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旅の体験談

倉吉白壁土蔵群の観光、歴史ある赤瓦と白壁のレトロな町並み

倉吉白壁土蔵群

鳥取県のほぼ中央に位置する倉吉市は、古くは伯耆国(ほうきのくに)の中心地として栄えていました。

古くは江戸時代を連想させる建物が立ち並び、今でも赤瓦と白壁のレトロな町並みが残っています。

そんな町並みを眺めていると、ノスタルジーに浸れますね。

倉吉の歴史と文化が詰まった白壁土蔵群を中心とした通りを散策し、歴史ロマンを感じてみませんか。

倉吉淀屋や豊田家住宅などかつての豪商の邸宅を見学できたりして、当時の生活をよりリアルに感じられるのも嬉しい限りです。

本記事では、魅力あふれる倉吉のメイン観光スポットである「白壁土蔵群」について紹介します。

本記事は、以下に該当する人向けです。

  • レトロな雰囲気が好き、古い町並みに興味がある
  • 倉吉市でおすすめの観光スポットを教えて欲しい
  • 倉吉白壁土蔵群について知りたい

倉吉白壁土蔵群とは

白壁土蔵周辺の町歩き

倉吉白壁土蔵群(くらよししらかべどぞうぐん)とは、倉吉市を流れる玉川沿いに建ち並ぶ、江戸時代から昭和にかけて造られた町並みです。

今でも古い建物や石橋などが残り、倉吉市を代表する観光スポットになっています。

島根県石見地方で生産された石州瓦は、白の漆喰の壁と調和して、とても印象的なため、いつまでも記憶に残りつづけるでしょう。

蔵や商家を改装してお店や飲食店を営業していますので、足を運んでみませんか。

倉吉白壁土蔵群は、1998年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれました。

倉吉白壁土蔵群観光案内所でパンフレットを入手

倉吉白壁土蔵群観光案内所
倉吉白壁土蔵群観光案内所

白壁土蔵が立ち並ぶ地区へ訪れたら、まず始めに倉吉白壁土蔵群観光案内所へ立ち寄りましょう。

ここでは、白壁土蔵群の観光案内を始め、町歩きに便利なパンフレットを入手できます。

この観光案内所は、元サイダー工場だったそうで、その名残なのか建屋に「竹馬サイダー」の大きな文字が見て取れました。

そのため初見では、うっかりサイダー屋なのかと間違えそう。(笑)

大相撲に詳しい人ならばご存じかも知れませんが、サイダー工場時代に、倉吉出身の元横綱「琴櫻(ことざくら)」がアルバイトで働いていたそうです。

倉吉白壁土蔵群のマップ

こちらが、入手したパンフレット。

パンフレットには、白壁土蔵群の見どころや散策ルート、営業している商店などが分かりやすく記載されていました。

パンフレットを片手に白壁土蔵群を見て歩きましょう。

観光案内所では、有料で観光ガイドを受け付けたり、レンタサイクルや車椅子を貸出しています。また、コインロッカー(大500円・中300円)がありますので、荷物が有る方は預けて身軽になって観光へ出かけましょう。

倉吉白壁土蔵群観光案内所

  • 住所 鳥取県倉吉市魚町2568-1 赤瓦十号館内
  • 電話番号 0858-22-1200
  • 営業時間 9:00~17:00(年末年始は短時間営業)
  • 定休日 無休
  • 近くに無料駐車場有り

