【2021年6月 香川県旅】
6月21日、遂に岡山県に出されていた緊急事態宣言が解除されました。
これで岡山県外の活動が再開できます。
コロナに十分注意しながら旅を続けていきますね。
久しぶりの県外活動は、どこへ行こうか考えて過去旅先で撮影した写真や雑誌などを見ていたところ、一枚の写真が目に留まります。
その写真は、おむすびの形をした山でした。
その山は「飯野山」と呼ばれていて、別名では「讃岐富士」と言われている四国百名山の一つに数えられています。
写真をしばらく見続けて記憶を探ったところ、「飯野山は近くで見た事はあるが、実際に登った事はない」と俄然興味が湧いてきました。
こうして、讃岐富士こと「飯野山」へ向かう旅を決行します。
旅の計画を立てた後で、旅の準備を整え、岡山駅から香川県坂出市へ向かう電車に乗り込みました。
それでは、香川県坂出市から飯野山へ向かう道中の出来事をお伝えします。
坂出市と丸亀市を跨がる讃岐富士(飯野山)を目指す旅
海岸沿いで見た光景
今回のスタートは、香川県坂出市の坂出駅です。
坂出市は、本州と四国を瀬戸大橋で結ぶ四国側の玄関口であり、古くは沿岸部に塩田が広がっていた歴史がありますが、今は工業地帯が建ち並んでいます。
残念ながら、本日の天気は曇りであり、前日に確認した天気予報が外れました。
日本の天気予報の精度は90%以上の正確さを誇り、とても優秀です。
しかし、外れるときは外れてしまいます。
当たり前のことですが、自然現象に文句を言っても始まりません。
雨が降らないだけでも全くましですね。
坂出駅から丸亀市を目指して西方向へ進みました。
自転車旅の面白さはいろいろありますが、初めての道を走る高揚感、自分の力で知らない土地を訪れる達成感、過去に訪れた街や人との邂逅など千差万別です。
街から街へ移り替わって行く道中で、様々な出来事に遭遇したりします。
また、移動した街や場所には、それぞれ個性があり、その個性に惹かれる事がありますね。
魅力的な街や場所へは、再度訪れてしまいます。
今の季節は夏が本格的に始まる前の梅雨の時期。
貴重な晴れの日を利用して、香川県の旅を行った次第です。(残念ながら初日は曇りでした)
海岸沿いの道には、西洋風の立派な建物が建ち並んでいました。
お洒落な建物ですね。
金色に輝くタワーに目を見張ります。
坂出駅から5kmぐらい進んだところで、緊急事態が発生しました。
急激にお腹の具合が悪くなったのです。
急いで近くにあった公園へ駆け込みます。
その公園が「宇多津臨海公園」との出会いでした。
宇多津臨海公園へ緊急突入せよ
公園の中へ自転車を止めて、急いで辺りを見渡します。
今いる場所は、それなりに広い公園です。
きっと、どこかに私が探し求めているトイレがあると信じて探しました。
すると、とある建物を見て「これは、トイレに違いない!」と直感的に思い、その建物の中へ入ります。
私の直観に狂いはなく、やはりトイレでしたね。
旅をしていると、自分の判断に迷う場面に遭遇しますが、そういう場合は、自分の直観を信じる事にしています。
そうすると、不思議な事に良い結果につながる事が多いですね。
危ないところでしたが、無事に緊急事態を脱しました。(笑)
緊急事態から解放されたこの時の安堵感はいったい何でしょう。
世界に平和が訪れた、そんな風に感じます。
今の私は大抵の出来事でも許してしまう心境です。(笑)
この絵はトイレに描かれた可愛い生き物です。癒されますね。
これも何かの縁ですし、宇多津臨海公園を散策してみましょう。
宇多津町の北側に位置するこの公園は、恋人の聖地と呼ばれているようです。
園内を散策していると、茅葺屋根の建物を見かけ近寄りました。
茅葺屋根の建物を見ると無性に興味が湧いてきます。
きっと日本人が考える原風景には、この茅葺屋根が心に根付いているからですね。
気が遠くなるほど遥昔に、多くの日本人が暮らしてきた茅葺屋根の家の記憶が、延々と受け継がれているからでしょう。
この家の前にあった大きな台の上には、たくさんの白い小石が並べられていました。
「この石はなんだろう」そんな疑問が頭をよぎります。
近くにあった説明文を読んでみると、この台は「濃縮台」と言って、傾斜のついた台にアスファルトを塗った布を敷き、小石を置いて濃い塩水をゆっくり流すそうです。
