今回の旅の舞台は、広島県東広島市から三原市までです。
広島県中央部の山間を自転車で走りながら、見分を広めました。
私は今まで自転車旅を通じ、美しく趣のある日本庭園をたくさん見てきましたが、今回の旅では、平成の世になって築かれた大規模な日本庭園へ訪れます。
その庭園の名は「仙石庭園(せんせきていえん)」といいますね。
2020年12月に石の総合博物館として、日本で初めて国に登録された他に類をみない日本庭園ですよ。
さて、今回の旅では何を感じ取れるのか楽しみです。
本記事では、広島県東広島市から三原市までの道中を、自転車で旅した様子をお届けします。
旅立ちの朝に思うこと
日本三大酒処の1つとして知られている東広島市西条町。
西条町の玄関口「西条駅」から少し離れた場所にあるホテルから旅立ちます。
本日の旅の目的地は、仙石庭園です。秋も深まり、朝は肌寒くなってきましたので、この時期に旅立つ時刻は、春・夏より遅めですね。
そのため、8:30頃にホテルをチェックアウトして、仙石庭園へ向かった次第です。
本日の観光は、仙石庭園のみだけを考えており、ゴールは三原駅までの約40kmほどなので、時間的にかなり余裕があります。たまには、このような自転車旅もよいものですよ。
道中では、風に揺れて動くススキに風流を感じ、しばらく眺めたりしていました。
また、色鮮やかなイチョウの木があれば観賞してしまうのも、仕方がないでしょう。
うん、このような行動はいつものことなので問題はありません。(だから中々先へ進めない!)
こんな調子では、1日で訪れる観光地が多いと、スケジュールの調整がタイトになる場合もありますね。
せっかく楽しみにしてた観光地へ訪れても、十分に時間をかけて観光できなければ、楽しさが半減してしまいます。
なので、旅の計画を立てる際には、結構余裕時間をみておくのがベターですよ。
どうせ私のことだから、旅の道中に色々興味が出てしまい、寄り道するのはいつものこと。
窮屈な旅なんて面白くない。旅人とは常に自由であるべきですね。
そんな哲学的なこと考えていると、いつの間にか仙石庭園の案内板が見えてきます。
後は案内板に従って進み、迷うことなく仙石庭園へ到着しました。
【自転車旅の様子(その1)】
自転車で旅した様子を、下記記事で紹介します。
銘石・奇石が勢ぞろい!仙石庭園の観光
仙石庭園(せんせきていえん)は、広島県東広島市在住の医師・山名征三氏が、20余年の歳月をかけて私財を投じ、企画・設計・施工した池泉回遊式の日本庭園です。
私のお目当ては、数多くの銘石・奇石・珍石・巨岩たちですよ。ナンバリングされた珍しい石が100石以上もそろうのは、日本ではここだけかも知れません。
ちなみに、庭石は全体で3,000個以上・1万トン以上あるそうですよ。正直想像がつきません。
こちらは、長野亀甲石。名前通り、カメの甲羅そっくりですね。
大小様々な石には、長野亀甲石のように目を見張るような文様があることも。それに加え、緑・青・赤・白色などカラフルな色彩は、見ているだけでワクワクしますよ。
園内をゆっくり見て回っていると、何とも絵になる光景が飛び込んできました。
仙石湖の奥には、一際が高い「仙石冨士」がそびえ立ち、その存在感を誇示しています。
仙石冨士の頂上へ登れば、園内の素晴らしい景観を一望できますよ。麓から頂上までは、徒歩約1~2分ていどなので、是非お試しあれ。
その他にも高さ15mもあるが「仙神大滝」があったり、特徴的な3つの池(仙石湖、わに池、伏龍湖)があったりして実に面白い。
池の周辺を始め園内の至るどころには、特徴的な銘石・奇石がバランスよく配置されおり、こころ安らぐ雰囲気を醸し出しています。
私は約2時間かけて、いろいろ見学させて頂きました。うん、期待以上に面白かったです。
さて、既に時刻は12:00を過ぎていましたが、本日は時間を気にしなくても大丈夫。
後は、三原駅へ向かうだけですからね。
尚、仙石庭園について、くわしくは下記関連記事で紹介します。
山間の風景を眺めながら先へ進む
仙石庭園を後にして、軽やかな気持ちで自転車のペダルを回し始めます。
すると、前方になんだか見覚えのあるオブジェが見えてきました。
近づいてみると、オブジェの姿がハッキリ見え始めます。
それは、とある庭にあったドラエモンとピカチュです。
うん、よくできている。旅を続けていると、かなりの頻度で様々な形の漫画やアニメのキャラクターに出会うことが多いですね。
その中でも遭遇率が頭一つ抜けているのがドラエモンとピカチュです。さすがは、国民的アニメのキャラクター。今では、どんなキャラクターに出会うのかも旅の楽しみの1つになっています。
そんなオブジェを眺めていると、作り手の情熱を感じ取れるのか、不思議と温かい気持ちになりますね。(嬉)
機嫌よく、山間の景色を楽しみながらマイペースで進んで行きますよ。
しばらくすると、いつの間にか東広島市の河内町へ入っていました。
こちらは、道の沿岸で見つけた「龍の頭」です。
「何かいわれがあるのかな?」と思っていると、その隣には、石燈籠と共に石柱が立てられており、石柱には「芸州 大河村」「江戸より二百二里」と刻まれています。
