日本神話で有名な「因幡(いなば)の白兎」の舞台になっている鳥取県の白兎海岸(はくとかいがん)と白兎神社(はくとじんじゃ)について、知っている人も多いでしょう。
海岸を歩きながら、神話の世界でウサギが往来していた島を眺めたりしてみませんか。
歩ける範囲には、縁結びパワースポットが満載です。
そのため、「恋人の聖地」としてカップルにも人気の高い観光地になっています。
また、海岸近くには、道の駅「白うさぎ」があり、そこにいるウサギの名誉駅長へ会いに行ってみましょう。
本記事では、白兎海岸と白兎神社へ訪れた際、見逃せないスポットを紹介します。
恋人の聖地「白兎海岸」の縁結びパワースポットを紹介
鳥取県鳥取市にある白兎海岸周辺には、縁結びスポットが目白押しです。
全て歩いて行ける範囲にあり、拠点として道の駅「白うさぎ」が丁度良い位置にあります。
そのため、道の駅の駐車場へ車やバイク、自転車などを駐車して歩いて見て周りましょう。
縁結びスポットは、以下の3つです。
- 白兎の丘
- 恋島
- 白兎神社
所要時間は、だいたい40分~90分ほど見ておけば大丈夫ですね。
拠点となる道の駅「白うさぎ」は、山陰地方の幹線道路である国道9号沿いにあり、交通量はそれなりに多い。
JR鳥取駅から向かうならば、タクシーで約15分、路線バスを使ったとしても約40分ほどで辿り着くため、アクセス良好なのは嬉しいところ。
この道の駅の敷地内には、こちらの「縁結びポスト」がありました。
想いを込めた手紙をしたため、縁結びポストへ投函すれば、きっと願いが届くはず。
気になる相手へ手紙を送ってみませんか。
縁結びポストは、JR鳥取駅にも設置されているね。
【周辺の見どころ】
白兎海岸周辺の見どころを、下記記事で紹介します。
日本最古のラブストーリー「因幡の白兎」とは
「因幡の白兎」は、日本最古の歴史書と言われる「古事記」に記された話の中でも特に知名度が高いですね。
簡単なあらすじをお話すると、淤岐ノ島(おきのしま)にいた白ウサギは、ワニザメ達をだまして海に並ばせて、ワニザメの上を歩いて本土へ渡っていました。
ある日、その嘘がワニザメ達にばれてしまいます。
激おこのワニザメ達に白ウサギは、皮をはがされ苦しむことに。
そんなおり、美しい八上姫(やかみひめ)に求婚するため、旅を続けていた大国主命(おおくにぬしのみこと)と八十神(やそがみ)と呼ばれる大勢の兄弟たちが通りかかる。
八十神「体を海水につけて、風にあたると良くなるぞ!」
白ウサギ「本当ですか!早速試してみます。」
それを信じた白ウサギは、早速試してみますが、体はもっとヒリヒリして、皮膚は悪くなるばかり。
悲しむ白ウサギを見つけた大国主命は、「体を池の水で洗い、蒲(ガマ)の穂に包まってゆっくり休みなさい」と教えます。
こうして、白ウサギは、元気な姿に戻ることができました。
恩義を感じた白ウサギは、大国主命に「あなたは、きっと八上姫と結ばれるでしょう」と予言します。
そして、後に大国主神と八上姫は結婚し、白ウサギの予言が成就しました。
Happy Endを迎え、めだたし、めだたし。
この神話の舞台こそが、白兎海岸と白兎神社ですね。
白兎の丘と気多岬東屋から見下ろす白兎海岸の絶景
道の駅「白うさぎ」から国道9号線沿いの歩道を西へ向けて歩いて行くと、トンネルの手前に「白兎の丘 この先250m」と書かれた案内板がありました。
案内板が指し示す道へ通むと、細い坂道が続いています。
アップダウンのある細道であり、辺りは木々に囲まれていますが、道自体は良く整備されており、歩きやすい。
そんな道を通り抜けると、開けた場所へ抜け出て、白兎の丘へ到着した次第です。
奥の方に見える展望台へ近づいて行くと、端の方にゴミ箱のような四角い箱を発見。
