
自転車のトラブルで一番多いのはパンクです。長年自転車に乗り続けていて、一度もパンクの経験がないというのは稀なことでしょう。
毎日の通勤通学や週末のサイクリング、趣味の自転車旅など乗り続ける時間が長くなるほど、それだけパンクリスクが高まります。
パンクの原因が一番多いのは、タイヤに適切な空気圧を入れないことですが、たとえ常に適切な空気圧を保っていても、起きてしまう時は起きてしまうものだ。運の要素があるため、こればかりは仕方がありません。
特にパンクの頻度が多い人は、得てして自転車の走り方に原因があったりするものですよ。
本記事では、パンクをさせない走り方について紹介します。
パンクの原因は決して運が悪いだけではない

パンクというのは、何度経験しても嫌なものですね。
特に気持ちよくサイクリングしている最中に、突然パンクに見舞われると、一気にテンションが下がります。
パンクは、定期的にメンテンナンスをしっかりと行っていないと、起こる確率が高くなる。「運が悪かった」で済まさずに、なぜパンクが起こったのか、じっくりと考えてみよう。
そこで、主なパンクの原因を以下にまとめました。
- タイヤの空気圧が低すぎる
- チューブの劣化
- タイヤに異物が刺さっている
- リムテープの損傷
- いたずら
これら以外にも夏場は気温が高くなるので、タイヤの空気が膨張しやすくなり、その影響で走行中にタイヤが破裂する危険性があるものだ。なので、いつもより空気圧を低めに調整して下さいね。
パンクの原因については、下記関連記事でくわしく紹介します。
タイヤの空気圧を適正に保つのが大前提

冒頭でも触れた通り、最も多いパンクの原因は、タイヤの空気圧不足によるリム打ちパンクです。そのため、空気圧を適切に保つだけでも、パンクの確率をかなり減らせます。
個人的な感想ですが、ロードバイクなど趣味で使うスポーツ向けの自転車に対しては、乗る前に空気圧を適正に保つ人が多く、ママチャリなど日常生活で使う自転車の場合は、乗る前に空気圧の調整を中々しないのではないだろうか。
そのため、ほぼ毎日乗り続けていると、いつの間にか空気圧が予想以上に減っているのに気づくのが遅れてしまうのでしょうね。
空気圧を調整することで、乗り心地や走りの軽さが変わっていきます。なので、自分にとって丁度良い空気圧になるように調整しよう。
特に乗り心地を重視しているのであれば、適切な範囲内で空気圧を低く調整するのが効果的。また、走りを軽くしたいのであれば、反対に適切な範囲内で空気圧を高く調整して下さいね。
くわしくは、下記関連記事で説明します。
パンクをさせない走り方を紹介

走行中にタイヤに金属片やガラス片などが刺さってしまうのは、運の要素が高いです。
このようなリスクは受け入れるしかないのですが、何だかモヤモヤしてしまいます。運の要素だから100%回避するのは困難ですが、できるだけこのようなパンクリスクを回避する方法として、普段の走り方に注目したい。
つまり、ライディングスキルを上げれば、それだけパンクリスクを遠ざけられるという訳だ。そこで、パンクをさせない走り方を以下にまとめました。
- 道路の端に寄りすぎない
- 段差では「抜重」が大事
- タイヤへの負荷を減らす意識をする
スポーツ向けの自転車を趣味で乗る人は、心肺機能を鍛えたり、パワーウエイトレシオを上げるのに努力している人も多いだろう。
普段からパンクが多いのであれば、それらの努力をする前に、今一度走り方を見直すのをおすすめします。
それでは、それぞれについてくわしく説明します。
道路の端に寄りすぎない

走行中に小石や小さな釘を発見するのは、かなり難しいですね。スピードが速いほど無理ゲーですよ。
それでは、どうすれば良いのかとなる訳ですが、道路の構造を理解すれば、自ずと対策を打てるのでご安心して下さい。
国道や県道など一般道の路面をよく見てみると、中央付近はきれいな場合が多い。一方、端には金属片やガラス片、釘などタイヤに刺さりやすいものが溜まっているのを見かける機会が多いですね。
当然、そのような路面を走れば、パンクリスクが跳ね上がるのは自明の理。したがって、道路の端により過ぎないのがポイントとなります。
交通状況にもよりますが、できれば白線より少し車道寄りを走ろう。具体的には、白線より右側に50cmほどのところを走って下さいね。

