車道を逆走している自転車を見かけた人は、それなりに多いと思います。
実際に私も何度か目撃したことがあり「危ない!」と思ったことは、一度や二度で済みません。
なぜ、逆走が減らないのでしょうか。
色々理由が考えられますが、やはりルールを知らないか、未だに自転車は歩道を走る乗り物と思っている人に原因が多そうです。
そこで本記事では、以下の内容について説明します。
自転車の「逆走」と思われていないケースとは
自転車へ乗ってサイクリングを楽しんだり、買い物へ出かけたりしていると、偶に見かけるのが「逆走」している自転車です。
早期に発見すれば、難なくかわせますが、直前まで気付かなかった事を考えるとゾッとします。
逆走は本当に危なく、一歩間違えば正面衝突は必至ですね。
私が過去に出会った逆走自転車で、最も危ないと思ったのは、夜間でありながら明かりをつけず、二人乗りで逆走している自転車とすれ違ったことがあります。
今だにその光景を思い出してみても、恐怖と驚きを隠せません。
自転車は車道の左側を通行するのが原則であり、2013年12月1日から道路交通法(通称:道交法)の規制が強化され、自転車の逆走が完全に禁止になりました。
しかし、残念ながら施行されて8年以上経過しているのにも関わらず、逆走している自転車が減っているとは思えません。
特に以下に挙げる2つのケースでは、「逆走」になることを知らない方が多いのではないでしょうか。
- 路側帯の右側通行
- 一方通行の道路の右側通行
この2つについては、後でくわしく説明します。
特に見通しの悪い交差点やT字路では、逆走していたため、出会い頭の事故へ繋がる可能性が高いです。
逆走していた自転車の運転者には、圧倒的不利な法的措置が取られるだけでなく、事故の規模によっては人生終了となります。
そうならないためにも普段から交通ルールをしっかり守り、安全運転に努めましょう。
「路側帯の右側通行」は逆走になる
路側帯は、歩行者と自転車が通行できます。
以前は左側・右側どちらでも通行が可能でしたが、改正法により自転車などの軽車両は左側走行が義務付けられました。
つまり、自転車は車道と同じく、路側帯も左側通行をしなくてはいけないのです。
尚、路側帯と似ている物に路肩がありますが、路肩は歩道と車道の間にあるスペースのことであり、路側帯は歩道のない道に設置されています。
路側帯は「歩行者の通行」を目的としているため、自転車が左側通行するのは当たり前です。
個人的には、以前は路側帯で右側通行出来ていたことが奇異に感じていました。
何にしても自転車は「左側通行する乗り物である」と覚えて置けば間違いはありませんね。
「一方通行の道路の右側通行」は逆走になる
一方通行の道路でも自転車が右側を走行すれば違反です。
しかし、一方通行の標識に「自転車(または軽車両)を除く」という補助標識がある場合は、その言葉通りに一方通行の道路でも逆走ができてしまいます。
尚、時間指定を定める補助標識が付与されていたりしますので、注意深く標識を確認しましょう。
個人的には、自転車は誰もが手軽に運転できる乗り物であるため、標識について理解していない人もいるのではないかと考えています。
そのため、いくら標識で注意を促したとしても、完全に違反する人をゼロにするのは難しいですね。(無いよりかはマシですが・・・)
なぜ、自転車の逆走が減らないのか
自転車の逆走をしているのは、一部のマナーが悪い利用者ですね。
その利用者たちのせいで、自転車乗り全体が冷ややかな目で見られるのは理不尽に思います。
なぜ、自転車の逆走が減らないのでしょうか。
恐らく「数十メートル先を右へ曲がりたい」や「路側帯がない車道で、自分の背後から走って来る車が怖い」など理由が考えられますね。
気持ちは分からないこともないですが、正しく左側通行している自転車の運転者や車のドライバーからしてみれば、逆走している自転車は本当に危なく見えますよ。
先ほど挙げた理由の根本的な原因について、個人的には「自転車は車両にも関わらず、誰もがお手軽に乗れる乗り物」だからだと思っています。
誰もが簡単に乗れてしまうため、交通ルールを良く知らない状態で運転している人も多いでしょう。
