島根半島西端には「日御碕(ひのみさき)」と呼ばれる場所があり、島根県を代表する景勝地の1つに数えられています。
そこはジオパークが広がり、崖の上には日本一の高さを誇る白亜の灯台がそびえ立つスポット。また、美しい夕日を満喫できることで有名ですね。
前日は、鳥取県米子市から弓ヶ浜サイクリングコースを経由して、島根半島東端の美保関へ辿り着きました。(こちらの記事で旅の様子を紹介)
日御碕へ向かう道中では、おさかなロードや水木しげるロード、ベタ踏み坂で知られる江島大橋などへ立ち寄りながら、絶景ロードこと「みさきうみねこ海道」を駆け抜けた次第です。
本記事では、美保関から日御碕まで自転車で旅した様子をお届けします。
美保関から旅立つ
潮風が香る穏やかな美保関湾を眺めながら、私の1日が始まりました。
天気予報では、本日も昨日同様、晴れが続くみたい。慌てる必要はないので、美保関を旅立つ前に朝の散歩としゃれ込みましょう。
青石畳通りでは、夜か朝方に雨が降っていたみたいで、路面が濡れていました。思いもかけず、石畳がうっすら青く光る光景が見られて超ラッキー。良い1日になりそうな予感がします。
散歩の途中に、美保関を代表する建築物の1つである「美保関本館」へ足を運び、館内を見学させてもらいました。くわしくは、こちらの記事で紹介します。
美保関本館の見学を終えると、弁天波止場へ向かい、美保関湾と町並みをバッグに愛車と記念撮影。さて、それでは本日の旅を開始しましょう。
昨日、美保関へ訪れた際に利用した境美保関線(県道2号)にて、快調に自転車を走らせます。
しばらくすると、男女岩(めおといわ)が見えてきた。
女岩へ視線を向けると、海蝕洞の洞門が日の光を浴びて、輝くように見えていい感じ。この男女岩は、男岩と女岩の間から中国地方最高峰の大山を眺めれば、子宝に恵まれるといわれている縁結びのパワースポットですよ。
道なりに進んでいると、前方に境水道大橋が見えてきました。
この橋を渡り、本日最初に立ち寄るのは境港市街。ここには、ゲゲゲの鬼太郎に登場するキャラクターをモチーフにしたブロンズ像が並ぶ「水木しげるロード」があります。
昔に観光で訪れたことがありますが、一大観光地を形成しており、たいそう賑わっていましたね。この水木しげるロードでは、しばらく観光を楽しむ予定です。
【自転車旅のアイテム紹介】
自転車旅に役立つ様々なアイテムを、下記記事で紹介します。
境港市で「おさかなロード」を発見
境水道大橋を渡ると、境港市街までは5kmもありません。頭上には、境港市の方角を示した青看板が見えます。
案内にしたがい、自転車を加速させると、あっという間に「海とくらしの史料館」へ到着。
この史料館の入口前には、ベニズワイガニのオブジェを見つけて、「へぇ~、よくできているな」と感心した次第です。
近くには、色々な魚のオブジェを野外展示している案内図がありました。この魚のオブジェを展示している道を「おさかなロード」と呼ぶそうな。
うん、これは面白そう。案内図より水木しげるロードは、おさかなロードに隣接しているようなので予定を変更し、魚探しを行ないますよ。(笑)
案内図を見て分かるように、至るどころに魚のオブジェが展示されている。
たとえば、こちらはイシダイ。水族館へ行けばよく見かける魚ですね。
マアジやタチウオ、キジハタ、ホシザメなど魚のオブジェを次々に発見していきます。
台座にはご丁寧に、それぞれの魚の説明がされているのはありがたい。
オブジェ探しの途中では、境水道で多くの集魚灯をのせたイカ釣りの漁船を見かけたり、船の見物も並行して行っていました。
船を見るとロマンを感じて、テンションが上がるのは私だけでしょうかね。
魚探しに奔走していると、カッパを発見。
「君の出番はまだ早いよ」とツッコミを入れたりしていると、不思議なオブジェを見つけました。
それが、こちらの「かにぎょちゃん」。
どうやらこれは、地元の小学校で作られた、おさかなロードを盛り上げるPRキャラクター。境港でたくさん水揚げされるクロマグロと、ベニズワイガニを合体させたものなんだとか。チャーミングな姿がGoodですね。
おさかなロードと水木しげるロードの間の道路には、こちらの案内がありました。
しかし、JR境港駅から水木しげるロードを歩いてきたならば、全く目立っていないので、おさかなロードの存在を見逃すかも。
個人的には、この案内の前に大々的にのぼり旗をたくさん並べたほうが良いのではないかと思います。せっかくの面白い試みも、観光客に発見されにくいのはもったいないですね。
さて、よいよ水木しげるロードへ合流。妖怪の世界へ足を踏み入れますよ。
【自転車事故や盗難の備え】
自転車旅を始める際、いざという時のために色々備えておきたいですね。下記記事では、自転車事故や盗難への備えについて紹介します。
