ヒルクラムとは、ただひたすら坂道や峠、山道を駆け上るため、かなりキツイですが、サイクリストを惹きつけてやまない魅力があります。
自分の力を出し切り、頂上まで上り切った充実感は何物にも替えれません。
ゆめしま海道を構成する岩城島(いわぎじま)には、本格的なヒルクライムを楽しめる積善山(せきぜんさん)があります。
平均斜度7%前後もある、この積善山をヒルクライムしてきました。
道中は、上島町のゆるキャラ「かみりん」の看板が、所々で頂上までの残り距離や危険な所を教えてくれますね。
本記事では、積善山のヒルクラムにチャレンジした様子や注意点、頂上からのパノラマ絶景について紹介します。
岩城島の積善山とは
岩城島(いわぎじま)は、愛媛県北東部に位置する瀬戸内海に浮かぶ離島であり、愛媛県越智郡上島町に所属します。
岩城島の中央部には、標高370mの積善山(せきぜんさん)がそびえ立ち、放物線を描く外観から岩城富士の愛称が付けられていますね。
また、山頂にある展望台からは、瀬戸内海の多島美を一望できるパノラマ絶景を堪能できます。
桜シーズンになると、山道沿いにソメイヨシノや山桜、オオシマザクラなど約3,000本の桜並木に可憐なピンク色の花が咲き誇り、多くの花見客が訪れる桜の名所です。
岩城島のアクセス
岩城島へ向かうには、基本的にフェリーを利用します。
- 土生港(因島)⇔ 長江港(岩城島) 乗船時間:約15分
- 洲江港(生口島)⇔ 小漕港(岩城島) 乗船時間:約10分
- 佐島(佐島港)⇔ 岩城港(岩城島)乗船時間:約7分 快速船
- 今治港(今治市)⇔ 岩城港(岩城島) 乗船時間:約50分 快速船
No.3とNo.4は同じ芸予汽船であり、自転車は載せれますが、車は乗船できません。
また、芸予汽船は「今治港(今治市)⇔岩城港(岩城島)⇔佐島港(佐島)⇔弓削港(弓削島)⇔生名港(生名島)⇔土生港(因島)」のそれぞれの港へ運行します。
2022年3月20日にゆめしま海道が全線開通したため、生名島から岩城橋を渡って岩城島へ向かえるようになりました。
尚、生名島へはフェリーで直接上陸するか、フェリーで上陸できる他の島から橋で渡るため、必ずどこかでフェリーを使うことになります。
桜シーズン時の注意事項
桜シーズンに積善山をヒルクライムする場合は、以下の注意点について気を付けましょう。
- 土日曜日は、多くの花見客が訪れるため、交通渋滞に巻き込まれる可能性が高い
- 決まった日付限定(主に土日曜日)ですが、積善山山頂へ向かう往路と復路は、途中から一方通行に規制される
【春の景色を紹介】
春の景色で代表的な花と言えば「桜」でしょう。下記記事では、桜の名所を始めとする春の景色を紹介します。
積善山の入口へ行こう
岩城島の外周、東西どちらかでも構わないですが、岩城環状線(県道174号線)を走っていると、積善山(せきぜんさん)の入口へ辿り着きます。
ちなみに私は、西側から周りました。
岩城橋を渡ってきた場合で、島の中心街へ向かうならば、自ずと西側へ向かうことになります。
また、西側の方が海がより間近に見えてGoodですね。
こちらは積善山の入口付近にあった案内標識です。山頂まで約5kmほど上らなければなりません。
積善山は、岩城富士とも呼ばれており、岩城島の中央部に位置しています。
標高約370mもあり、山頂には360度の大パノラマ絶景が見て取れる展望台がありますね。
積善山の入口前には、上島町のゆるキャラ「かみりん」がお出迎えしてくれました。
今後、山道を上るにつれ、かみりんが山頂までの残り距離を教えてくれます。
そして、こちらが積善山のルートです。
積善山のルートは、北側と南側が有り、今回のヒルクライムは北側からチャレンジします。
尚、南側ルートの勾配は半端なく大きく、斜度が20%を越える所もあるとか。
桜シーズンにヒルクライムする場合は、北側からしか上れませんので気を付けましょう。(南側ルートは復路になります。)
