岡山県の中央部に位置する街、それが吉備中央町です。
この吉備中央町の南部には、吉備高原都市と呼ばれる、産業・福祉・文化などの調和を高めた都市が存在している事をご存じでしょうか。
この都市では、緑豊かな自然に囲まれた吉備高原で澄んだ空気の中、人と自然が触れ合える暮らしを営む事ができます。
自然に触れ合いながらのサイクリングは最高に楽しいよ。
今回の旅では、この吉備高原都市を中心に点在する観光スポットを定番から穴場まで5点紹介します。
尚、旅の起点は今回紹介する「きびプラザ」を中心に半径4km以内にあるスポットばかりです。
観光スポット5選
- 裕園
- 吉川八幡宮
- きびプラザ
- 吉備中央公園
- 鬼突岩
各スポットは、車で訪れても良いですが、きびプラザで電動アシスト付きのクロスバイクをレンタルして各スポットを見て周るのも楽しいよ。
一人で15年掛けた手作り公園、癒しの遊歩道「裕園」
吉備中央町の行政窓口や教育機関等の機関があり、商業施設の中心でもある「きびプラザ」から南へ約3~4kmぐらい進むと特徴的な石版を目撃します。
それこそが、のどかな田園風景の中で一際存在感を放っている癒しの散歩道「裕園」です。
この裕園は、15年かけてたった一人の手で作られた公園施設ですね。
この公園は約1万平方メートルと広く、広大な敷地を一人で整備し続けるのは、並み大抵な苦労ではありません。
癒しの散歩道「裕園」は、人気テレビ番組「ナニコレ珍百景」で紹介されました。
こちらは裕園の入口。非常にインパクトがあり、とても驚きますね。
「ここは故郷 癒しの公園、ここは故郷 心の小道」石板の上に文字が彫刻されています。
この言葉通りの場所なのでしょう。
通路は、入口から山に向かって石畳で舗装されていて歩き易いです。
通路の所々には親切に道順を記しているため、迷うことはありません。
仏様も見守ってくれています。
かわいいワンちゃんも歓迎してくれています。
石畳の上をゆっくりと歩いて頂上を目指して行きましょう。
眼下には、日本の原風景と呼べる田園風景が広がり、眺めていると心が落ち着きますね。
大黒天様も見守ってくれていました。
園内にはオーナーにより樹々が植えられ、春は桜、秋は紅葉が楽しめます。
このような場所で、日常の喧噪を忘れ、ゆっくりと散策するのは得難い体験です。
通路を進んでいると「俊藤浩滋 映画資料館」がありました。
まだまだ頂上には着きません。
しばらく歩くと、お大師様が立っている石碑には、ありがたいお言葉が掘られていました。
「人生とは心の修行の場である」まさしく至言ですね。
いろいろな人生経験を積み成長し続け、魂を輝かせるこそが人間にとっての喜びではないでしょうか。
頂上は開けていますので、ここで休憩を取るのも良いですね。
奥には「画廊の小道」と呼ばれている施設があり、地元作家の作品や俳優の名高達郎さんの版画作品などを展示しています。
この画廊の中へ入ると施設内のテレビでは「ナニコレ珍百景」の録画が流れており、この裕園をアピールしていました。
画廊を通り抜けると、道の至る所では、たくさんのオブジェが点在されている事に気が付きます。
例えば、かわいいリスたちが綱登りしています。
また、ウサギたちが仲良くおしゃべりしていますね。
直ぐ近くには休憩所があるようです。
奥へ進み過ぎると行き止まりになりましたので、引き返すことにしました。
引き返している途中で、元気に走り回り遊んでいる子供たちと出くわすと、子供たちが元気良く私に挨拶をしてくれたのです。
子供たち「こんにちは。」
こーさん「はい、こんにちは。」
子供たち「頑張って下さい。」
こーさん「はい、頑張ります。」
何を頑張るのかは疑問でしたが、おそらく私の姿がサイクルウェアであったため、その姿を見て自転車で走ることを応援してくれたと解釈しました。
元気を分けてもらった気がして、機嫌良くこの公園を下っていくと、奥の方へ道が続いている事に気が付きます。
行ってみましょう。
そこには、ステージ場がありました。
このステージ場では、アーティストの方が度々イベントを行っているそうです。
また、ステージ場の端には仁王様が見守っていました。
この近くでこの裕園のオーナーとお会いして簡単な雑談をした後で、裕園を後にしたのです。
この裕園は、手作り感満載の誰もが無料で楽しめる癒しの公園でした。
癒しの遊歩道「裕園」
- 住所 岡山県加賀郡吉備中央町吉川648
- 営業時間 10:00~15:30
- 休園日
- 火曜日・水曜日・木曜日
- 天気予報で降水確率が50%以上の日
- 12月~3月の期間
- 料金 無料
【公園の紹介】
旅の道中では、様々な公園へ良く立ち寄りますので、下記記事で紹介します。
古代から伝承された奇祭を催す、吉川八幡宮
吉備中央町のシンボル的なスポットである「きびプラザ」を南下すると、周辺は田舎の原風景が広がります。
