街乗りに活躍するクロスバイクとママチャリは、同じ自転車のカテゴリーですが、全くの別物と言って良いでしょう。
外見からして一目で違いが分かりますが、性能もまるで異なります。それでは、具体的には何がどう違うのでしょうか。
本記事では、クロスバイクとママチャリの違いを、項目別に比較した結果を説明します。
本記事が、街乗り用に新しく自転車を購入する際、手助けになれば幸いです。
クロスバイクとママチャリの違いとは
初めて自転車に乗った時のことを思い出してみて下さい。三輪車を除くと、恐らく初めて乗った自転車はママチャリタイプのものではありませんか。
それほと、私たち日本人にはママチャリの存在が根付いています。そこで、ママチャリのイメージですが、「荷物が積める」「とにかく頑丈」「スピードが出ない」「坂道を上るのが辛い」など直ぐに思い浮かべられますね。
一方クロスバイクといえば、風を切って颯爽と走るイメージを持たれる方も多いでしょう。どちらも同じ街乗りに適した自転車なのに、このイメージの差は何でしょうか。それはクロスバイクとママチャリでは、使用目的が違うからです。
買い物を楽しむならば、大きなカゴが付いているママチャリは便利ですし、サイクリングを楽しむならばスピードが出るクロスバイクが適している。
そこで、クロスバイクとママチャリの主な違いについて、以下の項目別に説明します。
- 車体の違い
- タイヤやホイールの違い
- 多段ギアの違い
- スピードの違い
- 価格の違い
新しく街乗り用の自転車を購入する際、上記の違いを良く理解した上で、用途にあった車種を選びましょう。
車体の違い
ママチャリしか乗ったことがない人が、初めてクロスバイクへ乗ると、あまりの軽さに衝撃を受けますね。それほど、クロスバイクの車体は軽いのです。
一般的にママチャリの重量は20kg前後であり、クロスバイクは12kg前後なので、半分近くも違う。そのため、クロスバイクは両手でいとも簡単に持ち上げれますが、ママチャリはかなりしんどいですよ。
その違いが走りの軽さにも表れてきますので、自転車にとって軽さは最重要な要素になります。
主にクロスバイクのフレームは、アルミなどの軽量素材を使っていることが多く、ママチャリは重量の重い鉄製が多い。
高価なママチャリではアルミを使ったりしていますが、クロスバイクと比べて頑丈に作られていますので、重量は重くなりがちです。
また、ママチャリは前カゴやキャリヤ、フェンダー(泥除け)、スタンド、チェーンカバーなど初期装備が多く、更に重量が重くなる傾向がある。
これは道を走る以外に、買い物など日常生活への利用を前提にしているため、装備品が多くなるのは仕方がありません。
クロスバイクは、通勤通学やサイクリングなど移動がメインなので、ママチャリのような初期装備は必要ないですね。それが、重量の差として表れ、走りの軽さとして実感できます。
クロスバイクでも後付けで、前カゴやフェンダーなどを装着できますが、わざわざ走りの軽さを失ってまで行う人は少ないですね。
【自転車のアイテム紹介(その1)】
自転車には役立つ便利なアイテムがたくさんありますね。下記記事では、そんなアイテムを紹介します。
タイヤやホイールの違い
ママチャリのホイールは、26インチや27インチと呼ばれるサイズが普及しており、タイヤ幅が33~37mmが多いですね。
クロスバイクでは、700Cと呼ばれているホイールサイズにタイヤ幅が28C(28mm相当)~35C(35mm相当)が良く使用されています。
このことから分かるように、ママチャリよりクロスバイクの方がタイヤの幅が細いです。
タイヤ幅が細くなることで、空気圧が高くなってくる。その影響で、タイヤが固くなり転がり抵抗が低くなるため、小さな力でペダルを漕いでも軽く走れます。
また、クロスバイクのホイールは、ママチャリと異なり、小さな力でも快適に走れるよう軽く作られている。なので、ペダルの漕ぎ出しや回転の維持は、明らかな違いを感じます。
多段ギアの違い
ママチャリは変速ギアが付いていなかったり、たとえ付いていたとしても3~7段と少なく、クロスバイクの16段以上と比べて圧倒的に変速ギアの段数が少ないです。
ママチャリのギアは、内装変速機が主流。停止中でもギアの切り替えができて、頻繁なメンテナンスが不要なのはメリットですね。しかし、チェーンの伸びを自動的に調整しないため、チェーンのたるみを張り直す作業が必要となる。
クロスバイクでは、外装変速機が主流なので、フロント側が2~3段、リア側が8~12段とギアの段数が多いのが特徴です。
尚、外装変速機は、チェーンが少し伸びたとしても自動的にたるみを調整する機能があります。ただし、調整機能にも限度があることを忘れないように。
