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旅の体験談

大洲城の観光、天守に宿泊できる唯一の城の行き方や見所とは

大洲城

伊予の小京都・大洲市(おおずし)の市街地へ足を運べば、一際その存在を示す大きなお城が見えてきます。

それこそが、大洲市のシンボル「大洲城」です。

忠実に復元された天守や見応えのある石垣を堪能しましょう。

また、清流・肱川の畔を見下ろす場所に築城された大洲城は、見晴らしも大変素晴らしい。

大洲の市街地も一望できますよ。

それに、大洲城には他のお城では味わえない特別なイベントがあります。

そのイベントとは、なんと天守に宿泊ができること。そんなお城はここだけ。

まさに殿様気分を味わえますね。

本記事では、大洲城の行き方や見どころについて紹介し、その魅力をお伝えします。

本記事は、以下に該当する人向けです。

  • お城が好き
  • 戦国時代に興味がある
  • 大洲城の見どころを知りたい

大洲市のシンボル「大洲城」とは

肱川を望む大洲城
肱川を望む大洲城

大洲城は、愛媛県大洲市に位置し、1331年(元弘元年)の鎌倉時代末期に国入りした宇都宮豊房によって築城されたのが始まりだと言われています。

その後、築城の名手として知られている藤堂高虎などによって大規模な修築がされ、伊予大洲藩の政治と経済の中心地として繁栄しました。

明治時代になると、政府から民間に払い下げられ、個人所用になることで取り壊しを免れたという。

その話を聞いて、「へぇ、凄い裏技を使うもんだ」と感心したものです。

けれど、1888年(明治21年)に天守の老朽化に伴い解体されました。

しかし、2004年(平成16年)には、地元住民の強い希望や寄付により、江戸時代の資料をもとにして忠実に復元されることに。

天守と櫓
天守と櫓

再び4層4階の木造天守が、往時の姿のまま蘇ったのです。

いかに地元の人々から愛され続けていたのか、良く分かるエピソードですね。

また、天守以外にも4つの櫓(やぐら)は、今も残っており、いずれも国の重要文化財。

長い歴史を感じさせる様々な魅力が詰まった大洲城は、日本100名城に選ばれています。

大洲城の行き方(アクセス)