田園風景の先に人々が住まう街があり、その街には古代から伝わる奇祭を催す神社が鎮座している事をご存じでしょうか。
その神社の名を「吉川八幡宮」と言います。
普段良く見かける鳥居ですが、この鳥居が吉川八幡宮の入口です。
鳥居の奥には、古めかしい巨大な門が見えます。
その門の姿に長い歴史の流れを感じることができますね。
自転車を鳥居の近くへ止めて、徒歩で鳥居と立派な門をくぐり抜け境内へ入りました。
境内の中では、珍しい中世の建物を見ることができます。
この建物を見て、大変驚くのも無理がありません。古代の歴史を感じますね。
吉川八幡宮は、平安時代後期(1096年)に石清水八幡宮の別宮として創建されたと伝わっています。
五間三間入母屋造の本殿の屋根は、栩葺(とちぶき)で室町時代前期(1395年)に建てられたそうです。
正面の向拝と呼ばれるところは、幕末の元治元年(1864年)に作り替えられていて、地元では今も大切にしているよ。
向拝とは、仏堂や社殿の屋根の中央部分が前方に伸びている部分のことだね。
1998年3月から3年かけて解体修理を行い建設当初に近い形で蘇りました。
吉川八幡宮の本殿は、中世の建築物の特徴が色濃く残されており、国の重要文化財に指定されています。
神聖な雰囲気が漂う中で、この向拝の階段を上がって中へ入り、願いを込めて祈りを捧げました。
この建物には、特別な発見があった経緯があります。
それは、この建物の修理中に建築部材の一部に木材にのみを打ち、楔で引き裂いて製材する古代以来使用されていた「打ち割り」の技法の詳細が全国ではじめて発見されました。
きっと発見当時はビッグニュースであったに違いありませんね。
吉川八幡宮には、立派な本殿以外にも見るべき所があります。
実はこの神社では奇祭の風習があるのです。
それは「当番祭」と呼ばれ、毎年10月1日から10月下旬の約1ヶ月間開催されます。
当番祭は、2社以上の八幡宮の氏子がお互いを訪問し合い、親睦を深めて氏子の繁栄と豊穣を祈る催し物だよ。
祭りの間は、10歳前後の男子が白装束姿の当番と呼ばれる神人になってお役目を勤め上げます。
当番以外にも裃を身につけた供人も参加しますね。
この祭りのクライマックスには、一番の見せ場である当番同士、供人同士による走り比べが繰り広げられるのです。
子供も大人も本気の走りが見られて面白そうですね。
この当番祭は、岡山県指定重要無形民俗文化財に指定されています。
吉川八幡宮
- 住所 岡山県加賀郡吉備中央町吉川3932
- 電話番号 0866-56-7419
- ご祭神 応神天皇、仲哀天皇、神功皇后
- ご利益 交通安全、商売繁盛、学業成就など
- 駐車場 約50台(付近の吉川公民館)
【神社仏閣の紹介】
旅の道中には神社や寺院へ良く立ち寄りますので、下記記事で紹介します。
吉備中央町のシンボル的な施設、きびプラザ
きびプラザは、ホテルや銀行、飲食店、日用品店、コンビニなどがコンパクトにまとめられて建設された吉備中央町のシンボル的な施設です。
きびプラザは、吉備中央町の核として大切な存在であり、吉備中央町の行政窓口や教育機関なども入居しています。
また、各種展示会やイベントなどにも使われていますね。
このきびプラザの成り立ちには、「吉備高原都市」について知っておく必要があります。
吉備高原都市とは、岡山県加賀郡吉備中央町にある計画都市のことです。
1973年に当時の岡山県知事が岡山県総合福祉計画の中で打ち出した構想でした。
吉備高原都市は、1,800ヘクタールの広大な敷地内に「人間尊重」の理念の元、自然や地域産業、教育、福祉などの人々の暮らしを高度に支えているよ。
きびプラザは、吉備高原都市のセンターとして誕生した経緯があります。
基本計画に従い整備されてきましたが、1996年に県財政の建て直しのため、莫大な建設費がかかる吉備高原都市の整備も見直されたのです。
そして、2002年には「吉備高原都市の今後の整備方針」を決定して、新規事業は事実上の凍結となりました。
今後、再開発が行われるのか不明ですが、現在の吉備高原都市は、緑豊かな美しい街には違いありません。
こちらは、きびプラザにある特徴的な円筒形状の建物です。
その建物の内側へ歩いてみましょう。この広場は「さんさん広場」と呼ばれています。
中心部には中国の神話に登場する四神が描かれていました。(四神のことを四獣ともいいますね。)
これは朱雀ですね。
これは青龍ですね。
これは玄武です。
残る一つは白虎となります。
顔は虎に見えますが、私には全体的な姿が虎には見えませんでした。(汗)
さんさん広場を抜けると、楽しそうな遊具が並んでいる芝生広場が広がっています。
残念なことにコロナの影響でこれらの遊具は使用禁止になっていました。
きっと近隣の子供たちは非常に残念に思っていますね。
遊具を見てまわると鬼のブランコや滑り台などがあります。
