日本三景の一つである「天橋立」を高い所から全景を見下ろす景色は、誰もが素敵と思うもの。
そんな景色を眺めることができる展望所の一つが傘松公園です。
園内を見て歩きながら、自分だけのベストビュースポットを探してみて下さい。
天橋立を見る角度によって、少しずつ違った表情を見せてくれます。
また、天橋立の鑑賞以外にも、イメージキャラクター「かさぼう」との記念撮影など様々な楽しみ方がありますよ。
本記事では、天橋立の全景を堪能できる傘松公園の楽しみ方についてお伝えします。
傘松公園とはどんな所
傘松公園は、成相山(なりあいさん)中腹にある公園で、北側から天橋立の全景を一望できるビュースポットです。
丹後海陸交通が運営しており、天橋立駅から見てみると、天橋立を渡り切った対岸の府中地区にあります。標高130mの高台に位置し、そこから眺めるパノラマ絶景は一見の価値あり。
南側から天橋立の絶景を楽しめる「天橋立ビューランド」と共に、天橋立観光の二大展望所として、多くの観光客が足を運んでいますね。
天橋立を股の間から覗いて眺める「股のぞき」発祥の地として知られ、その眺めは、まるで昇り龍のように見えるのです。
そのため、その景色を「昇龍観」と呼んでいるとか。天橋立へ訪れる機会があれば、是非自分の目で直接確かめてみて下さい。
尚、徒歩で傘松公園へ登ることができますが、無理をしないでケーブルカーやリフトを使った方が無難でしょう。
傘松公園の行き方
天橋立駅の対岸にある府中地区には、傘松公園へ向けて、ケーブルカーやリフトが発車している府中駅があるので、まずはそこへ向かいましょう。
府中駅から傘松公園の所用時間は、ケーブルカーが約4分、リフトが約6分です。
尚、乗車券はケーブルカーとリフトの共通券となっているので、往路はケーブルカー、復路はリフトのような使い方もOK。
特に復路はリフトにすれば、下降中に天橋立の景観がバッチリ見えますよ。
ペットを持ち込む方は、ケーブルカーへは基本的にペットの乗車はできないので注意が必要です。
但し、ペットケース・ペットカートなどの中に入れ、ペットの顔や体がはみ出ていない場合に限り乗車できますね。
天気が良く風が穏やかな日は、リフトで移動するのが気持ち良いですよ。
リフトに乗車すると、こちらのような天橋立アートが見られました。
面白い趣向ですね。
余談ですが、府中駅前には、こちらのパワスポポストがあります。
なんでも前方にある籠神社のイザナギノ大神とイザナミノ大神が結ばれた縁結びのパワーと、後方の成相山成相寺の聖観世音菩薩による願い事が成り合うパワーがあるとか。
気になる相手に手紙を出して、縁を結んでみては如何でしょうか。
「昇龍観」と呼ばれる天橋立の絶景
傘松公園からは、「斜め一文字」の天橋立の全景が一望できます。
普通に眺めるだけでも素晴らしいですが、是非天橋立名物「股のぞき」にチャレンジしましょう。
上体を180度近く曲げて、股から顔を覗かせて天橋立を眺めてみて下さい。
尚、園内には複数の股のぞき台が用意されているので、その上で試すと良いですよ。
すると、こちらのような絶景が見られました。
まるで龍が天に昇っているその姿は「お見事!!」の一言。
この景観を讃え「昇龍観」と呼ばれています。
実はこの股のぞきには、直立して見るより、大きさが小さく見えて更に実際の距離よりも短く見える効果があるとか。
このことについて研究し発表した立命館大学教授の東山篤規氏と大阪大教授の足立浩平氏の二人が、2016年に「イグ・ノーベル賞」の「知覚賞」を受賞しました。
股のぞき台以外にも、こちらの円形の展望台「スカイデッキ」からの眺望もお勧め。
床面はウッド仕上げであり、強化ガラスが張られた床面の空中廊下もあります。
ここから約40mの真下が見通せるので、少し怖いかも。
遠くの方には、天橋立の二大展望所の一つ「天橋立ビューランド」が見えました。
天橋立は、阿蘇海と宮津湾を南北に分ける砂嘴(さし)でできた砂浜です。
全長は約3.6km、幅は約20~170mもあり、約5,000本の松が生い茂っています。
そんな天橋立は、立ち位置や角度により、様々な表情を見せてくれますので、色んな場所で股くぐりしながら、ここでしか見られない絶景を漫喫しましょう。
【高台から眺める海の景色】
高台から眺める海の景色は、素晴らしい物が多いですね。そんな場所を訪れるとテンションが上ったり、感動したりするもの。下記記事では、そんな絶景スポットを紹介します。
傘松公園の楽しみ方
カップルにお勧めの「願いの鐘」と「ラブチェアー」
