3泊4日で計画した高知徳島旅の2日目は、高知県安芸市から始まります。
初日は高知市を観光しながら安芸市へ向かいました。(くわしくは、こちらの記事で紹介。)
本日は、残念なことに空は暗い雲が広がっており、いつ雨が降ってもおかしくない模様。どうしてこうなった?
昨日の旅を始める前に天気予報を確認した時は、晴れだったはずなのに・・・
うだうだいっても始まらないので、意を決して旅を始めた次第です。雨宿りしながら室戸岬を目指し、伊尾木洞(いおきどう)や吉良川の町並みなどを見て回りました。
本記事では不安定な天気の中、自転車で安芸市から室戸市へ向かった旅の様子をお届けします。
安芸駅より旅立つ
昨日、宿泊したホテルを出発してまず始めに向かったのは安芸駅です。
駅というのはその地域の玄関口となる存在であり、いわば顔役ともいえるのではないでしょうか。個人的には、そんな駅を見物するのが割と好きな方ですね。
駅舎は中々趣のある外観でありいい感じ。駅というより、大きな時計台のある屋敷をイメージしてしまうかな。
駅前に設置された看板には、躍るように「ようこそ安芸へ」と書かれた文字フォントが気に入ったので、記念撮影しました。
実は、安芸駅を含む「ごめん・なはり線」の各駅には、アンパンマンで有名な漫画家のやなせたかしさんがデザインしたキャラクターが設置されているので、機会があれば全て見て回るのも面白そう。
安芸駅に設置されていたのは、こちらの「あきうたこちゃん」ですよ。安芸市出身の作曲家・弘田龍太郎さんにちなんで作られたとか。
龍太郎さんが作曲した童謡には、「春よ来い」「雀の学校」などがあり、誰しもが幼少の頃に聞いたことがあるでしょうね。
さて、それでは伊尾木洞へ向けてレッツゴー。う~む、どんよりした空模様が気になります。お願いだから雨は降らないで!!(切実です。)
そんな風に思い込めながら自転車のペダルを回し、町中を突き進む。おっ、これは「津波浸水想定区間」と書かれた標識を発見。
なんとも穏やかじゃないな文言ですが、海に囲まれた日本列島において、こういう区間は多いでしょうね。
そのためか、室戸半島方面を旅している最中には、あちらこちらで津波避難タワーを良く見かけました。
近くには、伊尾木洞の最寄り駅となる伊尾木駅があるのが分かっていたので、寄り道するぞ。
すると、やはりいましたね。安芸駅同様にやなせさんが手がけたキャラクター「いおき トラオ君」の登場だ。
映画「男はつらいよ」の主人公・寅さんをモチーフにしています。パッと見ても分かるように、身なりが似てるでしょ。
その後、伊尾木駅から約450mほど東へ進むと、伊尾木洞観光案内所へ到着しました。
伊尾木洞を冒険しよう
伊尾木洞観光案内所前にある駐車場内の片隅に自転車を停めて、ここから歩いて伊尾木洞へ向かいます。
伊尾木洞は、約310万年前に地層が隆起して、波による浸食により誕生した天然の洞窟。そう聞くと、何だかワクワクしませんか。
歩くこと約5分ほどで、伊尾木洞の入口前へ到着。そこで、地元のお兄さんに出会うと、この洞窟を色々と案内してくれました。ありがとうございます。
洞窟の中は、思ったよりも明るい。全長約50mの洞窟を抜けると渓谷が続いており、周囲はシダに覆われる。薄暗い洞窟から一転して目の前に広がる緑の世界にテンションが上がる上がる。
この伊尾木洞は、約40種類のシダが一ヶ所に生息しているとても珍しい場所として、国の天然記念物に指定されています。
辺り一面のシダだけでも凄いのですが、洞窟を抜けた後に直ぐ振り向くと、伊尾木洞の圧倒的な存在感にビックリしたぞ~。
これは来てみて正解でしたね。お兄さんによると、この辺りが一番のビュースポットという。なるほど、納得です。
地元のお兄さんとはここでお別れ。お兄さんは来た道を戻っていきました。
ここからは一人で歩いて行きます。水かさが少しありましたが、先ほどの観光案内所で長靴をお借りしたので大丈夫。
最深部まで到着すると落差が約5mほどの滝がお出迎えしてくれます。
周囲の景観と相まって独特な雰囲気に拍手喝采を贈りたい。その後、滝のそばにある遊歩道を歩いて、伊尾木洞観光案内所へ戻りました。
伊尾木洞については、こちらの下記関連記事でくわしく紹介します。
大山岬へ向かう道中にて
伊尾木洞観光案内所へ到着すると、昨晩から悩んでいた明日以降の計画を変更するかどうかについて最終判断を下しました。
というのは、晴れ間の室戸岬が見たいぞ~~!!!
