ロードバイクやクロスバイクに乗っていると、良く聞く言葉に「ケイデンス」がありますね。普段からトレーニングを続けているのならば、ケイデンスを意識している人も多いでしょう。
一般的に平坦な道を走行する時のケイデンスは、90rpm前後が理想といわれていますが、荷物を載せて走る自転車旅にも適用されるでしょうか。
人によって筋肉の質などが異なるため、私は必ずしも90rpmが適切とは思っていません。
自転車旅において90rpmを維持して走り続けるのは、荷物の重量により、とてもしんどい。それでは、どれくらいのケイデンスを目安にすれば良いのか興味がわいてくるものです。
本記事では、回転数による影響(高ケイデンスと低ケイデンス)を説明し、自転車旅で適切なケイデンスを紹介します。
ケイデンスとはいったい何?
ケイデンスとは、自転車のペダルを回す速さを表します。1分間のペダルの回転数を表して、単位にはrpm(revolution per minute)を使いますね。
たとえば、1分間にペダルを80回まわしているならば、80rpmと表現する訳です。
軽いギアを使ってペダルを回していると、ケイデンスは高くなり、重いギアを回していれば、ケイデンスは低くなる。
変速機を操作することで、走行している道の勾配が変化しても同じケイデンスを維持できます。尚、ケイデンスの測定には、ケイデンスを測定できるサイクルコンピュータが必要ですよ。
同じケイデンスを維持するためには、高ケイデンスと低ケイデンスでは以下の違いがある。
- 高ケイデンスの場合は、ペダルを速く回し続ける技術が必要
- 低ケイデンスの場合は、ペダルを回すパワーが必要
それぞれのケイデンスの影響について説明します。
回転数の違いによる影響(高ケイデンスと低ケイデンス)
自転車のペダルを回す速さは、トレーニング次第で向上します。けれど、根本的なところでは、あなたが高ケイデンスと低ケイデンスのどちらに向いているのかが決まってしまう。
そのため、自分がどちらのケイデンスに向いているのか、見極めるのが大切になります。
低ケイデンスと高ケイデンスは反対の関係になるね。
高ケイデンスの影響
高ケイデンスの影響は、軽いギア比でギアを多く回し続けるため、脚に掛かる筋肉の負担を減らせます。その代わり、心肺に負荷がかかるため、維持し続けるには心肺の強化が必要です。
ペダルを速く回すぺダリング技術や心肺強化は、トレーニングで十分鍛えられる。これは、ほとんどの人ができるので、心肺強化を図っておいて損はありません。
漫画やアニメで人気の「弱虫ペダル」の主人公・小野田坂道は、高ケイデンスで山を駆け上るクライマー。トレーニング次第では、彼のようになれるかも知れませんね。
低ケイデンスの影響
低ケイデンスの影響は、重いギア比でギアを少なく回し続けるため、脚の筋肉に負担がかかります。その代わり、心肺に掛かる負荷が低くなりますね。
もちろん、重いギアでもペダルを速く回すにはペダリング技術が必要ですよ。また、脚の筋肉もトレーニング次第では、鍛えられます。
しかし、重いギアを回し続けるには、筋肉の質が重要になってきますので、同じトレーニングをしても、人によって筋肉の質が違うため、どうしても差が広がるのは仕方がありません。
筋肉の質による違い
筋肉は、速筋と遅筋という2種類の繊維からできており、人によってその比率は異なります。
その結果、筋肉の性質に差が現れますね。この2つ特徴について、以下にまとめました。
- 速筋の特徴
- 筋肉の繊維が多いため瞬発力に優れる
- 酸素を取り込む力が弱いため、疲れ易くなる
- 遅筋の特徴
- 酸素を取り込む力が強く疲れにくい
- 瞬発力が弱い
速筋と遅筋の比率は、天性の物であり、トレーニングで変えるの難しいと言われています。自分自身の筋肉の質を見極め、効率良くトレーニングを行いましょう。
筋肉の質は天性のもの。いわゆる「才能」と呼ばれるものだね。
自転車旅の適切なケイデンス
