自転車へ久しぶりに乗ろうとしたら、ペダルが空回りして前に進まない経験をしたことがありませんか。
このような症状が発生するのは、明らかな異常事態です。
また、普段は問題なくペダルを漕げるのだけど、たまに空回りするのも危ないですよ。
そのまま放置して乗り続けていれば、力を入れてペダルを踏み込んだ瞬間に空回りしてしまい、怪我をする恐れがありますね。
それではどうして、このような症状が発生するのでしょうか。
本記事では、ペダルが空回りする様々な原因と解決方法について説明します。
自転車が壊れたのか、ペダルが空回りする原因とは
もし、チェーンが外れてもいないのにペダルを漕いでも空回りするばかりならば、恐らくリアギアの故障が一番疑わしいです。
ギアの「フリー」部分の動きが悪くなっていると考えられますね。(後でくわしく説明します。)
その時の状況をよく思い出して下さい。長期間放置した後で、自転車に乗ろうとしていませんか。
もしそうであるならば、グリスが硬化していたり、爪が劣化して削れており、爪の動きが渋くなっている可能性があります。
ペダルを逆回転して、カチカチと音がするようでしたら、ほぼ間違いないでしょう。
注油すれば運良く直る可能性はありますが、これで直らなければ基本的にパーツ交換で対応します。
尚、グリスの硬化が原因であれば、グリスアップのみで対応できますが、それなりの知識と技術が必要になるので、自分で作業ができない場合は、自転車ショップへ依頼しましょう。
パーツ交換費用とグリスアップの工賃があまり変わらないのでしたら、新品のパーツに変えてしまった方が良いですよ。
必ずしもギアの故障が原因とは限らず、その他にも原因があります。
そこで、ペダルが空回りする主な原因を以下にまとめました。
それぞれについて説明します。
【原因①】リアギア(フリー部分)の故障
リアギアの機構には、ペダルを前へ向けて漕ぐと、ギアの爪が引っかかり力が加わる動きをします。
また、反対に後ろへ回しても、爪が引っかからないようになっているのです。
この機構を「フリー」といいますね。ママチャリならばギア側にフリーがあるものが多いし、ロードバイクのようなスポーツ系自転車ならば、ホイール側にフリーがある場合が多いですよ。
この爪の動きが渋くなってしまえば、いくらペダルを前に漕いでも爪が引っかからないため、力が加わりません。
その結果、ペダルが空回りしてしまいます。(ギアが空転している)
このような状態になった理由は、以下のようのものが考えられますよ。
- 爪の摩耗や欠け
- 爪を起こすバネが錆びて折れている
- グリスが固まっているので、爪が起きる邪魔をしている
個人的には原因を追究するより、ペダルが空回りしだしたら、プロ(自転車ショップ)へ任せるのがベストだと考えています。
【変速機の話】
ペダルを漕ぐことで、力がチェーンからギアへ伝わりますね。そのため、ギアを操作する変速機ついて色々知っておくのも面白いですよ。下記記事では、変速機に関係する話を紹介します。
【原因②】チェーンが伸びている
ペダルが空回りする原因には、チェーンの伸びも関係します。
チェーンのコマとリアギア(スプロケット)の歯がかみ合うことで、ハブが回りホイールが動く訳ですね。
実はフロントギアとリアギアを比較すると、リアギアの歯の方が摩耗する頻度が高いです。
これは別に不思議な話ではなく、フロント側に比べてリア側の方が回転数が多いからですよ。
チェーンとリアギアは、同じように摩耗するのですが、片方だけ新しく交換してしまうと、かみ合わせが悪い場合があり、歯飛びがおきることも。
その結果、ペダルが空回りしてしまいます。
チェーンが伸びている場合は、それは寿命を迎えている証拠。チェーンチェッカーと呼ばれる工具を使えば簡単にチェーンの伸びを確認できます。もし、チェーンを新品に交換して歯飛びが起こるならば、リアギアの歯も摩耗しているので交換しましょう。
リアギアの故障ならば、注油やグリスアップで直ることもある
ペダルが空回りする原因が、リアギアの故障ならば、注油すれば直る可能性があります。
フリーの爪の部分がある場所に染み込むように注油してみましょう。時間が経ち、オイルが浸透してくると復活するかも知れません。
ただし、あくまでも一時的な応急処理であると考えていた方が無難ですね。
ちなみに注油する場所が分からない場合は、変なとこにかけて違うトラブルが起きるかも知れないので、プロに任せましょう。
また、先ほども触れましたがグリスの問題であれば、グリスアップすることで直る可能性が高いです。
灯油で洗う場合、爪とリングスプリングは溝をきれいにして下さい。
そして、ボールが入る部分へグリスを塗り、爪を押さえながらボールが落ちないように組み上げます。経験や技術がない人には、作業が難しいため、プロへ任せた方が良いですよ。
初めは、誰しも作業方法が分からないのは当たり前ですね。初めから自分で対応しようとは思わず、自転車ショップへ持ち込んだり、経験豊富な人へ相談することをお勧めします。
基本はパーツ交換で解決する
ペダルが空回りする症状が発生したら、リアギアの故障が一番疑わしいことをお話しました。
具体的な解決方法は、基本的にパーツ交換と考えておきましょう。
症状だけでは、本当の原因は特定できませんが、可能性が高い原因が分かっているだけでも気持ち的には楽ですよ。
つまり、「ペダルの空回り → リアギアの故障 → 関係するパーツ交換」と即座に連想できるからです。
原因や解決策が分からなければ、「自転車が故障したのでもう乗れない」と判断してしまうかも知れません。それに、原因が分からないのは不安ですね。
後は、修理費用がどれくらいかかるのかが気になります。
どんなフリーを使っているかにもよりますが、自転車自体が高額であれば、それなりに高価なパーツを使っていることが多いです。そうなれば、自ずと高額になるのは覚悟しておいて下さい。
自転車ショップへ修理を依頼すれば、「パーツの代金 + 工賃」の費用がかかりますね。少なくとも、工賃だけでも3,000円~5,000円程度は考えておきましょう。
【ペダルの紹介】
ロードバイクやクロスバイクなど、スポーツ系自転車に似合うペダルを下記記事で紹介します。
ペダルの調子がおかしい自転車には乗らない
自転車のペダルが常に空回りすれば「何か壊れている」と判断がしやすいですね。
しかし、多少空回りするだけで、自転車が前へ進むならば、そのまま乗り続けている方も少なくないのではないでしょうか。
実はこれは、非常に危ないですよ。自転車の発進時や坂道で、グッと力を入れてペダルを踏み込んだタイミングで空回りが起きてしまうと、踏み込んだ勢いで転倒してしまうことがあります。
転倒の仕方次第では、大怪我につながるかも知れません。そのため、ペダルが空回りしだしたら、自転車の修理が終わるまで運転しない方が安全です。
まとめ
本記事では、自転車のペダルが空回りする原因と解決方法について説明しました。
最後にもう1度、ペダルが空回りする主な原因を以下にまとめます。
- リアギア(フリー部分)の故障(一番考えられる原因)
- チェーンの伸び
特にフリー部分の故障では、爪の摩耗や欠け、爪を起こすバネが折れてることが多いです。また、たんにグリスが硬化しているだけかも知れません。
修理作業は難しいため、自分で修理できる知識と技術がなければ、プロへ任せましょう。