石州瓦をのせた白壁土蔵と建屋が立ち並ぶ町並みを歩く

玉川周辺

まずは、倉吉白壁土蔵が立ち並ぶ玉川沿いへ向かいましょう。

かつて打吹山には、お城があり、外堀として掘られたのが今の玉川です。

この玉川沿いには、江戸・明治期に建てられた建物が多く、当時の雰囲気を色濃く残しています。

倉吉白壁土蔵群の景色

そんな建物をゆっくり眺めながら散策していると、今が令和時代であることを忘れてしまいますね。

特に白い漆喰(しっくい)壁と黒い焼杉板のコントラストが美しく目を引きます。

白壁土蔵
倉吉白壁土蔵群の景色

更に屋根には、耐寒性の強い赤褐色の石州瓦が使われており、一際存在感を放っていました。

壁の上半分を漆喰で仕上げて防水機能を向上させ、下半分を焼杉板にすることで、耐火と風雨の耐久性を高めています。

先人の知恵がふんだんに盛り込まれた、雨の多い鳥取県に適した建築物ですね。

また、玉川には一枚岩の石橋が架けられており、白壁土蔵と合わせて独特の景観を醸し出していました。

鯉が泳ぐ風景

こちらの写真を見て下さい。静かな玉川では、たゆたう鯉の姿に癒されます。

また、伏せている犬の銅像も可愛らしいですね。

犬の銅像

本町通りには、山陰地方で良く見られる赤瓦屋根の建物が立ち並び、景観美を形成していました。

その中で、古い建屋や商家を改造してお店を営業している「赤瓦」は2022年6月現在、一号館から十八号館まであります。

赤瓦一号館
赤瓦一号館
赤瓦一号館

赤瓦一号館は、旗艦店であり、大正時代に建てられた醤油の仕込み蔵を改装しました。

1階は地元の特産物などのおみやげ物を販売しており、2階では地元の工芸品が並んでいます。

元帥酒造
元帥酒造本店

こちらは赤瓦七号店の「元帥酒造本店」です。

江戸時代末期の老舗の造り酒屋であり、1907年(明治40年)に皇太子(のちの大正天皇)の山陰行啓(ぎょうけい)の際、海軍軍人「東郷平八郎」は随行され、倉吉に宿泊された時に「旭正宗」を献酒したそうです。

東郷平八郎と言えば知っている人も多いでしょう。

日露戦争時の連合艦隊司令長官で、日本側の勝利を決定付けた日本海海戦では、当時世界最強と謡われていた帝政ロシアのバルチック艦隊相手にパーフェクト勝利を納め、世界の海戦史に残る快挙を達成しました。

当時の日本国民にとっては、文字通りのスーパーヒーローであり、東郷提督が元帥の称号をたまわったことにちなんで酒名を「元帥」に改銘したとか。

東郷提督が周りに与えた影響は、酒名にまで及んでいて驚きました。

琴櫻記念館
琴櫻記念館

こちらは、大相撲に興味がある方ならば是非立ち寄りたい琴櫻記念館ですね。

第53代横綱「琴櫻(ことざくら)」の写真パネルや貴重な化粧まわし、琴櫻関ゆかりの品々を展示しています。

尚、町中には琴櫻の銅像がありました。

琴櫻の銅像
琴櫻の銅像

横綱の貫禄が見て取れますね。

町中をゆっくり散策していると、自然に色々な建屋が目に留まるでしょう。

マスダ人形店
赤瓦の建物の景色

個人的には、山陰地方独特の石州瓦をのせた沢山の建物が連なる景色は、普段見慣れていないためか、白壁土蔵群と共に強く印象に残りました。

倉吉市へ訪れる機会があれば、是非、倉吉白壁土蔵群の観光をおすすめします。

【古い町並みの紹介】

倉吉白壁土蔵群のように古い町並みが観光化されているスポットは、日本各地にありますので、下記記事で紹介します。

倉吉の郷土玩具「はこた人形」

はこた人形

町中を歩いていると、特徴的な「はこた人形」を発見しました。

はこた人形は、江戸時代から伝わる倉吉で有名な郷土玩具で、子供が無事成長することを願って作られています。

はこた人形工房では、はこた人形の販売の他に顔描き体験ができますね。

興味がある方は参加してみては如何でしょうか。

どんな表情になるのかは、あなたの腕次第。

可愛らく描いてみましょう。(出来上がった物は持ち帰れます。)

