ロードバイクでサイクリングに出かけていると、平地だと速く走れるのにヒルクライムになると、極端に遅くなり息が上る経験をした人も多いでしょう。
平地とヒルクライムでは、ペダリングのやり方が違っていて、坂道を楽に速く駆け上りたい場合は、ヒルクライムに適したペダリングを覚えた方が有利です。
苦手な坂道を克服するためにも、効果的なペダリングスキルをマスターすれば、坂道を上るのが好きになるかも知れません。
本記事では、ロードバイクでヒルクラムに適した効果的なペダリングについてお伝えします。
ペダリングスキルと坂道を上るコツを掴めばヒルクライムが好きになる
ロードバイクでは、回すペダリングが基本になりますが、同じ回すペダリングでも平地とヒルクライムでは、若干異なります。
そもそもヒルクライムは、重力に反して坂道を上るため、スピードが低速になったり、車体が傾いたりしますね。
そのため、平地と全く同じペダリングでは、効率が良い訳がありません。
また、例えヒルクライムに適したペダリングスキルを身に付けたとしても、勾配がキツクなればペダリングが乱れたりする恐れがあります。
ペダリングスキルだけでなく、適切なギアを選択したり、ペース配分を考えたりしながら坂道を楽に駆け上がる方法も同時に身に付けましょう。
そうすれば、苦手なヒルクライムもいつの間にか好きになっていたりします。
ペダリングの基本とは
ロードバイクのペダリングは、「漕ぐペダリング」と「回すペダリング」がありますが、重要になってくるのが「回すペダリング」です。
「回すペダリング」により、足のパワーを効率よく推進力に変えることができるため、下図のように常にきれいな円を描けるよう、ペダルにパワーをかけ続けれるようになりましょう。
尚、くわしくは、下記関連記事で紹介します。
平地と異なるヒルクラムの特徴
坂道では、ギアを軽くしてもペダルを回すのが重く感じたりしますね。
特に心肺機能を鍛えていなければ、軽いギアをクルクル高速で回し過ぎると、直ぐに息切れしてしまいます。
そのため、十分なトレーニングを積んでいなければ、必然的にローケイデンスにならざる得ません。
坂道を上っていると、平地と比べてスピードがかなり遅くなり、ロードバイクのバランスも取りづらくなってくるため、バイクコントロールの技術が求められます。
また、坂道では車体が傾くため、重心が後方へ移動してしまいますね。
これは勾配が大きくなればなるほど、顕著になっていきますので、平坦と比べて前よりに重心を持ってくるよう意識しましょう。
ヒルクライム用のペダリングについて
ヒルクライム用のペダリングは、基本は平地巡行時のペダリングと同じです。
しかし、平地と坂道では勾配が全く異なるため、それに対応したペダリングが必要になってきます。
軽いギアを使って、楽にある程度速くペダルを回す必要があるため、お尻を使って太腿(ふともも)を動かすイメージでペダリングするのが大事です。(詳しくは後述しますね。)
特に踏み足は、0時~3時の位置で大きく力を入れます。
また、車体が傾く分、重心を前方へ移動し、ペダルの上へ持っていかなければなりません。
尚、疲れてくると、自然にカカトが下がってきますので、つま先より下がらないよう注意しましょう。
【ロードバイクの初心者】
ペダリングスキルは、ロードバイクを始めた初心者の内に身に付けておくと上達が早いです。そこで下記記事では、ロードバイクの初心者向けのアドバイスをお伝えします。
勾配がキツクなるとペダリングが乱れる原因
勾配がキツクなると、より踏み足に力を入れていませんか。
すると、いつの間にか「回すペダリング」ではなくなり、「漕ぐペダリング」になっているのです。
「漕ぐペダリング」では、ペダリング効率が非常に悪く、足のパワーがあまり推進力になりません。
踏み足の力を意識すればするほど、逆効果になってきますね。