こうして、積善山ヒルクライムを開始しました。
【登山あれこれ】
旅先では、山や峠をヒルクライムすることが多いですが、時には徒歩で登山することもありますので、下記記事で登山の様子を紹介します。
【頂上まで残り3.8km】岩城公園休憩所
始めの内は、緩やかな上り坂であり、斜度は全く大したことは有りません。
スルスルと坂道を上っていると岩城島公園休憩所を発見します。
全く疲れていないため、スルーしようとしたところ、かみりんの案内板を発見。
頂上まで残り3.8kmと言うことが分かりました。
このように道中では、至るどころで「かみりんの案内板」が設置されており、その都度頂上までの残り距離を教えてくれます。
【頂上まで残り3.6km】岩城桜公園
岩城島公園休憩所から約200mほど上ると、岩城桜公園へ到着。
ここまでの勾配は、斜度2~4%程度のため、ロードバイクで走るにはそれほど大変ではありませんが、シティーサイクル(ママチャリ)では少しツライかも知れませんね。
かみりんが嬉しそうに頂上まで残り3.6kmと教えてくれます。
桜公園には歌碑もありました。
尚、この公園を過ぎた当たりから勾配が大きくなり、坂道を上るのがキツク感じてきます。
【公園の紹介】
積善山のヒルクライム中では、岩城桜公園へ立ち寄りませんでしたが、旅の道中に公園へ立ち寄ることは良くありますね。下記記事では、旅の道中で立ち寄った公園を紹介します。
【頂上まで残り3.0km】眼下の景色を楽しもう
頂上まで残り3kmの地点にも「かみりんの案内板」が設置されていました。
徒歩で山頂まで上ると約65分かかるみたいですね。
それなりの高さまで上ってきましたので、眼下の景色はGoodです。
この景色を楽しめるのもヒルクライムの魅力の一つです。
例えツライ上り道でも綺麗な景色を眺められるならば、頑張りがいも出てきます。
ヒルクライムで大事なのはペース配分なので、一定のペースで粛々とペダルを漕いでいきましょう。
積善山は本格的なヒルクライムが楽しめるため、クライマーならば満足度が高いのではないでしょうか。
【頂上まで残り2.3km】妙見神社へ参拝
こちらは道中で見つけた妙見神社の鳥居です。参拝して参りましょう。
決して、ヒルクライムに疲れたので休憩するためじゃないですよ。(笑)
約5分ほど歩いたでしょうか、目の前には建屋とその隣に巨石を発見しました。
この巨石は、古代人の巨石崇拝の遺跡だそうです。
建屋の中へ入ると社がありました。
尚、妙見神社の鳥居の前にも「かみりんの案内板」があります。これで頂上まで残り2.3kmです。
【頂上まで残り2.0km】三又路の分かれ道
標高が高くなるにつれ、眼下の景色が更に素晴らしい物に変わりますね。
桜の名所として知られている積善山は、山頂までに向かう道中に桜が立ち並び、約3千本の桜が山全体をピンク色に染めるそうです。
その景色は「天女の羽衣」と呼ばれ、言葉を失うほどと言われています。
一本道をひたすら上って行くと、途中で道が分かれました。
沿岸にあった看板には「積善山降り口」と書かれています。
それを見て「なるほど。桜シーズンで積善山が一方通過になった時の帰り道になるのか」と確信した次第です。
この三又路にも「かみりんの案内板」がありました。
尚、こちらの立札もあり、港までの距離を表記しています。(小漕港・長江港まで3.5km、岩城港まで2kmです。)
【頂上まで残り1.0km】休憩ポイント、東屋発見
再び坂道を上り始めると、気になる立札を目撃しました。その立札がこちら。空中階段遊歩道を案内しています。
こちらが空中階段遊歩道の入口のようです。
近づいてみると、かみりんからまさかの通行不可宣告を受け、ガックリ。
仕方がないので諦めて、再び山頂を目指しました。
後日調べてみると、2018年の豪雨災害の影響で通行不可になっているようです。
