ロードバイクで自転車旅を行なうサイクリストの中には、鉄道や飛行機など公共交通機関を利用する輪行を多用する人も多いだろう。
輪行するに当たり、輪行袋にロードバイクを分解して収納する必要がある。この作業は、慣れてしまえばどうということはないのですが、走ること以外に手間がかかるのを敬遠する人は少なからずいるものだ。
今の主流であるディスクブレーキのロードバイクでは、従来のリムブレーキモデルと違って、作業の手間が増えるので余計に面倒くさく感じてしまいます。
そう考えると、従来のリムブレーキモデルを使い続ける選択肢も十分ありなのではないだろうか。
本記事では、ロードバイクは輪行を多用するならばリムブレーキが扱いやすいと思う理由を説明します。
リムブレーキとディスクブレーキのどっちを選ぶ
現在のロードバイクのブレーキは、ディスクブレーキが主流です。従来のリムブレーキモデルも販売されてはいますが、店頭に並ぶのはほとんどディスクブレーキモデルだろう。
業界自体がディスクブレーキに移行しているのだから、それは仕方がないといえる。ではこの両者の違いは何かといえば、一番に挙げられるのは「制動力」です。
ディスクブレーキの方が明らかに天候に関係なく安定した制動力を生み出し、コントロールがしやすい。だからこそリムブレーキに取って代わったのでしょう。
リムブレーキは必ずしもディスクブレーキと比べて劣っている訳ではないです。実際、制動力というのはブレーキ自体のグレードや品質、セッティングなどに影響されるものですよ。
ただし、リムブレーキは雨天時の走行では、構造の仕組み上制動力が落ちてしまうのはどうしょうもないかな。
目的や用途によっては、今後もリムブレーキを使い続ける選択肢はもちろんあります。特に「輪行」を多用するのであれば、リムブレーキのロードバイクの方が扱いやすいですね。
リムブレーキとディスクブレーキのどちらを選ぶかについては、下記関連記事でくわしく説明します。
輪行するならばリムブレーキのロードバイクの方が扱いやすい
ロードバイクで輪行するには、輪行袋に分解したロードバイクを入れなければなりません。
分解といっても、主にホイールを取り外すだけの簡単なお仕事です。(必要に応じてサドルも取り外すことがある)
慣れた人が作業するのであれば、10~15分もあればスムーズに終われます。これは、リムブレーキモデルもディスクブレーキモデルもそれほど大差はないですね。
では、なぜリムブレーキモデルの方が扱いやすいといえるのか、その主な理由を以下にまとめました。
- ホイールの脱着がしやすい
- ディスクブレーキモデルと比べて気軽に輪行できる
輪行を多用するということは、ロードバイクから何度もホイールの脱着を繰り返すことです。自転車旅をしていると、必ずしもサイクリングだけで1日が終わらないときがある。
時には、1日に2回以上も鉄道など公共交通機関を利用するなんてことも。そうなってくると、輪行作業にかかる手間はできるだけ省きたくなるものだ。
リムブレーキモデルでは、クイックリリースを採用していますが、ディスクブレーキモデルは主にスルーアクスルを採用しているため、ホイールの脱着のしやすさに違い出てしまうのは仕方がありません。
簡単に脱着できるクイックリリースと比べて、スルーアクスルは脱着に5mmもしくは6mmの六角レンチが必要な場合があります。(工具がなくても脱着可能なモデルもある。)
なので、ホイールの脱着1つとってもスピーディーに作業ができるのはありがたい。
また、ディスクブレーキモデルはその構造上、輪行する際に様々な注意点があるので気をつけて下さいね。
油断していると作業時に「罠」に陥ることも。くわしくは次項の「ディスクブレーキで輪行する際の注意点」で説明しますが、罠の心配がないリムブレーキモデルは扱いやすいといえます。
ディスクブレーキで輪行する際の注意点
ディスクブレーキモデルでは、リムブレーキモデルと比べて以下の道具が必要となります。
- パッドスペーサー
- ローターカバー
その他には、エンド金具はスルーアクスル用を使用しているのがほとんどですね。(一部には、クイックリリースを採用しているものもある。)
パッドスペーサーは、ホイールを外した後でブレーキパッド同士のすき間に入れるもの。これをうっかり忘れてしまい、ブレーキを握ってしまうと悲劇が起きる。
というのは、ブレーキを握るとピストンが飛び出してしまい、パッドが閉じてしまうぞ。すると元に戻すのが難しく、ホイールが挟まらなくなってしまいます。この状態から元に戻るのは難しいですよ。
このような罠があるので、油圧式のディスクブレーキの取り扱いには注意が必要だ。
ちなみに機械式のディスクブレーキであれば、元に戻るのでパッドスペーサーを挟む必要がないですね。
また、ブレーキローターを汚れから守るためにローターカバーをかけるのを忘れないように。ブレーキローターに汚れやオイルが付いてしまうと、音鳴りの原因や制動力の低下につながります。
せっかく安定的な制動力が得られるディスクブレーキの長所を失うきっかけになるかも知れないので、ローターカバーも必須といえますね。
リムブレーキのフィーリングが良い
リムブレーキのロードバイクに乗り慣れていると、ディスクブレーキをかけた時の減速の仕方に違和感を覚えたりします。
ディスクブレーキは、ブレーキのかけ始めからしっかり制動されるため、過剰に感じる方も多いだろう。遊びが少ないので、リムブレーキを使い慣れているとしっくりこないですね。
これは感覚的な問題なので人にもよると思いますが、個人的にはリムブレーキの方が、スピードコントロールがスムーズにできます。
そもそもディスクブレーキは安定して制動力を発揮できるのがメリット。どちらが良い悪いではなく、自分がどのような走り方があっているのかによって、感じ方が違ってくるのだろう。
そもそも自転車は「進む・止まる・曲がる」の動作を繰り返し、前へ向けて移動する乗り物だ。この「進む」と「止まる」はブレーキのグレードや品質などによりフィーリングに大きな影響を与えます。
リムブレーキのロードバイクを使い続けるには覚悟が必要
今後販売されるロードバイクは、いずれ完全にディスクブレーキ一色になるのは予想できます。
リムブレーキとディスクブレーキは構造が違っているため互換性はなく、そもそもディスクブレーキを取り付けるに当たり、フレームやホイールが対応している必要がある。
そうなると、所有しているリムブレーキのロードバイクの保守が心配ですね。たとえばブレーキが故障して交換したくても、リムブレーキの入手ができなくなるだろう。
今後、新たに販売されるコンポーネントやホイールはディスクブレーキモデル一辺倒になるのはほぼ確実です。けれどそれは、まだ先の話。そこまで深刻に受け止めなくても大丈夫ですよ。
今後もリムブレーキのロードバイクを使い続けるのであれば、今の内に状態の良いリムブレーキのコンポや対応するホイールを入手しておくのも良いと思います。
まとめ
ロードバイクで輪行を多用するならば、ディスクブレーキよりリムブレーキの方が扱いやすい理由を説明しました。
どちらのモデルでも輪行自体はできるので、それほど大きな問題ではないと思います。たとえディスクブレーキモデルであったとしても、慣れてしまえば面倒くさく感じないでしょうね。
そもそも新しくロードバイクを始める人にとっては、ディスクブレーキモデルを購入する機会が多いので、リムブレーキモデルとの違いを気にしないと思います。