ロードバイクに乗り慣れてくると、軽量化に興味を持ち始める方は多いですね。
軽量化することで、単純に坂道が上りやすくなるし、疲労の軽減など様々なメリットを感じ取れます。しかし、過度な軽量化は諸刃の剣ですよ。
軽量化しすぎてしまったために、耐久性が落ちたり、かえって進まなくなることもある。そんな経験は、できればしたくないものです。
そのためには、軽量化によるメリットとデメリットをきちんと把握しておきたい。そして、ロードバイクで走る目的や用途により軽量化を行ないましょう。
本記事では、ロードバイクの軽量化によるメリットとデメリットについて説明します。
ロードバイクの軽量化は目的や用途によって行なう
「ロードバイクの軽量化は、あまり意味がない」という方もいますが、意味があるかないかというのは、何のためにロードバイクに乗るかにつきます。
つまり、目的や用途がしっかり定まっていない軽量化は、失敗しやすいですね。
たとえば、ヒルクライムレースに参加するならば、坂道を上り続けるため、明らかにロードバイクが軽量なのは有利です。
一方、通勤通学でしか使っておらず、平坦路しか走らないのであれば、頑張って軽量化につとめたとしても、かえって乗り心地が悪くなったりして、思った以上の効果を感じられないでしょう。
目的や用途にあう適切な軽量化をしたロードバイクというのは、走行性能の向上や快適性の向上、疲労の軽減など様々な恩恵を受けやすいです。時には、期待以上の効果にガッツポーズを取りたくなることもある。
しかし、過度な軽量化は、用途によってはかえってデメリットが多く、残念な結果になる場合が多い。これが「ロードバイクの軽量化は、あまり意味がない」の正体です。
個人的には、ロードバイクで自転車旅をすることが多いので、スピード優先より快適性とのバランスを重視しています。そのため、超軽量なロードバイクというのは扱いづらいですね。
また、ロードバイクのカスタムをするにあたり、人によっては、軽量化という沼にはまるかも知れない。なので、目的や用途を見失わずに、適切な軽量化を図りましょう。
ロードバイクの軽量化のメリット
ロードバイクの軽量化による主なメリットを、以下にまとめました。
- 坂道を楽に上れる
- 漕ぎ出しやスムーズな加速・減速がしやすい
- 疲労が軽減する
それぞれについて説明します。
坂道を楽に上れる
ロードバイクの軽量化による一番のメリットは、坂道を上るのが楽になることです。
急坂や劇坂が多いコースを走るときには、重いバイクよりも明かに漕ぎだしが軽く、効率的に力を伝達しているのを感じ取れるだろう。
つまり、軽量化により登坂時の負荷が軽減されています。
軽量化するに当たり、特にホイールのグレードアップが効果的。今まで鉄下駄と呼ばれる重たいホイールを使っていたならば、軽量なホイールに交換することで「こんなにも楽に登れるのか」と驚くでしょうね。
ヒルクライムが好きな方や、峠や山道を走る機会が多い人にとっては、軽量化によるメリットは大きい。それに、峠や山道を楽に駆け上れるようになると、ますます自転車に乗るのが楽しくなるものです。
漕ぎ出しやスムーズな加速・減速がしやすい
信号の多い町中を走るならば、必然的にストップ・アンド・ゴーの機会が多くなります。軽量なロードバイクは、漕ぎ出しも軽くスムーズな発進がしやすいですね。
また、町中では急な方向転換を迫られる場面も少なくないでしょう。軽量なほど素早いハンドリングが容易ですよ。
さらに軽い踏み込みで、巡航したい速度まで持っていくのが楽だったり、反対に減速もスムーズにできるようになる。軽量化するというのは、より少ない力で精密なコントロールができることにつながります。
軽量化というのは、ロードレースなどの競技では有利に働くものなので、こだわる人が多いのでしょう。
競技うんぬんに関係なく、スムーズに加速・減速ができるというのは、単純にロードバイクを走らせるのがより楽しく感じるので、適度な軽量化はチャレンジする価値が高いですね。
疲労が軽減する
ロードバイクで長時間走るならば、軽量化した方が絶対によいです。というのは、質量が軽くなるので、必要とするエネルギーが少なくなります。つまり、疲労軽減に役立つ訳だ。
ロングライドや自転車旅、長時間のトレーニングなどでは、効率的に走り続けられるので、その恩恵は大きいですよ。
特に登坂時の疲れ方の違いが顕著といえる。軽くすることで楽に上れるというのは、それだけ疲労が少ないということ。
また、平坦路では、ペースを落とさずにより長い時間を走れるようになります。
ロードバイクの軽量化のデメリット
