岡山県内から蒜山高原(ひるぜんこうげん)を目指すコースは色々ありますが、その中の一つには、桜と紅葉を同時に見られるコースもあります。
今回の旅では、真庭市勝山から出発して、国道181号線を走り、蒜山高原を目指しました。
その道中には、秋にも花を咲かせる神代四季桜や不思議な奇岩の群れが広がる竜宮岩など見所もあり、終始楽しくサイクリングができますね。
本記事では、サイクリングをしながら、真庭市勝山から蒜山高原へ向かう道中の見どころを紹介します。
ロードバイクで真庭市勝山から蒜山高原を目指してみよう
蒜山高原(ひるぜんこうげん)とは、岡山県真庭市北部の蒜山地方に位置し、雄大な自然と多彩な観光スポットが集まっている人気エリアです。
毎年、多くの観光客が訪れますが、残念ながら電車が通過していないためアクセスは良くありません。
そのため、移動手段は車やバイクなどに限られます。
尚、最寄り駅からも距離が離れているため、徒歩で移動するのはたいへん厳しいです。
しかし、自転車(ロードバイク)ならば最寄り駅から移動することは可能であり、その道中の美しい自然を堪能しながらサイクリングを満喫できます。
蒜山高原の周辺には、露天風呂付で「西の横綱」にラインインしている湯原温泉がありますので、立ち寄ってみては如何でしょうか。
蒜山高原へ向かうコースの選択
蒜山高原は、東西南北の様々なルートからアクセスができます。
主なルートは以下になりますね。
- 東ルート:岡山県苫田郡鏡野町から向かう
- 西ルート:鳥取県日野郡江府町から向かう
- 南ルート:岡山県真庭市から向かう
- 北ルート:鳥取県倉吉市又は、鳥取県米子市から向かう
どのルートを使ったとしても激坂を上らなければ、蒜山高原へ辿り着けません。
比較的楽なコースは、西ルートになりますが、今回の旅では岡山県内から向かうため南ルートを採用することにしました。
東ルートでも良かったのですが、最寄り駅(JR中国勝山駅)がより近くにあるのは南ルートですね。
この南ルートも複数のルートに分けることができます。
自転車で蒜山高原へ向かうならば、主に以下の2ルートに絞られますね。
国道181号線をメインルートとした場合は、アップダウンが激しいコースです。(国道181号線の途中から更に道が分岐されており、蒜山高原へ向かえますね。)
反対に国道313号線を選択した場合は、湯原温泉郷までは概ね上り基調の道が続き、その後蒜山高原までアップダウンがあるコースになります。
今回の旅では、秋に咲く桜を見たいため、国道181号線を選択することにしました。
国道313号線のルートには、中国地方を代表する名瀑「神庭の滝」があります。個人的には、往路は国道181号線を選択し、帰路は国道313号線を使うのが良いと考えていますね。
なぜなら、湯原温泉郷辺りから、JR中国勝山駅までジェットコースターのようなダウンヒルを楽しめるからです(笑)
サイクリングのスタート地点は「JR中国勝山駅」
最寄り駅であるJR中国勝山駅(ちゅうごくかつやまえき)まで、電車で輪行して自転車を運びました。
中国勝山駅は、岡山県真庭市勝山にある西日本旅客鉄道(JR西日本)姫新線の駅ですね。
尚、中国勝山駅へ下車する電車は少なく、2時間に1本あれば良い方なので、電車へ乗り遅れないよう注意しましょう。
時間帯にもよりますが、1本乗り遅れたら、次の電車は2~3時間待ちは普通です。
真庭市勝山の町並み保存地区と暖簾の風景
中国勝山駅から徒歩1分もかからないところに、勝山の町並み保存地区があります。
必要に応じて、この町で飲料や補給食を入手しましょう。この先、補給ができるところが少なくなります。
特に山越えをしている最中では、全くと言っていいほど補給ができません。
勝山は、かつて出雲街道の宿場町として栄えました。今でも昔ながらの白壁の土蔵や格子窓の商家、古い町並みが残っています。
特にこの勝山の町では、色々な店先で凝ったデザインの暖簾(のれん)の風景を楽しめます。
今では、この暖簾が勝山のシンボルになっているくらいです。
ユニークなデザインの暖簾がありますので、町並みと合わせて探してみては如何でしょうか。