道中には、落石の注意が必要なところがありますので、周囲の状況を良く確かめて坂道を上りましょう。
危ないところはこちらのように、かみりんが教えてくれます。
しばらく上っていると東屋を発見。
この東屋の前にも「かみりんの案内板」があり、頂上まで残り1kmとなりました。
平坦路では「残りたった1kmしかないのか」と思いますが、勾配の大きな坂道では「まだ1kmあるのか」と思えてくるから不思議です。(笑)
【頂上まで残り0.6km】西駐車場からのラストスパート
坂道を上り続けていると、大きく曲がる道の先には公衆トイレと駐車場(西駐車場)が見えてきました。
ここまで上れたら頂上まであと少しです。
かみりんも山頂まで残り0.6km(600m)と教えてくれます。
近くにあった歌碑には「善を積む人の集まる花見かな」と書かれていました。まさに積善山のことを表していますね。
また、この西駐車場からは、見晴らし広場や夕日の展望台へ向かう道が続いており、今回は行きませんが、次回訪れた時の楽しみに取っておきます。
積善山の山頂下の駐車場へ到着
西駐車場からラストスパートをかけて、一気に600mを上り切り、山頂前の駐車場へ辿り着いたのです。
この瞬間、積善山を登り切った達成感と充実感に体中が打ち震えました。
思わず腕を頭上に持ち上げ、ガッツポーズ。
ヒルクライムは、やり遂げた瞬間が最高です。
だからこそ、多くのサイクリストは山へチャレンジするのでしょう。
積善山は所々で斜度10%の激坂がありましたが全体を通して考えてみると平均斜度は7%前後と言ったところですね。
ヒルクライム初心者から中級者にとって満足度が高いところだと思います。
【自転車の運転技術に関する話】
ヒルクライムで楽に坂道を上るにはコツがありますね。下記記事では、自転車の運転技術に関する話を紹介します。
見晴らし広場からの景色
自転車から降りて徒歩で、公衆トイレの脇にあった通路を通り抜け、見晴らし広場へ向かいました。
尚、先ほど触れた西駐車場で見つけた「見晴らし広場」とは違うようです。
奥まで歩くと小さな広場があり、ベンチが設置されていました。どうやらここが見晴らし広場のようです。
こちらは見晴らし広場からの景色です。瀬戸内海の多島美を楽しめます。
眼下には港町も見て取れますね。
景色を堪能した後は、山頂へ向かいましょう。
積善山展望台からの絶景
駐車場の奥には、山頂へ続く道がありました。
山頂まで残り130mは徒歩です。
階段を上って行くと展望台が見えてきました。
展望台の近くには積善山の石碑があり、撮影スポットに持って来いですね。
展望台の階段を上り、頂上まで辿り着くと、360度のパノラマ絶景を堪能できます。
足元には、眺める方向で何が見えるのか簡潔に表していました。
こちらが積善山展望台からの景色です。
先ほどの見晴らし広場で眺めた時と同じように、これらの景色がヒルクライム後の何よりのご褒美です。
坂道を上った時の疲れが吹き飛びますね。
積善山展望台から眺める瀬戸内海の景色は、大変素晴らしく、この景色を眺めるために積善山を登る価値は十分にあります。
【絶景スポットの紹介】
積善山展望台からの眺めのように、高い所からの景色は素晴らしい眺望が広がりますね。下記記事では、そんな絶景スポットを紹介します。
積善山の基本情報
住所 | 愛媛県越智郡上島町岩城 |
電話番号 | 0897-75-2500(上島町教育委員会 岩城支所 商工観光課) |
駐車場 | 山頂下:約10台、西駐車場:約15台 |
まとめ
積善山は、本格的なヒルクライムが楽しめる絶景スポットです。
平均斜度は7%前後なので、ヒルクライム初心者から中級者まで適しています。
桜シーズンには、約三千本の桜が山全体を覆い多くの花見客が訪れますね。
クライマーを元より、そうでないサイクリストも岩城島へ訪れたら積善山ヒルクラムをチャレンジしてみませんか。