ロードバイクの乗り始めは、とにかく楽しいものです。特にママチャリしか乗ったことがなければ、その走りの軽さに感動する人は多いでしょう。
あまりの楽しさのため、自分の体力を顧みず、つい長い時間乗り続けてしまう。特に初心者の内は、ロードバイクに慣れていないため疲れやすいですね。
そんな状態では、翌日になると体のあちこちが痛くなったり、疲労が残っていたりして、面白くありません。
たとえ体力に自信があったとしても、適切な乗り方をしていなければ疲労がたまるばかりです。
本記事では、疲れにくい走行をするために、ロードバイクで走ると疲れてしまう原因と解決方法を説明します。
ロードバイクで走ると疲れてしまう原因と解決方法
ロードバイクで走った翌日によく聞く話には、「昨日の疲労が残っている」「疲れていて調子が上がらない」などが多いです。
これらは、過度の肉体的な活動により、体が休息を求めている証拠。体の活動能力が、減退状態に陥っているといえます。
疲労の原因には、ハードな運動に伴い大量の酸素を体内に取り込むことで、細胞が酸化することや、運動するためのエネルギー源(糖質)が枯渇していることが挙げられる。
ロードバイクは、走り方次第で疲労がたまりやすくなるので気をつけよう。たとえ短距離だとしても、適切な運転方法を身に付けておきたいですね。
そこで、ロードバイクを運転する際、疲れが溜まる主な原因を以下にまとめました。
- 適切なギアを選べていない
- 走行中にダンシングが多い
- ペース配分ができていない
- 急なスピード変更を行なっている
- 体に余計な力が入っている
それぞれについて説明します。
【原因①】適切なギアを選べていない
自転車が走る道路は、常に平坦路とは限らず、上りや下りがあるのが普通です。
勾配の大きさによっては、ペダルを踏むのがつらくなる。そこで、ギアを軽くして、足へかかる負担を軽減するのが重要ですよ。
無理をしてまで、重いギアで走り続けていると、距離が長くなるにつれ疲れ方が半端ない。そうなると、ペダルを回すケイデンスがガタ落ちになります。
反対に、軽すぎるギアは、前へ進むにはよりたくさんペダルを回さなくてはならないので、心肺機能が疲れてくる。
つまり、走る道の勾配を見極め、軽すぎたり重すぎたりしない適切なギアへ変えながら走るのが重要です。
上り坂になる前には、余裕を持ってギアを軽くして坂道を上ろう。また、自転車を停車する際には、停車前にギアを軽くするのもポイントですよ。そうすれば、再発進時に足へかかる負担を減らせます。
適切なギアチェンジができていないと、走る距離が長くなるにつれ、疲労の蓄積が比較的大きくなるので気を付けて下さいね。
始めの内は、面倒くさく感じるかも知れませんが、常に適切なギアで走るのを意識していれば、いつの間にかそれが当たり前のようにできます。
【原因②】走行中にダンシングが多い
ロードバイクでは、ダンシング(立ち漕ぎ)を使って運転すると、より体全体を使って力強く走れます。
一気に加速したり、勾配の大きな坂道を駆け上りたい時に活躍してくれる重要な技術ですね。
力強い走りと引き換えに、体力の消耗が大きいのがネックとなる。そのため、多用すると非常に疲れます。
具体的にいえば、急坂の多い峠の頂上へ向けてダンシングを多用してヒルクライムしていると、頂上へ辿り着いたときには、息が上がり足もプルプル震えているでしょうね。
そんな状態では、その後の走りに影響が出てしまうのは確実だ。
急坂では、ダンシングで力強く上りがちになりますが、ヒルクライムの基本はシッティング(サドルに座った状態)ですよ。ダンシングの多用はしないこと。ここぞという時のために取っておきましょう。
けれど、ずっと同じ姿勢を続けていると、筋肉が疲れてしまうので、適度に「休むダンシング」を取り入れたい。
休むダンシングは、ペダルの上に立ち上がるように体重をのせる感じで行なう。勾配が緩んだところで行うのがポイントです。
【原因③】ペース配分ができていない
初心者によくありがちなのが、ペース配分ができていないことです。短距離ならともかく、中長距離を走るとなると、序盤に頑張りすぎていれば後半まで体力が持ちません。
常に息が乱れないぺースで走るのがコツですね。ケイデンスを測定できるサイクルコンピュータを使えば、ケイデンスを意識したペダリングができるので活用しよう。
一般的には、平地で1分間にペダルを90回まわす(90rpm)のがベストといわれています。実際、初心者の内では90rpmを維持するのはキツイので、70~90rpmを目標にするのが現実的です。
また、グループ走行する際は、メンバーとスピードを合わせて走る機会が多くなる。無理をしてまで合わせて走ると途中でバテますよ。
