四国を代表する神社を一つ挙げろと問われれば「こんぴらさん」と答える人がそれなりに多いだろう。
江戸時代には、こんぴらさんこと金毘羅宮と共に両参りが流行した神社が、岡山県倉敷市にある由加神社本宮(ゆがじんじゃほんぐう)ですね。
この神社は、標高が約273mの由加山山頂近くに鎮座しており、厄除けの総本山として有名だ。また、お隣には巨大な不動明王を拝める蓮台寺があるのも見逃せません。
ということで、久しぶりに由加神社本宮と蓮台寺へ向かうことにしました。
本記事では、由加山をヒルクライムして、由加神社本宮と蓮台寺を参拝するサイクリングの様子をお届けします。
厄除けの総本山「由加神社」へ向けて出発
本日のサイクリングは、JR妹尾駅(せのおえき)からスタートです。
この駅名なんですが、初見ではほとんどの人が読めないのではないだろうか。ちなみに私は今でも「せのお」と聞いても、直ぐに「妹尾」という漢字を思い浮かばない時が多いですね。(笑)
そんな妹尾駅前を離れ、妹尾大寺通りへ出る。そして、南ノ町筋へ入ると南下しながら道なりに進んでいけば、妹尾川が見えてきました。
この妹尾川のそばの県道267号線を疾走していると、次第に周囲には田園風景が広がります。
空には霞がかった雲が広がり天候は今一つ。雨の心配がないのが救いかな。そんな天候状態でも田園風景を眺めながら走るのは気持ちがいい♪
田園の脇を碁盤のように張り巡らされた道路を通過する。しばらくして岡山児島線(県道21号)へ入ると交通量が多くなってきました。
なので、脇道へ逃げ込むことに。その後、郷内橋南交差点を左折して玉野福田線(県道62号)へ入ります。
すると目の前には、由加山が見えてきたぞ。この先にお目当ての由加神社があると思うと、ペダルを踏む力も入るというもの。
さて、これからよいよヒルクライムが始まるのです。
由加山をヒルクライムするぞ!
由加神社までは、玉野福田線を道なりに進んでいくと辿り着きますね。
先へ進んでいくと徐々に勾配が上がってくる。
なのでフロントギアはインナーにして、リアギアを勾配に合わせて適切に変えながら前へ突き進みます。
しばらくすると、左手側に森池が見えてきた。池の向こう側には、由加山北参道の鳥居が見て取れます。
瑜伽大権現に参拝する主要な道路は全部4つあり、その中でも熊野神社のそばを通る北往来が最も歴史が古いという。
昔の多くの参拝者たちは、この参道を歩いて由加神社へお詣りに向かったと思うと、感慨深いですね。
ふとサイコンを見てみると、まだまだ頂上までは遠いな。距離にして約4kmほどの急坂を上るコースですよ。
実際走ってみると10%以上の劇坂がなく、最大でも7~8%程度。なので、ギアを軽くすればそれほど苦労せずに登れました。
ヒルクライムはその人の実力が如実に試される場ですね。大事なのは、無理せず自分のペースを保つことに尽きる。
急坂をグングン上り続けていると、青空が広がってきたではないですか。
こうなってくるとテンションが上がるというものです。やはり青空の下でのサイクリングは最高だ。
気温が上昇するにあたり、汗がポタポタ落ちていくのは仕方がない。そんな状態ですが、黙々とペダルを回し前へ前へと突き進みます。
すると、「由加山まで900m」と記された案内標識が見えてきました。
よいよ、目的地まで1kmをきったということ。これは嬉しい知らせですよ。
ダンシングで駆け上っていくと、グリーンシャワーが心地よい並木道へ入る。うん、こういうのは個人的に好きだぞ。
距離にして100mもないのが少し残念だったかな。
その後、道なりに進み由加神社本宮の表参道入口の案内が見えてきました。
あと少しで目的地へ辿り着く。そう思うとラストスパートをかけたくなりますが、表参道入口からはそこそこ長い階段を上るコースなので、ここで体力を使う訳にはいきません。
ペースを保ちながら道なりに進み駐車場へ到着。さて、ここからは徒歩のお時間だ。
ということで、由加神社本宮の表参道入口へ向かった次第です。
【ヒルクライムに役立つ話】
ヒルクライムに役立つ様々な話を、下記記事で紹介します。
厄除けで知られる由加神社へ参拝
由加神社本宮は、2,000年以上の歴史を誇り、岡山県下有数の参拝者数を誇る神社の一つです。
西日本を中心に全国に末社52社があります。厄除けの総本山として知られるパワースポットとして有名。多くの芸能人も参拝するそうですよ。
まずは、厄除け石段を歩き拝殿へ目指すぞ。階段を歩いていると、遠くからお正月になるとテレビでよく耳にする雅楽「越天楽」のBGMが聞こえてくる。なんとも耳心地が良い音色だろうか。
しばらく階段を上ると、備前焼で出来た大鳥居が見えてきました。
岡山県内では、備前焼きの狛犬をたびたび見かけますが、鳥居まで備前焼となると極めて珍しいですね。