大洲城への行き方ですが、東京・大阪方面から向かう場合は、まず新幹線で岡山駅へ向かいます。

岡山駅で、JR瀬戸大橋線の特急「しおかぜ」に乗り換え、愛媛県の県庁所在地「松山市」へ移動しましょう。

その後、松山駅からは、JR特急宇和海に乗車して、大洲城の最寄り駅となる伊予大洲駅に下車します。

特急宇和海
特急宇和海

岡山駅から松山駅までの所要時間は、約2時間30分。

松山駅から伊予大洲駅までは、約35分程度。

つまり、本州の岡山から四国へ渡り、大洲城の最寄り駅へ到着するまでに約3時間もかかる訳です。

そのため、遠くから移動するのは大変かも。

そこで、松山市には松山空港があるので、松山市までは飛行機で移動するのも一つの手ですね。

伊予大洲駅から大洲城までは、徒歩かタクシーでの移動が時間的なロスが少ないです。

JR伊予大洲駅
JR伊予大洲駅

特にタクシーに乗れば、約5分程度で辿り着けるので便利かな。

徒歩の場合は、約25分ほど歩きます。

尚、路線バスもあるのですが、本数が少ないので待ち時間が長くなることも。

大洲市の市街地へ向けて、のんびり散策しながら向かうのも楽しいですよ。

こちらが、伊予大洲駅から大洲城までの地図。

伊予大洲駅から大洲城までの地図

© OpenStreetMap contributors

駅から国道56号へ向けて歩き、国道56号へ辿り着くと南下していけば、肱川橋の上から大洲城が見えてきます。

伊予大洲駅前の風景
伊予大洲駅前の風景(目の前に見える鳥居へ向けて歩くと国道56号へ辿り着く)
肱川橋から眺めた大洲城
肱川橋から眺めた大洲城

私は、橋の上から眺めた大洲城の光景に思わず「おー、お城だ!」と感嘆の声を上げてしまいました。

周りの風景にマッチしたお城の姿は、素晴らしいの一言。

是非、肱川橋から自分の目で大洲城の景色を眺めてみて下さい。

きっと気に入りますよ。

私と同じサイクリストには、嬉しいお知らせがあります。

実は、先ほど紹介した松山駅から運行する特急宇和海は、サイクルトレインとなっているため、自転車を分解せず、そのまま載せられる車両がある。

それがこちらのサイクルルーム。自転車を縦置きするタイプですね。

サイクルルーム
サイクルルーム

サイクルルームは2台しかないので、予定が決まったら事前に予約しよう。(愛媛県内にあるJR四国のみどりの窓口で予約できます。)

尚、予約していなくても当日空きがあれば載せられるようです。

実際、私が自転車を持ち込んだ時に、車掌からサイクルルームを案内されました。

是非利用してみては如何でしょうか。

本州から松山市へ向かうコースとして、広島県尾道市から風光明媚なサイクリストの聖地「しまなみ海道」を渡り、四国(今治市)へ到着後、「はまかぜ海道」を走り松山市へ向かうのがお勧めです。

瀬戸内海の絶景を、これでもかと言わんばかり堪能できますよ。(嬉)

