香川県の小豆島は、風光明媚な観光スポットが多く、多くの観光客が訪れます。
エンジェルロードのような王道と呼べる観光スポット以外にも、知る人ぞ知る穴場の絶景スポットも多く、その中の一つには富丘八幡神社(とみおかはちまんじんじゃ)の景色がある。
特に小高い丘に整備された参道から一直線に伸びる瀬戸内海を見下ろすの眺めは、思わずを息を飲むほどです。また、日本遺産に選ばれている石垣群・富丘八幡神社の桟敷(さじき)も素晴らしい。
本記事では、フォトジェニックな風景を中心に富丘八幡神社を紹介します。
富丘八幡神社とは
富丘八幡神社は、小豆島南西部に位置し、小豆島に五つある五社八幡宮の一つです。八幡山という小高い丘の上に鎮座しています。
ご祭神は、以下の通り。
- 品陀和気命(ほんだわけのみこと):応神天皇を表す
- 息長足姫命(おきながたらしひめのみこと):神功皇后を表す
- 仲姫命(なかつひめのみこと):応神天皇の皇后を表す
社伝「小豆島肥土庄別宮八幡宮御縁起」によれば、八幡大菩薩の御託宣により、応神天皇が小豆島へ訪れた跡地として伝わる塩士山(富丘)の地において、醍醐天皇延長4年(926年)に京都石清水八幡宮から分霊を迎えて奉祀しました。
【周辺の見どころ】
富丘八幡神社周辺の見どころを、下記記事で紹介します。
富丘八幡神社の行き方(アクセス)と駐車場
富丘八幡神社へ向かうルートは東西に計2つあります。
西側にある一の鳥居を抜けた先には富丘八幡神社の桟敷があり、約300段の階段を上って参道を歩いて社殿へ向かうため、見どころ満載ですね。
こちらは富丘八幡神社の桟敷前。駐車場や土庄小学校のグラウンドとして利用されているらしく、広場となっている。
富丘八幡神社の桟敷前までのアクセスは、以下の通りです。
- 土庄港から車で約10分
- 坂手港から車で約30分
- 福田港から車で約40分
こちらは国道436号線に面する東側の入口。階段はなく、急坂が約350mほど続き、社殿の近くまで車で行ける。そこには、普通車が4~5台ほど駐車できるスペースがあるので活用しよう。
ちなみに私が自転車で富丘八幡神社へ行く際によく使います。なので、サイクリストにおすすめ。
尚、こちらがその駐車スペースへ向かうルートになります。
参道から眺める瀬戸内海の景色は感動もの
富丘八幡神社の一番の見どころは、神門へ向かう真っ直ぐな参道を振り返って見えるこちらの景色でしょう。
参道から神門や本殿まで一直線に設計されていて、その先に瀬戸内海が広がっている。参道は階段であるため、細かな高低差を考慮しながらフォトジェニックな1枚を撮ることができる。
様々な角度から記憶に残る1枚を撮るのにチャレンジしてみよう。この絶景を見るためだけに訪れる価値は十分あります。
私が訪れた時期がちょうど桜シーズンだったこともあり、風に吹かれて桜の花びらが舞っている中、最高の景色を見物できました。
海に面した神社は国内にたくさんありますが、その中でも富丘八幡神社の景色はトップクラスに入ると思う。まさに唯一無二の景色といっても過言ではないだろう。
参道の先端には、ベンチが用意されており、ベンチに座りながら絶景を楽しみましょう。この場所は覧魚崎(らんぎょざき)といいます。
遠くには、エンジェルロードが良く見える。運よく干潮時だったため、砂の道がつながっているのを見られて超ラッキーでした。
こちらは、カメラのズーム機能を使って撮影した写真。
右から弁天島・中余島・小余島・大余島がハッキリ映っていますね。ずっと奥に見える特徴的な平べったい山は屋島だ。
エンジェルロードは、小豆島の観光スポットの中でもよく知られる王道の観光スポット。そのため、毎年多くの観光客が訪れます。
時間に余裕があるのでしたら、エンジェルロードと合わせて富丘八幡神社へ訪れてみてはいかがですか。
高台からエンジェルロードの全景が一望できる特別席になっています。
【双眼鏡に関する話】
