![石上布都魂神社の紹介サムネ](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/thum00008.jpg)
岡山県赤磐市の山奥には、出雲でヤマタノオロチを倒したスサノオの伝説と深いつながりのある神社があります。
それが「石上布都魂神社 (いそのかみふつみたまじんじゃ)」ですね。初見ではなかなか読めない難しい名前ではないだろうか。この神社へ訪れた際には、本宮へ参拝するのをおすすめしたい。
外界と隔絶されているためか、凛とした空気感が漂う参道を歩くと、大松山の山頂へ辿り着き、そこには本宮(奥の院)と巨大な磐座(いわくら)が現れる。
この磐座は、パワースポットとして有名。そもそもスサノオがヤマタノオロチの退治に使った剣を磐座へ奉納したのが起源ですね。
剣の力にて「災いや病気」などの悪縁を断ち切ろう。また、癌封じのご利益も有名ですよ。
本記事では、備前国一宮として由緒ある石上布都魂神社の魅力を紹介します。
備前国一宮「石上布都魂神社」とは
![石上布都魂神社(拝殿)](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04439.jpg)
石上布都魂神社は、先ほど触れましたがスサノオの剣を磐座へ祀ったのが始まりであり、くわしい創建は不明です。
剣の名は「十握剣(とつかのつるぎ)」という。剣を握っていくと丁度10個分の長さがあることから名づけられたそうな。また、天羽々斬剣(あめのはばきりのつるぎ)とも呼ばれていたといいます。
仁徳天皇の時代になると、この剣は大和国の石上神宮へ移されました。ちなみに、石上神宮では布都斯魂剣(ふつしみたまのつるぎ)という名で祀られています。
![狛犬](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04437.jpg)
![石上布都魂神社の境内社の1つ(稲荷神社)](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04448.jpg)
その後、江戸時代初期の1669年(寛文9年)には、備前国藩主・池田綱政(いけだ つなまさ)が、山頂の磐座にあった祠を改築して社殿に改めました。
しかし、1910年(明治43年)に山頂の社殿が焼失してしまい、1915年(大正4年)に中腹の現在地に再建されることに。旧社地は本宮(奥の院)となり、今に至ります。
また、備前国内の有力神社を記載した「備前国総社神名帳」によると、128社中2位に正二位布都魂神社と記されており、その社格の高さを伺い知れる。
1984年(昭和59年)に本宮は、赤磐市史跡(指定当時は旧吉井町)に指定されています。
【周辺の見どころ】
石上布都魂神社周辺の見どころを、下記記事で紹介します。
石上布都魂神社のご祭神・ご利益・所要時間
![石上布都魂神社の絵馬](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04444.jpg)
石上布都魂神社のご祭神は「素盞嗚尊(すさのおのみこと)」の一柱です。
出雲でヤマタノオロチを成敗した後、その時に使っていた剣を奉納したことから、石上布都魂神社は、災いや病気などの悪縁を断つ効果が高いという。
また、学業成就・農業振興・安産・ 癌封じなどのご利益があります。
特に癌封じのご利益が有名で、聞くところによるとステージ4にも関わらず、御祈祷されてから元気になられた方もいるとか。そのため、わざわざ遠方から参拝者が訪ねることも少なくないそうですよ。
![石上布都魂神社の境内の様子](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04462.jpg)
大松山の中腹に拝殿・本殿があり、境内はそれほど広くありません。本宮(奥の院)へ向かわないのであれば、一通りゆっくり見て回っても30分もあれば十分です。
山頂にある本宮を含めて参拝するのならば、約1時間ほどはみておきましょう。
石上布都魂神社の行き方(赤磐市街から大松山の中腹まで)
![石上布都魂神社の鳥居と社号標](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04400.jpg)
赤磐市の市街地から北へ約15kmほど離れた山奥の中に、石上布都魂神社があります。
石上布都魂神社へ向かうには、平岡小鎌線(県道468号)を通過することになる。集落を抜けて、少しさびれた印象を感じる道を北上していると、突然左手側に鳥居と社号標が現れます。
こちらは赤磐市役所からこの社号標まで行き方を表した地図です。
主に県道27号線 → 県道364号線 → 県道468号のルートを使うとスムーズに移動できるかな。
社号標の直ぐ近くには、第4駐車場がありますが、まだまだ社殿までは距離があるので、車で訪れたならば出来れば第1駐車場までは行きたい。
![ふつみ茶屋](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04410.jpg)
鳥居をくぐり抜け、農道のような道を約140mほど進むと小さな集落があり、その中には2021年にオープンした古民家カフェ「ふつみ茶屋」があるぞ。
土日のみ10:30から営業しているらしく、残念ながら私が訪れた時は休日でした。
![石上布都魂神社へ向かう道中で見かける雰囲気の良い場所](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04414.jpg)