【アクセス】

  • JR伊予大洲駅から徒歩約25分
  • JR伊予大洲駅からタクシーで約5分
  • 松山自動車道「大洲IC」から車で約10分

【しまなみ海道とはまかぜ海道】

サイクリストならば、しまなみ海道とはまかぜ海道を経由して、大洲市へ訪れるのも面白いですよ。下記記事では、しまなみ海道とはまかぜ海道について紹介します。

【見所①】忠実に復元された天守の見学

大洲城の天守
大洲城の天守

大洲城の今の天守閣は、大洲市市制施行50周年記念事業として復元されたものです。

当時、実際に使われていた工法により、木造で造られた初めての天守。その天守には、立派な千鳥破風や唐破風が見て取れますね。

資料が豊富に残っていたため、忠実な復元が可能でした。

ちなみに、復元するには高さが建築基準法に引っかかり、愛媛県からなかなか許可が下りなかったという。

粘り強い交渉を2年ほど続け、建築基準法の除外扱いになった経緯があります。

きっと、地元住民の熱い思いが伝わったのでしょう。

天守の高さは、石垣の上から19.15mもありますよ。

大洲城の天守(拡大)
大洲城

昭和時代の天守の復元は、外観だけ似せたものが多く、主に鉄筋製が主流でした。

天守の両脇には、台所櫓と高欄櫓があり、それぞれ渡り廊下でつながっています。

しかし、大洲城は木造で建てられており、往時の姿を取り戻した姿を見ていると、感謝の念が堪えません。

まずは、台所櫓へ入り受付を済ませた後で、天守へ向かいましょう。

受付場所周辺には、天守の木造模型がありました。これは見逃せない。

また、多くの著名人や芸能人が訪れているみたいで、サインが書かれた色紙が並んでいます。

大洲城の天守の様子

ヤバイよ!ヤバイよ!でお馴染みの出川哲朗さんも2018年に充電旅で訪れたという。

出川哲朗のサイン色紙

御城印や絵はがき、大洲城オリジナルタオル、大洲和紙コーナーなどもあり、帰りにお土産に良いですね。

大洲城のお土産

個人的に気になったのは「輪ゴム銃」です。見ていると、とても懐かしい気持ちになりました。

天守の内部は、復元されたのが2004年ということもあり真新しい。

大洲城の内部

これも後、数10数年も経てば、立派な雰囲気を醸し出してきそうだ。

1階、2階は他のお城では見かけない吹き抜けの構造が珍しいですね。

また、世界遺産で知られる姫路城のように心柱がある。

心柱
心柱

心柱のある天守というのは、あまり存在しないものです。

尚、心柱は、建物の中心ではなく約1mほど北よりに3階床下で上下2本に分かれている。そういう意味では、大洲城は他に類を見ない構造をした貴重なお城。

使っている木材は全て国産で、城郭建築特有の迫力ある木組は見物です。

こちらは火灯窓(かとうまど)。

火灯窓
火灯窓

中世に禅宗などと共に中国から伝えられた建築様式の1つであり、近世になって天守の意匠として取り入れました。

最上階まで上ると、天守の屋根に取り付けられている物と同じシャチホコが展示されていますよ。

シャチホコ
シャチホコ

間近で見ると、凄い迫力ですね。

最上階からは、当時城主が眺めていたであろうと思われる大洲市の景色を楽しめます。

肱川の景色
肱川の景色

【見所②】櫓の見学、天守から高欄櫓へ行ける

大洲城の天守と高欄櫓
大洲城の天守(奥)と高欄櫓(手前)

大洲城には、高欄櫓、台所櫓、苧綿櫓、三の丸南隅櫓の4つの櫓が残されています。全ての櫓は、国の重要文化財ですよ。

唯一2階に縁と高欄のある櫓が、高欄櫓(こうらんやぐら)ですね。

天守から渡り廊下でつながっていますので、天守を見て回った後で向いましょう。

渡り廊下では、江戸時代の大洲城下を再現したジオラマが展示されていますのでお見逃しなく。

渡り廊下
大洲城のジオラマ
大洲城のジオラマ

高欄櫓からも天守同様、大洲市内を一望できます。

高欄櫓の内部
高欄櫓の内部
大洲市内の眺め
大洲市内の眺め

尚、4つの櫓は全て見学できますが、天守から離れた場所に櫓(苧綿櫓)があったりするので、時間に余裕を持っておきましょう。

高欄櫓は、1857年に発生した地震で大破しましたが、1860年に再建されました。

その後、1970年には台所櫓と共に解体修理され今に至ります。

平成の世に蘇った当時の工法を用いて建てられた天守と江戸時代から続く櫓。

時代を越えて、新旧の建築物が同居しているのも大洲城の魅力です。

【見所③】本丸周辺の散策、大洲市内の風景を楽しむ

本丸
本丸

本丸周辺は、空が開け広々としており、散策するのが気持ち良いです。

遠くには、大洲市が一望できますので、様々な角度で眺めてみましょう。

大洲市の市街地の眺め
大洲市の市街地の眺め
肱川と屋形船
肱川の眺め

清流・肱川には、屋形船が運行されており、風情を感じます。

肱川と言えば鵜飼いが有名ですね。機会があれば是非見学したいかな。

散策していると、石碑や多くの櫓跡、門跡などを発見。

こちらは、かま櫓跡。

かま櫓跡
かま櫓跡

井戸丸の南にある約6m四方の2層の櫓があったという。

今は芝生広場が広がっています。

大洲城は門跡はあるのですが、全く城門がないのが残念ですね。今後復元されることを期待したい。

また、桜の木や藤棚があり、シーズンは楽しそう。

桜の木
藤棚

敷地内には、カフェがありますので休憩もできる。

カフェ
カフェ

大洲城に隣接して城山公園があります。

本丸と二の丸の周辺を中心に整備された公園で、桜シーズンはピンクに染まるそうだ。

桜を愛でながら、大洲城を楽しむ。

そんな風情を強く感じる過ごし方ができるのも大洲城の魅力の1つでしょう。

日本発!天守に宿泊して殿様気分を味わえる

大洲城の天守
大洲城の天守

大洲城では、天守を貸し切りにして宿泊ができますよ。そのプランが「大洲城キャッスルステイ」です。

日本初の城泊ができるのは、大洲城だけ。ただ宿泊するだけでなく、一生の思い出に残るイベントの数々を体験できる。

例えば、加藤貞泰の入城体験。加藤貞泰は、250年以上も大洲を治めた加藤家初代藩主です。

宿泊者は1日城主となり、貞泰が1617に米子藩から大洲藩へ向かう際、大洲城への入場したシーンを体験してもらいます。

また、肱川の景勝地に建てられた稀代の名建築「臥龍山荘」を貸し切り、朝食や瞑想を楽しむ。

臥龍院
臥龍山荘の母屋「臥龍院」

更に肱川の川遊びや文化遺産めぐりなどの様々なイベントが追加で選べます。

なんとも豪華なイベントに、この話を聞いた時は、あまりの規模の大きさに「どれだけお金かけてるの」と凄く驚きました。(笑)