なるほど、この小石から塩を取るようです。勉強になりました。
また、この家の隣には塩田が復元されています。
綺麗な水ですね。良い塩が取れそうです。
かつて宇多津町は日本一の塩の街として栄え、当時宇多津町の人口の約8割が塩業関連の仕事をしていました。
戦後の高度成長の中、塩田を必要としない塩の製造が普及して1972年に塩田が廃止されたそうです。
この宇多津臨海公園の見取り図を見てみると、それなりに広いですね。
海を見ながら散策を続けていると、黒色のオブジェが海を眺めているのに気が付きます。
どうやら、これが恋人の聖地のモニュメントのようです。
このモニュメントは二代目のようで、「人」をテーマに作られました。
その他にも、ほのぼのして、可愛らしいマンホールを見つけたのです。
また、芝生広場や遊具などがあり、ゆったりと過ごすことができそうですね。
四国水族館の誘惑
宇多津臨海公園の隣には「四国水族館」の大きな建物がありました。
この四国水族館の事は、テレビのCMで何度も見かけた事がありましたが、まだ一度も訪れた事がありません。
機会があれば行ってみようと思っていました。
今回の旅では、当初訪れる予定はありませんでしたが、これも何かの縁。
宇多津臨海公園へ続いて四国水族館へ入るか少し考えます。
当初の計画では、丸亀市で「うちわの港ミュージアム」と「丸亀城」を訪れた後で、讃岐富士(飯野山)へ登山を行います。そして琴平町へ赴き、金刀比羅宮を訪ねる予定でした。
四国水族館へ立ち寄る時間を捻出できるかが問題です。
30分から1時間ぐらいならば時間の都合は付きそうですが、この水族館は外から見ていても分かるくらい、とても敷地が広いです。
1時間で見て周るのは難しいかも知れません。
そうすると、計画の変更を余技なくされます。
5分ぐらい考えた結果、以下のよう変更しました。
旅をしていると、このように当初の計画を必要に応じて変更しながら調整していきます。
折角旅に出たからには、行きたいところを諦める必要はありません。
しかし、自転車旅は特に天候の影響を受けやすく、雨が降っていれば中止しなければならない時がありますね。
また、風の影響をモロに受けるので、強い向かい風が吹いている中を進んで行くのは、自転車のスピードを出すことができず想定された時間通りにいかない事が良くあります。
すべての行動は自己責任となりますが、トラブルを楽しめるようなれば一人前。
どんな時でも楽しく旅を続けられます。(致命的なトラブルは、事前に避けれるよう考えましょう)
結果から話すと、この水族館へ立ち寄ったのは大当たりです。
とても楽しい体験をしました。
四国水族館は、2020年4月に開館した新しい水族館であり、日本屈指の圧倒的な水景・四国水景をテーマにしています。
見所はいろいろとありますが、館内1階にあった1番大きくて目立つ水槽の中で悠々と泳ぐ魚たちの迫力に目を見張ります。
この「四国水族館」の詳細や旅先で訪れた水族館について、下記記事で紹介します。
丸亀市を観光しよう
四国水族館を後にして西へ進むと丸亀市へ入りました。
丸亀市と言えば、丸亀城とうちわが有名です。
まずは、丸亀うちわに関連するミュージアムへ向かうとしましょう。
丸亀市のうちわの年間生産量は、国内シェアの約9割を占める1億本を超えています。
ほぼ日本国民一人に一本の数に驚愕しますね。
皆さんのご家庭で使用しているうちわは、丸亀市で作ったうちわの可能性が高いですよ。(笑)
しばらく進んでいると「うちわの港ミュージアム」へ到着しました。
館内には、丸亀うちわだけではなく、その他のうちわ(倉敷天領うちわ、房総うちわなど)についても展示や説明がされていて、興味深く見て周れます。
その他には、丸亀うちわの制作を見る事ができる実演コーナーや自分自身でうちわ作りを体験する事もできるようです。
いろんな楽しみ方ができる施設で、興味深く見学させて頂きました。
この「うちわの港ミュージアム」の詳細や旅先で訪れた博物館や美術館を下記記事で紹介します。
次に向かったのは、丸亀市のシンボル的な存在である「丸亀城」です。
丸亀市の街中にあり、地元の人から親しまれています。
街中にある城の風景は、旅人にとっても愛すべき光景です。
特に堀に囲まれた、石垣の上に見える城の光景はとても絵になります。