この言葉がすべてを物語っています。明日以降は、晴れる予定なので3泊4泊の計画を4泊5日に変更を決断。実は昨晩の内に、コースの変更及び追加のお宿の候補は既に考えていたので、早速お宿に電話をかけて無事に予約がとれました。
また、明日泊まる予定だったホテルにも宿泊日を1日後ろにずらす連絡をして手続き完了。これで後顧の憂いをサクッと解決です。
タブレットでYahooの雨雲レーダーを見てくわしく調べてみると、今から向かう室戸方面へ進むほど雨になる確率が高いみたい。
雨は降ったりやんだりするそうなので、雨が降らない時間帯に進むしかありません。
観光案内所を後にすると、土佐東街道(国道55号)を南下し、しばらく道なりに進む。すると「道の駅 大山」の案内標識を目撃したので、案内に従い道の駅へ向かいます。
先ほど休憩したばかりですが、できるだけ旅先では道の駅に立ち寄りたいですね。
この道の駅の近くには、伊尾木漁港石積堤があり、太平洋を突き出すような形に河野公園が整備されています。公園兼防波堤の景観がちょっと珍しくて面白いと思う。
実は、この公園はプロポーズにふさわしいロマンチックな場所として、恋人の聖地に選ばれているそうなので、少し寄り道していきました。
園内の東屋前にある陶器のベンチがお洒落。海に向かって設置されているので、カップルで並んで座ってみるのがよさそう。
晴れた日には、サンゴ礁が見れるという。また、冬場にはだるま夕日が見えるそうですよ。
このベンチの裏側を見ると、「恋人の聖地」を表す看板を発見。なるほど、どうりで恋人の聖地の碑を探しても見つからないはず。これは1本とられました。(笑)
道の駅へ戻ると、室戸方面からやってきたサイクリストと出会ったのでしばし談笑。どうやら、室戸市では朝方に雨が降っていたみたい。う~む、予想通りといえますが先行きが不安だな。
心配していてもしょうがないので先へ進みます。約500m南下すると浜千鳥公園へ到着しました。
この周辺一帯は大山岬であり、海食によって巨大な洞くつや奇岩が連続して続いている。荒波が押し寄せしぶきが飛び散る様は見事なり。これで、天気が晴れていればいうことなしですね。
国道から分岐して海岸沿いの道を進んでいると、レストランの背後に巨大な洞窟がある場所を見つけたぞ。
それでだけでも凄いのですが、洞窟の入口前にはギリシャ神殿を彷彿させる柱もあり、「いったいこれはなんだ!?」と思うのは、きっと私だけではないはずです。
調べてみると、どうやらかつて弘法大師の修行場跡ということ。洞窟(岩屋)は、横穴に連結されて地蔵洞と千鳥洞の2つがあり、双方とも危険もなく入洞できるそうです。
なので、少し洞窟へ入ってみました。
中はそれほど広くはなく、奥へ進むと地蔵洞の名前通りに、お地蔵様が安置されています。
お地蔵様の前で手を合わせ合掌。お参りを終えると、洞窟を抜けてしばらくの間、海岸の景色を楽しんだ次第です。
公衆トイレがあるので立ち寄ると、男子トイレと女子トイレを表すマークがお遍路仕様で面白いですね。
これは土地柄といえるかも。室戸岬へ向かうには、ほぼ国道55号線のルートしかないので、高確率でお遍路さんに出会えます。
【自転車旅に役立つアイテム】
自転車旅に役立つアイテムを、下記記事で紹介します。
雨宿りを繰り返して羽根岬へ辿り着く