個人的に気に入ったのは、こちらの教会に暖簾が掛けられていたことです。
その暖簾のデザインがこちら。日本文化と西洋文化の融合を感じた瞬間でした。
その他にも町中を散策していると、各軒先に素敵な暖簾を見つけましたので、その一部を紹介します。
どれもこれも素敵な暖簾で見ている方も嬉しくなりますね。
これらの暖簾を全て作っているのは「ひのき草木染織工房」です。
ひのき草木染織工房は、草木染めの工房とギャラリーを兼ね備えており、築250年の酒蔵を改造した店舗になっています。
この勝山保存地区内に店舗がありますので、暖簾の風景に興味を持たれた方は、是非立ち寄ってみては如何でしょうか。
また、勝山の町並み保存地区を抜けたところにある速日神社(すすむじつじんじゃ)では、境内の中で立派にそびえ立つ銀杏が見られますので、お見逃しなく。
勝山の町並み保存地区
- 住所 岡山県真庭市勝山
- 電話番号 0867-42-1033(真庭市役所 産業政策課)
【古い町並みの紹介】
日本全国には、勝山の町並み保存地区のような古い町並みが堪能できるスポットが点在していますので、下記記事で紹介します。
珍しい桜と紅葉の共演、神代四季桜を堪能
国道181号線を走っていると、道の沿岸に「神代四季桜(こうじろしきざくら)」と書かれた案内板が見えてきました。
案内板があった位置から道路を挟んで向こう側には、桜と紅葉(もみじ)が共演しており、そんな光景に興奮を隠せません。(嬉)
この桜は、神代四季桜と呼ばれており、年に4回花を咲かせるそうです。
桜は春に咲く物と言う考えに反し、可愛らしいピンク色の花びらが、赤く彩るもみじとの美しいハーモニーを奏でていました。
伝説によれば、後醍醐天皇が隠岐へ島流しにされる際、立ち寄ったこの地で休憩していた時に、従者が誤って桜の花を散らしてしまったため、歌を詠んだと言わています。
その歌が「春も咲け 夏秋も咲け 冬も咲け 四季の桜と名を授けおく」であり、以来その桜は1年に4回咲くようになったと言われていますね。
その見事な風景は一見の価値があり、蒜山高原へ向かうルートに国道181号線を選択したことは大成功でした。
尚、勝山の町から国道181号線を走り続けても良いですが、県道321号線を走ることでショートカットして再び国道181号線へ合流した後でも神代四季桜を見ることができます。
道幅が広い道を走りたいならば、国道181号線を選び、狭い道(一車線)でも良ければ県道321号線を選択すると良いでしょう。
神代四季桜
- 住所 岡山県真庭市神代
- 電話番号 0867-44-2607(真庭市役所 勝山振興局)
- 開花時期 桜:4月上旬~4月中旬、10月下旬~12月中旬
- 紅葉の時期 11月中旬~11月下旬
- 駐車場有り(普通車5台)
【桜と紅葉の景色を紹介】
桜の花見や紅葉狩りは例年行う風物詩ですね。下記記事では、私が旅で立ち寄った桜や紅葉(もみじ)の名所について紹介します。
不思議な奇岩の群れ、竜宮岩を見学
神代四季桜も不思議な光景でしたが、神代四季桜が咲いていた所から約1分ほど歩けば、更に不思議な光景が見られます。
新庄川に白い奇岩の群れが浮かんでいました。
国道181号線に沿った形で流れている新庄川には、新庄川の清流に長い年月をかけて浸食された石灰岩が奇岩を創り出しているのです。
その奇岩の見た目がまるで「龍宮」のようであることから、「龍宮岩」と呼ばれるようになりました。
この不思議な白い奇岩の光景は、下流200mほどまで続き、その先の左岸側には、食通として知られていた出雲国の松平不味公が参勤交代のおり愛飲された湧き水があります。
その湧き水は「作西の三清水」の一つと伝えられており、夏でも摂氏12度をキープしている「鬼清水」です。
龍宮岩が見られるスポットには、こちらの案内板が立てられています。
近くには駐車場もありますので、そこへ車や自転車などを止めて、川岸へ歩いて行きましょう。
すると、そこには白い奇岩の光景が広がっておりビックリ。
水に溶けやすい石灰岩の特性により、複雑な形をした大小様々な真っ白い岩が見て取れます。
まるで腕の良い彫刻家が造り上げたような造形美は、一見の価値ありですね。