富丘八幡神社は高台にあるので、双眼鏡があれば遠くの風景がより身近に感じられますね。下記記事では、双眼鏡に関する話を紹介します。
富丘八幡神社の桟敷は見応えのある石垣
富丘八幡神社には、参道からの景色とともに見ごたえ抜群な石垣の桟敷(さじき)があります。
それが土庄町指定文化財や日本遺産に選ばれている「富丘八幡神社の桟敷」ですね。桟敷とは、演劇や相撲などの興行場劇における観客席のこと。
八幡山の麓に築かれたこの桟敷では、昔から小豆島の人々が、この神社で営まれる祭事の際、この場所へ集まり団らんの場として過ごしていました。
江戸時代中期に造られ、太平洋戦争前の最盛期では、全部で約420面の桟敷がありましたが、今では約360面まで減少しています。それでも小豆島最大の桟敷は健在ですよ。
山麓の傾斜地を巧みに利用して築かれており、最下段の桟敷きの裾を結ぶとその大きさは約150mの馬蹄形となる。また、高さは約24mもあるため、見上げるとその迫力に圧倒されそうだ。
このような石垣造りの桟敷は、とても珍しいと思う。なので、じっくり見物していこう。
石垣で造られた桟敷席(区画)が見て取れる。実に綺麗なものだ。定期的に清掃をしているのでしょうね。
毎年、秋に開催される例大祭行事を見物するための観覧席として今でも現役ですよ。
また、石の組み方もまちまち。だからといって勝手に作ってはいけないぞ。桟敷の作り方にはルールがあるみたい。
この桟敷から上段に続く階段は約300段あり、その先は富丘八幡神社の参道となっています。
階段を少し上ると、今まで見ていたものとは違った桟敷が現れたりするので面白い。劇場にある桟敷と違って、石垣の桟敷は独特な雰囲気を感じてしまう。
こちらは、ある程度階段を上り終えた後の眼下の景色。現代の住宅地と石垣の桟敷の対比がシュールだ。
東側の入口から富丘八幡神社へ訪れた方が楽に行けますが、この古風で壮大な石垣造りの桟敷を見逃すのはもったいないですね。
少なくとも初めて富丘八幡神社へ訪れる際には、必ず足を運ぶのをおすすめします。
【見事な石垣の紹介】
見事な石垣が見られるお城を、下記記事で紹介します。
若潮の塔とエンジェルロードの全景
若潮の塔は、目立たない場所にひっそりと佇む太平洋戦争戦没者の鎮魂碑です。
この鎮魂碑のそばには、陸軍船舶特幹生の像が立てられていますね。太平洋戦争の終戦間際にボートによる特攻が行われており、その訓練所が小豆島にありました。
特幹生の像だけでなく、実際に使用されたと思われる陸軍水上特攻艇のエンジンがクリアケースの箱の中に展示されています。
フィリピンで多くの方が戦死されたようで、後年に遺骨代わりにこのエンジンを引き上げたという。
残念ながら私が訪れて時は、この箱の中に付着した水滴の影響で全く中が見えませんでした。
若潮の塔の行き方は、富丘八幡神社の桟敷の階段を上り参道を歩いていると、左手側に分岐する道が現れる。分岐点前には、小さな石柱が立てられており、表面に「若潮の塔」と彫られています。
真っ直ぐ進めば先ほど紹介した覧魚崎へ辿り着きますが、左手側へ曲がりそのまま歩けば、1分もしない内に到着する。
この場所からも覧魚崎と同じくエンジェルロードの全景が良く見えます。
位置の関係上、覧魚崎とは見え方が違っていますので両方で見比べてみて下さいね。
富丘八幡神社の境内を散策しよう
真っ直ぐな参道の階段を上った先には神門があります。海に面するように建ち、振り返ると先ほど紹介した絶景が見られるという訳だ。
この神門へ向かう途中の沿岸には、社務所がありますが、神職の方たちは常駐はしていないみたい。けれど、御朱印受付箱が設けられており、用紙に必要事項を記入し投函すれば、後日御朱印を郵送してくれるそうですよ。
神門を抜けると、直ぐ正面に拝殿が見えてくる。前に長く伸びた唐破風の向拝が付いており、龍の彫刻などが見事だ。
それに屋根の軒丸瓦には、八幡宮など多くの神社でみかける「左三つ巴」の神紋がカッコイイ。
境内はそれほど広くはなく、ゆっくり見て回っても5分もかからないだろう。
