築400年に及ぶ美しい石垣の名城「丸亀城」。
それは、香川県丸亀市のシンボル的な存在として、地元市民に親しまれています。
また、城好きな人々の間でも人気があり、戦国時代を始め日本中に作られた城の内、今も現存している天守、いわゆる「現存十二天守」や「木造天守十二城」と呼ばれている城なのです。
特に内堀から四層に積み重なり合った石垣の美しさに魅了され、何度でも再訪したい気持ちにさせられます。
2018年(平成30年)の西日本豪雨により、石垣の一部が崩落してしまい現在、復旧作業が進められていますが、現状でも十分に見所のある名城です。
本記事では、美しい石垣の丸亀城について紹介します。
丸亀城の歴史
室町時代の1467年から1469年頃に室町幕府の管領・細川氏に仕えていた「奈良太郎左衛門元安」が今の香川県宇多津町に城を築きました。
今の丸亀城がある場所には、その城の砦を築いたのが始まりとされています。戦国時代末期には、讃岐国を納めた生駒親正が、本拠地である高松城の支城として丸亀城を築城したそうです。
その後、江戸時代に入ると、江戸幕府より一国一城令が出されます。そのため、生駒氏は高松城と丸亀城を所有していたため、どちらか一つを捨てなければなりません。そうして丸亀城は廃城になりました。
その後、生駒家のお家騒動により、当時の藩主であった生駒高俊は幕府から責任を問われ、領地とお城を取り上げられて流罪になります。そして、讃岐は東西に分けられ高松藩、丸亀藩と別々に納められました。
山崎家治により丸亀藩は立ち上げられ、廃城となっていた丸亀城の改修に着手します。改修作業中に家治が亡くなり、息子と孫も相次いで亡くなってしまった結果、お家取り潰しになってしまいました。
その後、丸亀藩には京極高和が入り、丸亀城の改修工事も引き継ぎます。そうして、今の天守が建てられたのです。
山崎家治による改修工事を始めて30年の年月を費やし丸亀城は復活を遂げたのです。
丸亀市のシンボル丸亀城、その魅力をお伝えします
美しい石垣の魅力
香川県丸亀市のシンボルである丸亀城には、日本一の高さを誇る石垣があります。
四層に積み重なり合った石垣の高さはトータルで60m以上もあり、見る物を圧倒するでしょう。
また、この石垣はただ高いだけではなくて美しいのです。
丸亀城の石垣は、高く美しい曲線を描いており、当時の職人たちの技術力の高さを垣間見る事ができます。
石垣の積み方には、石の合わせ口を精巧に隙間なく積んで行く「切り込みハギ」や割って加工された石を用いて積み上げる「打ち込みハギ」など様々技術が用いられていますね。
天守へ向かう道中には、「見返りの坂」と呼ばれる急坂を上っていきました。
この坂を上っている途中から見える石垣の美しさには、ため息がでますね。
見て下さい。この美しい曲線を。
徐々に緩やかな曲線を描き、最後には土へ埋もれる優美な姿は、何度も見ても見飽きません。
この美しい曲線の高石垣を「扇の勾配」と呼んでいます。
【人間が作り上げた機能美】
丸亀城の石垣のように人間が作り上げた建屋や建造物には機能美が溢れる物があり、自転車旅でそれらを見学するのは楽しいですね。下記記事で機能美溢れる建造物などについて紹介します。
現存十二天守を見よう
見返りの坂などの坂道を上っていくと、天守へ辿り着きます。
天守自体は、石垣の大きさに比べて小さいです。
外見は白漆喰が美しい三重三階ですね。
戦国時代を始め日本中に作られた城の内、今も現存している「現存十二天守」の一つに数えられています。
丸亀城の他にある現存十二天守には、以下の城がありますね。
- 弘前城(青森県)
- 松本城(長野県)
- 丸岡城(福井県)
- 犬山城(愛知県)
- 彦根城(滋賀県)
- 姫路城(兵庫県)
- 松江城(島根県)
- 備中松山城(岡山県)
- 松山城(愛媛県)
- 宇和島城(愛媛県)
- 高知城(高知県)
それでは、天守の中へ入ってみましょう。
職員へ天守内の写真撮影と撮った写真をブログへ公開する事について了承を頂きました。
入ってすぐ目に留まったのは、石垣復旧募金の案内です。
募金をする場合は、受付にいる職員へ声を掛けて下さい。
その他には、丸亀藩を納めた京極家について説明がありました。
ミニうちわやストラップを購入できます。
丸亀城の御城印です。記念に一ついかがですか。(ちなみに、私は昔丸亀城を訪れた時にこの御城印を購入して今でも大切にしまっています。)
2階へ上がります。急勾配な階段なため気を付けましょう。
天守の内側の壁は「太鼓壁」となっていて、城の防御を固めるため二重に重ねられています。
鉄砲玉の貫通を防ぐため、いろいろと工夫していますね。
これは「大砲狭間」(おおづつざま)です。
有事の際に打ち抜けるように、壁の厚さが薄くなっているそうです。