近づいて見ると、上面にハートの形をした穴が空いている箱ですね。
近くにあった説明板には「白兎のお告げ箱」と書かれていました。
一体誰ですか、ゴミ箱なんて失礼な事を言ったのは・・・
私です。すいませんでした。(汗)
この箱から三歩離れたところから、ハートの穴に向けて、願を書いたコインを投げ入れるそうで、少ない回数で入るほど願いが叶う日が近いとか。
白ウサギの縁結びにちなんだ願掛けスポットですね。
尚、コインは道の駅「白うさぎ」で購入できますので、丘へ向かう前に入手しておきましょう。
この箱の隣りには、幸せが集まってきそうな「愛の鐘」もありました。
鐘の足元には、ハート形の石が敷き詰められており、カップルで鐘を鳴らすと幸せに慣れそう。
生憎、私は一人旅なので、一人で鐘を鳴らしておきました。
きっと縁結びの効果が上がったと信じています。
展望台へ上がって見える風景がこちら。
まさにビューティフル!!エメラルドブルーの美しいビーチが見て取れます。
眼下の景色を十分に楽しんだ後は、展望台の奥にある坂道を下り、白兎海岸へ向かいましょう。
急な坂道を下ると、近くに海に向かって作られた東屋が見えてきます。
案内板によると、どうやら「気多岬東屋」と言うそうです。
この東屋には、絶対に立ち寄りましょう。
なぜなら、この東屋は、淤岐ノ島を見下ろせるビュースポットだからです。
東屋から見た景色がこちら。
淤岐ノ島は、最も高い所で10mもあるそうで、頂上には黒松や緑草が育ち、四方の眺望が美しいことが見ていて良くわかりますね。
また、島の上には「あまんじゃく」の塚があるそうです。
明治維新前には、鳥取池田藩主の遊覧所になっていたと言われています。
更に昔、島蔭は漁夫の唯一の避難所であったそうで、沿岸に住む漁夫達は「神が下」と呼んでいました。
こちらの写真を見て下さい。島と岬の間に見え隠れする岩礁は、まるでワニザメの背のように見えますね。
眼下の景色を楽しんだ後は、実際に白兎海岸の砂浜へ降りてみましょう。
【パワースポットの紹介】
日本全国には、様々な力を授かるパワースポットが点在しており、白兎海岸もその中の一つです。旅の道中で立ち寄ったパワースポットを下記記事で紹介します。
恋島へ行こう、白兎海岸を散策
白兎海岸は、神話の時代には、白兎神と和邇族(わにぞく)との古戦場でもありました。
今では、サーフィンなどのマリンスポーツで人気の場所になっており、エメラルドブルーの海が美しく、海底の砂が数えられる程透明度が高いです。
そんな白く美しい砂浜には、ポツンと石燈籠が見て取れました。
石燈籠へ向けて歩いて行くと、その道中に「白兎川下神社」を発見。
川下神社では、白兎神社に合祀されている豊玉比売(とよたまひめ)を祀っているそうで、婦人病の守護神として広く知られているそうです。
この後紹介する「白兎神社」と合わせて参拝してみては如何でしょうか。
こちらが砂浜にポツンと見えていた石燈籠で、この辺りは「恋島」と呼ばれています。
この恋島は、なんと大国主命(大黒様のこと)が八上姫に対してプロポーズした場所なんです。
奥に見える海に浮かぶ淤岐ノ島(おきのしま)の形が、まるでウサギのように見えたのは、気のせいでないかも知れません。
白兎海岸の砂浜を散策し、ゆったりした時間を過ごしましょう。
白兎海岸を後にして、国道9号沿いの歩道へ出て、再び道の駅「白うさぎ」へ向かいました。
道の駅前には、こちらの歩道橋を渡って向かいましょう。
国道9号を直接渡るのは、車の往来が多いので危ないです。
この歩道橋近くは、白兎海岸の案内板や大黒様の歌碑がある展望スポットになっています。
鳥取県出身の音楽家である田村虎蔵(とらぞう)氏が作曲した童謡「大黒様」は、「因幡の白兎」を題材にした歌なので、聞いた方もいるのではないでしょうか。
