乗車前だけでなく定期的な点検も忘れずに

自転車は、乗車前だけでなく定期的なメンテナンスを行なうことで、驚くほど長く使い続けれます。
たとえば、乾いた布で車体全体の土や埃を取り除いたり、錆を見つけたらお手入れして除去しよう。しつこい汚れがあるならば、薄めた中性洗剤を使用し、パーツが傷つかない程度にブラシでこすって落とすと良いです。
また、チェーンや変速機などの駆動部には、潤滑剤を使用してメンテナンスしますが、誤ってホイールのリムの部分やブレーキシューに潤滑剤が付いてしまったら、しっかりと拭いて下さいね。そのまま放置しておくと、ブレーキが効かない原因になる危険性があります。
特にロードバイクは、ママチャリと比べて明らかにスピードが出せる自転車です。たのためメンテナンスはママチャリ以上に欠かせません。使用頻度や走行距離にもよりますが、1~2年に1回の頻度でオーバーホール(車にあたる車検)を行なうのをおすすめします。
まとめ

本記事では、自転車の安全点検の合言葉「ブ・タ・は・しゃ・べる」を紹介しました。最期にもう一度、この合言葉で点検する項目を以下にまとめます。
- 「ぶ」= ブレーキをチェック
- 「た」= タイヤをチェック
- 「は」= 反射板をチェック
- 「しゃ」= 車体をチェック
- 「べる」= ベルをチェック
乗車前のセルフチェックで何かしらの不具合や異常を見つけたら、しっかりと対処して下さいね。もし自分で対処できないのであれば、自転車に乗らずに近所の自転車屋さんへ持ち込み、プロに整備をしてもらうのをおすすめします。
自転車は使い勝手が良いですが、大きな事故につながる可能性があるので、セルフチェックだけでなく、定期的にしっかりとメンテナンスすること。そして、交通ルールを守り、自転車ライフを楽しんで下さいね。



