多くの人にとって自転車は、身近な乗り物として日々の生活に利用されています。子供の時から乗り続けている人も多いでしょう。
しかし、大人でも自転車に乗れない人は、意外に多いことを知っていますか。
それがコンプレックスになっている方は、少なくないでしょうね。自転車へ乗れないのにはそれなりの理由があり、年齢に関わらず練習すれば、乗れるようになりますのでご安心して下さいね。
本記事では、大人でも自転車に乗れない理由と、その解決方法を説明します。
大人でも自転車に乗れない人の割合
日本トイザらスは2018年4月に公開した「トイザらスへ自転車を買いにいこう♪」のサイトオープンを記念して、20~50代の男女1,638名を対象にアンケートを行ないました。
その結果、自転車に乗れる方は98.6%ということが分かり、意外にも1.4%が乗れないと回答があったそうです。つまり、20歳以上の日本人では、100人に1人が自転車へ乗れないことが浮き彫りになりました。
私はこの結果に「意外に多いな」と感じましたね。けれど世界的にみれば、かなり優秀ですよ。
調べてみると、20歳以上で自転車に乗れない人の割合は、アメリカで20%以上、イギリスでは15%以上もありました。
このことから、日本では自転車文化が根付いているといえます。
大人でも自転車に乗れない理由とは
大人になっても自転車に乗れない理由は様々です。
発達障害によりバランスを取る能力や協調運動に問題があるなど特別な原因がなければ、主な理由に以下の内容が当てはまります。
- 子供のときに自転車へ乗る機会がなかった
- 子供のときに自転車へ乗る練習を途中でやめた
- 大人になってから練習するのが恥ずかしい
- 自転車のスピードが怖い
それぞれについて説明します。
子供のときに自転車へ乗る機会がなかった
子供の頃の育った環境により、大人になっても自転車へ乗る機会がないことは普通にあり得ます。
たとえば、経済的な事情で親に自転車を買ってもらえなかったり、電車・バス通学のため自転車を必要としないケースが考えられますね。
また、お住まいの地域では坂道が多ければ、自転車による移動が不便のため、あえて乗らないこともあるでしょう。
このような環境で育ち、大人になって車に乗るようになれば、自転車がなくても特に不便を感じないものです。
子供の頃に自転車へ乗り慣れていないと、大人になって自転車を買うこともなく、そのままずっと乗れないまま過ごす可能性がとても高いですね。
子供のときに自転車へ乗る練習を途中でやめた
子供の頃に自転車へ乗れるよう練習している最中に、バランスがうまく取れず何度も転倒した経験があったりするものです。
自転車は練習次第で、ほとんどの方が乗れるようになれますが、転倒時に怪我をしてそれがトラウマになり、練習をやめてしまうことがありますね。
また、塾などの稽古や家事手伝いなどで自転車の練習時間が中途半端になり、なし崩し的にやめてしまうこともあるでしょう。
性格によっては、1人で練習していると、乗れるようになるまでに時間がかかることが多いですよ。
なので、自転車に乗れるよう指導してくれる人に適切なアドバイスをもらいながら、練習に付き合ってもらうのが上達の早道です。
大人になってから練習するのが恥ずかしい
多くの人は、小学生の頃に自転車へ乗れるようになっています。
そのため、「大人になって自転車に乗れないのは恥ずかしい」と感じる方は少なくないですね。つまり、他人に自転車へ乗れない姿を見られたくなく、練習する意欲が失われてしまうという訳だ。
これは世間体を気にしすぎているともいえます。自転車に乗れないのは、子供の頃の育った環境が影響していることが多く、恥ずかしがる必要はありません。
「自転車へ乗りたい」という熱意があるならば、練習あるのみ。世間体を気にしすぎていると、やりたいこともできませんよ。
自転車のスピードが怖い
初めて車を運転した時に、スピードを上げると恐怖心が芽生えることはよくあることです。それは、自転車にもいえますね。
「嘘だ!」と思うかも知れませんが、クロスバイクやロードバイクなどスピードの出せる自転車だと顕著ですよ。ロードバイクなんて、原チャリと同じように時速30kmはだせますから。
車であれ、自転車であれ、スピードが速すぎると視野が狭くなり、周りが見えず怖くなります。
自転車に乗りなれてくれば改善しますが、この恐怖心がトラウマとなり、自転車へ乗れなくなってしまう可能性は、決してゼロではありません。
大人向け自転車に乗るための解決方法
初めて自転車へ乗るならば、ママチャリがおすすめです。大抵のママチャリは頑丈にできているので、転倒しても壊れる可能性が低く安心して練習できます。
初めからクロスバイクやロードバイクのような、スポーツ向けの自転車には乗らないようにして下さいね。特にロードバイクは前傾姿勢となるので、初心者には全く向いていません。
まず始めに自転車へ乗る際、苦手意識があればなくすことから始めましょう。
自転車に対して不安や恐怖心を感じているならば、落ち着きがないため自転車へ乗ってもバランスが取りづらいものです。なので、サドルの高さを調整し、足の裏が地面に届くようにして安心感を高めると効果的です。
