自転車のブレーキは、スピードをコントロールする最重要部品です。
自転車は楽しい乗り物ですが、公道を走るため安全運転を心掛ける必要がありますね。公道を走る上でスピードをコントロールできなければ、重大事故につながる可能性が高くなります。
ブレーキを使い続けていく内に、徐々にブレーキシューが擦り減ってきたり、ワイヤーが伸びたりするものだ。そんな状態を放置しておくと、ブレーキがいつの間にか効かなくなり、取り返しのつかない事態に陥るかも知れません。
そのためには、ブレーキの定期的な調整が必要になる訳です。
本記事では、ロードバイクやママチャリで使用しているキャリパーブレーキのワイヤーを調整して、ブレーキの効きを良くする方法をお伝えします。
大抵のママチャリは、前輪用ブレーキがキャリパーブレーキですね。
自転車のブレーキワイヤーの調整方法
大事なことなのでもう一度いうと、ブレーキは自転車のスピードをコントロールしている最重要部品であり、自分の命を守るためにも、常に正常稼働させていなければなりません。
そのため、ブレーキの効きが悪い自転車へ乗るのは止めて下さい。自分だけでなく、周りに迷惑をかけてしまうかも知れないですよ。
ロードバイクやママチャリで使われているキャリパーブレーキは、ワイヤーが調整できる機構が取り付いています。
その機構は、微調整まではお手軽にできるのですが、本格的な調整になると少し難しいですね。
基本的には、ワイヤーを締めたり緩めたりしながら、ブレーキシューとリムの隙間を調整します。
そこで、ブレーキのワイヤーを調整する手順を以下にまとめました。
手順2のアジャスターを回して調整が終わる場合は、手順3は必要ありません。
注意しなければならないのは、何回もワイヤーを締めて調整しているとワイヤーが潰れてしまうことも。
なので、アジャスターを回して調整するまでは、簡単にできるのでここまで覚えて、それ以外は自転車ショップにまかせてしまうのがベターでしょう。
この他にも、必要に応じてブレーキシューの位置調整を行うことで、ブレーキの効き具合が改善しますよ。
それでは、ワイヤーを調整するそれぞれの手順について説明します。
左右のブレーキシューとリムの隙間を確認
本来、左右のブレーキシューとリムの隙間は均等ですが、何かしらの原因で片方に寄っている場合があります。
この状態では、片方のブレーキシューが常にリムと接触し続けている可能性があり、自転車が軽快に進まなくなる原因ですね。
また、ブレーキシューがリムに接触自体はしていないけど、ブレーキレバーを引くと片側だけブレーキシューが接触する場合があります。そうなると、正常にブレーキの性能が発揮されず危険です。
均等な隙間がない場合は、まずはリムが振れていないか確認してみよう。
ホイールを空転させてブレーキシューとリムの隙間が、ホイールの回転中に変化しないか確認して下さい。
変化している場合は、「振れ取り」の作業を行う必要がありますが、良くわかない場合は自転車ショップで見てもらうのが一番です。
リムの振れがなければ、ブレーキ本体を両手で掴み、力を入れて左右の隙間が均等になるよう動かして調整します。
輪行していると、ホイールの脱着は良く行うね。そのため、何かの拍子で傾いて装着してしまい、隙間が均等でなくなる時があるため注意が必要だよ。
均等な隙間がない原因として、リムが振れている可能性があります。リムの振れとは、リムがゆがんでしまい、綺麗な円状になっていない状態ですね。
また、ブレーキ自体に強い衝撃を受けた影響で、正面から見てブレーキ自体が傾いているかも知れません。
【ホイールに関する話】
ホイールが振れる原因などホイールに関する話を、下記記事で紹介します。
アジャスター(調整用のネジ)を回して調整
ブレーキレバーをどれくらい引けばブレーキが効いてくるのかについては、ブレーキシューとリムの隙間により決定します。
ブレーキシューは消耗品であり、ブレーキを使い続けている内に摩耗していくため、リムとの隙間は広くなり、その都度調整する必要がありますね。
隙間の調整には、アジャスターを回して行います。
アジャスターを時計回りに回すとワイヤーは緩み、ブレーキシューはリムから離れていきます。
反対にアジャスターを反時計回りに回すとワイヤーは締まり、ブレーキシューはリムに近づいていく。アジャスターは、勢いよく回さず、少しずつ回して下さいね。
ブレーキレバーを握ってみて、自分が丁度良いと思うところで、ブレーキシューがリムに触れるように調整します。
アジャスターを反時計回りに回し過ぎると、アジャスターが外れる危険性があるため十分注意しよう。
