高梁川(たかはしがわ)上流に広がり、カルスト台地を浸食することで形成された井倉峡。
この井倉峡の奥には、悠久の時をかけて自然に造られた神秘の巨大鍾乳洞が広がっています。
この鍾乳洞は「井倉洞」と呼ばれ、今では多くの人が訪れる観光名所ですね。
井倉洞を探検して、幻想的な鍾乳石の美しさを堪能しましょう。
また、洞内にある縁結びの神様で知られている阿里佐宮で願掛けをしてみませんか。
本記事では、井倉洞について紹介し、悠久の時をかけて自然が造り出した幻想的な光景をお伝えします。
井倉洞とは
井倉洞は、岡山県新見市の井倉峡に位置し、悠久の年月の中で雨水などにより浸食してできたとされる全長1,200mにも及ぶ巨大鍾乳洞です。
洞内は幻想的な雰囲気が漂っており、洞窟内としては国内最大を誇る落差50mの「地軸の滝」など人気スポットがあります。
1958年(昭和33年)に発見された井倉洞は、新見市が開発と観光化を進めてきました。
当初は、船で渡っていましたが今は橋が架けられており、容易に入洞できます。
岡山県指定天然記念物に指定されている洞内を探検して、鍾乳石が織りなす自然の神秘を堪能しましょう。
また、洞内には縁結びのパワースポットになっている「阿里佐宮」があります。
井倉洞内の注意事項
井倉洞の洞内では、足元が滑りやすいところもあるため、サンダルやヒールのような靴ではなく、安全な靴を履いて探検しよう。
また、洞窟内は涼し平均気温は15~16℃で安定しているため、若干肌寒さを感じますね。
そのため、1枚上に羽織る上着があれば安心です。洞窟内は、天上が低くなっている部分がありますので、頭上に注意して歩きましょう。
井倉洞の入洞方法
井倉洞へ入るためには、入洞券の購入が必要です。
入洞券は、井倉洞の入場場所から少し離れたところに設置している「入洞販売機」で購入します。
そして、井倉洞の入口へ向かう橋の入口前にある受付場所で入洞券を見せる運用ですね。
橋の階段前で「にーみん」を発見。
にーみんは、新見市のマスコットキャラクターであり、井倉洞では彼が洞窟探検の応援をしてくれます。
橋の上を歩いて、突き当りを右折して階段を降りましょう。
尚、橋の上から高梁川で泳いでいる魚へ餌投げができます。
橋の途中で、魚の餌を売っているよ。(一袋100円)
階段を下ると、井倉洞の入口へ辿り着きました。
井倉洞の所用時間とコース紹介
こちらが井倉洞のコースです。
コースの途中には、様々な名前の付いた鍾乳石や石筍(せきじゅん)などが見て取れます。
特に見どころの一つとして3つの滝があり、それぞれ「ありさの滝、地軸の滝、音の滝」と言いますので、お見逃しなく。
洞内の周回時間は、およそ30分~40分程度かかります。足元に注意しながら、ゆっくりと見て周りましょう。
神秘の洞窟「井倉洞」を漫喫しよう
幻想的な鍾乳洞の世界を探検
洞窟内へ入ると、ひんやりした空気が流れてきて、少し肌寒く感じました。
頭上に注意しながら、中腰で歩いて行く姿は、まさに「地底探検」をしている気分を味わえますね。
洞窟内には、芸術品と呼んで良いほど良くでできた自然のアート作品がたくさん展示されていました。
天井からつららのように成長する鍾乳石を眺めたり、落ちた雫が固まり石筍(せきじゅん)として生まれ変わる神秘的な造形美に満足感を覚えます。
こちらの作品は「ありさの滝」です。雨が降ると優しく爽やかに流れます。
「振り返って上をご覧下さい」のメッセージを見つけて、思わず振り返って上を見上げました。
すると、亀モドキが壁をよじ登る光景を発見。こう言う演出は素敵です。
洞内の所々では、何度も階段を上ったりしますので、思った以上に運動しますね。
こちらの「上をご覧ください」のメッセージを見つけたら、素直に目線を上に向けてみましょう。
すると、そこには高さ30mも上から下に伸びて見える鍾乳石の数々にビックリ!
