公共交通機関に自転車を載せて移動することを「輪行」と呼びます。
自転車旅をしている人にとっては馴染みの行為であり、輪行により日本全国への旅がより身近に感じられる。
欧米では、自転車をそのまま電車へ乗り入れできる文化ですが、残念ながら日本では、公共交通機関にそのまま自転車を乗り入れできなくて、自転車を袋に入れて手荷物にしなければ持ち運びができません。
この自転車を入れる専用の袋が、輪行袋ですね。輪行袋には縦型と横型があり、それぞれメリットとデメリットが存在するため、使い分けましょう。
本記事では、縦型と横型の輪行袋について、メリットとデメリットを説明します。
輪行袋はスポーツ系の自転車に対して利用するね。ママチャリの収納はかなり困難だよ。
輪行袋の縦型と横型は用途によって決める
輪行袋へ自転車を収納する場合は、そのまま自転車を袋の中へ入れるのではなく、前輪のみ外して輪行袋へ収納する場合と前後輪を外して収納する場合の2通りが存在します。
縦型の輪行袋は、基本的に前後輪を外して袋に収納するため、思ったよりコンパクトに収納できる。横型の輪行袋でも前後輪を外すタイプがありますが、前輪だけ外すタイプもありますね。
縦型か横型どちらにすればよいかについては、使用用途によって判断すればよい。
そこで、輪行袋の主な使用用途を以下にまとめました。
- 公共交通機関に乗せて移動する
- 自家用車に乗せて移動する
- ホテルなどの宿泊先の部屋へ持ち込む
- 宅配便で自転車を配送する
公共交通機関の代表格といえば電車です。電車で輪行する頻度が高い場合は、省スペースの縦型の輪行袋を使うのをおすすめします。(おすすめの輪行袋はこちらで紹介)
自家用車に自転車を乗せる場合は、車の天井にルーフキャリアを付けて自転車を運ぶ人が多いです。また、トランクへ収納したりします。
けれどトランクに収納できなければ、後部座席に置けるか考えてみて下さい。
後部座席にそのまま自転車を置くと、車が汚れてしまう可能性があるので、輪行袋に収納すれば汚れ防止に役立ちます。
この場合は、スペースに余裕があれば横型の輪行袋がおすすめ。特に前輪のみ外すタイプの横型の輪行袋では、自転車を取り出した後の組立て作業が楽になります。
近年、ホテルの室内へ自転車をそのまま持ち込めるところが多くなりました。けれど、部屋への持ち込みが禁止なところはまだそれなりに多いです。
そういうホテルでは、輪行袋に入れて手荷物としてならばOKをもらえることも。どうしても部屋へ持ち込みたい場合は、輪行袋を利用しましょう。この場合、部屋のスペースが狭い場合があるので、縦型の輪行袋がおすすめですね。
ちなみに、私がホテルや旅館などを予約する際には、事前に部屋へ持ち込めるか、又はロビーや玄関口に置かせてもらえるか確認してますよ。
宅配業者によっては、輪行袋に自転車を入れて宅配できるところがあります。公共交通機関を使った移動時に手ぶらで自転車が運べるので、かなり便利ですね。
しかし、輪行袋のままですと宅配中に自転車に傷がついてしまう可能性があるため、緩衝材などで保護する必要がある。輪行袋は縦型でも横型でも利用できますが、前輪のみを外すタイプの横型の輪行袋の方が、収納や組立作業が楽になります。
縦型の輪行袋を使う場合は、ロードバイクやクロスバイクにリアキャリアやスタンド、リアフェンダーなどを取り付けていると、それらを外さければ輪行袋に入れることができず、結構作業が面倒です。
しかし、横型の輪行袋の中には、それらを取り付けたまま自転車を収納できるものもある。そうすると、作業の手間を考えて横型一択になる場合が多い。
輪行袋の縦型・横型の判断は、使用用途によって決めれば自転車旅の効率化が図れます。
そのためにも縦型と横型のメリットとデメリットを良く理解して、適切なものを選んで下さい。
そこで、メリットとデメリットを以下にまとめました。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
縦型 | 省スペース | 自転車の収納に慣れが必要 エンド金具が必要 |
横型 | 自転車の収納が楽 エンド金具が不要 | スペースを取る |
それぞれについて説明します。
縦型の輪行袋のメリットとデメリット
【メリット】省スペース
輪行を頻繁に行う人は、縦型の輪行袋を使う方がメリットを享受できます。
狭い鉄道の中へ自転車を持ち込むために一番重要なのは、コンパクトに収納できるかですね。
縦型の輪行袋は、前後輪を取り外して、自転車を立てた状態で収納できるため、省スペース化を実現しています。
鉄道へ持ち込む際は、自転車の置き場所に気を使おう。
【デメリット】自転車の収納や組立に慣れが必要
