
一般的に自転車は「運動になる」というのが定説ですが、人によって感じ方は様々です。
実際、「毎日自転車に乗っているのだけど、運動している気がしない」と感じている人は、意外にも多いのではないだろうか。
自転車は、ランニングや筋トレと比べると負荷が低いイメージがあり、結果的に体重が増えていたり、運動不足が改善されていないことから、そのように感じてしまうのも無理がないのかも知れません。
もし運動目的で自転車趣味を始めたのであれば、結果が伴わない事実に愕然となり、自転車への興味が失せてしまうかも。それは悲しいことですね。
本記事では、自転車が運動にならないと感じる原因と改善方法について紹介します。
自転車が運動にならないというのは本当なのか?

結論からいえば、自転車は運動になります。
脂肪を落としたいや生活習慣病の改善といった目的の運動ならばピッタリでしょう。負担が強すぎる運動というのは、かえって運動不足の解消にはつながらないので、自転車であれば気軽に始められるというものです。
競技へ参加するなど、本格的に自転車を始めるのであれば、負荷をかけてトレーニングする必要はありますが、趣味で楽しむ程度ならばそれほど高い負荷は必要ないですよ。
自転車といえば、「有酸素運動」を挙げる人が多い。有酸素運動には、心肺機能向上や持久力強化の効果に注目が集まります。その他にも脂肪燃焼はダイエット効果を期待できるし、睡眠の質の向上など様々な恩恵を期待できる。
それにストレス発散にも効果的。こう聞くといいことずくめに聞こえてきますが、自転車はそれほどのポテンシャルを秘めています。
自転車が運動にならないと感じる原因

自転車に限った話ではありませんが、どのような運動でも効果が全く感じられないのであれば、無意味なものだと思ってしまいます。
そして諦めてしまうのが、よくあるパターンですね。そうなる主な原因は、正しく運動ができていないからですよ。
そこで、自転車が運動にならないと感じる主な原因を以下にまとめました。
- 運動量以上にカロリー摂取が多い
- 運動量が少ない
- 継続的な運動ができていない
それぞれについて説明します。
運動量以上にカロリー摂取が多い

ダイエット目的で、運動を行なっている人も多いのではないでしょうか。痩せない理由は単純に、運動量以上のカロリーを摂取しているからですね。
消費カロリーより摂取カロリーが多いと、痩せないのは当たり前。「1日の消費カロリー > 1日の摂取カロリー」この考えが鉄則です。
運動後のご飯は美味しく感じてしまうのは分かりますが、正しい食事を心掛けるように。特に自転車は、カロリー消費はそれなりに激しいので、つい普段よりたくさん食べがちになる。
最近では、炭水化物ダイエットのようなお米やパンの量を減らして摂取カロリーを減らす方法もあります。しかし、過度に減らし過ぎると、エネルギー不足になるので気を付けたい。そうなると元も子もありません。
一般的に1ヶ月で1kgの脂肪を燃焼させるには、7,200キロカロリーの消費が必要となります。なので、短期的な効果を期待するのではなく、長期的に考えるのが大事になります。
運動量が少ない

どのようなスポーツでもいえるのですが、運動量が少ないと効果は全く見込めません。
自転車やジョギング、ウォーキングなどによる有酸素運動は、長い時間続けることで脂肪が燃焼されるものです。
脂肪の燃焼に必要な運動時間は、一般的に20分以上が必要となる。自転車ならば、20分もあれば時速15kmで5kmほど走れるため、目的地までの距離が短すぎると、運動効果が得られないことがあり得ます。
また、信号待ちなどで停車していたり、渋滞などで速度を落としてゆっくり走っていると、なかなか効果が得られなくなるだろう。
それに走り続けることも大事ですが、運動効果を得るには、強すぎず弱すぎない適切な運動強度が必要です。ペダルを省エネな漕ぎ方をしていると、脚に適度な負荷がかからないし、反対に息切れするような負荷をかけていると、有酸素運動になりません。
人によって適切な時間や負荷は違ってきますが、無理をして体調を崩さないように運動して下さいね。
継続的な運動ができていない