まじまじと鳥居を見物してからくぐり抜ける。
そして、その先にある拝殿へ向かいます。参拝を終えると、さっそく境内を見て回りました。
境内には、縁結びの回廊・厄玉の儀・タコ神様など見どころが沢山あり面白い。
その中でも磐座(いわくら)と呼ばれる巨石群が凄い迫力だ。この磐座が由加山のご神体ですね。
この磐座の前には菅原道真公の石像があるぞ。う~む、何だか意味深に感じてしまう。
この磐座へ近づくことはできないので、少し離れて場所から両手をかざしパワーを頂きました。
由加神社本宮については、下記関連記事でくわしく紹介します。
蓮台寺で巨大な不動明王に出会う
由加神社本宮に隣接して蓮台寺があり、こちらも参拝するのも本日の目的ですね。
再び備前焼の大鳥居をくぐり抜け、石段前へ向かう。
石段を下りてしまうと駐車場へ戻りますが、そのまま真っ直ぐ進めば、蓮台寺です。
本堂へ向かって歩いていると、1台の自動車がポツンと駐車しているぞ。一目見て昭和を思わせる古い型式に見える。
普段ならばそのままスルーするのですが、少し大きめのナンバープレートには「アンバサダー釈迦CAR」と書いているため、興味をひきました。
そばにあった案内板によると、どうやらインドから贈られた車のようだ。
カースト制度によって抑圧されていたインドの人々を開放するために、インド仏教の復興に生涯をかけた日本人僧侶「佐々井秀嶺師」から、彼の援助に対する感謝の気持ちとして贈られたそうですよ。
そんな凄い僧侶がいたとは驚きです。
備前焼の大鳥居前から約1~2分ほど歩くと、本堂へ到着。
実はこの本堂には、日本最大級の木造座像である厄除大不動明王をお祀りしています。
そのお姿がこちら。どうですか、凄いでしょ。総高7m59cmもあり、持っている利剣の長さは3mもあるという。
このような巨大な不動明王の姿はとても凛々しく、圧倒的な迫力を感じます。
こちらの急階段の先には奥の院がある。足元に注意しながらゆっくり階段を上りました。
奥の院・権現堂は、明治時代初期に建てられたものだそうな。
参拝を終えて周囲を見渡していると、地面に立てられた小さな看板に「瑜伽山頂274m」と記されているのを発見。
知らず知らずのうちに瑜伽山(由加山)の一番高いところへ到着したようです。
こちらが山頂からの景色。お堂のバッグには四国の山々や瀬戸内海が広がっているのが実に良い。できれば晴れた日にみたかったかな。
さて、境内も一通り見て回ったし、駐車場へ戻るとしましょう。
【神社仏閣の紹介】
岡山県内の神社仏閣を、下記記事で紹介します。
児島湖へ向けて疾走
蓮台寺を後にすると、進路を東へとり由加山をダウンヒル。玉野福田線を駆け抜けます。
やはり自転車のダウンヒルというのは、滑空間がたまりませんね。
風のごとく駆け抜けていくと、あっという間に麓へ到着しました。
しばらく道なりに走っていると、「蛍遊の水辺由加」と書かれた案内板を発見。
そういえば、この辺りはホタルを間近で見ることができるスポットですね。
水路には遊歩道や木の橋が設けられおり、ゲンジボタルやヘイケボタル、ヒメボタルを鑑賞できます。今は特に用はないので行かないですよ。
前方に鴨川が見えてくると、鴨川に沿って北上しました。ここまでくれば、本日のゴールとなる児島湖の夕日の広場まであと少しの距離です。
なので、ペースを落としてゆっくりと走る。そして、岡山玉野線(県道45号)を通り八浜地区へ入ります。
しばらく道なりに進んでいると、左手側には児島湖が見えてきました。天気が今一つのためか、本日は綺麗に見えなくて残念ですね。
いつもだったらテンション上がるのだけど、こんな日もあるでしょう。
そんな風に思いながら駆け抜けていると、児島湾の水門前へ到着。うん、いつみても立派な水門だ。
個人的には、このような建築物を見るのが大好き。なので、サイクリング中に立ち寄る機会が多いかな。
水門近くにある夕日の広場へ到着し、無事にゴール。
その後、楽しいサイクリングをありがとうという気持ちで帰路につきました。
まとめ
久しぶりに由加山をヒルクライムしましたが、それほど大変ではなかったですね。はやり最大勾配が7~8%程度だったのが良かったみたい。
最近のヒルクライムでは、普通に10%越えることが多かったからな~。だからといって決して物足りない訳ではないので、定期的にチャレンジするのはアリですね。
本日訪れた由加神社本宮と蓮台寺の両方を合わせると、境内は物凄く広い。一通り見て回るのに3~4時間ほどかかりました。
由加神社本宮では、厄除け石段や縁結びの回廊、巨大な磐座、厄玉の儀、備前焼の大鳥居、タコ神様など見どころが多かったです。
また機会があれば、参拝に足を運びたいと思います。