
世間一般の自転車に抱くイメージは、ママチャリが大半を締めているものです。
そのため、同じ自転車に属するロードバイクを初めて始める人の中には、ロードバイク本体のみ買ったらそのまま使えると勘違いする人がいるものだ。
なぜそのような勘違いをするかというと、ママチャリはあらかじめライトやベルなど必要なアイテムが標準装備されているからですね。
ロードバイクは本体だけでなく、必要な装備を後付けで買わなければいけません。それにより快適にサイクリングをするためには、様々な便利なアイテムが必要となる。
いきなり最初から全てをそろえる必要はないし、そんなことをしているとほぼ確実に予算オーバーするだろう。なので、優先順位をつけて購入していきたい。
本記事では、ロードバイクを始めるのに最低限そろえたい初期装備を紹介します。
ロードバイクの乗り始めは最低限度の装備でも大丈夫

子供の時、自転車へ乗るために苦労しながら練習しませんでしたか。
その際、子供用の自転車だったとしてもママチャリと同タイプのものに乗っていたと思います。そのため、大人になって久しぶりに自転車へ乗っても体が覚えているものですね。
初めてロードバイクに乗ると、細いタイヤに不安を覚えたり、操作感がママチャリと少し違っているため、最初の内は戸惑うだろう。
しかし、数時間走行している内に慣れてくるものだ。ペダルを漕いで前へ進む、ハンドルを操作して進路を変える、ブレーキで止まるといった一連の操作はママチャリと同じなのだから慣れるのは早いです。

いくら慣れるのが早くても、ロードバイクを買った当初は、いきなり遠出はしないものだ。
そもそもママチャリでは、一度に10km以上も走らないことの方が多い。一概にはいえませんが、距離にして5km以下の人が多いのではなかろうか。
そのような感覚なので、ロードバイクも慣れるまでは基本的に自宅周辺で走ることが多くなる。そうであるならば、必要な自転車用のアイテムは最低限でも構いません。
遠出を考えるようになってきてから、ボトルやサイクルコンピュータなど便利なアイテムやサイクルウェアを買いそろえていきましょう。
ロードバイクに必要な最低限の初期装備は意外に多い

ロードバイク本体と一緒に購入しておきたいアイテムは、法律や条例に定めているアイテムと安全性に関わるものから優先すべきです。
その基準から考えると、以下のアイテムが初期装備となります。
- ペダル
- ヘルメット
- ライト
- ベル
- 鍵
- フロアポンプ
- サイクルグローブ
この中で「ペダル」が異質のように感じますが、ロードバイクはペダルが別売りが普通なので、初期装備に入れています。
これだけあれば、短距離サイクリングであれば問題ないかな。ドラクエでいうところの「ひのきのぼう」と「ぬののふく」レベルですが、経験を積んで装備をそろえていきましょう。
それでは、それぞれのアイテムについて紹介します。
ペダル

ペダルは必須装備です。これがないとそもそもロードバイクへ乗って動かせない。
ロードバイクのペダルは大きく分けて「フラットペダル」と「ビンディングペダル」に分かれています。初めてロードバイクに乗るのであれば、フラットペダルがおすすめ。
フラットペダルは、基本的にママチャリについているペダルと同じタイプなので、スニーカーや運動靴など普通の靴でも漕ぎやすいですよ。
最初の内は比較的安物でも大丈夫。大半の人は、のちにビンディングペダルに交換したくなるものだ。

ビンディングペダルは、靴とペダルを一体化することで足を踏み下ろす力だけでなく、引き上げる力を利用してペダルを回すような感覚で走れるようになります。すると、自転車のスピードが上がり、楽に遠くへ走れるようになれる優れものですね。
ただし、靴とペダルを一体化するということは、専用の靴が必要となるので、よけいに費用がかさみむのがネックかな。
それに慣れない内は、停車時に靴をペダルから上手に外せなくて、そのまま自転車ごと倒れてしまうリスクがあるぞ。いわゆる「立ちゴケ」といいますが、ビンディングペダルの通過儀礼の1つともいえる。
最終的には、目的や用途によってペダルを決めるのが吉。スピードを追い求めないのであれば、ずっとフラットペダルでも十分に楽しめます。
ヘルメット