傘松公園にあるこちらの展望台の2階には、カップルにお勧めの「願いの鐘」と「ラブチェアー」があります。
こちらの「ラブチェアー」にカップルで座って、鐘を二人で鳴らしましょう。
ラブチェアーの名前通りに、椅子の台座など特定の場所がハート形で作られており、特別感が満載です。
多くの観光客がいる中で一人で座るのはハードルが高いですよ。(笑)
また、カップルの共同作業と言えば南京錠を思い浮かべる方も多いはず。
ラブチェアーの近くには、沢山の南京錠がかけられていました。
売店で南京錠を購入できますので、是非お二人で鍵をかけてみませんか。
きっと、二人の仲がより深まるはずです。
そして、記念撮影を撮り、思い出の一枚を増やしましょう。
【カップルで訪れたい観光スポットの紹介】
旅を続けていると、傘松公園のようにカップルにお勧めな観光スポットへ訪れたりしますね。下記記事では、そんな観光スポットを紹介します。
イメージキャラクター「かさぼう」と記念撮影
傘松公園のイメージキャラクターと言えば、こちらの「かさぼう」です。
天橋立の創造とともに生まれてきた妖精であり、寂しがり屋で子供たちが大好き。
誰とでもすぐ仲良くなる性格で、ずっと傘松に住み、ここから天橋立を見守っているという。
週末に訪れると、着ぐるみの「かさぼう」に出会えるかも。
そんな「かさぼう」と一緒に記念撮影をしてみませんか。
また、「かさぼう」の顔出しパネルもあるので撮影時に使ってみましょう。
園内の至るどころに「かさぼう」がいますので、探してみるのも面白いですよ。
ちなみにケーブルカー乗り場には、大きな「かさぼう」がいました。
かわらけ投げにチャレンジしてみよう
「かわらけ投げ」にチャレンジしてみませんか。
かわらけ投げは、昔から厄除けとして行われている風習です。
かわらけとは、漢字で書くと「土器」となり、素焼きや日干した円盤状の土器や皿のようなもの。
厄落としだけでなく、この土器を遠く離れた輪に投げ入れて、見事輪の中を通り抜けると願いが叶うという。
かわらけ投げは、日本各地の観光地やお寺で行っているところがありますが、発祥の地は京都だそうです。
本場京都の地で運試しとしゃれ込みましょう。
料金は3枚で200円。知恵の輪の中を通すのは、結構難しい。
上手に投げるポイントは、こちらのようにサイドスローで手首のスナップを効かせて投げるのが良いですね。
どうしても成功しない場合は、河原で水切りの模擬練習してから本番に挑んだ方が良いかも。
ちなみに、天橋立ビューランドでも「かわらけ投げ」ができますが、こちらは3枚で300円。
傘松公園の方が100円お得です。
冠島沓島遥拝所で参拝
鳥居の中から見える遥先には、海に浮かぶ冠島(かんむりじま)と沓島(くつじま)が見えました。(肉眼では見えましたが、写真ではわかりずらいですね。)
冠島・沓島は、籠神社のご祭神である彦火明命(ひこほあかりのみこと)と市杵嶋姫命(いちきしまひめのみこと)が天下り夫婦となった神聖な島です。
そのため、古代より特別視されてきました。
こちらは、遥拝所の近くにある案内板に掲示されていた室町時代の画僧「雪舟(せっしゅう)」が描いた国宝「天橋立図」。
本来ならば構図に入らない冠島・沓島を絵に描き込んでいます。
その理由は、昔から天橋立を含む若狭湾沿岸の住民より篤く崇敬され、神宿る特別な島であることを雪舟は知っていたからです。
古代から続く神聖な島に畏敬を込めて、遥拝所から参拝してみては如何でしょうか。
【神社仏閣の紹介】
旅先で素敵な神社やお寺を見かけると思わず足を運ぶもの。下記記事では、そんな神社仏閣を紹介します。
観光の記念にお土産はいかがですか
観光で忘れてはならないのはお土産です。
一通り、傘松公園を見て回った後は、売店へ足を運んでみましょう。
売店には、天橋立にちなんだ商品が沢山ありました。
例えばこちらの「股のぞき」は、練乳入りの生地でバター入りの黄身あんを包み込んでいるため、しっとり口溶け、まろやかな風味があるお菓子。
見るからに美味しそうですね。
その他には、ショコラケーキや塩キャラメルのラング・ド・シャなどがあり、目移りします。
酒類も販売されていますが、自転車で訪れた方はその場でお酒を飲んだら駄目ですよ。(笑)
また、様々な雑貨も売られていますので、気になる雑貨を見つけたら手に取ってみては如何ですか。
かさぼうグッズも置かれているので、傘松公園へ訪れた記念のお土産に良いですね。
バスに乗って成相寺へお詣りに出かけよう