はこた人形工房

  • 住所 鳥取県倉吉市魚町2529(夢倉内)
  • 電話番号 090-1185-9732
  • 営業時間 10:00~17:00
  • 定休日 水曜日
  • 【顔描き体験の料金】
    • (豆サイズ)人形代1,100円+体験代200円=1,300円
    • (小サイズ)人形代2,000円+体験代200円=2,200円
    • ※予約要(予約が入っていない場合は当日でも可)

【伝統工芸品の紹介】

古くから伝わる伝統工芸品は、後継者不足など問題を抱えていたりしますが、今後もしっかり受け継がれて欲しいですね。下記記事では、日本の伝統工芸品を紹介します。

倉吉で最古の町家建築「倉吉淀屋」を見学

倉吉淀屋
倉吉淀屋

白壁土蔵が立ち並ぶメインストリートから少し離れた所に、1760年(宝暦10年)に建築された倉吉最古の町家建物である「倉吉淀屋(くらよしよどや)」があります。

倉吉淀屋は、牧田家の旧住宅でもあり、全国的に見ても類がない屋根構造です。

倉吉淀屋の室内

主屋には太り柱や梁、垂木材が見て取れ、素朴ながら豪快な雰囲気を感じました。

こちらの帳場には、実際に座れます。机の上には、ソロバンもありますので、番頭の気分を味わってみませんか。

番頭が座る帳場

2階へ上がると、釘を使わないで作る建物の組み木が展示されていました。

組み木の展示

色んな種類の組み方があるので、見ているだけでも面白いです。

特に建築に興味がなくても、立派な大黒柱や欄間の造形など見所は多いので、楽しく見学できるでしょう。

また、綿の種を希望者には差し上げているようです。

綿の種

綿と言えば、倉吉淀屋が財を成し遂げる元となった物の一つですね。

種をまいて、綿を育てるのも楽しいかも。

そして、あなたも財を成し遂げれるかも知れません。(今の時代では難しいかな?)

倉吉淀屋の室内

かつて材木商「淀屋」は、大都会大阪で、土台を築いたのですが、江戸幕府によって全財産を没収されると言う悲惨な憂き目にあいました。

通常ならば、ここで話が終わるのですが、その後、淀屋は不死鳥のごとく復活を遂げるのです。

実は、淀屋4代目の重當(じゅうとう)は「こんな事もあろうかと」秘密裏に動いており、当時使用人の頭を務めていた牧田仁右衛門(まきた じんえもん)にある任務を託します。

その任務こそが、仁右衛門の出身地である「倉吉」で店を開かせることでした。暖簾分けという形なので、何も疑わしくありません。こうして、倉吉淀屋が誕生した次第です。

倉吉淀屋は、稲扱千刃(いなこきせんば)を製造販売し、倉吉絣とともに売り出して、爆発的なヒットとなりました。

没落して約60年後には、大阪大川町の淀屋跡地の一角に淀屋清兵衛と称する大商人が商家をかまえたそうです。この清兵衛こそが、倉吉淀屋3代目の牧田五郎右衛門の四男でした。

つまり、長い年月を経て、淀屋の再興を成し遂げたのです。

金魚づくし
倉敷淀屋で展示されていた劇画「金魚づくし」のアート作品

淀屋の終焉は突如訪れました。

1859年に倉吉と大阪の店をたたみ、残されていた資金を全て朝廷へ寄付したそうです。当時、諸外国と通商条約を結び、鎖国から開国へ時代が大きく移り変わろうとしていた矢先。

どんな思惑があったのか、今となっては知るよしもありませんが、きっと諸葛孔明のような深慮遠謀が合ったに違いありません。

倉吉淀屋を見学しながら、その深慮遠謀について考えを巡らせてみては如何でしょうか。

倉吉淀屋

  • 住所 鳥取県倉吉市東岩倉町2280-3
  • 電話番号 0858-23-0165
  • 営業時間 9:00~17:00
  • 定休日 年末年始(12/29~1/3)
  • 入館料 無料