歩道橋を渡りながら、橋上で白兎海岸の絶景を眺めてみましょう。
【恋人の聖地を紹介】
白兎海岸のように恋人の聖地に認定されている観光スポットは、日本全国に点在していますね。下記記事では、旅先で訪れた恋人の聖地を紹介します。
縁結びのパワースポット「白兎神社」、沢山のウサギの像がお出迎え
道の駅「白うさぎ」の駐車場の直ぐ近くには、白兎神社の一の鳥居がありました。
鳥居の奥には、階段が見えるので、その階段を上ると白兎神社へ辿り着けますね。
白兎神社へ行く前に鳥居近くにある、こちらのウサギと大黒様のモニュメントを見て行きましょう。
このモニュメントは、「恋人の聖地」に選ばれたことを受けて作られたそうです。
一の鳥居をくぐり抜け、階段を上がっている途中に気が付きますが、階段の両端には、ウサギの銅像が等間隔に立てられています。
そのウサギの像がこちら。
ウサギは、お座りや飛び跳ねたりしており、色んなポーズを見て周れるのは面白いですね。
参道の両端にもウサギの像が等間隔に並んでいました。
このウサギの像の中には、小さな白い石が沢山置かれている物もあり、気になる人も多いでしょう。
この白い石は、縁結びにご利益がある「結び石」と言う物で、社務所で売られています。
石の表面には、赤い「縁」の文字が見て取れますね。
結び石をうさぎの石像に願いを込めて置き、願いを叶えましょう。(他にも使い方ありますので、詳しくは後で述べます。)
こちらは、白兎神社へ向かう道中に目撃した砂像。
大国主命が八上姫へプロポーズしている最中で、それを見守っている白ウサギ。
まさに「因幡の白兎」のクライマックスシーンを表現していました。
こちらの手水舎を見て下さい。水が流れているところに注目してみましょう。
大黒様の大きな袋に乗ったウサギの像が珍しいですね。
このウサギだけがなぜか、他のウサギ達に比べ、少しぽっちゃりしていました。
手水舎の近くには、傷ついた白ウサギが体を洗ったとされる「御身洗池(みたらしいけ)」があります。
どこにでもあるような池に見えますが、侮ってはいけません。
なんと日照りが続こうが、雨が降り続けようが水位が変わらない不思議スポットです。
そのため「不増不減の池」と呼ばれていたりします。
また、白兎神社へ向かう道中には、白ウサギが蒲(ガマ)の穂に包まってゆっくり休んだ場所もありました。
沢山のウサギ達に導かれ、ついに白兎神社へ到着。
白兎神社は創建は不明ですが、古事記や日本書紀にも登場する古社です。
慶長年中(1596~1615年)に因幡鹿野藩城主の亀井茲矩(かめい これのり)が奇瑞の夢によって社殿を再興されたと言われてます。
出雲大社ほどの大きさはありませんが、存在感のある注連縄(しめなわ)は見事ですね。
白兎神社では、縁結びが注目を集めますが、縁結びは男女の中だけでなく、仕事や家族など世の中のあらゆる縁を結んでくれますね。
また、白ウサギが傷を癒やしたことから、皮膚病や怪我、病気にご利益があることで知られています。
これも主神の「因幡の白兎」に登場する白兎神のおかげです。
古来より病気や傷痍(しょうい)に霊験あらたかな神様なので、病気や怪我で悩んでいれば、一度お参りに訪れてみませんか。
尚、恋人の聖地だけでなく、日本医療発祥の地とも言われています。
拝殿で参拝し終えた後で、社務所へ向かうと、入口前には可愛らしいアルコール消毒うさぎがいました。
このウサギを考えた人は、センスがありますね。(嬉)
社務所内では、各種お守りを始め、先ほど触れた「結び石」が一袋500円で売られていました。
袋の中には、5つの白い石が入っており、良縁・子宝・繁盛・飛躍・健康の五つの縁を表しています。