水木しげるロードでゲゲゲの妖怪に出会う
本町からJR境港駅までの約800mの通りには、たくさんの「ゲゲゲの鬼太郎」のキャラクターをモチーフにしたブロンズ像が並んでいます。
訪れるたびに妖怪が増えてるような気がするのは、気のせいじゃないですね。今では170体以上のブロンズ像が並んでいるとか。凄くないですか。
さすがに1体づつ見物している時間は、取れませんでしたが、それなりの妖怪をみて一喜一憂するのはとても楽しい。
商店街なので、飲食店や雑貨店など多くの店が軒を連ねていますが、まだ朝が早かったのか、これから開けようとしている店が多かったです。
鬼太郎は主人公なので、至るどころで見かけました。
鬼太郎のキャラターといえば、期を重ねるごとに「ねこ娘」が可愛くなっている。2018年のテレビ放映された第6期では、かなりの美少女でしたね。ねこ娘あらため、猫ねーさんのブロンズ像がその内できると嬉しいかな。
妖怪広場や妖怪神社、妖怪楽園など見どころも多く、楽しい遊び心にワクワクしっぱなしですよ。運がよければ、散歩しているゲゲゲの鬼太郎のキャラクターに会えることもある。
そういう私は、ねずみ男と遭遇。記念に1枚撮らさせて頂きました。(嬉)
時間が経つにつれお店が開店し、多くの観光客が現れる。境港駅には、鬼太郎列車が止まり、観光客がドッと押し掛ける。駅の改札口を出て、観光客がまず始めに目にするのは、仕事をしている「水木しげる先生執筆中」のブロンズ像ですね。
この像の前で記念撮影されている方が、後を絶えません。特に撮影している人は、外国人が多かったかな。さすが水木先生。ワールドワイドのお人です。
水木先生の妖怪ワールド「水木しげるロード」は何度訪れても楽しい魅力があります。そのため、時間を経つのを忘れるぐらい観光をしていました。
尚、水木しげるロードについては、下記関連記事でくわしく紹介します。
松江市街へ向かう道中にて
水木しげるロードを後にして、中海に浮かぶ大根島を渡り、松江市街へ向かいます。
その道中には、ベタ踏み坂で有名な「江島大橋」を渡ることになる。江島大橋といえば、ダイハツ タントカスタムのCMに登場して一躍有名になったので、知っている人も多いでしょう。
何といってもインパクト抜群の急勾配。CMを見て「これ、本当に上れるのか」と疑問に感じた方も多いはず。実は見た目に反して勾配は6%ていどなので、普通に自転車でものぼれてしまうのです。
橋上からは、よい景色が見られるのでテンションが上がる、上がる。(喜)
橋を下り、まっすく進んでいると、うなぎ処・山美世がありました。
このお店の駐車場で面白い神社を発見。それが、こちらの「うなぎ神社」です。
うなぎの神社なんて初めて知りましたね。なので、参拝することに。うなぎ神社では、うなぎを神様の使いとして祀っているという。出雲大社にゆかりある神社だそうです。運気上昇や金運・商売・仕事・学問のご利益があるみたい。
うなぎ神社を後にして、江島大橋を様々な角度で撮影。すると、こちらのような劇勾配の写真が撮れました。
これ、これですよ~。この構図の江島大橋が見たかった。江島大橋を渡る機会があれば、ぜひ撮影にチャレンジしてみよう。奇跡の1枚が撮れるかも。
その後、自転車のギアを上げて、高速モードにチェンジ。ペダルを回すスピードをアップすれば、グングン加速して景色が後に流れ出します。
まさに「疾きこと風の如く」を体現した走りに徹していると、いつの間にか松江市街に入っていました。そして目の前には、松江市のシンボル「松江城」が見えてきた。
なので、カメラのズーム機能を使って、その勇姿を1枚撮ります。
お城が見えてきたならば、今目指している松江しんじ湖温泉駅までは、あと少しです。距離にして、城前から残り約1kmほどでしょう。
松江しんじ湖温泉駅へ到着後、電車の出発までに結構時間があったので少し休憩。
「これから輪行するのか」と思う人がいると思いますが、実は松江しんじ湖温泉駅からサイクルトレイン・一幡電車が運行しています。
なので、自転車を電車の中へそのまま入れることができる。
自転車を活用している人にとっては、本当にうれしいサービスですね。
そして、一幡電車に乗って出雲大社前駅まで一気にワープしました。
みさきうみねこ海道を征く
以前、出雲大社を訪れた時は、大鳥居が工事中でしたので、まずは修繕された大鳥居を見に行きます。
すると、真っ白な鳥居が復活されているのを目の当たりにして、テンションアップ。では、出雲大社へお詣りに行こうか・・・とはならないのです。
これから約10km先の島根半島最西端にある日御碕へ向かい夕日を見る予定です。夕方までには、間に合いそうですが、日御碕灯台を参観したいので、時間には余裕がある方がよい。(おそらく大丈夫でしょうね。)