安全のために必ずかぶっておきたいのがヘルメットです。
2023年4月より着用が努力義務となっているので、自転車へ乗る際には車種に関係なくかぶっておこう。
特にロードバイクはママチャリと比べて信じられないようなスピードがでる。時速30km以上も普通に出せるため、走るシーンによっては原チャリより速いですよ。
猛スピードを出して転倒した時に、ヘルメットがあるとないのでは生存率に関わります。それほど頭部へのダメージは致命傷となるので、それを避けるためにヘルメットの役割は大きいですね。
頭の形によって合う合わないがあるので、自分の頭にフィットするものを選びたい。また、デザインや通気性などの性能もしっかりとチェックしよう。
初めてヘルメットを購入するのであれば、日本人の頭の形を熟知したメーカーのものを選ぶと安心感がある。そう考えると、国産メーカーOGKの製品がおすすめです。
ライト

ライトは自転車が公道を走行するのに道交法で装着が義務化されているアイテムです。
前方を照らす「フロントライト」と後方に自転車の存在をアピールする「テールライト」の2種類があり、テールライトはリフレクター(反射板)でも道交法違反にはなりません。
リフレクターと比べてテールライトの方が断然アピール性が高いので、後続車に自転車がいることを遠くからでも伝えられる。なので、より安全性を考えるとテールライトをおすすめします。

そもそも夜間走行する際にライトがないと、周囲の明るさにもよりますが怖くて乗れないですよ。
昼間と違って視野が狭くなりがちなので、ライトを点けていないと路面上の凹凸や障害物の発見が遅れてしまいます。それで事故につながる可能性が高いですね。
街灯の多い町中や街灯の少ない郊外、ほとんど街灯のない峠や海岸線などシチュエーションによって、必要となるライトの明るさは違ってくるため、自分の走る環境によって選んで下さいね。
ベル

ベルはライトと同じく道交法で装着が義務化されているアイテムです。
あらかじめベルを鳴らさなくてはいけない場面は、「左右の見通しが悪い交差点」「見通しの悪い曲がり角や上り坂の頂上」「警笛鳴らせの標識がある道路」と道交法で定められている。
そのため、むやみに鳴らしてはいけなくて走るシーンによっては、ほとんど使う機会がありません。なので、ほとんど使っていない人も少なくないだろう。
もし自転車事故を起こした場合に事故原因と因果関係がなくても、ベルの有無でもめるケースがありえるので、たとえ使わなくてもつけておきたい。
ごくまれに歩道を歩いている人に向けて、ベルを鳴らしている自転車乗りを見かけたりしますが絶対にしないように。これは立派な違法行為です。
鍵

ロードバイクに限った話ではありませんが、自転車のそばから離れる場合は鍵をかけましょう。
特にロードバイクはママチャリと比べて高価な自転車なので、窃盗犯に狙われやすい。
大切な愛車を守るために鍵は絶対に欠かせません。鍵の種類には「ワイヤーロック・ブレードロック・U字ロック・チェーンロック」があり、種類によって携帯性や耐久性など性能が違ってくる。
特にワイヤーロックは、携帯性に優れており簡単に扱えるので何かと重宝します。コンビニに立ち寄る時、気軽に使用している人も多いのではないだろうか。
その反面、ワイヤーカッターなどの工具さえあれば、ワイヤーを簡単に切断できるので防犯性がそこまで高くはない。なので、扱い方には注意が必要だ。
長時間駐輪するのであれば、チェーンロックなどより耐久性の高い鍵を使うか、ワイヤーロックとU字ロックなど他の鍵と組み合わせて使うとよいでしょう。
フロアポンプ

タイヤに適切な空気量が入っていない自転車は、進みが遅くなるし、パンクリスクが高まります。
なのでサイクリングへ出かける際には、タイヤの空気圧は適正に保つよう心掛けて下さいね。それにタイヤは唯一路面に触れる部分のため、空気圧によっては乗り心地に多大な影響を与えます。
また、ロードバイクのタイヤは主に仏式バルブに対応したものなので、それに対応したフロアポンプが必要となる。
圧力ゲージがついたモノを選んでおくと、空気圧の調整が簡単にできます。
ちなみに、タイヤチューブの種類にもよりますが、ブチルであれば1週間ほどで1Bar程度の空気が抜けるぞ。私は自転車旅を行なう機会が多いので恩恵が大きいかな。
というのは、3~4日ほど旅へ出かけるため、お出かけの際に空気圧を調整すれば、期間中は常に適正値を保っているので重宝しています。
サイクルグローブ

