桃太郎のお話は、日本人ならばほとんどの人が知っていますね。そのお話に出てくる鬼ヶ島が実在すると言えば信じますか。
瀬戸内海には、桃太郎伝説の鬼が住んでいたと言われている女木島(めぎじま)が浮かんでいます。
この島は「鬼ヶ島」とも呼ばれており、何だか恐ろしいイメージがありますが、決してそんな事はありません。
360度の青い海が見渡せる小さな島で、島特有のゆったりした時間が流れており、特に桜シーズンでは、島の至るどころでピンクの花びらが咲き誇る、そんな景観の美しさに目を見張る島なのです。
本記事では、桜シーズンにサイクリングしながら女木島の見どころを紹介します。
女木島とは
女木島(めぎじま)は、香川県高松市から北へ約4kmの沖合に浮かんでいる周囲約9kmの小さな島です。
島民のほとんどが、女木港周辺の東浦地区に集住しており、西浦地区にも集落がありますね。
かつて島の女性たちが、頭上に重い荷物をのせて運ぶ「頭上運搬」が当たり前のように見られていました。
漁業と段々畑による畑作を中心とした半農半漁の島であり、島のほぼ中心部には、標高187mの鷲ヶ峰(わしがみね)が座しています。
その鷲ヶ峰の山頂直下には、鬼が住んでいたと言われている鬼ヶ島大洞窟があり、観光スポットとして外せません。
また、3年に一度開催される瀬戸内国際芸術祭のアート作品が展示される島の一つでもあります。
【瀬戸内海の島旅】
瀬戸内海には、女木島を含む約700の島がありますね。その島の中には、サイクリングが楽しめる島々がありますので、下記記事で紹介します。
女木島のアクセス
女木島(めぎじま)の行き方は、JR高松駅から約10分ほど歩いたところにある高松港からフェリーで向えます。
女木島までの運賃
- 片道:大人370円、小人190円
- 往復:大人740円、小人390円
- 大人は中学生以上、小人は小学生
- 尚、自転車やバイク、車を乗せる場合は更に運賃がかかります。(自転車の場合は、片道340円、往復680円)
こちらは、フェリーの時刻表です。海路は「高松港⇔女木港⇔男木港」となっており、日に6本しかフェリーはありませんので、乗り遅れないように。
特に女木島と男木島(おぎじま)の両方を観光する場合は、高松までの往復切符をまとめて購入できないため注意が必要です。
つまり、往復するためには、最低でも以下のように3回の乗船券を購入しなくてはなりません。
- 高松港で女木島行きの乗船券を購入
- 女木島で男木島行きの乗船券を購入
- 男木島で高松行きの乗船券を購入
高松港から女木島までは、20分程度で到着しますので、短い船旅を楽しみましょう。
観光の拠点となる「おにの館」
フェリーで女木島へ近づくにつれ、独特な景観をした建物が見えてきます。この建物は、観光案内所になっている「おにの館」です。
ここを起点にすると何かと便利ですので是非、立ち寄りましょう。
女木島での主な交通手段は、以下の3つになりますが、私のお勧めはレンタサイクルです。
女木島の交通手段
- バス
- レンタサイクル(電動アシスト付き自転車)
- 徒歩
また、おにの館で女木島の情報を収集したり、食堂もありますので腹ごしらえもできます。
更に鬼ヶ島大洞窟へ向かう定期バスも出ていますので、活用しましょう。
おにの館
- 住所 香川県高松市女木町15-22
- 電話番号 087-873-0728
- 営業時間 8:00~17:20
- 定休日 無休
- ※館内には食堂もあります。
レンタサイクルを借りよう
おにの館では、沢山のレンタサイクルが用意されていますので、電動アシスト付き自転車を借りましょう。
レンタサイクルの料金は1,500円で、返却は17時頃までとなっています。館内にあったレンタサイクルを見てみると、ほとんど電動アシスト付き自転車でした。
女木島の内陸部は、坂が多いため電動アシストが無いと大変です。
特に鬼ヶ島大洞窟の道のりには、急勾配が続いており、斜度10%を越えています。
是非、訪れたい女木島の観光スポットを紹介
鬼が棲んでいた「鬼ヶ島大洞窟」
女木島には、紀元前100年頃に作られたと言われている大きな洞窟があります。