坂道での筋肉の使い方や、基本的なペダリングが十分に身に付いていない可能性が高いため、今一度自分のペダリングを見直してみましょう。
ペダルに体重をのせて出力を上げる
ヒルクライムのペダリングでは、自分の体重を使って踏み込むとより効果が大きいです。
筋肉のみでは疲れてしまうため、ヒルクライムでは体重を上手く使えるように練習しましょう。
ここでポイントになるのが「重心」です。
ペダルの位置が0時にある時に、重心をペダルの真上に持ってくるイメージで体重をかけると、より大きな力がペダルにかかります。
その際、肩を揺らしたり、背中を丸めたりしないよう注意して下さい。
背中を丸めると、背筋が使えなくなったりするだけでなく、ロードバイクのバランスが取りづらくなります。
胸を開き、おへそをステムへ近づけ重心を前方へ移動して、体重を乗せたペダリングを行ないましょう。
太腿裏側の筋肉(ハムストリングス)の活用
ヒルクライムでは、お尻を使って太腿(ふともも)を動かすイメージでペダリングをしていきます。
特に太腿の裏側の筋肉、所謂「ハムストリングス」を活用すると、力強くペダルの踏み込みができますね。
このハムストリングスを上手に使う方法は、以下の2点です。
- 股関節を伸ばしたり、広げたりする事を意識する
- 骨盤を前傾させ、おへそをステムへ近づける
長いヒルクライム終了後に「太腿の裏側が疲れているな」と感じたならば、上手に使えている証拠です。
注意点として、骨盤を後ろにした状態で、太腿を持ち上げると、股関節を使った感じがしますが、実際には使えていないため、骨盤は後ろへ倒れないよう意識しましょう。
楽にヒルクライムを楽しむコツ
ペダリングスキルは重要ですが、それ以外にも楽に坂道を上るために身に付けておきたい技術があります。
そこで、ペダリングスキルと一緒に以下にまとめた内容(技術)を実践しましょう。
- 軽いギアを活用する
- ペース配分を意識する
- ペダルを回しやすい姿勢を保つ
- 引き足を使う
- 上ハンドルを使い頭を下げない
- サドルの前側に座る
- 複式呼吸を使う
- 適度に休むダンシングを取り入れる
上記に挙げた技術を身に付けることで、今以上にヒルクライムが楽になるため、坂道を上るのが楽しくなりますね。
尚、効果については個人差がありますが、少なくとも今以上に楽に上れるようになるのは間違いありません。
これらの技術の詳細については、下記関連記事で紹介します。
ヒルクライム用のペダリングが上達するトレーニング
ペダリングが上達するトレーニングは、至ってシンプルで、基本的には坂道を上るだけです。
勾配が4~5%程度の坂道を、3~4km/hの低速で上りましょう。
その際、ギアは軽くし、ダンシングはせず、シッテングのみで上ります。
低速で坂道を上るには理由があって、低速で走ると言うことは、前へ進む慣性が働かないので、スムーズなペダリングが出来ていないと上手く前へ進めない訳です。
そのため、正しいペダリングを身に付けるためには、うってつけのトレーニングになります。
坂道を低速で走り、ギクシャクした走りになるならば、それは正しいペダリングが出来ていない証拠。トレーニングを積んでスムーズな走りになれるよう改善しましょう。
ヒルクライムに強くなるために効果的なペダリングを覚えよう
平地とは違ったヒルクライム用のペダリングを身に付ければ、今まで以上により速く坂道を上れるようになれます。
ポイントとなるのが、重心の位置とハムストリングスの使い方です。
緩い坂道でしっかりトレーニングを積んで、ヒルクライム用のペダリングを身に付けたら、更に大きな勾配の坂道でチャレンジしてみて下さい。
キツイ勾配でもスムーズなペダリングが出来てくると、自分がヒルクライムに強くなっているのが実感できます。
【ヒルクライムを堪能】
日本の国土は地形学上、峠や山が多いですね。そのためヒルクライムを楽しむ場所に事欠きません。下記記事では、ヒルクライムのレポートを紹介します。