また、運転前には大きく深呼吸して気持ちを落ち着かせよう。自転車に乗り慣れるまでは、特に肩の力が入りやすくなる。そこで、腕や肩を回すなどして、余計な力を抜くように心がけて下さいね。
練習場所は、人があまりいない公園や広場がよいです。歩道や公道、駐車場など、車の通行や人通りが多い場所は危ないので絶対に練習しないようにして下さい。
ママチャリでの具体的な練習方法の順番を以下にまとめました。
- ペダルを外して足で漕ぐ
- ブレーキをかけて止まる
- スタンドを立てた状態でペダルを漕ぐ
- 自転車に乗って前進する
- 自転車に乗って曲がる
それぞれについて説明します。
【練習①】ペダルを外して足で漕ぐ
自転車に乗ってバランス感覚をつかむ練習を行うにあたり、まずはペダルを外して下さい。ペダルを外すためには、専用レンチが必要ですね。
自転車へ乗った後で、両足で地面を蹴って前へ進みます。その際、必ず顔を上げるように。進行方向を見て運転することが、乗り方の基本ですよ。
蹴った足をブラーとした状態のまま、ハンドルとサドルでバランスを取りながら前進を繰り返し、一定の距離を進んでみよう。
この練習によって、バランスを崩さず乗り慣れてきたら、次の練習を行ないます。
【ママチャリに関する話(その1)】
ママチャリに関する様々な役立つ話を、下記記事で紹介します。
【練習②】ブレーキをかけて止まる
次は自転車で最重要となるブレーキの練習です。ブレーキを使い速度を落とし、止まる練習を行ないます。
左手側のブレーキレバーで後輪、右手側のブレーキレバーで前輪に対してブレーキをかける仕組みは、どの自転車でも同じですよ。
まず後輪のブレーキを優しくかけて減速し、次に前輪のブレーキをかける。その後は、両方のブレーキをかけて調整しよう。その際、ブレーキレバーを一気に握り込む急ブレーキは絶対にしないように。
急ブレーキは、バランスを崩して転倒する恐れが高いです。ブレーキをかけるコツは、徐々にスピードを落としてから停止することですね。
繰り返し練習を行ない、ブレーキをかける力加減が理解できてきたら次の練習を行ないます。
【ママチャリに関する話(その2)】
ママチャリに関する様々な役立つ話を、下記記事で紹介します。
【練習③】スタンドを立てた状態でペダルを漕ぐ
これまでの練習で自転車に乗ってバランスが取れて、ブレーキをかけて停車できるようになれば、外していたペダルを取り付け元に戻します。
そして、両立スタンドがあるママチャリならばスタンドを立てた状態で、ペダルを漕いでみて下さい。
この練習では、ペダルに足を載せたときの動かし方や、ペダルを漕ぐスピードの確認を行ないます。ペダルを時計の2時の位置あたりで、右足を力強く踏み込むとスムーズな漕ぎ出しができる。
できれば、誰かに見てもらいながらスムーズな漕ぎ出しができているのか確認してもらうと上達が早いですよ。
【練習④】自転車に乗って前進する
よいよペダルを漕いで自転車を走らせる練習を行ないます。まず始めに前進ができるようになりましょう。
焦るとバランスを崩しやすくなるので、自転車へ乗る前に今一度深い深呼吸をして、気持ちを落ち着かせて下さいね。
先ほども触れましたが、下を向かず前を向いて走るのが基本です。その状態でペダルを漕いでゆっくり前進します。その際、自転車の運転に慣れるまでは、スピードを出さないように気を付けよう。
【練習⑤】自転車に乗って曲がる
バランスをとりながらスムーズに前進ができるようになれば、次は曲がる練習を行ないます。
曲がりたい方向の前方を見て曲がるのが、上手に曲がれるコツですね。慣れない内は、大きく円を描くように曲がり、慣れてきたら徐々に円を小さくして曲がって下さい。
スムーズに曲がれるようになれば、前進・曲がり・停車を織り交ぜながら自転車の運転に慣れていこう。
最後にどうしても慣れないのであれば、補助輪を付けてみるのも一つの手です。幼児用のイメージが強い補助輪ですが、大人が乗る自転車用の補助輪が販売されています。
補助輪を付けて運転に自信が付くまで練習すれば、補助輪を外した後でもスムーズに乗れる可能性が高いですね。
自転車教室に通うという方法もある
1人の練習では、なかなか上達しなかったり、身近に適度な練習場所がないのであれば自転車教室へ通うのがおすすめです。
子供がたくさんいる中で、大人が自転車の練習を行うことに抵抗を感じる気持ちは分かります。地域にもよりますが、大人のための自転車教室を開催しているところが多く、参加しない手はありません。
専門知識を持った指導員の適切な指導を受けながら練習すれば、上達が早いですよ。無料で利用できる自転車教室があったりするので、お住いの近くの自転車教室を確認してみよう。
【自転車保険に関する話】
練習して自転車へ乗れるようになれば、自転車保険の加入を考えてみよう。下記記事では、自転車保険に関する話を紹介します。
まとめ
本記事では、大人でも自転車に乗れない理由と解決方法を説明しました。
最後にもう一度、大人でも自転車に乗れない理由を以下にまとめます。
- 子供のときに自転車へ乗る機会がなかった
- 子供のときに自転車へ乗る練習を途中でやめた
- 大人になってから練習するのが恥ずかしい
- 自転車のスピードが怖い
これらの理由により、自転車へ乗れない方は意外にも多いです。
自転車は、練習すれば乗れる可能性が高い乗り物なので、最後まで諦めず頑張りましょう。