洞窟の近くには、入洞券売り場がありますので、そこで入洞券を購入して中へ入りましょう。
広さは4,000平方メートル、奥行きは400mもあり、洞窟内は想像以上に広く、足元がゴツゴツしていないため歩き易いですね。
この洞窟の中には、桃太郎伝説の説明や瀬戸内国際芸術祭の作品(鬼瓦)が展示されていました。
多くの鬼の人形や鬼の住処ならではの趣向(宝庫や監禁室など)がありますので、お見逃しなく。
尚、鬼ヶ島大洞窟の詳細については、下記関連記事で紹介します。
【サイクリストの管理人の一言】
自転車で鬼ヶ島大洞窟へ向かう道中は、急勾配の激坂を上らなければなりません。そこで、坂道を楽に上るコツや電動アシスト付き自転車について、下記記事でお伝えします。
鷲ヶ峰展望台でパノラマ絶景を堪能
先ほど紹介した鬼ヶ島大洞窟の周辺から鷲ヶ峰(わしがみね)展望台へ向かえます。
この展望台は、鷲ヶ峰の山頂に設置されており、そこへ向かう道中には、遊歩道が整備されていました。
鬼ヶ島大洞窟の出口から約5分ほど歩くと、目の前に展望台が見えてきます。
尚、桜シーズンに訪れると、至るどころで桜が咲き誇り、気持ち良く散策できますね。
こちらが展望台からの景色です。
青い穏やかな海はもとより、本州や四国、瀬戸内海に浮かぶ小さな島々を一望できる360度のパノラマ絶景を堪能しましょう。
鷲ヶ峰展望台
- 住所 香川県高松市女木町2633
- 電話番号 087-840-9055(鬼ケ島観光協会)
【海の絶景を紹介】
鷲ヶ峰のように高いところから見渡した海の絶景は、とても美しいですね。下記記事では、そんな絶景を紹介します。
女木港周辺はアート作品の溜まり場
女木港周辺には、様々なアート作品がお出迎えしています。フェリーが女木港へ到着して、まずお目にするのがカモメのオブジェたち。
一体何百羽いるのでしょうか。しっかり数えた訳ではありませんが、約300羽いそうです。
風が吹くと、一斉にカモメの向きが変わるのもGood。
このカモメのオブジェは「カモメの駐車場」と呼ばれています。
カモメのオブジェがあるのは、堤防だけでなく、女木島の観光拠点となる「おにの館」にも見て取れますね。
また、堤防の端には、大きな鬼が島へやって来る人間を監視していました。
こちらは、おにの館の隣りに立っていたモアイ像。
イースター島にある本物のモアイ像と同じ凝灰岩で造られており、重さはなんと10.8トンもあるとか。
ずっとこの地で、女木島の集落を見守り続けているのでしょう。
折角なのでカモメとモアイ像のツーショット写真を撮影。
うん、中々良い出来です。(自画自賛)
こちらは、モアイ像の傍にあった船のオブジェ。「20世紀の回想」と呼ばれるアート作品です。
一見漂流船にしか見せませんが、船の後ろはピアノとなっており、まったくユニークな作品ですね。
女木港周辺には、本記事で紹介したような沢山のアート作品がありますので、じっくり見学していきましょう。
島の守り神「住吉神社」へ行こう
女木島の集落の外れには、島の守り神を祀る住吉神社があります。
大変ロケーションが良く、集落と海が同時に眺められる癒しスポットですね。
この神社では、島の神様に捧げる女人禁制の住吉神社大祭が2年に1度開かれています。
今もなお、古くから伝わる伝統を守り、隔年で男木島と女木島で交換しながら行う、島ならではの習俗を色濃く残しているお祭りとか。
大祭2日目のクライマックスでは、1tを越える太鼓台を担いだまま、海の中へ入るそうです。
全くスゴイとしか言いようがありません。
しかし、後継者不足に悩まされているようで、このままでは、お祭りの存続もピンチだとか。
古くから受け継がれてきた伝統ある希少な文化なだけに、今後も続けて欲しいですね。
住吉神社
- 住所 香川県高松市女木町1385
美しい白浜ビーチ「鬼ヶ島海水浴場」
女木港から5分ほど歩けば、鬼ヶ島海水浴場へ辿り着きます。
この海水浴場は「海水浴場百選」に選ばれており、弓なりの形をした美しい白浜が特徴です。
晴れた日に、恋人と一緒に白浜を歩くと実に絵になりますね。