調べてみると、1泊2日の2名利用(朝食1回 夕食1回)で1,100,000円。(1人当たり550,000円)

うん、私にはちょっと手が出ないかな。(興味はありますね。)

けれど、天守や臥龍山荘の貸し切りで、大規模なイベントを楽しめると考えると、一定の需要はありそう。

もし興味がある人は、殿様気分が味わえる「大洲城キャッスルステイ」へ参加してみるのも良いかも。

詳しくは、大洲城の公式ホームページでご確認下さい。

大洲城キャッスルステイ

  • 1泊2日 2名利用(朝食1回 夕食1回)で一人当たり550,000円(税込)
  • 宿泊可能人数は、2~6名
  • 3名以上ご利用する場合、1人追加ごとに下記料金を加算(税込)
    • 大人(中学生以上)110,000円
    • 小学生55,000円
    • 未就学児33,000円
    • 乳幼児(3歳以下)無料
  • ご予約は、大人2名から受付
  • 連泊の際には、2泊目以降は城下町内の歴史ある邸宅を改装したホテルをご案内
  • 8月と12月~2月を除く季節のみで、1日お1組限定です
  • 年間30組限定です、超過する場合は受付を締め切る場合があります

大洲藩鉄砲隊へ参加体験とは

毎月第3土曜日の14:00には、大洲藩鉄砲隊の公式練習が催されます。

侍の姿に扮した男性たちが、火縄銃を使って迫力ある演武を行なう。(実弾は込められていません)

また、同日の14:30からは、子供向けに輪ゴム火縄銃体験ができますよ。

その他にも武将のコスプレ(費用500円)ができる「なりきりパック」へ参加してみるのも面白そう。

たとえ着物の着方を知らなくても、スタッフが親切丁寧に衣装を着せてくれるのでご安心して下さい。

大洲城の基本情報

住所愛媛県大洲市大洲903
電話番号0893-24-1146
営業時間9:00~17:00(札止め 16:30)
定休日無休
観覧料大人550円
小人220円(中学生以下)
5歳以下は無料(保護者同伴要)
※臥龍山荘とセットとなる共通観覧券あり

大洲城の駐車場

大洲城から少し離れた場所に、無料の観光第一駐車場があります。(普通車約70台)

この駐車場から大洲城までは、徒歩約10分ほどです。

また、周辺には、有料の大洲市民会館駐車場やコインパーキングなどがあります。

まとめ

大洲城の見える風景

伊予の小京都・大洲市のシンボル「大洲城」。

大洲市では、当時のまま残されている櫓や当時の工法を用いて復元された天守などが見学できます。

また、高台に建っているため、見晴らしもよく、清流・肱川や大洲市内が一望できる。

青天の下では、最高の景色が楽しめますね。

それに大洲城だけでしか実現されていない「城泊」は、大変魅力的。

季節により、様々な姿を変えて楽しませてくれる評判の大洲城。

大洲市へ訪れる機会があれば、是非足を運んでみては如何でしょうか。



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この記事を書いた人

年齢:40代。
職業:旅人兼ブロガー。

私にとって自転車旅が一番の楽しみであり、知らない土地、景色、一期一会の出会いなど様々な体験をしました。当ブログでは、自転車旅などを通じて体験した事や訪れた絶景・観光スポットについて紹介します。また、自転車全般に役立つ情報を発信しています。

当ブログのURL:https://tabirin2021.com
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