自転車から車輪を取り外し、車輪をフレームに紐で括り付け、輪行袋に入れるのは手間がかかります。
また、先ほども触れましたが、自転車にキャリアやスタンドなどを付けていると、輪行袋の大きさによっては、それらも取り外さなければ収納できません。
縦型の輪行袋は省スペースが売りなので、自転車本体以外の物を収納できる余裕がないものがほとんどです。
収納作業もそうですが、輪行袋から取り出した自転車の組立作業もそれなりに時間がかかり、何度も経験している内に慣れてきます。収納作業は、慣れた人でも10~20分ぐらいはかかりますね。
輪行初心者は、まず自転車を輪行袋に入れるところから訓練しましょう。
【デメリット】エンド金具が必要
縦型の輪行袋の場合は、リアのエンド金具が必須になります。
これがないと、輪行袋へ自転車の収納時に、自転車を立てた状態に維持できません。
輪行袋だけがあってもエンド金具がなければ、使い物にならないため縦型の輪行袋を購入する時はエンド金具の購入も忘れずに行いましょう。
輪行袋をしまう時は、エンド金具を袋の中に入れて一緒にしまえば、次回輪行時に必要な道具を忘れないためおすすめです。
自転車ショップにいくと、大抵の輪行袋は、エンド金具と別々に販売しているよ。
わからない時は、店員に確認しよう。
横型の輪行袋のメリットとデメリット
【メリット】自転車の収納や組立が楽
横型の輪行袋で、前輪しか取り外さないタイプのものは、収納や組立作業が縦型の輪行袋に比べて圧倒的に簡単です。
また、前後輪外すタイプのものでも、エンド金具が不要のため、縦型と比べて作業は楽になります。これらの理由により、輪行初心者には横型が使いやすいですね。
また、大き目の横型輪行袋では、自転車にキャリアやフロントバックを装着した状態で袋の中へ収納できます。そのため、縦型輪行袋と違って、キャリアなど脱着作業が発生しないため、作業時間が大幅に短縮できる。
横型の輪行袋にも色々種類があり、中には自転車の上から被せるだけの物がある。
このタイプの物は、輪行袋の底がないため、自転車の収納はかなり楽になりますが、持ち運び中に自転車から何か部品が落ちると無くしてしまう可能性があるため気を付けましょう。
【メリット】エンド金具が不要
リアのエンド金具を取り付けるには、それなりの手間が必要になりますので、慣れていないと時間がかかります。
横型の輪行袋を使用する場合は、縦型の輪行袋のように自転車のリアディレイラーを下側にするように立てないので、リアのエンド金具は必要ありません。
【デメリット】スペースを取る
自転車は横に長い乗り物ですね。
例え前輪を外して、ハンドルを横に曲げたとしても、それなりの長さがあります。
そのため、前輪のみを外す横型の輪行袋では、縦型の輪行袋と比べてスペースを取るのが最大のデメリットです。
狭い電車の中に自転車を持ち込む際には、縦型の輪行袋を使うよりかなり気を使いますよ。ただし、前後輪を外した横型の輪行袋では、比較的コンパクトにできるためその限りではありません。
縦型、横型どちらを選んでも最終的には慣れます
縦型と横型どちらの輪行袋を使おうと、収納作業と組立作業は発生します。
作業時間に関しては、慣れてくると時間の短縮ができますので、それほど気にならないかも知れません。大切なのは、輪行袋の使用用途です。使用用途が明確であれば、自ずと使う輪行袋が決まります。
私の場合は、電車で輪行する頻度がそれなりに高いため、省スペースの縦型の輪行袋がメインですね。尚、ロードバイクにキャリアを取り付ける場合は、横型の輪行袋を使います。
まとめ
本記事では、縦型と横型の輪行袋のメリットとデメリットについて説明しました。
最期にもう一度、メリットとデメリットについて以下にまとめます。
- 縦型の輪行袋のメリットは、コンパクトに収納できる
- 縦型の輪行袋のデメリットは、自転車の収納作業に慣れが必要(エンド金具が必須)
- 横型の輪行袋のメリットは、エンド金具が不要のため、自転車の収納や組立て作業が楽になる
- 前輪のみを取外すタイプの横型の輪行袋は、収納スペースを大きく取るため、電車内へ持ち込む際には、色々気を使う
各メーカーにより販売されている輪行袋は、デザインや収納容量、丈夫さなどに差異がありますので、どれを購入すれば良いのか迷う場合は、素直に自転車ショップの店員へ相談した方が良いです。
輪行には必ず輪行袋が必要になりますので、使用用途によって輪行袋を決めましょう。
【輪行で知らない土地へサイクリングに出かけよう】
輪行袋を使って自転車を運び、知らない土地をサイクリングしてみませんか。下記記事では、サイクリングに最適なスポットを紹介します。