ママチャリに乗るときは、サイクルグローブの有無について深く考えない人が大半ですね。少なくとも冬場の防寒用に使っている程度の認識だろう。
30分未満の短時間しか自転車へ乗らないのであれば、サイクルグローブの有難さが分からないものです。
実際、ロードバイクを楽しんでいると30分以上知らぬ間に経過しているのは当たり前。慣れてくれば2~5時間以上もサイクリングを楽しむものだ。そうすると、サイクルグローブのありがたみが身に染みます。
様々な効果がありますが、その中でも「手の痛みや疲労を軽減する」「ハンドルを握るグリップ力が向上する」「転倒時の怪我を防止する」というのは、安全性に関わる問題ですよ。
なので、ロードバイクに乗る際には身に付けておきたいですね。
最低限の初期装備に必要な費用

ロードバイクを始めるに当たり、最低限の初期装備を知ると次に気になるのは費用でしょう。
ということで、それぞれの費用を以下にまとめました。
アイテム | 費用(ご参考) |
---|---|
ペダル(フラットペダル) | 1,000~4,000円 |
ヘルメット | 5,000~10,000円 |
ライト(フロント/テールライト) | 2,000~5,000円 |
ベル | 100~1,000円 |
鍵 | 3,000~6,000円 |
フロアポンプ | 2,000~4,000円 |
サイクルグローブ | 3,000~5,000円 |
【合計】 | 16,100~35,000円 |
これらのアイテムをまとめると最低でも約16,100円はみておきたい。これにロードバイク本体の金額を付加した金額が初期費用となる。
実際、アイテムは機能や性能によって値段がピンからキリまであります。一概には言えませんが、少なくとも初めはこれらの価格帯から選ぶのが無難ですね。
ロードバイクに必要なアイテムは徐々に買いそろえよう

ロードバイクに乗り慣れてきたら、より遠くへ走りたくなったり、スピードアップを目指したくなります。
それに合わせてより快適にサイクリングを楽しめるようにするため、便利なアイテムをそろえていこう。遠くへ出かけるならば、いつでもドリンクの持ち運びができるボトルとボトルゲージのセットが必須になる。
さらにトラブルの定番のパンク修理には対応できるようになっておきたい。そのためには、パンク修理セットが欠かせません。
また、通気性や速乾性に優れた素材を使用したサイクルウェア(サイクルジャージやレーパンなど)を着ることで、より快適なサイクリングを満喫できます。

実際、自転車用のアイテムやウェアの種類は、星の数のごとくあるものだ。そこから探して選ぶの大変だったりしますが、だからこそ選びがいがあるともいえるかな。
今後、自転車で旅をするのであれば、以下のようなアイテムをそろえておきたいですね。
日帰りの場合 | ライト、パンク修理セット、 携帯工具、ボトルと補給食、 ベル、救急セット、ヘルメット、 自転車用の鍵、スマートフォン又は携帯電話、 必要に応じてウインドブレイカーと輪行袋 |
宿泊する場合 | 日帰りする場合の装備品に普段着一式(下着含む)、 ウインドブレイカー、輪行袋、 必要に応じてレインコートを追加 |
ちなみに私はこれらのアイテム以外にも「財布、サイクルコンピュータ、デジタルカメラ、御朱印帳」を常備しています。
軽量コンパクトな自転車旅で持っていきたいアイテム(荷物)については、下記関連記事でくわしく紹介しますので興味がある方はご一読して下さいね。
まとめ

本記事では、ロードバイクを始めるのに最低限そろえたい初期装備を紹介しました。
最後にもう一度、その装備について以下にまとめます。
- ペダル
- ヘルメット
- ライト
- ベル
- 鍵
- フロアポンプ
- サイクルグローブ
これら以外にもボトルやボトルゲージなど初期からあると役立つアイテムが色々ありますが、今住んでいる近所を走るのであれば、はじめから購入していなくても何とかなるものです。
ロードバイクの初期費用は何かとお金がかかるので、装備品のコストをなるべく抑えて楽しみたいですね。