この茶屋に隣接して、杉に囲まれた鳥居や石灯籠がある。いかにもいい感じの雰囲気が出ているので、立ち寄ることをおすすめします。
どうやらこの場所だけは、昔のまま保存されているようだ。
尚、直ぐ近くには第2駐車場があるので、ここで駐車するのもアリですね。
![第1駐車場](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04422.jpg)
ふつみ茶屋から約190mほど道なりに西へ向かうと、第1駐車場へ到着。ここからは完全に歩きとなる。
![石上布都魂神社の表参道](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04424.jpg)
近くには「表参道」と書かれた案内板あるので、階段を上り坂道を歩いて歩こう。入口前には杖が用意されているので、必要に応じてお借りするのがよいかも。
というのは、参道とは思えないほど細くてヘアピンカーブの連続。それにずっと階段が続くのでツライ思いをする人がそれなりにいると思います。
それでも舗装された道なのでまだ歩きやすいといえますね。
![石上布都魂神社の表参道を歩く](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04432.jpg)
約3分ほど登り続けていると、急に開けて境内へ入る。まずは拝殿へ向かいお詣りしましょう。
境内には休憩室があるので、本宮へ向かうならば必要に応じてここで少し休みを取って下さい。
ちなみに社号標から拝殿までは、徒歩で約10分ほどで辿り着けます。
【神社仏閣の紹介(その1)】
岡山県内で訪れた神社仏閣を、下記記事で紹介します。
山頂にある本宮(奥の院)は必見
![本宮・磐座へ向かう入口](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04472.jpg)
拝殿の左奥へ向かうと、「本宮・磐座」と書かれた大きな案内板があります。
この案内板が指し示す方向にある坂道が参道ですね。奥宮までは約500mほどの距離があり、徒歩で約10~15分ほどかかる。
細くて険しい山道が続くため、動きやすい服装は必須だ。特にスニーカや運動靴を履いておきたい。
普段から運動していない人にとっては、結構足にくるので息が上がると思います。入口前には杖が用意されているので、必要に応じて借りていこう。
ちなみに私は借りましたが、結果的に結構助かりました。
では、準備を整えたら意を決して山頂へ向けてレッツゴー♪
「意志の坂道」から真のプチ登山となる
![意志の坂道](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04478.jpg)
セメントで舗装された坂道を歩いていると、突然目の前に急勾配の階段が現れる。
全54段のこの階段は「意志の坂道」という名前が付いているぞ。なるほど、強い意志なくしては通れないということだろうな。
意を決して一歩一歩しっかり登っていくと、あっさりとクリア。う~む、これは拍子抜けでした。
しかし、この階段を上った後からが、この参道の本番ですよ。
![ほとんど崖のような道](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04480.jpg)
たとえば、こちらのような崖?を登ることもある。要所には、手すりが備え付けられているので登れますけど・・・
暗くなると大変危険ではないだろうか。(登るより下る方が怖いかも)
![岩肌の参道](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04481.jpg)
また、整備されたコンクリートの道から粗削りな岩肌の参道に変貌。
これは確かに足元はしっかりと注意して歩かないと、躓いて転んでしまうかも知れないです。なので、気を引き締めて歩いて行きましょう。
天女の腰掛・積石・絶景あり
![「天女の腰掛」の案内板](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04541.jpg)
しばらく歩いていると、「天女の腰掛」と呼ばれる場所へ辿り着きます。
くわしい由来は分かりませんが、どうやら天女が羽衣を枝に掛けて一休みした場所みたい。
![天女の腰掛](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04488.jpg)
![天女かも](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04487.jpg)
おそらくこの辺りの枝に掛けたのではないかと思われます。
![石積](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04493.jpg)
天女の腰掛の案内板が立てられ場所から少し歩くと、土に上に寝かされたコンクリートブロックを発見。
このブロックの上には、無数の小さな石が積み込まれているぞ。これも石信仰のひとつだろう。
1つ1つに願いを込めて、置いていったものなのでしょうね。
![山の景色を眺める](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04499.jpg)
杖を突きながら頑張って登っていると、突然遠くまで見渡せる絶景が現れます。まるでご褒美としか思えない絶景にニッコリ。
天気が良ければ、小豆島や四国方面まで見えるそうですよ。疲れている体を癒してくれます。