自転車旅では、自転車に荷物を載せて走行するため、どうしても重量が重くなります。
私の経験では、自転車と荷物を合わせた重量が12kg未満にすると、快適で爽快感を失わずに自転車旅を続けられる。尚、12kg未満はあくまでも目安なので、必ずしもこの数値に拘る必要はありません。
荷物を載せた状態で、平坦な道を走る時に90rpmのケイデンスを維持できるのならば、そのケイデンスで問題ないでしょう。
時間や日数の制限がない自転車旅では、一日に走行できる距離が短くても特に問題はありませんので、ケイデンスについて余り意識する必要はないともいえる。
しかし、ほとんどの場合は時間や日数制限があると思います。なので、ケイデンスの値はなるべく高いほうが無難ですね。
人によって適正なケイデンスは異なるため、自分自身で経験を積んで見つける必要があります。
私の経験と知識からいわせてもらえば、自転車旅に適切なケイデンスの目安は以下になる。
自転車に荷物を載せて80km以上走行する時に、巡航速度が23~28km/hを維持できるならば、ケイデンスの目安は、70~90rpmです。
ちなみに、私が自転車に荷物を載せて走る場合のケイデンスは、平坦な道で75~85rpmの間が適正かな。このくらいを維持していると100kmを走ったとしても、あまり疲れません。
ペダリング技術を磨きながら心肺強化を図れば、高ケイデンスで走れるようになれる。つまり、荷物を搭載していても重さに関係なく走り続けられます。
そのため、自転車旅においては、高ケイデンスで走れる方が何かと有利です。
自分に合ったケイデンスを見つける
ケイデンスを意識しながら自転車旅を続けていると、おのずと自分に合ったケイデンスが見つかります。
たとえば、自分が80rpmのケイデンスが合っていると感じたならば、斜度や風向きなどを気にしながらギアを変えて80rpmを維持して走ってみて下さい。
初めの内は、ケイデンスの維持が難しいかも知れませんが、走り続けていれば、いずれ慣れてくるものです。
しばらく続けていてもケイデンスの維持が困難な場合は、適切なケイデンスではないのかも。ペダルを回すスピードをかえて調整しましょう。
そのような行為を繰り返していけば、いずれ全く無理をせず長時間走っていても、あまり疲れないケイデンスが見つかります。
自転車旅を続けていると脚質が鍛えられ変化してきますので、今まで快適だと思っていたケイデンスが物足りないと感じるかも知れません。
こうなった場合は、もう一度最適なケイデンスを探しましょう。
大切なのは、自分に合ったケイデンスを見つけ維持することです。そうすれば、全く無理をせず快適な自転車旅を継続していけるようになります。
【自転車旅に役立つアイテムの紹介】
自転車旅で役立つアイテムを、下記記事で紹介します。
まとめ
本記事では、高ケイデンスと低ケイデンスによる回転数の影響を解説し、自転車旅で適切なケイデンスについて説明しました。
最期にもう一度、説明した内容を以下にまとめます。
- 自分が高ケイデンスと低ケイデンスのどちらに向いているのか見極めるのが大切。
- 高ケイデンスの影響は、軽いギア比でギアを多く回し続けるため、脚に掛かる筋肉の負担を減らせるけど、心肺に負荷がかかる。
- 低ケイデンスの影響は、重いギア比でギアを少なく回し続けるため、脚の筋肉に負担がかかる。
- 重いギアを回し続けるには、筋肉の質(速筋と遅筋の比率)が重要であり、天性の物であるため、トレーニングで変えるの難しい。
- 自転車に荷物を載せて走行する時のケイデンスの目安は、70~90rpm。
人によって適切なケイデンスは異なります。だからこそ、自分自身に合った適切なケイデンスを知る必要があるのです。
そうすれば、荷物を載せて走る自転車旅では、あまり疲れなくなり、旅を続けていけます。
また、自転車旅やトレーニングを続けていく内に、脚の筋力や心肺が強化されていきますので、現状のケイデンスが物足りなくなってきたら、再度適切なケイデンスを探してみましょう。