町中でママチャリを見かけると、主に2種類のハンドルがあることに気が付きませんか。
また、ハンドルの色が白(光沢又は無光沢の銀色)や黒に分かれていることも。
そこで「ママチャリには、どうして全く形状が違うハンドルがあるのかな」「色違いに意味があるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
実は、ハンドルの種類により、乗りやすさが変わってきます。
そのため、あなたの用途に合ったハンドルを選ぶことが大切ですよ。
本記事では、ママチャリで使用されるハンドルの種類と選び方、色の違いについて説明します。
ママチャリのハンドルは用途によって選ぶ
新しくママチャリを買う時に、ハンドルの形状について気にしていない方もいるでしょう。
良く見かけるハンドルは、手前に曲がっているタイプ。
多くの人がママチャリと聞いて、思い浮かぶタイプではないでしょうか。
もう1つ見かけるタイプは、形状がフラットなもの。
つまり、大きく分けてママチャリには、2種類のハンドルがあります。
手前に曲がっているタイプを「セミアップハンドル」といい、フラットバーのタイプを「オールランダーハンドル」という。
近年、あまり見かける機会が少なくなりましたが、セミアップハンドルの中には、よりハンドルが長い「カマキリハンドル」もありますよ。
ハンドルの種類を整理すると以下のようになります。
また、特に気にしていない人が多いと思いますが、ママチャリの色に注目してみると面白いかも。
よく見てみると、ママチャリのハンドルには、白色(光沢又は無光沢の銀色)と黒色の2種類がある。
実はこれ、表面処理の種類によって色が違っているのです。
ママチャリに限った話ではありませんが、自転車のパーツには、素材のままだと腐蝕して耐久性が低下したりするため、表面処理が必須になります。
鉄やアルミなどの素材には、表面処理をされるケースが多いですよ。
反対に表面処理されない素材と言えば、チタンが多いですが、ママチャリの素材に高級素材チタンを使った物は聞いたことがないかも。
ロードバイクでは、チタンフレームがありますが、主流はカーボンですね。
ハンドルの形状選びは、あなたがママチャリを使う用途によって選ぶと失敗しません。
これを間違えてママチャリに乗り続けていると、後から不満がタラタラに。
そうならないためにも、ハンドルの種類と選び方について知っておきましょう。
ハンドルの種類による特徴と選び方
セミアップハンドルやオールラウンダーハンドル、カマキリハンドルの特徴が分かれば、どういう用途に向いているのか判断できますね。
そこで、それぞれのハンドルの特徴と選び方について説明します。
セミアップハンドル
セミアップハンドルは、ハンドルの形状が2箇所曲がっており、自転車に乗ると、手が楽に添えられるよう手前に伸びています。
自転車には、ゆったりした自然体で乗れるため、低速でも安定性は抜群。
これは、体が中心にくるため、バランスが保ちやすいから。
前カゴや荷台に荷物を載せる機会が多い、買い物用のママチャリには打って付けといえるでしょう。
また、安定性の高さからチャイルドシートを取り付け、小さなお子さんを乗せる場合もお勧めです。
しかし、オールラウンダーハンドルに比べると、重心が後ろ寄りになるのは仕方がありません。
つまり、上り坂を走る際はペダルに力が伝わりにくく、勾配がきつくなるほど大変。
更に走りに安定性が増す分、スピードが出しにくいデメリットもありますよ。
そのため、平地でゆっくり走る場面に優れた働きをしてくれます。
これまでの話をまとめると、セミアップハンドルを選ぶのは、以下に該当する人です。
- 買い物など荷物を載せる使い方が多い
- チャイルドシートを取り付けて、子供の送り迎えに使う
- 平地をゆっくり走り、安定性を求める
あなたが、これらに該当するならば、迷わずセミアップハンドルを選んで下さい。
オールラウンダーハンドル
オールラウンダーハンドルは、ステムからほぼ水平になっている、いわゆるフラットバーのタイプです。
自転車に乗ると、わずかですが前傾姿勢になるため、ハンドルに力が込めやすい。
そのため、重心がやや低めとなり、スピードが出しやすくなります。
また、上り坂でもセミアップハンドルと比べて上りやすいですね。