また、自転車は歩行者の延長上の乗り物と考えて、利用している人も多いのではないでしょうか。
特に日本社会では、荒事を立てたくないと言う考えの人が多いので、例え逆走している人を見かけても見て見ぬふりをすることが多いですね。
また、逆走している人を注意しても逆ギレされ、トラブルの元になったりします。
そのため、普段から逆走をしている運転者は、重大事故を起こすまで、逆走を止めることはほとんど無いと言って良いでしょう。
私が考えている解決策の一つとして、自転車も車と同じく免許制にすべきだと思っています。
交通ルールをしっかりと理解していれば、逆走が如何に危険なのか分かりますね。
いきなり免許制を導入するのは、抵抗勢力が大反対するのは目に見えていますので、少しづつでも良いので制度化へ向けて国会で検討して欲しいです。
【サイクリングを趣味にしてみよう】
サイクリングなどで知らない土地へ遠出する時は、いつも以上に安全運転に努めた方が良いですね。また、サイクリングで楽しい一時を過せば、趣味にしても良いかもと思えるでしょう。そこで、サイクリングを趣味にすることについて下記記事で紹介します。
自転車の逆走による法的措置
自転車が逆走すると、一体どのような法的措置が取られるのでしょうか。
改訂された道交法によれば以下になります。
最も自転車の逆走の場合は、初犯でしたら余程の危険行為に発展しなければ即処罰になる可能性は低いと思われますが、厳重注意は受けるでしょう。
尚、逆走などの交通違反や交通事故を3年以内に2回以上繰り返すと「自転車運転者講習」を受講しなければなりません。
この講習会は、義務付けされているため、受けなければ5万円以下の罰金が課せられます。(受講には実費がかかります。)
逆走した自転車が事故を起こすとどうなるのか
逆走した自転車が事故を起こした場合、その運転者の過失割合が圧倒的に不利な状況に陥ります。
例えどんな理由があったとしても弁解は一切通じません。
逆走した自転車と車が事故を起こしたケースを見てみましょう。
日本では弱者救済を守る傾向がありますので、自動車が完全に悪者になるかと思われますが、過失割合から見ると「自転車:自動車=20:80」や「自転車:自動車=30:70」となりやすく、悪質な逆走ならば「自転車:自動車=40:60」になる可能性があります。
次に自転車同士の事故の場合ですが、基本的には逆走した自転車に多くの過失割合が設けられます。
事故の状況にもよりますが、「逆走自転車:自転車=70:30」や「逆走自転車:自転車=80:20」、「逆走自転車:自転車=90:10」となり、交通ルールを守っている側が守られるのは当然です。
事故を起こしているため、刑事罰及び民事上の損害賠償責任も負う羽目に陥り、被害者に後遺症が残る重大な怪我を負わせたり、被害者が死亡したりすれば、数千万円以上の賠償責任を負うことになります。
過去の裁判では、自転車事故の損害賠償額が1億円近くの判決が出ていますね。
例え自転車保険に加入してあったとしても「自転車の逆走が立証されている場合、保険の支払いに応じない」ケースもあります。
逆走をしたため人生終了とならないためにも、普段から交通ルールを守り、安全運転を心掛けましょう。
【ママチャリに関する話】
日本国内で最も普及している自転車と言えばママチャリですね。子供から大人まで多くの人が乗り続けており、その分逆走している光景を見かける割合も多いです。下記記事では、ママチャリに関することについて紹介します。
まとめ
本記事で説明した内容を以下にまとめます。
- 2013年12月1日から道路交通法の規制が強化され、自転車の逆走が完全に禁止になっている
- 逆走と思われていないケースが2つ(路側帯の右側通行、一方通行の道路の右側通行)ある
- 一方通行の標識に「自転車(または軽車両)を除く」という補助標識がある場合は自転車の「逆走」ができる
- 逆走がなくならない根本的な原因は、自転車は車両にも関わらず、誰もがお手軽に乗れるため(あくまで個人的な見解です)
- 自転車が逆走した場合の法的措置は、「3ヶ月以下の懲役又は5万円の罰金」となる
- 逆走した自転車が事故を起こした場合、その運転者の過失割合が圧倒的に不利になる