天気は小康状態が続いていますが、いつ雨が降り出してもおかしくなさそう。最後までもってほしいけど、おそらく無理なので雨宿りを繰り返すことになりそうです。
再度、国道55号線へ合流すると、そのまま道なりに進み安田町へ入る。このころから、パラパラと雨が降ってきました。
先ほど通り過ぎた長い庇(ひさし)のある施設が雨宿りに適していると思ったので、来た道を引き返すと、本降りになる前に雨宿りに成功。
施設の御主人に了解を得て、20~30分ほど休憩しました。この時は気付いていませんでしたが、この雨は前哨戦に過ぎなかったのです。
雨が上がると旅を再開。お腹も減ってきたので、道中で見つけたレストランに入り昼食をとる。その後、国道55号線をひたすら南下。
室戸岬までは、あと40kmもないでしょう。天気が良ければ余裕で日暮れまでに辿り着くのですが、どうなることやら。
そんなことを考えていると、道の沿岸にユニークな案山子を発見。傘をさしている親子が椅子に座っているではないですか。
その姿を見ていると、頭の中にイナズマが走る。ひっとして、これから本降りなる暗示なのでは・・・
この暗示はその後、ズバリ当たります。安田町を抜けると田野町へ入る。
しばらくすると「道の駅 田野駅屋」へ到着。そして、1分もしない内に土砂降りの雨が降り出しました。
いや~、危なかったな。それにしても、丁度よいタイミングで道の駅へ辿り着いたのは、旅の神様の思し召しかもしれませんね。
タブレットでYahooの雨雲レーダーを確認すると、どうやら15:00頃まで雨雲がこの辺り一帯にかかっているとのこと。2時間以上もここで足止めが決定だ。
ということで、しばらく電子書籍を読みながら、天気が回復するのを待ちました。
15:00を少し過ぎたころには、雨が完全にやみましたので、今の内に室戸岬へ向かいます。本日は、室戸岬の近くのお宿に宿泊予定ですよ。
Yahooの雨雲レーダーによれば、夕方頃にまた雨雲がかかるようなので、それまでにはお宿へ到着したい。
空を見上げれば、雲はまだ多いですが青空が見えています。おい、本当に待ち遠しかったぞ。
国道55号線を道なりに南下していると、いつの間にか室戸市へ入る。
道中では、お遍路さんをチラホラ見かけ、雨が上がっている内に先へ急いでいるように見えました。
しばらくして羽根岬へ到着。
海側のゴツゴツとした岩の斜面には、朱塗りの小さな鳥居が立っています。その奥には、小さいながら存在感のある社(龍宮神社)があるではないですか。
なので、足元に注意しながらお詣りに向かった次第です。その後、この場所で休憩中のお遍路さんと出会いました。
若い女性のお遍路さんですが、話を聞いてみるとどうやら徒歩で第1番から霊場を巡っているという。約40日ほどで、四国を一周するそうですよ。
お遍路さんといえば徒歩のイメージが強いのですが、徒歩だけでなく車や電車、自転車を利用する人も多いですね。もし自分がお遍路をするとなると、十中八九自転車で行ないそうです。
すると、お遍路ライダーになるのか、悪くない響きだな。(笑)
しばらくお遍路さんと談笑した後で、次に向かったのは吉良川町です。ここには、ノスタルジーたっぷりのレトロな町並みがあります。
【雨天の自転車旅に役立つ話】
雨天に自転車旅を行なう場合に、役立つ話を下記記事で紹介します。
吉良川の町並みを見物