また、夏には、海の家が立ち並び、多くの海水浴客で賑わいます。
併設された松原キャンプ場で、バーベキューを楽しみながら、海のレジャーを楽しみましょう。
鬼ヶ島海水浴場
- 住所 香川県高松市女木町
- 電話番号 087-840-9055(鬼ケ島観光協会)
桜並木の先にある女木島灯台
女木港から女木島灯台へ向かう道には、桜並木が連なります。
桜の花びらが舞う道を自転車で走り抜けましょう。
途中から歩いて灯台へ向かうことになりますが、距離は短めです。
灯台を下から見上げると、想像以上の大きさに驚きました。
高さは約10mほどあり、残念ながら中へは入れません。
女木島周辺では、フェリーや貨物船などが頻繁に行き交いますので、この女木島灯台の役目は重要です。
海の向こうには、高松市の市街地が一望できますので、座りながら灯台に背をあずけ、穏やかな瀬戸内海を眺めるのは至福の一時ですね。(嬉)
「オーテ」と呼ばれる石垣
女木港周辺には、見事な石垣が並びます。
この石垣は「オーテ」と呼ばれており、秋から冬にかけて強い季節風が吹く女木島では、潮風や季節風から家屋を守るため造られました。
オーテの中は、細かく迷路にようになっており、不均一なオーテの外観は、女木島特有の雰囲気を感じさせます。
女木島の文化に触れ合うためにも、じっくり見学していきましょう。
お姫様の霊がこもっている「俵石」
女木島には、大きな巨石を祀っているスポットがありました。それが「俵石(たわらいし)」です。
この石は、周囲約10mの俵の形をしており、お姫様の霊がこもっていると伝えられています。そのため「琴姫大明神」とも呼ばれているとか。
聞いたところによると、俵石周辺の木を無断で切ると祟りがあるそうで、木を切る前には、この俵石に「おことわり」をする習わしがあります。
また、俵石周辺を通過すると、どこからとなく琴を引く音が聞こえてくるそうです。
残念ながら、私にはそんな音は聞こえませんでした。
尚、俵石へ向かうには、急勾配の山道を上る必要があり、途中で小さな案内板があるのでお見逃しなく。
【巨石の紹介】
俵石のように、巨石は信仰の対象になっていたりしますね。旅先で目撃したそんな巨石を下記記事で紹介します。
サイクリング中で見かけた女木島の風景
自転車でサイクリングしながら眺めた女木島の風景を紹介します。
女木港を出発し、反時計回りで島を一周するサイクリングのスタートです。
鬼ヶ島海水浴場に敷かれた石畳の道を走りながら、横目で瀬戸内海の景色を楽しむ。人によっては贅沢な時間の使い方と感じるのではないでしょうか。
近くには、宿泊施設の「UMIYADO鬼旬」があるので一泊するのも良いでしょう。
こちらは、西浦地区の風景。
時間がゆったり流れていることを感じ取れます。
桜が咲き誇る山道を上っていくと、山の頂上に何か人工物のような物が・・・
カメラをズームして確かめて見ると、像であることが分かりました。
後から調べてみると、この像は日蓮聖人の銅像であることが判明。
なんでもこの銅像は、京都伏見の宝塔寺に建立したそうです。
こちらの銅像は、島の至るどころで目撃する小鬼。サイクリング中に何回目撃したのか忘れました。
島中に美しい桜が咲き誇っているため、桜シーズンのサイクリングは心躍ります。
こちらは東浦地区で見かけた壁絵です。クオリティが高くてビックリ。
可愛らしい鬼の子供が遊んでいる絵に和みます。
また、女木島の全体図が良く描かれており、ちょっとスゴクないですか。
女木島を一周して再び女木港へ辿り着きました。
サイクリングをしながら、本記事で紹介した数々の観光スポットへ立ち寄り、女木島の魅力をたっぷり堪能。
有意義で楽しい時間を過ごせました。
是非、女木島へ訪れた際は、サイクリングを楽しんでみませんか。
まとめ
女木島は、かつて鬼が住んでいたと言われる周囲約9kmの小さな島です。
島の至るどころに見どころが点在しており、サイクリングをしながら見て周るのが面白いですね。
鬼ヶ島大洞窟や鷲ヶ峰展望台、女木港周辺のアート作品などがお勧めですのでお見逃しなく。
女木島の穏やかな雰囲気を感じながら、ゆったりした時間を過しましょう。