普段このような河川の眺めを見る機会はほとんどないため、異世界に迷い込んだ錯覚を感じました。(笑)
尚、この景色が見られる一帯は、勝山町指定名勝地に指定されています。
竜宮岩
- 住所 岡山県真庭市神代
- 電話番号 0867-44-2607(真庭市役所 勝山振興局)
- 駐車場有り(普通車5台)
【奇岩・奇峰の紹介】
竜宮岩のような奇岩や奇峰は、旅を続けていると目撃したりしますので、下記記事で紹介します。
色鮮やかな紅葉の景色と美甘宿からのコース選択
紅葉の時期のサイクリングは、色鮮やかな景色を眺めながら走れるため、自然にテンションも上がります。
多くのサイクリストにとっては、暑くもなく寒くもない理想的な季節であり本当に走りやすいですね。
そのためか、自転車旅で日本各地へ出かけると、この時期と春の暖かい時期には、地元のサイクリストを良く目にします。
今回の旅では、平日だったこともあり、あまりサイクリストを見かけることはありませんでしたが、土・日曜日になれば沢山のサイクリストと出会える予感がしました。
国道181号線を走り続けていると、かつての出雲街道の美甘宿(みかもじゅく)へ到着。
新庄川沿いには、桜の並木道があり、春になれば綺麗なピンク色の景色を堪能できることが想像できますね。
この美甘宿で見つけた美甘神社(みかもじんじゃ)へ参拝後、再び蒜山高原を目指しました。
この美甘宿から更にルートが分岐されており、ルート選択が大事になってきます。
主なルートは以下の3つですね。
- 国道181号線を走り続け新庄村へ向かい、その後北上し蒜山高原へ向かう。
- 県道58号線の山道を走り、蒜山高原へ向かう。
- 県道447号線と県道322号線の山道を走り、蒜山高原へ向かう。
まず「1案」はかなり遠回りになるため論外。しかし、新庄村を観光するならばこの案が良いです。
新庄村には、有名ながいせん桜がありますが時期が外れていますね。
また、蒜山高原へ向かう道中には、約2kmと長い野土路トンネルがあり、歩道も狭いため余り自転車では走りたくありません。
しかし、車で向かうならばベストだと思われます。
すると「2案」と「3案」になるのですが、どちらを選択してもそれほど大きな違いはないでしょう。
強いて言うならば「3案」の方がアップダウンが多いことですね。
今回は道中のアップダウンが激しい「3案」を採用。周辺の景色は見応えがあります。
雄大な大地、蒜山高原へ到着
景色を楽しみながら道なりに走り続けていると、蒜山高原の山々が見えてきました。
遠くには、中国地方の最高峰「大山(だいせん)」が見て取れます。
大山は、鳥取県に位置する標高1,729mの成層火山ですが、活火山として扱われていません。
昔、自転車(ロードバイク)で上ったことがありますが、頂上へ向かうにつれ勾配が急になり、大変な思いをした記憶があります。
大山の頂上は登山でないと行けませんが、中腹(標高約800m)までは自転車で上れ、そこから日本海へ向けてダウンヒルを行ない遊んだのは、今では良い思い出です。(笑)
この時期に見える大山の頂上には、白く雪化粧がされており、遠くに見えてもその存在感を強く感じました。
川岸には、ススキが風に揺れて、秋の風景をより彩ります。
こうして、雄大な大地が広がる蒜山高原へ到着しました。
全体を通して上り基調の道が多く、アップダウンも激しいコースでしたが、色鮮やかな景色の中をサイクリングできて、非常に心地よい時間を過ごせて大満足。
また機会があれば、チャレンジしてみたいですね。
【サイクリングを趣味にしてみよう】
もし、サイクリングに少しでも興味があるのでしたら、サイクリングを趣味にしてみませんか。サイクリングを通して色々と学べたり、メリットがあります。下記記事では、サイクリングを趣味にすることについてお伝えします。
まとめ
中国勝山駅を出発してから約4時間ほどで蒜山高原へ到着しました。
今回走ったコースは、勝山の町並み保存地区や神代四季桜、竜宮岩など見所も堪能できて、紅葉の風景を眺めながらサイクリングを楽しめられるため満足度は高いですね。
蒜山高原を目指してサイクリングをする機会があれば、是非参考にして頂けると嬉しいです。