また、端に寄りすぎてしまうと、パンクリスクだけでなく、後続車がスピードを出して自転車を抜き去ろうとしたりする。すると、自転車の真横を走る車に対して、恐怖心が沸き起こってしまうものだ。
つまり、路肩や路側帯のギリギリを走るのは、かえって安全とはいえません。もし路側帯が広いのであれば、白線よりやや左側を走るのが無難です。
もし白線やマンホールの上を走るのであれば、状況によって判断しよう。天気が晴れていれば特に問題はありませんが、雨が降って濡れていると滑りやすくなります。雨が降った当日だけでなく、翌日も通過しない方が安全ですね。
段差では「抜重」が大事

走行中にちょっとした段差や障害物に当たる機会はよくあります。
この時、何も考えずに突っ込んでいませんか。もしそうだとしたら、それはリム打ちパンクをする危険性をはらんでいるので気を付けたい。
タイヤが段差の角にめり込みやすくなるのだから、衝撃が大きいのは当たり前ですよ。
「抜重」というテクニックを使って、この衝撃を少なくするように。抜重のやり方は、とても簡単なので数回試せば身に付きます。(人によっては、1回で身に付くかも)
段差や障害物の前に差し掛かったら、少しだけ自分の体を浮かせて下さい。ただこれだけでOKです。どうですか、簡単でしょ。
抜重すると、タイヤがうまく障害物の上をポンと弾んで乗り越えてくれる。何も考えずに突っ込んだ時と比べて、衝撃が明らかに小さいことを実感できます。
抜重の際にジャンプするような大袈裟なアクションは、かえって危ないので気を付けましょう。
タイヤへの負荷を減らす意識をする

先ほど「抜重」について説明しましたが、パンクリスクを回避するには、タイヤへの負荷を減らすのがポイントとなります。
普段からそのことを意識して、走っているかによっても影響が大きいですね。
走行中は、あらゆるダメージを受けているものだ。これは運動エネルギーの入力と出力を繰り返しているのだから、仕方がありません。
ダメージが蓄積されると、やがて「曲がり・たわみ・削れ・破断」といった症状が現れてきます。ダメージを軽減させるためには、ライディングスキルが重要ですよ。
走行中では視野を浅く広く保ち、できるだけ急ブレーキをかけないこと。また、荷物を搭載するのであれば、前後左右にバランスよく意識して偏らないようにして下さいね。
それに、荒れた道はできるだけ走らないように。落ち葉や木の枝が散見する道、小石がむき出しの道、砂利道など荒れたコースは危ないです。
どのように走っても必ず衝撃は発生しますので、だきるだけ衝撃を減らすような走り方をして、タイヤへの負荷を減らしましょう。
走行後はタイヤのチェックを忘れずに

走行後は、自転車をそのまま保管しないで、タイヤの状態を確認しましょう。
走行中に気が付かなかった異物が、タイヤの表面に食い込んでいたり、タイヤにひび割れがあるのを発見したりします。
このようにタイヤの状態をしっかりと確認して早めに対処すれば、次回のサイクリング時にパンクリスクの回避率が高くなる。
「あとからタイヤの状態を確認すればいいや」と思っていると、時間があくほど忘れてしまいがちになるので、走行後にタイヤのチェックをするのを習慣化したいですね。
また、タイヤ表面に付いた泥や汚れは、ブラシやウェットティッシュを使ってきれいに落とそう。表面をきれいにすると、異物や傷みの発見がよりしやすくなります。
耐パンク性能の高いタイヤを履いてみよう

パンクに対しては、ライディングスキルを上げるだけでなく、耐パンク性能の優れたタイヤを履くのも効果的です。
各メーカーから様々なタイヤが販売されており、年々性能の向上が図られています。ツーリング(自転車旅)やロングライドをメインにするのであれば、試してみる価値は十分にある。
ちなみに、私は自転車旅がメインなので、現状使っているタイヤは、パナレーサーの「アジリストDURO」ですね。
耐パンク性能が優れたタイヤについては、下記関連記事でくわしく紹介します。
まとめ

本記事では、パンクをさせない走り方について紹介しました。
最後にもう一度、紹介した走り方を以下にまとめます。
- 道路の端に寄りすぎない
- 段差では「抜重」が大事
- タイヤへの負荷を減らす意識をする
空気圧を常に適切にして、定期的にタイヤ・チューブ・リムテープを交換しているのであれば、きちんとした走り方をすることで、基本的にリム打ちパンクは起こらないだろう。
私の経験でいわせていただくと、近年5年間では1回しかパンクしていないですね。
残念ながら目視で気が付けないほど小さな石や釘などを踏んでしまえば、パンクしてしまいます。こればかりは、運が悪かったと諦めるしかありません。
どうしても「パンクは嫌だ!」と思うのであれば、耐パンク性能の優れたタイヤを履くなどして、少しでもパンクリスクの軽減を図りましょう。