いくつもの境内社がありましたので簡単に紹介。
西側には、渕崎から太平洋戦争に従軍した兵士たちを祀る淵崎護国神社があり、その隣には神馬や福禄寿が祀られていました。
屋根の付いた建物の中には、江戸時代末期の名工・丹波佐吉作の神馬が奉納されており、いつの頃からか、縁結びや子宝にご利益があるという。
奥へ向かえば、五宮神社がある。東側には、若宮神社や神輿庫があります。
特に東側には、個人的に気になる存在がありましたので紹介しよう。
1つ目がこちらの遙拝所。説明板がないので、どこへ向けて遙拝するのか一切不明。
勝手な想像だけど、方角からして三重県の伊勢神宮ではなかろうか。
2つ目がこちらのタカの像。カッコイイですね。実はこれ、日露戦争の従軍記念モニュメントですよ。
台座には地元からの従軍者の名前が彫られており、赤色の日本列島を描いた球体の上にタカの像が乗っている。
その他には、奉納されている絵馬の絵柄に惹かれます。特に参道から望む瀬戸内海の絶景の様子はGood。富丘八幡神社オンリーの絵馬ではなかろうか。
おっ、アニメ「からかい上手の高木さん」の絵馬があるではないですか。(東京の高木神社の絵馬ですね。)
富丘八幡神社は、「からかい上手の高木さん」の聖地巡礼で訪れる場所としても知られています。
神門の内部には、高木さんの関連グッズが奉納されていましたのでファンならば喜びそうですね。さらに高木さんの御朱印もあるみたい。
そのため、富丘八幡神社には、アニメファンが訪れることも増えているそうですよ。
【神社仏閣の紹介】
旅先で訪れた神社仏閣を、下記記事で紹介します。
富丘八幡神社の丘陵上に点在する小豆島随一の古墳群
富丘八幡神社が建つ同じ丘陵上には、古墳が点在しており、その古墳を総称して「富丘古墳群」と呼んでいます。
そのほとんどが円墳ですが、規模は大きくなく、直径十数メートル程度だ。今では木々が生い茂り、なかなか古墳とは気づかれないといいます。
最も古い古墳が山頂にあり、出土品から四世紀末頃のものだと推察される。
拝殿・本殿の奥に山頂古墳が位置していることから、富丘八幡神社自体がまるで古墳に眠る権力者を祀っているように感じてしまう。真実は分かりませんが、そうだとしたら歴史ロマンを感じますね。
合わせて楽しみたい、双子浦展望台からの景色
富丘八幡神社へ向かう道中に立ち寄れる絶景スポットが双子浦展望台です。
1950年(昭和25年)に昭和天皇が全国を巡幸された際に立ち寄られた由緒ある場所として、敷地内に記念碑が建てられています。
富丘八幡神社と同じようにエンジェルロードの全景がしっかり見物できる景観は素晴らしい。
アクセス方法は、国道436号線に面する富丘八幡神社の東側の入口から約50mほど上った先に道が分岐しているので、左手側へ歩いていけば辿り着きます。
そのような立地条件のため、坂道や階段を上りたくない方にとっては、お手軽に行ける絶景スポットとしてポイントが高い。
高低差や角度などによりにエンジェルロードの見え方は変わってくるので、できれば富丘八幡神社の風景とともに楽しみましょう。
【カメラに関する話】
旅の思い出にカメラ撮影を楽しみましょう。下記記事では、カメラに関する話を紹介します。
富丘八幡神社の基本情報
住所 | 香川県小豆郡土庄町淵崎甲2421 |
電話番号 | 0879-62-1538 |
まとめ
小豆島では、海の絶景を楽しめるビュースポットがたくさんありますが、その中でもトップクラスに入るのが富丘八幡神社からの景色です。
観光地というわけではないので、観光客は少なく知る人ぞ知る穴場スポットですね。
小豆島の観光スポットとして有名なエンジェルロードから約1.5kmほどしか離れていないのもGood。ぜひ合わせて訪れてみよう。
小高い丘の上に建てられた富丘八幡神社の参道から望む景観は、息を飲むほどですよ。また、日本遺産の桟敷(さじき)は圧巻の石垣ですので、参道からの景色ともどもお見逃しなく。