1里は3.92727273kmに当たるので、202里は約793kmになる。つまり、江戸(今の東京)からここまでは、793kmということですね。
普通は結構遠いと思える感覚なのですが、ロングライドを走るサイクリストからみると違います。
1日100kmを走って8日、1日150km走れば6日となるので「意外と近くね」ですね。
そのため、ママチャリしか乗ったことがない人たちとの会話では、距離感が噛み合わないことが良く起こりますよ。(笑)
河内町の町中を通り抜け、沼田川沿いを走っていると、大きな鉄橋が見えてきました。
道を走っている最中に、突然このような巨大建築物を見てしまうと、テンションが爆上がりしてしまう。それは、きっと私だけではないでしょう。
このような巨大建築物を見るたびに思うのですが、「人類スゴクない!」ですね。(笑)
まるで天空のかけ橋のようにみえる鉄橋にしきりに感心していると、「瀑雪の滝(ばくせつのたき)」と書かれた案内板を目撃。
この場所から約300mほどの距離なので、これはもう立ち寄るしかないです。(いつものこと)
【自転車旅の様子(その2)】
自転車で旅した様子を、下記記事で紹介します。
瀑雪の滝に立ち寄る
案内板の近くには駐車場があったので、そこに自転車を止めて、徒歩で滝へ向かいます。
滝へ向かう前に、愛車(自転車)と瀑雪の滝の石碑を一緒にして、1枚撮っておきましょう。
滝の入口は、何やら雰囲気のあるトンネルです。
始めの内は、整備された歩きやすい道なのですが・・・
徐々に正体を現したのか、石ばかりの歩きにくい道に変貌。
ある意味トラップかな。私の靴はSPDシューズなので普通に歩けますが、クリートがむき出しのSPD-SLシューズならば、ここは歩けないでしょう。(ハイヒールも危ないですね。)
そんな道を歩きながら奥へ向かっていくと、突然目の前には「瀑雪の滝」が登場します。
うん、これはすごい。来たかいがありました。落差30m、幅約4m、滝壺の深さは1mありますよ。
瀑雪の滝は、滑らかな岩肌を持つ巨岩から流れる直瀑ですね。
戦国時代に中国地方をほぼ統一した稀代の謀将・毛利元就が、長男の隆元と共に新高山城主の三男・小早川隆景を訪ねた帰りに立ち寄って見物したと伝わっています。
滝の周辺には、何も人工物が見えないことから、この風景はかつて元就が見た当時とほぼ変わっていないのでしょう。
時代を越えて、元就と同じ景色を見ていると考えると、これも巡り合わせかも知れません。
何だか不思議な気持ちのままで、瀑雪の滝を後にしました。
【滝の紹介】
旅の道中では、様々な滝を見かけることがありますので、下記記事で紹介します。
三原駅へ向かう道中で自転車旅の想いにふける
既に三原市の本郷町へ入っているため、三原駅のある城町までの距離は、残り20kmもありません。
何も急ぐことがないというのは、本当に素晴らしいですね。
基本自転車旅では、時間に追われないことが多いのですが、1日で多くの観光地をハシゴしたり、気になった場所へ足を運んでばかりだと、時間がいくらあっても足りないことがあります。
そんなときは、旅人ならば急ぐわけでもないので、1日で見て回れないのであれば、別の日に訪ればよいといった考えになりますね。
無理に1日で見て回っても、中途半端に終わることがあり、後から後悔することも。
せっかく旅をするのであれば、後悔はしたくないものです。
私の若い頃の自転車旅では、観光よりも知らない道を走り、走り自体を楽しむことが多かったですよ。
年を重ねてきた影響なのか、ただ走るだけでなく、土地そのもの歴史や文化に興味がでてきました。
つまり、楽しみ方が少しばかり変わってきたのです。
沼田川沿いの道を走りながら、そんな自転車旅の想いにふけていました。
自転車旅では、その土地でしか見られない風景に感謝しながら、ゆっくりペダルを回していけば、何気ない景色でも感動することが多いですよ。
三原駅に近づくほど、田舎の景色から都会の景色へ移り変わっていきます。
そういうのも景色の変化も愛おしい。
瀑雪の滝からあっという間に三原駅へ到着しました。
まだ日は高く、どこかへ立ち寄ることもできましたが、それはまた今度の旅の楽しみに取っておきましょう。
こうして本日の旅は、終わりを告げました。
【自転車旅に関する話】
自転車旅では様々な楽しみ方があります。また、旅を続けていると、嬉しい経験や辛い経験を通じて自己成長を図れることも。下記記事では、自転車旅に関する話を紹介します。
まとめ
本日の旅では、仙石庭園を訪れ、数多くの銘石・奇石・珍石・巨岩を見学できました。
美しい日本庭園に配置された銘石たちは、見応えがあり、周辺の雰囲気によくマッチしていますよ。
当初、仙石庭園は1時間ぐらいあれば見て回れるだろうと考えていましたが、見所が多すぎて、結局2時間近くかかりました。
時間をかけた分、充分楽しめましたので良しとします。
また、道中に瀑雪の滝へ立ち寄れたのはラッキーでしたね。一般道からさほど離れていない場所に滝があるのは珍しい方なので、この出会いに感謝です。