そのため、本日は出雲大社のお詣りをスルーしますが、明日ゆっくり訪れることにしました。そうと決まれば急ぎましょう。
出雲大社から少し西へ進めば、稲佐の浜が見えてくる。ここは、旧暦の10月10日に全国から八百万の神様をお迎えする聖なる場所ですね。
真っ白な浜辺には、大きな弁天島がそびえ立ち、迫力満点だ。弁天島には小さな社が祀られており、有名な参拝スポット。
直ぐに参拝できるので、立ち寄ります。前回訪れたときは、工事中でしたが、ほぼ工事が終わっているみたいで、ベンチがズラリと並び休憩場所も整備されていました。ベンチに座りながら、日本海に沈む夕日を眺める。前方にそびえ立つ弁天島と相まって、神秘的な光景を楽しめるでしょう。
稲佐の浜から日御碕へ向かう道は、日御碕街道(県道29号)を通行します。この県道29号の愛称は「みさきうみねこ海道」と呼ばれており、何とも可愛らしい名前ではないですか。
そんな名前とは裏腹に、急カーブとアップダウンの多い海岸線沿いの道ですよ。けれど、絶景が続く道路なので、サイクリングやドライブにおすすめ。私は、みさきうみねこ海道を走りながら、何度も感嘆の声をあげていましたね。
うん、実に美しい。透明度もすごい、すごい。
道中には、数ヶ所展望台があるので、ぜひ立ち寄ろう。
また、ドライブインもあります。
おや、道の途中で車が止まっている。なぜだとは思いません。
間違いなく、沿岸に「100m先左眼下 日御碕神社遠景」という看板を見かけたのが原因でしょう。尚、この遠景スポットの近くには、車を駐車できるスペースがありますね。
こちらは、カメラのズーム機能を使って撮影したもの。木々に囲まれ佇む社殿は、より神秘性を感じます。
その後、道なりに進み日御碕の駐車場へ到着。駐車場へ近づくにつれ、白亜の灯台が近づいてきたのが印象的でした。
日御碕で夕日を見よう
日御碕駐車場へ到着して時計を確認してみると、16:10を告げています。出雲日御碕灯台の拝観終了時刻は17:00なので、まだ全然余裕ですよ。
ということで、灯台を登った後は、日御碕を散策しながら、日が沈むのを待つことにします。
灯台の入口前へ到着してみれば、何やら雲行きが怪しいぞ。
なんと、そこには「受付は16:10で終了」のお知らせがあるじゃないですか。嘘でしょう。あまりのことに、少し呆然としましたね。
後から調べてみると、3月から9月の期間は、確かに17:00で終了なのですが、10月から2月では16:30(土日祝日ならば17:00)に終了します。それに加え、受付は終了時刻の20分前なのです。今は10月の平日なので、そうなると受付は16:10までということ。う~む、なんてこったい。
これは諦めきれないので、明日また出直しますよ。
灯台へ向かう通りには、日御碕商店街があり、多くの食事処が並んでいる。灯台へ向かう最中に気になっていたのが、日御碕名物のイカ焼きだ。
時間が時間だけに、すでに閉まっているお店が多かったですが、無事にイカ焼きをゲット。美味しく頂きました。
その後、日御碕の遊歩道を歩き、島根県を代表する景勝地を満喫した次第です。
日本海の荒波に削られたダイナミックな断崖や、規則正しい柱状節理(ちゅうじょうせつり)など、悠久の時間をかけて造られた自然の造形美は実に素晴らしい。
ここでしか見ることができない特別な景色に大興奮。
そして、よいよ日本海に日が沈み始めます。私の他にも多くの観光客が、展望台や思い思いの場所で、沈みゆく夕日を眺めていました。
古来より出雲は、日が沈む聖地として知られている場所です。多くの先人たちが、今の私と同じように眺めていたであろうと考えると、何だか感慨深いですね。
特にマジックアワーの時間帯はものすごく綺麗で魅力的。感動ものですよ。
旅のハイライトに相応しい時間が過ぎ去り、こうして、本日の旅は終了を迎えました。
尚、日御碕やその周辺の見どころについては、下記関連記事でくわしく紹介します。
まとめ
島根半島の東端から西端まで自転車で旅をしました。
距離にすると約80kmほどですが、途中からサイクルトレインの一畑電車を利用したので、道中では観光スポットへ立ち寄り、しっかり観光を満喫できました。
やはり私には、「サイクリング+観光」といった旅のスタイルがしっくりきますね。中途半端に観光したならば、後から後悔しそうなので、しっかり満喫したいものです。
おさかなロードでは、町中で魚のオブジェを探しだす面白さがあり、水木しげるロードでは、ゲゲゲの鬼太郎の登場キャラクターに出会える楽しさがある。そして絶景が続く、みさきうみねこ海道を走り、日御碕でジオパークを満喫し、夕日を見て1日をしめる。
ある意味「ぜいたくな時間の使い方」といえると思います。