そんな城の存在を知れば、機会があれば訪れたくなりますね。
私は丸亀城へは何度か訪れた事がありますが、何度来ても良いところです。
丸亀市の街中を進んでいると、沿岸には丸亀城まで残り1kmを表す案内板が見えました。
それを見てうれしくなってきて思わず鼻歌を歌い始めるのです。(♪♪♪)
気分良く進んでいる内に、眼前には丸亀城が見えてきました。
丸亀城の大手門をくぐり抜けて、通行の邪魔にならないところへ自転車を止めます。
そして、徒歩で天守閣を目指していると、とても立派な石垣に目が留まりますね。
その石垣は、とても美しく積み上げられていて惚れ惚れします。
また、至る所に展望スポットが用意されていて、目を楽しませてくれますね。
展望スポットからは見えた飯野山こと讃岐富士に興奮を隠せません。
旅の計画変更により、本日のラスボスになってしまった讃岐富士ですが、もともとこの山を登りたくて始めた本日の旅。
その光景に「待ってろよ。後から絶対に登りに行くから!」と心の中で叫び、闘志をメラメラと燃やします。(笑)
そして、天守閣へ到着した後で、天守閣の中へ入り見学した後で、丸亀城を後にしたのです。
この「丸亀城」の詳細については、下記記事で紹介します。
讃岐富士への挑戦
さて、よいよ讃岐富士への挑戦が始まります。
これまでは、あくまで観光であり、これからが本日最大の戦いなのです。
自転車のペダルを踏む力が心なしか強くなっている気がします。
讃岐富士の標高は422mであり、それほど高山ではありません。
それでも、丸亀市の市街地を抜けると良く見えるようになってきました。
自転車で山へ立ち向かう気持ちは何と表現するば良いでしょうか。
山神の言葉があるように、人は昔から山に対して神々が宿ると考えてきました。
圧倒的スケールからくる畏敬の念、雄大さや厳しい自然環境を恐れ敬う感情。
まさに山は神であり、人の手に余ります。
そんな山に挑戦する人は後を絶ちません。
毎年世界の各地で多くの人が登山へ赴き、多くの人がお亡くなりになっています。
それでも人が登山をやめる事はないでしょう。
それは、自分への挑戦であり、自然や神との対話につながります。
自転車のペダルを回して、少しずつ飯野山へ近づいていくにつれて、胸のドキドキが止まりませんでした。
過去に自分が挑んだ山の事を思い出し前へ進みます。
山梨県の富士山、茨城県の筑波山、鳥取県の大山など数多くの山へ挑んできた実績が私の心を奮い立たせます。
案内板が見えてきました。登山口までもう少しです。
最後の坂を上り終え、讃岐富士の駐車場へ辿り着いたのです。
最初から分かっていた事ですが、讃岐富士は自転車で上るのは困難です。
徒歩用に整備されていますが、足場には凸凹の石が多々あるため、ロードバイクでは登れないですね。
駐車場へ自転車を止めて、徒歩で山頂を目指しました。
結論から言うと、無事山頂まで登り切り十分に達成感を漫喫しました。
山頂は残念ながら開けておらず景色は良く見えませんが、道中至るどころで眼下の景色を楽しむ事ができますね。
この「讃岐富士(飯野山)」の登山の体験談について下記記事でお伝えします。
琴平へ向かおう
讃岐富士を制覇した後で、今日のお宿がある琴平町へ急ぎます。
既に時刻は17時30分を過ぎていて、暗くなるまでに宿泊先へ到着するかは微妙なところです。
讃岐富士の登山で疲れていましたが、ペダルを力強く回し続けます。
ふと後ろを振り返ると、讃岐富士の雄姿が見えてきて、思わす顔がほころびますね。
いつの間にか空には、雲がはれて青空が見えてます。
太陽の高さが随分と低くなってきて、当たりは夕暮れなってきました。
何故かカラスが集まっている田んぼの前を通り抜けます。(笑)
本日はいろいろとありましたが、充実した一日でした。
後は無事にゴールするだけ。
夕暮れの中、自転車の車輪の音に耳を傾け、一心不乱にペダルを回し続けて行くと、琴平町へ入りました。
そして、宿泊先の「琴平パークホテル」へ到着したのです。
こうして今回の旅は終わりを告げました。
【宿泊先に関する話】
何日も自転車旅を続ける場合は、宿泊先を探さなくてはいけません。下記記事では、宿泊先に関する話を紹介します。
旅の軌跡
スタート | 坂出市 坂出駅 |
ゴール | 琴平パークホテル |
距離 | 30km |