龍に見える「迫龍の段段」
![石上布都魂神社(本宮)へ向かう道中に現れる鳥居](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04501.jpg)
鳥居が見えてきたら、山頂まであと少し。鳥居の扁額には「本宮」の文字が見て取れます。よいよクライマックスの到来ですね。
鳥居をくぐった先から、今までと比べて凛とした空気が張り詰めている。そしてスサオノのオーラをより身近に感じられるかも。
![迫龍の段段](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04507.jpg)
うねり上がるような白い階段を一歩一歩踏みしめながら頂上を目指します。44段+18段の階段を上り切った後は、上から振り返ってみよう。
そこには、まるで階段が鱗のように見えて龍が存在しているようではないですか。
だからこそ「迫龍の段段(はくりゅうのだんだん)」と名付けられています。(「階段」ではなく、「段段」で正しいので悪しからず)
本宮と禁足地・磐座
![石上布都魂神社(本宮)](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04512.jpg)
「迫龍の段段」を上ると、かつてスサノオが剣を奉納した磐座が見えてきます。
その磐座の前にある小さな祠が「本宮」ですね。まるでピラミッドのような台座の上に建ち、磐座と交えた光景は神々しい。さすがはパワースポットですよ。
![磐座](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04516.jpg)
![磐座が大きすぎて写真に入りきらない](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04525.jpg)
![禁足地](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04530.jpg)
原生のままのような岩肌の磐座の上には、縄で結界が張り巡らされており、「禁足地」となっています。
禁足地といえば、立ち入ってはいけない場所のこと。誤って足を踏み入れしまうと、二度と出てこられなくなるという神隠しの伝承として有名ですね。
なので、磐座へは必要以上に近づかず、本宮へ参拝してしっかりとパワーをジャージしよう。
![山頂にあった石上布都魂神社の社殿の推定図](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04508.jpg)
こちらは、社殿があったころの推定図。なんとなく昔のイメージが分かると思う。
周囲には一対の夫婦檜(みょうとひのき)があったり、神楽殿の跡地があったりするので一通り周囲を散策してみよう。
その後は気を付けてきた道を戻って下さいね。
【神社仏閣の紹介(その2)】
旅先で訪れた神社仏閣を、下記記事で紹介します。
御朱印・お守りは自販機でも授かれる
![自動授与機](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04464.jpg)
境内にある社務所で御朱印・お守りを受け取れますが、時間帯によっては宮司さんたちが不在のため授かれないこともあります。
しかし心配ご無用。というのは、休憩室にある自動授与機から御朱印やお守りを授かれるからですね。確か天空の鳥居で名高い高屋神社でもそのような自販機があったのを覚えています。
聞くところによると、不便な山の上にある神社なので、不在時に御朱印やお守りを手に入れられない参拝者に対して申し訳ない気遣いから設置されたそうな。
なんともありがたい話ではないですか。この自動授与機は、9時から16時まで利用できる時間帯が決まっているので気を付けて下さいね。
「幸魂之石」を撫でると一年苦悩とは無縁になる
![幸魂之石](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04440.jpg)
拝殿前には「幸魂之石」と呼ばれる不思議な石があります。
この石の表面をみると「0 一 二」や「四 五 六」とゼロ以外は漢数字が刻まれている。何となく意味深な感じがするのですが、いったい何の数値だろうか。
実はこの石を撫でると一年苦悩とは無縁になるといわれているぞ。
こういうのを知ると、とたんに撫でたくなるのが人の業なのでしょうかね。
石上布都魂神社の基本情報とアクセス
住所 | 岡山県赤磐市石上1448 |
電話番号 | 086-724-2179 |
【アクセス】
- JR金川駅からタクシーで約20分
- 山陽自動車道「山陽IC」から車で約30分
石上布都魂神社の駐車場
石上布都御魂神社には、4つの無料駐車場があります。(普通車 20台)
境内に近い方から第1駐車場がありますね。
まとめ
![石上布都魂神社(拝殿)の扁額](https://tabirin2021.com/wp-content/uploads/2024/12/DSC04443.jpg)
人里離れた場所に建つ「石上布都魂神社」。スサノオがヤマタノオロチを倒した剣を磐座に奉納したの始まりというほど、古い歴史を誇ります。
外界と隔絶されているためか、凛とした空気感が半端ないですよ。
特におすすめなのは「本宮」と「磐座」です。参道は足元に注意して歩かないと危ないところがあるので、歩きやすい服装で訪れること。
参道を歩きながら、神話の時代から続く長い歴史を肌で感じ取って下さいね。