ロードバイクの軽量化による主なデメリットを、以下にまとめました。
- 快適性を損なう
- 下り坂で遅くなる
- パーツによっては耐久性が落ちる
- お金がかかる
それぞれについて説明します。
快適性を損なう
過度な軽量化は、快適性を低下させる原因になります。
たとえば、細いタイヤは軽量ですが、エアボリュームが少なくなるため、乗り心地が悪いですね。パンクリスクを避けるため、必然的に空気圧は高めとなり、路面の凸凹を拾いやすくなるのも快適性を下げる要因の一つ。
また、クッションがある程度厚いサドルならば、座り心地はよいものですが、ほとんどクッションのないペラペラの軽量サドルともなれば、長時間のライドではお尻が痛くなります。
ロングライドや自転車旅のように長時間走る機会が多いのであれば、快適性はより重要。そのため、快適性を犠牲にしてまで軽量化をするのはおすすめしません。
下り坂で遅くなる
ロードバイクに限った話ではありませんが、下り坂では重たいほどスピードが速く、反対に軽いほど遅くなります。これは、重たいほど空気抵抗が少ないからですね。
実際は、「ロードバイク + 乗っている人の体重」によりスピードが変わってくるので、体重が軽くロードバイクも軽いのであれば、思った以上に下り坂は進まなく感じるかも知れません。
個人的には、坂道を楽に上れるのであれば、多少下りが遅く感じたとしても、それほど影響は少ないと思います。
しかし、ダウンヒルをすこぶる好きな人にとっては、過度な軽量化はマイナス要素が強いですね。
パーツによっては耐久性が落ちる
ロードバイクは、フレームやブレーキ、ホイールなど様々なパーツでなりたっています。同じパーツでも耐久性の高いもの、軽くて精度が高いものなど性能はピンからキリまで幅広いですね。
軽量なパーツの中には、比較的耐久性が落ちるものがあり、そのようなパーツを使い軽量化を図ったロードバイクは、耐久性が犠牲になるものだ。
そうなると、短期間で壊れてしまう可能性は無視できないし、走行中の事故へつながりかねません。
長く乗り続けていくためには耐久性が大切なので、走行性能との間で最適なバランスを見つけよう。少なくとも軽量化一本槍では、最高のパフォーマンスは発揮できないと思います。
お金がかかる
軽量パーツは、カーボン素材が使われることが多く、クロモリやアルミなどの金属と比べて高価なものが多いです。
さらに軽量で精度の高いコンポーネントになると、下位のグレードと比べて段違いに値段がするもの。つまり、軽量で精度や耐久性の高いパーツばかりで組み立てたロードバイクは、超高級品ですよ。
過度の軽量化は、お金を湯水のように使うケースが多いのでおすすめしません。そこまでして軽量化を図ったとしても、期待通りの効果を得られなかったときは絶望するだけですよ。
機材にお金をかけるのは、将来の投資ともいえますが、自分自身を鍛えた方が、間違いなく高いパフォーマンスを発揮できますね。
ロードバイクの軽量化は安全第一で
ロードバイクの軽量化により、様々なメリットがありますが、過度な軽量化によるデメリットも大きいですね。
軽量化をするにあたり、ホイールやサドルなど各パーツを交換していくのですが、軽量パーツの中には、耐久性が低いものや調整がシビアなものなどがあるので、慎重に選びたい。
自分で判断できないのであれば、詳しい友人・知人に話を聞いたり、自転車ショップの店員に相談しよう。
特にブレーキ関連のパーツは、命に関わる重要なパーツなので、耐久性を犠牲にするのは、絶対にやめた方がよいです。また、どれだけダメージがあるのか分からない中古品を使うのも避けましょう。
ロードバイクをカスタムするのは楽しいものですが、軽量化に熱中するあまり、安全性を損なわないよう気を付けて下さいね。
まとめ
本記事では、ロードバイクの軽量化によるメリットとデメリットについて説明しました。
最後にもう一度、説明した内容を以下にまとめます。
- ロードバイクの軽量化のメリット
- 坂道を楽に上れる
- 漕ぎ出しやスムーズな加速・減速がしやすい
- 疲労が軽減する
- ロードバイクの軽量化のデメリット
- 快適性を損なう
- 下り坂で遅くなる
- パーツによっては耐久性が落ちる
- お金がかかる
適切な軽量化を施したロードバイクは、明らかにパフォーマンスの向上を見込めます。そもそもお気に入りの愛車がグレードアップされていくのは、素直に嬉しいですね。
カスタムにはまり過ぎてしまい、軽量化の沼に落ちていくこともありますが、過度な軽量化は意味がないので、目的や用途に応じて適切に行いましょう。