人によっては、プライドや見栄をはりたい気持ちがあったりするものですが、実利を得るほうが絶対に後悔しません。
なので、走り始める前にメンバー内で巡行速度のすり合わせを行ないましょう。基本的には、一番遅い人のスピードに合わせるものですね。
【原因④】急なスピード変更を行なっている
いきなりギアをローからトップに変更し、急激なスピードアップを行なおうとすると、足に強い負担がかかります。
サイクリングの最中に何回もそのような運転を行なっていれば、疲労のたまり具合もバカになりません。
特にギアを上げる時は、徐々に上げるのが基本となる。少しだけ重くなった状態ならば、ペダルを踏む力も少なくても済みますね。
徐々にスピードを上げていき、無理のないギアまで重くするのがコツです。
平坦路であれば、フロントギアはアウター側に固定し、リアギアで細かく調整する走り方が無難といえます。一方、坂道を上るのならば勾配の大きさにもよりますが、フロントギアをインナー側にすると走りやすい。
ギアを軽くする際は、一気に軽くしても構いませんが、ペダルが空回りを起こすまで軽くしないように気を付けて下さいね。
フロントギアを変更すると、ペダルが一気に重くなったり、軽くなったりするので、リアギアを切り替えて、適切な組み合わせを行ないましょう。
【原因⑤】体に余計な力が入っている
ロードバイクに限った話ではありませんが、どんなスポーツでも体に余計な力が入っていると、力んでしまい思った通りのパフォーマンスを発揮できません。
特にロードバイクは長時間走る機会が多いスポーツです。力んだ状態が長くなると、とても疲れます。
始めの内は仕方がなかったりしますが、徐々に走り慣れてくると、体の使い方が分かってくる。いい意味で手の抜き方を会得できる。走る時間が長いほど上達も早いですよ。
また、ロードバイクはママチャリと異なり前傾姿勢となるので、上手にサドルとハンドル、ペダルに過重を分散しよう。ハンドルなどどこか一点のみに荷重を集中していると、余計な力が入りやすくなります。
最初の内は中々慣れないものですが、走り慣れてくれば、自然に身に付きますね。
ロードバイクで疲れにくい走り方
サイクリング中では、定期的に1回あたり10~15分ほどの休憩を入れて走るのがポイントです。
体力がついてくると、あまり休憩を入れずに走りがちになりますが、休憩中に蓄積された疲労を軽減し、補給を取ってエネルギーの回復に努めれば、最後までペースの維持がしやすくなります。
疲労の軽減には、足首や首をグルグル回したり、片手をグルグル回したり、大きく伸ばした手の開閉を繰り返したりするようなストレッチが効果的。
休憩を入れるタイミングは、人それぞれですが、私の場合は季節ごとに微妙に違っているかな。
春・秋は1時間30分、夏は30分、冬は1時間間隔で休憩を入れることが多いので、参考にして下さいね。
また、体温調整も大事となるので、ウインドブレーカーを常備していると、何かと役立ちます。
たとえば、長い急坂を下る際に羽織れば、体を冷やさないようにできる。さらに肌寒く感じる日には、ウインドブレーカーの存在がありがたいですよ。
暑さや寒さによるダメージはかなりこたえるため、体温調節はしっかり行いましょう。
ロードバイクで疲れた体を回復する方法
ロードバイクで走った後で疲れ切っていると、翌日に影響が出てしまう可能性があります。
たとえば、体のあちこちが痛くなったり、疲労が残っていたりする。酷くなれば、動くのが辛い筋肉痛に悩まされることもあるだろう。
そんなことにならないように、疲れた体を回復する方法を以下にまとめました。
- ストレッチなど軽い運動を行なう
- 入浴・マッサージで血流を促進させる
- 質の高い睡眠をとる
- 食事で十分な栄養を取る
- サプリメントを活用する
それぞれについては、下記関連記事でくわしく紹介します。
まとめ
本記事では、ロードバイクで走ると疲れてしまう原因と解決方法を説明しました。
最後にもう一度、主な原因を以下にまとめます。
- 適切なギアを選べていない
- 走行中にダンシングが多い
- ペース配分ができていない
- 急なスピード変更を行なっている
- 体に余計な力が入っている
ロードバイクの走りに慣れてくれば、ある程度は自然に解消できたりしますが、ペース配分やダンシングなどは、意識しなければ中々治らないものですね。
初心者の内では、楽に走る方法を意識していると、上達が早いですよ。走り続けて入れば体力が付いてきますので、より疲れづらくなる。
また、サイクリングの際には、適度な休憩をいれて、体力を回復させながら走ると、より長時間のライドを楽しめます。