このように井倉洞の探検は、普段お目にかかれない光景が至るどころに溢れています。
例えば、こちらの「金すだれ」や「銀すだれ」のように高い天井から垂れてきた鍾乳石が、下から上へ伸びてできた石筍と一つにあり、石柱になっていました。
井倉洞の探検路は、下から上に向かって約90mも登っていきます。
頂上まで辿り着くと、下へ進んで出口へ辿り着くコースです。
通路には、水滴が付いていたりして、少し滑りやすくなっている場所もあるので、慎重に歩きましょう。
こちらの写真を見て下さい。底まで透き通った綺麗な泉がありました。
この泉は「瀬戸の海」と呼ばれており、ライトアップされた碧の世界に思わず驚嘆の声を上げてしまいました。(驚)
地下水が溜まってできた泉の中には、たくさんの石筍が浮かび、その姿が島々が点在する瀬戸内海に見えることから「瀬戸の海」と名付けられたそうです。
ライトアップされた空間は、幻想的な雰囲気をより良く煽り、次々と現れる神秘的な鍾乳石や石筍、石灰柱などに感嘆を禁じ得ません。
こちらは洞窟内で発見した謎の手形です。一体この手形の意味するところは何でしょうか。(笑)
狭い通路を通り抜けた先には、「音の滝」がありました。
「音の滝」では、音だけが聞こえる不思議な滝であり、恐らく遥昔から絶え間なく鳴り続けていたのでしょう。
この「音の滝」があるところが頂上のため、後はゆっくりと出口へ下っていきました。
この井倉洞は、西日本では山口県の秋芳洞に次ぐ規模を誇り、見所満載です。
ゆっくりと歩いて洞内を探検して見て周りましょう。
自然が生み出した天然のアート作品を堪能していると、思わぬ閃きが浮か上がるかも知れません。
神秘的な鍾乳洞の世界へ触れてみませんか。
【神秘的な光景あれこれ】
井倉洞のように自然が長い年月をかけて造り上げた神秘的な光景を目撃すると驚きますね。そんな神秘的な光景を下記記事で紹介します。
高さ約50mもある「地軸の滝」
井倉洞の見どころの一つと言えるのが、こちらの「地軸の滝」。
洞窟内に流れる滝としては、落差50mを誇り、水量とともに他に類をみないほどの大きさです。
その圧倒的な光景に足を止めて、しばらく見入っていました。
この滝の傍でマイナスイオンをたっぷりと感じながら、心地良い時間を堪能しましょう。
【迫力ある光景の紹介】
地軸の滝のように迫力ある光景は、自然界には至るどころにありますので、下記記事で紹介します。
にーみんの応援と休憩所
井倉洞の洞内では、新見市のマスコットキャラクターである「にーみん」が至るどころで洞窟探検の応援をしてくれています。
また、椅子などが用意されているところもありますので、洞内の探検に疲れたら椅子に座って休憩を入れましょう。
何気にこのような応援は力が出ますね。
にーみんと一緒に洞窟探検をやり遂げましょう。
「阿里佐」の悲恋物語
井倉洞の出口には、この地で言い継がれている悲運の阿里佐姫を祀った「阿里佐宮」があります。
阿里佐宮は、縁結びの神様として若い人たちの信仰を集めているパワースポットです。
1,500年代、井倉洞前の阿里佐淵で起きた悲しい恋の伝説をお話しましょう。
この里に阿里佐という女性と茂作という青年が恋仲になり平穏に暮らしていました。
ある日、里に備中松山藩主の三村家親の娘「鶴姫」が訪れます。
鶴姫は、絶世の美女でとても評判が高く、その噂は遠く中国にまで知られていたそうです。
鶴姫の姿を見た茂作は、溢れ出る気高い美しさに心を奪われ、何とか姫と結ばれたい一心で、阿里佐を置いて里を飛び出してしまいました。
残された阿里沙は、きっと茂作は戻ってくると待ちわびましたが、茂作の消息は全くわかりません。
生きる望みを失った阿里沙は、井倉峡の船隠しの淵に身を投じ自害してしまいました。
里の人たちは、阿里佐の魂を慰めようと、淵の上に祠を建て今日に至ります。
この祠が「阿里佐の宮」であり、人々から悲恋を無くす恋の守り神として知られるようになっていきました。
阿里佐宮へ立ち寄り、願掛けをしてみませんか。
【神社仏閣の紹介】
旅の道中では様々な神社仏閣へ立ち寄りますので、下記記事で紹介します。
井倉洞の基本情報とアクセス
住所 | 岡山県新見市井倉409 |
電話番号 | 0867-75-2224 |
営業時間 | 8:30~17:00(最終受付は16:30まで) |
定休日 | 無休 |
料金 | 大人1,000円、高校生1,000円、中学生800円、小人500円 |
- 団体割引がありますが、人数により料金が変わります。詳しくは、井倉洞の公式ホームページでご確認下さい。
- 障害者割引により、本人のみ通常料金は半分になります。障害者手帳のご提示が必要です。
【アクセス】
- JR井倉駅から徒歩で約15分
- JR新見駅からタクシーで約25分
- 新見ICから車で約25分
井倉洞の駐車場
井倉洞への無料駐車場は2箇所あります。
こちらの駐車場では、普通車200台、大型バス20台が駐車可能です。(トイレ有り)
また、こちらの第二駐車場では、普通車100台が駐車できます。(トイレ無し)
まとめ
石灰岩の絶壁が織りなす井倉峡の奥には、悠久の時をかけて自然に造られた神秘の巨大鍾乳洞である井倉洞があります。
洞内ではライトアップがされており、幻想的な雰囲気を味わえる地底世界を探検しましょう。
数々の鍾乳石や石筍、滝などによる自然の芸術作品は一見の価値ありです。
ゆっくりと洞内を歩きながら井倉洞を堪能しましょう。
【サイクリストの管理人からの一言】
サイクリングを趣味にして、鍾乳洞巡りや神社仏閣巡りなどを楽しんでみませんか。下記記事では、サイクリングを趣味にすることについてお話します。