【古い建屋の紹介】

倉吉白壁土蔵群のように古い町並みが見られるところでは、倉吉淀屋のように建屋内の見学ができたりします。古い建屋を見学した様子について、下記記事で紹介します。

倉吉の伝統的な町家「豊田家住宅」を見学

豊田家住宅
豊田家住宅

豊田家住宅は、先ほど紹介した倉吉淀屋から少し離れた所にあります。

この邸宅は、2006年(平成18年)に国の登録有形文化財に指定されており、江戸時代中期から呉服屋を営んでいました。

2階建ての母屋や中庭、土蔵、太鼓橋など一つ一つじっくり見て周りましょう。

母屋は1900年(明治33年)に建てられており、良質な面皮付き材料を使用しています。

豊田家住宅の母屋
豊田家住宅の邸内

また、天上の廻り縁も丸物であり、大工職人の腕の良さが見て取れますね。

1階にある離れには、珍しい丸く大きい明かり取り窓がありました。

丸く大きい明かり取り窓

邸内の雰囲気に良くマッチしていますね。

邸内を見学する以外にも、倉吉の歴史講談が毎日9:30~15:30の間に開催されていますので、時間がある方は聴講しては如何でしょうか。

話の内容だけでなく、張り扇の調子と臨場感ある語り口調も人気の秘密です。

豊田家住宅

  • 住所 鳥取県倉吉市西町2701
  • 電話番号 0858-23-0440
  • 営業時間 10:00~16:00
  • 定休日 無休
  • 入館料 100円(歴史講談の聴講は別途500円)

倉吉白壁土蔵群の基本情報とアクセス

住所鳥取県倉吉市新町1丁目、東仲町、魚町、研屋町周辺
電話番号0858-22-1200(倉吉白壁土蔵群観光案内所)

【アクセス】

  • JR倉吉駅より路線バス「市内線西倉吉方面行」に乗って「赤瓦・白壁土蔵」で下車後、徒歩約5分(バスの乗車時間は約12分)
  • 湯原IC、蒜山ICより車で約40分

倉吉白壁土蔵群の駐車場

白壁土蔵群周辺には、無料で利用できる駐車場が複数あります。

駐車場名住所駐車台数
琴櫻・赤瓦観光駐車場鳥取県倉吉市東仲町2571-3普通車11台
倉吉白壁土蔵群観光案内所の直ぐ近くにある駐車場
琴櫻・赤瓦観光バス回転広場鳥取県倉吉市葵町バス7台(利用時間8:30~17:00)
倉吉白壁土蔵群観光案内所の直ぐ近くにある駐車場
市役所第1観光駐車場鳥取県倉吉市葵町722普通車60台
市役所第2観光駐車場鳥取県倉吉市葵町703-4普通車200台
裁判所横観光駐車場鳥取県倉吉市仲ノ町735普通車10台
明治町観光駐車場鳥取県倉吉市明治町2-41普通車14台、バス3台(利用時間8:00~18:30)
周辺に倉吉線鉄道記念館が有り
宮川町観光駐車場鳥取県倉吉市宮川町188-9普通車49台、バス4台
(利用時間8:30~18:00)
倉吉未来中心・鳥取二十世紀梨記念館鳥取県倉吉市駄経寺町198-4普通車777台、バス13台

まとめ

白壁土蔵群は、倉吉へ訪れたらおすすめできる町歩きスポットです。

概ね40分~120分程度で観光できるので、じっくり見て周って下さい。

山陰地方で良く見られる赤瓦屋根の建物や白壁土蔵の景観美は、とても印象に残り、独特の雰囲気を醸し出していました。

倉吉市を代表する観光スポットであり、歴史と文化が詰まっていますので、散策しながら歴史ロマンを感じてみましょう。



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年齢:40代。
職業:旅人兼ブロガー。

私にとって自転車旅が一番の楽しみであり、知らない土地、景色、一期一会の出会いなど様々な体験をしました。当ブログでは、自転車旅などを通じて体験した事や訪れた絶景・観光スポットについて紹介します。また、自転車全般に役立つ情報を発信しています。

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