数時間前までは雨が降っていたのが嘘のように青空が広がると、それだけでもテンションが上がるというものですね。
自転車のペダルを回す足取りが軽く感じます。
潮風を感じながらシーサイドロードを激走。気持ちがいいぞ~。やはり晴れの力は偉大です。
羽根岬から約9kmほど国道55号線を南下すると、吉良川町へ到着。
雨の影響で当初の予定よりだいぶ遅れて辿り着いたため、町並み散策の拠点に考えていた「まちなみ館」は既に閉店していました。
これは仕方がないでしょう。気を取り直して、吉良川の町並みを見物した次第です。
そもそも室戸半島は、台風の常襲地として多くの台風が通過する土地柄。そのため強い暴風雨に対して色々と考えられた町づくりがされているぞ。
特に土佐漆喰や水切り瓦の家屋が特徴的。それに「いしぐろ」と呼ばれる風雨よけの石垣は必見ですね。
吉良川の町並みについては、下記関連記事でくわしく紹介します。
室戸岬へ到着
吉良川の町並み見物を終えると、国道55号線を約3kmほど南下して「道の駅 キラメッセ室戸」へ辿り着きました。
確実に室戸岬に向けて近づいています。時計を確認してみると、すでに17:00を過ぎている。やはり雨宿りで動けなかった時間がいたかったかな。
予想以上の遅延となりましたが、旅を続けて入ればこういう日は普通にあり得ます。なので、落ち込む必要はないですね。
少しの時間だけ、道の駅で過ごして南下すると、本日3つ目の岬となる「行当岬(ぎょうどうみさき)」へ到着。
普段よく見る瀬戸内海は静かな凪なので、荒波にのみ込まれる岩礁というのはGood。ついついずって見てしまう。
遠くには室戸岬がハッキリと見えており、だいぶ近づきましたね。距離にして残り約10kmほど。最後まで油断せずにいこう。
室戸市街を通り抜けると、このまま最後まで突っ走るぞと思っていた最中に、室戸岬漁港で面白いものを発見。
それは、どこにでも良く見かける灯台なのでスルーする人も多いはず。けれど、私の感受性がそうはさせません。
湾を挟んで白と赤の灯台がお互いに見つめ合っている姿が、まるで恋人の逢瀬に感じてしまいました。
いろんな物が擬人化して親しまれている御時世。灯台をそのような目で見てしまうのは、まったく不思議ではないかな。
また、少し離れたところには、第3の赤い灯台がポツンと立っているため、まるで三角関係を見ているようだ。
そういう風に見えるのは、私の感受性がバグっているのでは決してないぞ。大事なことなので宣言します。
その後、無事に室戸岬の近くにあるお宿へ到着。これにて本日の旅は終了しました。ちなみに、1時間ぐらい後に再び雨が降り出したので、最後は逃げきれてめだたし、めだたし。
まとめ
本日は、雨が降ったりやんだりするせわしない1日でした。運よく雨が降り出したタイミングで雨宿りできたため、雨による被害はほとんど皆無といえるのが救いです。
しかし、雨の影響で大幅なスケジュールの見直しをすることに。これは、仕方がないかな。
道中では、伊尾木洞へ立ち寄り大自然の美しさを堪能したり、高知県で初めて重伝建に選ばれた吉良川町の町並みを見物できたのは良かったです。
また、最終的には晴れた日の室戸岬が見たくて、3泊4日の計画を4泊5日に変更。そのため、翌日は1日で走る距離が予定よりも短くなり、時間的にかなり余裕ができました。
なので、明日は朝から室戸岬をいっぱい満喫するぞ!