傘松公園からは、成相寺(なりあいじ)行きの登山バスが出ています。
成相寺は、身代わり観音のお話で知られるお寺ですね。
また、ご本尊の聖観世音菩薩は、美人観音としても知られており、お詣りすれば心身ともに美しくなれると言われています。
時間の都合が付けばバスに乗って、成相寺へお詣りに出かけてみましょう。
【番外編】天橋立のビュースポット「天橋立四大観」とは
天橋立の景色を楽しめる代表的な展望スポットは、4つあります。
それぞれ、天橋立を眺める方角が異なっていますので、違った印象を受けるでしょう。
以下に4つの展望スポットをまとめました。
- 傘松公園(北側)
- 天橋立ビューランド(南側)
- 天橋立雪舟観展望休憩所(東側)
- 大内峠一字観公園(西側)
※( )内は天橋立の眺望が楽しめる方角
上記に挙げた4つをまとめた名称が「天橋立四大観」。
更にそれぞれの方角から眺めた景色には、名前が付いており、北側からの眺めを「昇龍観」、南側は「飛龍観」、西側は「一字観」、東側を「雪舟観」と呼んでいます。
観光時間に余裕があり、車で天橋立観光を見て回る方は、全ての展望所へ足を運んでみては如何でしょうか。
特に傘松公園と天橋立ビューランドの景色は必見です。
個人的なお勧めは、サイクリングによる天橋立観光ですね。
自転車のペダルを漕いで、風を切りながら様々な観光スポットを巡ってみると気持ち良いですよ。
天橋立駅周辺には、レンタサイクルを借りれるお店が沢山ありますので、自転車で天橋立を渡りながら、比較的近くにある傘松公園と天橋立ビューランドへ訪れてみましょう。
傘松公園の基本情報とアクセス
住所 | 京都府宮津市大垣75(傘松公園の府中駅) |
電話番号 | 0772-27-0032(丹後海陸交通株式会社 成相営業所) 0772-22-8030(天橋立観光協会) |
営業時間 | 【ケーブルカー】 9:00~17:30(季節により時間の変動あり) 毎時0分・15分・30分・45分に運転開始 【リフト】 9:00~16:00 |
定休日 | ケーブルカーは無休 リフトは冬季(12月~2月)は運休 |
運賃 | 大人 片道340円、往復680円 小人 片道170円、往復340円 ※切符はケーブルカー・リフト共通なので、どちらでも利用可能 |
【アクセス】
- 京都丹後鉄道天橋立駅から路線バスに乗って「傘松ケーブル下」で下車(バスの乗車時間は約25分)
- 京都丹後鉄道天橋立駅から自転車で天橋立を渡って約15分(時速15km/hの場合)
- 与謝天橋立ICから車で約15分
傘松公園の駐車場
傘松公園には駐車場がありませんので、府中駅周辺にある有料駐車場を利用しましょう。
有料駐車場は沢山あり、そこから徒歩1~2分ほどで府中駅へ辿り着きます。
主な駐車場を以下にまとめました。
駐車場 | 住所 | 駐車台数 | 営業時間 | 料金 |
---|---|---|---|---|
よし乃や駐車場 | 京都府宮津市大垣48 | 普通車12台 中型バス1台 | 8:30~17:00 | 700円 |
松井物産 駐車場(その1) | 京都府宮津市大垣803 | 普通車15~20台 | 8:30~16:30 (季節によって 営業時間が変更) | 700円 |
松井物産 駐車場(その2) | 京都府宮津市大垣24 | 普通車25~30台 | 8:30~16:30 (季節によって 営業時間が変更) | 700円 |
元伊勢籠神社 駐車場 | 京都府宮津市大垣430 | 普通車150台 大型バス25台 | 7:00~17:00 (季節によって 営業時間が変更) | 普通車700円 (30分以内は無料) バイク300円 大型バス1,500円 など |
尚、上記の駐車場以外にも沢山の有料駐車場があります。
まとめ
傘松公園は、標高130mの高台に位置し、そこから眺めるパノラマ絶景は見事です。
特に昇り龍のように見える天橋立の全景は、ここでしから見られない特別なもの。
時間の許す限り、絶景を堪能しましょう。
絶景以外にも、イメージキャラクター「かねぼう」と記念撮影したり、かわらけ投げにチャレンジしたり、冠島沓島遥拝所で参拝など楽しみ方は沢山あります。
天橋立観光の機会があれば、是非傘松公園へ訪れ、あなただけのベストビュースポットを見つけてみましょう。
【周辺の見どころと自転車旅の様子】
天橋立の周辺には、伊根の舟屋と呼ばれる有名な観光スポットがありますので、下記記事で紹介します。また、自転車旅で天橋立へ向かった旅のレポートも合わせて紹介します。