運動というのは継続がものをいいます。思い立った時はモチベーションが高いのですが、時が経つにしたがい少しずつ落ちてくるものですね。
すると、運動をしない日が増えてきて、継続できずにやめてしまうというのが、良くあるパターンです。特に目に見える形で効果が出ていないと、ガッカリするし飽きてしまうだろうな。
着実に効果を得るためには、継続的な習慣が欠かせないので、モチベーションの維持に努めよう。
自転車で通勤通学をするのであれば、毎日無理なく運動できるのでおすすめです。通勤距離が長すぎると、仕事や勉学に影響が出てしまうので、走り過ぎには気を付けましょう。
自転車の走行距離の目安

自転車は日常の買い物や通勤通学、週末のサイクリングなど様々な場面で活用されています。
本格的に自転車趣味を始めると、ロングライドやヒルクライム、ロードレースなど自分に合った楽しみ方に時間を費やすようになる。
自転車で走る適正距離というのは、人によって変わってきますが、自転車趣味を始めたばかりであればよく分からないのが普通ですよ。
体力・知識・運転技術というのは、経験を積むことで上達していくので、焦らずに自分のペースで成長しましょう。
目的別に走行距離の目安を以下にまとめたので、参考にして下さい。
- 自転車で運動不足を解消するための走行距離の目安:8~9km
- 自転車通勤の走行距離の目安:15km以下
- 自転車旅の走行距離の目安:60~70km(前提条件:普段100km程度走る人)
- サイクルイベントへ参加するための走行距離の目安:100~150km
- 自転車でダイエットするための走行距離の目安:40~50km
くわしくは、下記関連記事で紹介します。
自転車の消費カロリーの求め方

厚生労働省が提唱している運動単位の計算方法には、「Mets(メッツ)」があります。
この考えを取り入れて消費カロリーを計算すると、計画性が立てやすいですね。Mets(Metabolic Equivalentsの略)は、「安静時に比べて何倍のエネルギーを消費をしているのか」という運動強度を示す指標として、国際的に用いられています。
つまり、世界的に認められているので信頼性が高い。簡単にいえば、安静時が1Metsで、運動強度が2倍になれば2Metsになるということ。
自転車ならば、無風の状態で平地を走るサイクリング(時速22.5~25.6km)であれば、10Metsとなる。このMets値を使い、下記計算式で消費カロリーを求めます。
- 消費カロリー(kcal)= 体重(kg)× メッツ値 × 時間 × 1.05
たとえば、体重が60kgの人であれば、上記の計算式に当てはめると、「60kg × 10Mts × 1時間 × 1.05」となり、消費カロリーは630kcalとなります。
くわしくは、下記関連記事で紹介しますので、ぜひ参考にして下さいね。
電動アシスト自転車も運動になる

ママチャリやロードバイクのようなスポーツ向けの自転車であれば、ペダルを漕ぐことで運動になるのは理解しやすいです。
しかし、電動アシスト自転車やE-Bikeではどうなるのか気になるもの。明らかに一般的な自転車と比べて体力を使わずに走行できます。
たとえ電動アシスト機能が付いていても、運動になるのでご安心して下さい。ペダルの踏みだしは自力で行なう必要があるし、アシストの強弱をつけることで負荷が変わってくる。
また、時にはバッテリー消費を抑えるために、アシストをオフにして走ることもあるでしょう。
消費カロリーは、運動を継続して行う時間が長くなるほど多くなるものです。つまり、電動アシスト機能があろうがなかろうが関係なく、走る距離次第では運動効果が期待できます。
まとめ

本記事では、自転車が運動にならないと感じる原因と改善方法を紹介しました。
最期にもう一度、その原因を以下にまとめます。
- 運動量以上にカロリー摂取が多い
- 運動量が少ない
- 継続的な運動ができていない
これらの原因により、結果的に効果がでないので運動していないと感じてしまうものですね。無理なく運動を続けるためには、通勤や通学に自転車を取り入れたりして、普段の生活にからめるのが手っ取り早いです。また、食生活の見直しも行ないましょう。
決して自転車での運動は無意味なものではなく、正しい方法で取り組めば自ずと効果がでてきます。