低い位置に設けられている事から大砲用に使用すると考えられています。
最上階に上がって窓の外から眼下には、丸亀市を眺める事ができました。
城内を散策しながら丸亀市街地を眺める
丸亀城の敷地内には、至るどころに展望スポットが整備されていて、丸亀市の市街地を一望できます。
遠くには瀬戸内海が見えますね。
ゆっくりと散策を楽しみ、疲れたらベンチで小休止を取りましょう。
先の方にも展望スポットがありますね。
展望スポットからは、見事な讃岐富士(飯野山)を眺めてテンションが上がります。
遠くの方には、瀬戸大橋が見えますね。
散策を続けていると、延寿閣別館を見つけました。
この延寿閣別館は、東京麻布にあった丸亀藩京極家の江戸藩邸の一部を昭和8年に移築したものです。
屋内は当時の大名家の生活が偲ばれるよう昔のまま保存されています。
【古い町並みの紹介】
丸亀藩京極家のように古い建屋は、日本全国至るどころで保存されている地域があり、独特の町並みを見学できますね。私が旅の道中で訪れた古い町並みのスポットを下記記事で紹介します。
大手一門と城内観光案内所の紹介
これが丸亀城の入口である大手一の門です。
丸亀城の北側に位置して、1670年(寛文10年)に再建された櫓門が今も残っています。
城を防御するために石落としなどの仕掛けがある戦うための門です。
大手一の門は内部見学をする事ができますので、城内観光案内所へその旨を連絡して下さい。
この門を抜けて少し歩くと城内観光案内所が見えます。
城内観光案内所で丸亀城の見所など訪ねて観光に当たると良いでしょう。
また、無料でガイドを頼む事ができるので、丸亀城の魅力を説明して頂けるのもうれしい配慮ですね。但し、観光ツアーのガイドは有料となります。
その他には、人力車による丸亀城を周回する有料サービスがありました。
崩落から復旧へ
2018年(平成30年)の西日本豪雨の事はまだ記憶に新しいと思います。
この豪雨により、丸亀城の石垣が一部崩落しました。
今現在も復旧工事を続けています。
一日でも早く復旧工事を終え、この美しい石垣の丸亀城を後世へ残す事が今の私たちにできる大切な役割だと思います。
丸亀城の基本情報とアクセス
住所 | 香川県丸亀市一番丁 |
電話番号 | 0877-22-0331(丸亀市文化観光課) 0877-25-3881(丸亀城内観光案内所) 0877-25-3882(うちわ工房「竹」) |
営業時間 | 天守 9:00~16:30(入館は16:00まで) 大手一の門 10:00~16:00 |
定休日 | 天守 無休 大手一の門 雨天時 ※大手一の門を見学する場合は、城内観光案内所を訪ねて下さい。 |
入館料 | ・天守 大人200円 小人(小中学生)100円 ・団体20名以上で一人に付き上記金額の2割引き ・丸亀市に住所を有する65歳以上の人と心身障がい者(児)とその介護者は無料 |
観光案内所
城内には観光案内所があります。
- 無料で丸亀城の見所についてガイドしてくれます。但しツアー観光の場合は有料です。
- 開館時間は9:00~16:30
- 休館日はありません
うちわ工房「竹」
観光案内所と同じ建物内には、うちわ工房「竹」があり、うちわ作りの実演コーナーや製作体験ができます。
- 開館時間は10:00~16:30
- 定休日は水曜・年末です。年始は営業しています。
一輪車による周遊サービス
丸亀城を周遊する一輪車があります。
- 営業時間は10:00~16:00
- 料金は一人1,000円(約15~20分のコース)
【アクセス】
- 最寄り駅のJR丸亀駅からタクシーで約5分(徒歩の場合は約11分)
- 坂出ICから車で約13分
丸亀城の駐車場
丸亀城周辺には、無料駐車場と有料駐車場があります。
- 無料駐車場
- 丸亀城内資料館南側 50台
- 市民ひろば駐車場 22台 (毎日8:30~17:00まで)
- 有料駐車場(24時間)
- 大手町第一駐車場 248台(入庫開始から1時間は無料。その後30分毎に100円。夜間割高)
- 大手町第二駐車場 101台(料金は大手町第一駐車場と同じ)
- 大手町西駐車場 137台(30分毎に100円)
- 大手町第三駐車場 14台(30分毎に100円)
丸亀城内資料館南側の駐車可能時間は期間により異なります。
4/1~9/30は6:00~19:00、10/1~3/31は7:00~17:00までになります。
まとめ
丸亀城は、丸亀市の市街地にあるためアクセスが非常に良いです。
一度訪れると何度でも訪れたくなる石垣の美しさが魅力的です。
城に興味がある人、ない人でも丸亀市へ訪れる機会があれば、是非立ち寄ってみて下さい。
きっと、その魅力にはまる事でしょう。
【旅に役立つアイテムやサービスの紹介】
旅先で役立つ様々なアイテムやサービスを、下記記事で紹介します。