ギアの数が多いと、それだけ道路状況に合わせて快適に走れるギアに切り替えることができる。つまり、道路の勾配に合わせて適切なギアを微調整できるメリットは、図り知れません。
クロスバイクで一番軽いギアで坂道を上ると、ママチャリとの走りの違いに感動するでしょう。ママチャリと違って、軽いギアに入れることで、脚力に自信がない人でも、ゆっくりと坂道を上れるのは嬉しい限りです。
スピードの違い
クロスバイクとママチャリでは、これまで話してきた「車体の違い」「タイヤやホイールの違い」「多段ギアの違い」から自転車としての走りの軽さが全く異なります。
そもそもフレームの設計思想から異なっているため、別物と感じてしまう。
走りが軽いということは、それだけスピードを出すのに適しており、クロスバイクは多段ギアを駆使することで、平坦路を巡航速度20~35km/hで走れます。
ママチャリでは、巡航速度20km/hで走るのは不可能ではありませんが、継続して走り続けるのはかなりしんどいでしょう。一般的にママチャリで平坦路を走る巡航速度は、12~18km/hぐらいですよ。
これでは、ママチャリしか乗ったことがない人が、初めてクロスバイクで走り、その異次元の違いに驚嘆するのは当然の結果です。
クロスバイクは、ママチャリと比べて重量が軽く、多段ギアの恩恵をフルに発揮できるため、効率良く楽に速く走れる。
そもそもママチャリは、スピードを求める乗り物ではありませんので、スピードを求めるならばクロスバイクを乗りましょう。
価格の違い
ママチャリは、価格が安い物なら1万円代から買えますし、高い物でも3~5万円もあれば非常に品質及び性能の良いママチャリを購入できます。
クロスバイクは、使っている部品の性能や素材、フレームの素材や出来栄えなどにより、価格はピンからキリまでありますね。
安い物になると3万円代から買えますが、高い物になると普通に10万円を軽く越えることも。30万円代のクロスバイクもあるので、スポーツ系自転車は価格が高い物が多いです。
初めてクロスバイクを購入するならば、3~5万円程度の物で十分サイクリングを堪能できます。
クロスバイクでスピード感に目覚めると、ある日クロスバイクでは物足りなくなって、ロードバイクを買ってしまうのが良くあるパターンなので、初めから高級クロスバイクを購入するのはやめた方が無難です。
ママチャリがクロスバイクより優れているところ
これまでクロスバイクとママチャリの違いについてお話してきましたが、ただ道路を走るだけではクロスバイクの方が圧倒的に優れています。
本来ママチャリの役割は、ただ道路を走るだけではありません。そこで、ママチャリが優れているところを、以下にまとめました。
- 日常の足として使える
- 初期装備が充実
それぞれについて説明します。
日常の足として使える
通勤・通学ではママチャリを利用している人は多いです。
クロスバイクでも十分に通勤・通学で利用できますが、ママチャリには前カゴが付いていますので、カバンなどの荷物を運べるのは大きなメリットです。
また、子供を乗せて走れるタイプのママチャリもあり、日常的に頻繁に使用されることを想定し、非常に頑丈にできています。
更に初期装備として、スタンドが付いていますので、駐輪が楽なのもメリットになります。
クロスバイクによっては、前カゴを付けたりできますが、重量が重くなることで軽快な走りが軽減されるよ。
初期装備が充実
ママチャリは、「前カゴ、フェンダー(泥除け)、ライト、リフレクター、スタンド、鍵」などが初めから装備されており、コスパが非常に良い。
これらの装備は、公道を走るために必要なものばかり。なので、ママチャリは、購入すれば直ぐに公道を走れます。
もし、クロスバイクでこれらの装備をあえて取付けようとすると、全て後付けになる。それだけ費用がかさみますね。
クロスバイクとママチャリの比較結果
ここまで説明した内容で、クロスバイクとママチャリの違いを、以下にまとめました。
項目 | クロスバイク | ママチャリ |
---|---|---|
重量 | 12kg前後 | 20kg前後 |
ホイール | 700C | 26インチや27インチなど |
タイヤ幅 | 28C(28mm相当)~35C(35mm相当) | 33~37mm |
多段ギア | 16段以上 | ギアがないか3~7段 |
巡航速度(平坦路) | 20~35km/h | 12~18km/h |
価格 | 3万円~数十万円 | 1~5万円代 |
まとめ
ママチャリでサイクリングを楽しむことは、工夫次第で十分対応できますが、性能的にクロスバイクにはかないません。
しかし、通勤・通学や買い物などの日常の足としては使い勝手が良く、長く乗り続けられます。そのため、クロスバイクとママチャリは、適材適所に乗り換えて使用しましょう。