ワイヤーを張り直して調整
アジャスターを回して調整しても、ブレーキシューとリムの隙間が広い場合は、ワイヤーの張り直しを行い調整します。
手順について以下にまとめました。
- キャリパーブレーキの横にある六角穴付きボルトを緩める。
- アジャスターを回してワイヤーを締めたり緩めたりできる回数をそれぞれ同じぐらいにする。
- ブレーキレバーを握って、ワイヤーの先端を軽く引いてたるみを取る。
- 六角穴付きボルトを締めてワイヤーを固定する。(仮締め)
- アジャスターを回して隙間を調整する。
- 再度、六角穴付きボルトを締める(本締め)
それぞれの手順について詳しく説明します。
手順1では、キャリパーブレーキの横にある六角穴付きボルトを六角レンチを使って緩めるとワイヤーが動かせるようになります。
手順2では、アジャスターを一旦いっぱいに締めて(時計回りに回し過ぎる)から、3回ほど反時計回りに回して戻す事で、締めたり緩めたりできる回数が同じくらいになるはずです。
手順3では、ブレーキレバーを握った状態で、ワイヤーの先端を軽く引いて下さい。
この時、アジャスターの入口からワイヤーがずれないよう注意しましょう。
ワイヤー先端のキャップを掴んで引くと、キャップがすっぽ抜ける可能性があるため、ワイヤー自体を直接つまもう。
手順4では、ブレーキの横にある六角穴付きボルトを六角レンチを使ってしっかりと閉めます。
尚、しっかり締めると言っても、この段階では仮締めで良いので、ワイヤーの固定力は8割程度にしておこう。
手順5では、アジャスターを回して、ブレーキシューとリムの隙間を調整します。
アジャスターを回して調整する方法については、先ほどお話しました。
手順6では、ブレーキの横にある六角穴付きボルトを六角レンチを使ってしっかりと閉めて固定します。(本締め)
しっかりと固定しないと、ブレーキをかけた時にワイヤーが抜けるよ。
ワイヤーの固定を何度も繰り返し行うと、ワイヤーがほつれたり、緩みやすくなる原因になりますね。最終的な調整ができるまでは、本締めはしない方が無難です。
ブレーキシューの位置調整でブレーキの効き具合を改善
自転車へ乗り続けている内に、ブレーキとブレーキシューの取り付けねじが緩んできてしまう場合があります。
通常は増し締めすれば良いだけですが、ブレーキーシューの位置や角度がずれた状態でブレーキをかけ続けていると、タイヤを痛めますよ。
また、ブレーキの性能が充分に発揮されません。そのため、ブレーキシューの位置調整を行う必要があります。
まず始めに、六角レンチを使って、ブレーキシューを取り付けているネジを緩めて下さい。
緩めすぎると後の作業がしずらくなるため、少しだけ緩めよう。
ブレーキレバーを引いて、ブレーキシューをリムに軽く押し付けます。
そして、ブレーキシューを動かして、リムのブレーキあたり面からはみ出さず、平行になるよう調整します。
また、ブレーキシューの上面がリムとタイヤの境目から1~2mm程度下になるようにして下さい。
ブレーキシューの位置を下にしすぎると、リムとの接触面積が少なくなり制動力が落ちますね。
また、反対に位置を上にしすぎると、ブレーキをかけ続けている内に、タイヤを痛めてしまいます。
位置出しができたら、ブレーキシューが動かないように固定して、ブレーキとブレーキシューの取り付けねじを締めて下さい。
ブレーキレバーを引いた後に、輪ゴムなどを使用して、レバーとハンドルを固定すれば、両手で作業ができて便利です。
【タイヤに関する話】
ブレーキシューの取り付け角度がおかしいとタイヤを痛める原因になることついて先ほどお話しましたが、それ以外にもタイヤが傷む原因がありますね。下記記事でその原因について紹介します。
まとめ
本記事では、キャリパーブレーキのワイヤーを調整する方法について説明しました。
最後にもう一度、ブレーキワイヤーの調整方法を以下にまとめます。
- 左右のブレーキシューとリムの隙間を確認し、リムが振れていなければ、ブレーキ本体を動かして左右の隙間が均等にする
- アジャスターを回してブレーキシューとリムの隙間を調整する(隙間の微調整)
- 隙間の微調整で改善されない場合は、ワイヤーを張り直す
自転車を乗り続けていると、ワイヤーは必ず伸びる物であり、ブレーキシューは摩耗していきます。
そのため、定期的にブレーキの調整が必要です。
ブレーキの調整作業が良くわからない場合は、自転車ショップへ持ち込んだ方が間違いがありません。
定期的にブレーキの効き具合を確かめて、安全に公道を走りましょう。