広場の端の方には、何やらオブジェがありました。
鉄柱の上に大きな岩が載せられています。
これはいったい何を表現しているのでしょうか。
私はこの姿に先日訪れた「鬼ノ城」を思い浮かべたのです。
実際の鬼ノ城の形と似てはいないですが、直観的にそのように感じました。
きびプラザは、飲食を含む必要な物が一通りそろっているため、吉備中央町の観光を行なうための拠点に持って来いです。
きびプラザ
- 住所 岡山県加賀郡吉備中央町吉川4860-6
- 電話番号 0866-56-8255
- 駐車場 普通車70台、バス10台
【オブジェやアート作品の紹介】
旅を続けていると不思議なオブジェやアート作品を見かけることが多いので、下記記事で紹介します。
自然レクリェーションの森、吉備中央公園
きびプラザに隣接する吉備中央公園へ向かいましょう。
吉備中央公園は10ヘクタールの広大な敷地を誇る公園です。
園内には、花の広場や出会いの広場、水上ステージなどがあり、ゆったりと時間を過す事ができる憩いの場となっています。
敷地内にはいろいろなオブジェが設置されていますが、こちらはいったい何を表現しているのでしょうか。
中心にある岩の周りに人?と思われる黒い物体が踊っているように見えます。
何かの儀式を表現しているのでしょうか。興味深いですね。
また、奥の方には綺麗な水が張っている池があり、「めだか遊園池」と言うそうです。
池の前にかがみ込んでメダカを探していましたが、アメンボばかり良く見かけますね。
しばらく池の中を見続けていると、小さなメダカが元気よく泳いでいる姿を発見できて、思わず「いたよ、メダカ!」と声に出してしまいました。(笑)
昔は池や小川、田んぼなどどこにでも見かけた野生のメダカですが、今は絶滅危惧種に指定されています。
それほどここ数十年でメダカが住める環境が大きく変わってしまいました。
メダカは本来は田んぼで繁殖を行うことが多いよ。絶命危惧種になったのは、農地改良の影響で、用排水路から田んぼへ入ることが困難になったため、繁殖する機会を失われたことが原因の一つと言われているね。
現在ではメダカの保護活動が盛んに行われています。
吉備中央公園の中心地には、不思議なタマゴ型のモニュメントが設置されていました。
このモニュメントは、夢と希望と輝く未来をシンボライズしているそうです。
モニュメントの表面は鏡面となっていて、近づくと自分自身の姿を映し出します。
なんだか面白いですね。
吉備中央公園は、園内をゆっくりと散策しながら見てまわると楽しいですね。
散策に疲れたらベンチに座って休憩したり、隣接するきびプラザで食事したりすると良いでしょう。
吉備中央公園
- 住所 岡山県加賀郡吉備中央町吉川4469-46
- 電話番号 0866-56-9377(吉備高原総合調整事務所)
- 営業時間 随時
- 休園日 無休
- 料金 無料
- 駐車場 普通車70台、バス5台
鬼伝説が残る、竹部の鬼突岩
きびプラザから岡山市足守地区の方向へ進んでいると、沿岸に気になる物を発見しました。
茂みの奥には、石碑が見えますね。
その石碑には「鬼」の文字が見えたため、俄然興味出てきました。(笑)
どうやら「鬼突岩」と呼ばれる岩のようです。
この岩の近くには、鬼突岩の説明が書かれた看板が立てられていました。
そこに書かれていた内容を簡単に説明しますね。
当時この鬼突岩があった辺りが備中国賀陽郡竹部郷と呼ばれていたころの話です。
一人の娘が竹部郷へ向けて歩いている姿を目撃した鬼は、その娘の美しさを一目見て気に入り、後を付けたそうです。
今で言うストーキングですね。
鬼に気付いた娘は恐ろしくなり、やっとの思いで竹部郷へ入ります。
娘は息も切れ切れになり、これまでかと観念したそうですが、その時咄嗟の機転で、着ていた羽織を脱いで近くにあった岩へかぶせて、少し離れた茂みに身を潜めました。
すると、鬼は羽織を見るなり娘と勘違いして抱きついたそうです。
その時、岩に亀頭の跡が付いたと言われていて、その岩は「鬼突岩」と呼ばれています。
この頃から「鬼突」と言う地名が広まり、今でも土地台帳には「鬼突〇番地」と記されています。
なかなか興味深い話です。
この岩には確かに直径10cmぐらいの穴が開いています。
岩に穴を開ける鬼の亀頭はとてつもないですね。
岡山県は、桃太郎伝説が残る土地柄のためか、鬼にまつわる話が多いです。
鬼突岩
- 住所 岡山県加賀郡吉備中央町
まとめ
岡山県吉備中央町の観光スポットを5つ厳選して紹介しました。
きびプラザを中心にして、点在するスポットばかりなので、今回紹介したスポットは一日で全てを見てまわれます。
吉備中央町を訪れる機会あれば、是非立ち寄ってみて下さい。
緑豊かな自然に囲まれた吉備高原を十分に楽しみましょう。
【旅に役立つアイテムやサービスの紹介】
旅先で役立つ様々なアイテムやサービスを、下記記事で紹介します。