この結び石の使い方は以下の3つです。
結び石の使い方
- 願を込めて、鳥居の上に乗せる
- 願を込めて、ウサギの像に置く
- 持ち帰りパワーストーンとする
石は5つあるので、全ての使用方法を試してみては如何でしょうか。
尚、鳥居から落ちた結び石は、白兎神社の宮司が集めて神社境内に奉納してくれますので、ご安心下さい。
白兎神社
- 住所 鳥取県鳥取市白兎603
- 電話番号 0857-59-0047
- 社務所が開いている時間帯 9:00~16:00
【神社仏閣の紹介】
旅先では、沢山の神社仏閣へ訪れます。また、その道中にも見所が満載だったりしますね。下記記事では、神社へ訪れる道中や参拝した神社仏閣について紹介します。
ウサギの名誉駅長のいる道の駅「白うさぎ」
道の駅「白うさぎ」には、ウサギや縁結びにちなんだお土産物やレストランがありますが、私の一押しは、ウサギの名誉駅長です。
残念ながら後ろ姿しか上手に撮影できませんでしたが、駅長の名前は「命(みこと)」です。
今年(2022年)、御年13歳になりました。
ウサギの寿命は、通常6~7年と言われていますので、随分と長生きです。
これも特技のお昼寝の効果でしょうか。
駅長は、こちらの休憩室の端の方にいますので、是非会いに行ってみて下さい。
尚、この休憩所には色々気になる物がありました。
まずは、こちらのペットボトルの蓋で作っているアート作品です。
良く出来ていますね。その他にも記念撮影用のパネルや擬人化された白ウサギのパネルなどがありました。
特にカップルにお勧めできるのが、こちらの「白兎起請文(はくときしょうもん)」です。
この起請文は、縁結びの神様である白兎神に対し、誓約する言葉をしたためる物だとか。
もし、嘘を書いてしまうと神様の罰を受けるかも。
願い事や約束事を書いて神様へ祈ることで、二人の愛は、より深まるでしょう。
聞いたところによると、実際に起請文を書いて結婚した夫婦が何組もいるそうです。
白兎起請文の利用方法
- 300円払って3枚1セットの起請文を入手
- 3枚の神符に2人の名前と愛の誓いを書く
- 1枚は、白兎神社の拝殿に設置されている受入れ箱に入れる
- 残り2枚は、お互いが1枚づつ持ち帰り、大切に保管する
道の駅「白うさぎ」を拠点にして、白兎海岸周辺の縁結びスポットを見て周り、楽しく過ごしましょう。
道の駅「白うさぎ」
- 住所 鳥取県鳥取市白兎613
- 電話番号 0857-59-6700
- 営業時間 8:00~19:00(12/3~2/28 8:30~18:00)
- 定休日 無休
【動物の触れ合いスポットを紹介】
旅の道中では、動物を見学できたり、触れ合いができるスポットへ立ち寄ったりしますので、下記記事で紹介します。
白兎海岸と白兎神社のアクセス
白兎海岸と白兎神社へ訪れるに当たり、直ぐ近くにある道の駅「白うさぎ」へ向かいましょう。
- 鳥取市中心市街地より車で国道9号を西方へ向かい約15分
- JR鳥取駅から日ノ丸バス鹿野行きに乗り、「白兎神社前」で下車後、徒歩約5分(バスの乗車時間は約40分)
- JR山陰本線宝木駅下車後、タクシーで約5分
- JR山陰本線宝木駅下車後、徒歩約45分
白兎海岸と白兎神社の駐車場
道の駅「白うさぎ」の無料駐車場を利用しましょう。(普通車116台、大型車13台、身障者用3台)
まとめ
白兎海岸や白兎神社は、風光明媚な土地、パワースポット、恋人の聖地、グルメなど写真映えがする所ばかりです。
カップルだけでなく、一人旅でも十分に楽しめます。
鳥取市の観光スポットと言うと「鳥取砂丘」を上げる人が多いですね。
しかし、白兎海岸や白兎神社も鳥取砂丘に負けないほど魅力的なスポットなので、鳥取市へ訪れる機会があれば、是非足を運んでみましょう。