このような特徴があるため、通勤・通学など3km以上の比較的長距離を乗る場合に向いているハンドルと言えるでしょう。
セミアップハンドルと比べるみれば良く分かるのですが、前傾姿勢になる分、安定性が低くなるのは仕方がありません。
また、ハンドル幅は、セミアップハンドルよりも広いです。
更に見た目がスタイリッシュなママチャリが多いので、若者に人気があるという。
これまでの話をまとめると、オールラウンダーハンドルを選ぶのは、以下に該当する人になります。
- 通勤・通学など比較的長距離(3km以上)を走る
- 坂が多い地域を走る
- スピードを出して走りたい
あなたが、これらに該当するのであれば、オールラウンダーハンドルを選んで、後悔することは少ないでしょう。
【自転車で通勤・通学する場合の注意点】
通勤・通学で自転車を利用する際、下記記事で紹介する内容に気を付けましょう。
カマキリハンドル
カマキリハンドルの特徴は、セミアップハンドルと同じです。
セミアップハンドルより長いハンドルを「カマキリハンドル」と呼んでいます。
尚、カマキリハンドルは正式名称ではなく、俗称ですね。
これは、その昔、ブリヂストンが販売した「カマキリ」という一世を風靡した自転車が由来。
大胆なアップハンドルとシンプルなデザインで、当時の中高生を中心に絶大な人気を誇りました。
1980年代に販売された自転車なので、今の若い人は知らないかも。
もし見かける機会があれば、上品な佇まいに見惚れるかも知れません。
ちなみに、今でもAmazonや楽天などでカマキリハンドルの購入はできますよ。
ママチャリのハンドルで使用している材質の違い
ママチャリのハンドルで使用されている主な材質は、鉄(スチール)・アルミ・ステンレスの3つです。
材質により、特徴が異なるので押さえておきたいポイントになります。
安いママチャリでは、鉄を使っている物が多いですね。
鉄が悪いと言いませんが、出来ればアルミかステンレスを使いたいもの。
材質の特徴を知れば、そう思うのも無理はありません。
以下にそれぞれの材質の特徴をまとめました。
材質 | 価格 | 錆びやすさ | 耐久性 | 重量 |
---|---|---|---|---|
鉄 | 安い | 錆びやすい | 高い | 重い |
アルミ | 高い | 錆びにくい | 普通 | 軽い |
スレンレス | 高い | 錆びにくい | 高い | 重い |
価格を重視するならば、鉄一択です。
ママチャリを長く使い続けるためにも、個人的には錆びにくいアルミかステンレスをお勧めします。
ハンドルには白と黒の2種類の色がある
ハンドルには、白色と黒色の2種類があることにお気づきですか。
これは表面処理をしているから、そのような色になります。
自転車のパーツは、素材のままで使うことが少なく、大抵は表面処理をしているもの。
ハンドルも例外ではありません。
表面処理をすることで、耐食性などが大幅に向上します。
つまり、錆にくくなる訳です。
白色(光沢又は無光沢の銀色)に見えるのは、表面処理に「クロムメッキ」や「ニッケルメッキ」を施した場合。
これらのメッキは、非常に膜厚が薄く、硬度が高いため、衝撃などに生じる剥離や傷に強いと言える。
更に耐食性にも優れており、汚れが目立ちにくい。
本当に良いこと尽くめですね。
また、黒色に見えるのは、表面処理に「カチオン塗装」や「黒色亜鉛メッキ」を施した場合が多いですよ。
カチオン塗装では、メッキと比べて膜厚が厚いので耐食性に優れている。
しかし、硬度が少し低いため、衝撃などで剥離や傷の発生がしやすいかも。
また、汚れが目立ち易いのが難点です。
それでも耐食性は、ほぼ白色の表面処理と同等なので、大きな違いはありません。
ハンドルの色が白色と黒色では、ママチャリを見た時の印象が違ってきます。
どちらを選ぶかは、乗り手の判断次第でしょう。
まとめ
ママチャリで使用されているハンドルについて紹介しました。
主に使用されているのは、セミアップハンドルとオールランダーハンドルの2つだけです。
どちらのハンドルを使うかは、ハンドルの特徴で考えれば間違えたりしません。
その他にも材質や色の違いなど見るべき点がありますね。
ハンドルの形状により、乗り心地にも影響を与えるため、あなたの用途にあった物を選びましょう。