ロードバイクへ乗り始めると、自転車で山や峠、坂道を上ることを表わす「ヒルクライム」と言う言葉を聞く機会が多くなります。
峠や山道を上るのは、辛いだけと思われるかも知れませんが、その魅力にハマるサイクリストが続出しているのも事実ですね。一体なぜそんなにハマるのでしょうか。
ヒルクライムには、平地を走るサイクリングとは、また違った魅力にあふれており、様々な楽しみ方がある。「本当かな?」と思った方は、最後まで一読してみよう。
本記事では、ヒルクライムの魅力や楽しみ方、注意点について説明します。
ヒルクライムの魅力を語る
日本国内は、美しい自然があふれており、数多くの峠や山道があるため、ヒルクライムを行なう環境に恵まれています。
たとえば日本一高い霊峰「富士山」を始め、国道最高地点の「渋峠」など探せばいくらでもヒルクライムに適したコースが見つかるでしょう。また、ヒルクライムに特化したサイクルイベントも開催されています。
ヒルクライムの一番の魅力は、何と言っても峠や山道を上り切った達成感と充実感ですね。
坂道を上っている最中に「もう駄目だ。坂道を下って引き返そう」と何度も考えてしまう時がある。けれど、最後まで諦めずに頂上まで上り切った時の達成感は、何事にも代えられません。
ヒルクライムは、まずは自分自身との戦いです。
初めてのヒルクライムでは、一体何が楽しいのか全く分からない人が多いと思う。しかし、続けていく内に、より自分が強くなっていることに気が付きます。すると「続けていて良かった」と思えてくるものですね。
それに、季節や場所によってバラエティに富んだ景色が広がり、直に自然を感じ取れる。夏の山は涼しく、紅葉シーズンの色鮮やかな景観の美しさに息を飲むこともある。四季折々に変化がみられ、たとえ同じコースでも違う表情を見せてくれます。
そして何より、ヒルクライムならではのご褒美も大変魅力的だ。このご褒美のために、何度でもヒルクライムにチャレンジしたくなるものですよ。
たとえば、山頂からの眺めに感動したり、坂道を下る滑空感に心躍る人も多いでしょう。
多くのサイクリストと競い合うのが好きな人にとっては、峠や山道などのタイムがどれだけ更新できるのか、とても気になります。
そのため日々の鍛錬を欠かさず、自分の限界に挑戦し続けてしまう。そして、イベントでライバルたちと競い結果を出して、自己成長を味わえるのも魅力の一つですね。
このように、ヒルクライムには様々な魅力があり、その魅力にハマってしまう人が後を絶ちません。
ヒルクライムの楽しみ方
ヒルクライムの主な楽しみ方を、以下にまとめました。
- 風景を楽しむ
- 獲得標高の達成
- 走行時間の更新とイベントの参加
- 楽しすぎるダウンヒル
それぞれについて説明します。
風景を楽しむ
坂道を上り続けていくと、標高が高くなり、そこから眺める景色の素晴らしさは、実感した人にしか分かりません。
たとえ写真で見た美しい景色に感動することは有っても、実際に自分の力で坂道を上って、直に目で確かめた時の感動は、比較できないほど違います。苦労して辿り着いた後で眺める景色は、優しくあなたを包み込みますね。
ヒルクライムを通じて、季節ごとに変わりゆく自然の風景を楽しもう。
【風景を楽しむアイテムの紹介】
カメラや双眼鏡があれば、山頂など高い場所から絶景をより楽しめますね。そこで下記記事では、カメラや双眼鏡を紹介します。
獲得標高の達成
ロードバイクの世界では、一般的に自分の力で上った坂道の累積標高のことを「獲得標高」と呼んでいます。そのため、1日でどれだけ獲得標高を得られるのかは、一種のステータスとなる。
たとえば「今日は獲得標高1,200mを達成しよう」と事前に目標を決めておき、実際に達成した時は嬉しいものです。獲得標高が高いほど、自分自身に自信が付きますね。
走行時間の更新とイベントの参加
競技志向の方は、峠や山道を上り切るのにかかった走行時間(タイム)を重要視します。
一分一秒のタイムを縮めるため、何度も同じコースを走り己を鍛え上げる。前回よりタイムが縮まると、思わずガッツポーズを取ってしまう程、嬉しいものですよ。
そして、自分の力の限界へ挑戦できるヒルクライムに、ますますハマっていくでしょう。
また、競い合う相手(ライバル)がいると、よりモチベーションが高まりますので、ヒルクライムのイベントへ参加して、自分の力を試してみて下さい。
周りの声援を受けて、全力でライバルたちと競い合える瞬間が溜まりません。
【サイクルイベントに関する話】
サイクルイベントは、ヒルクライム以外にもロードレースやロングライドなどバリエーションが豊富です。下記記事では、サイクルイベントについて紹介します。
楽しすぎるダウンヒル
峠や山道を上った後に、一気に坂道を下るダウンヒルは楽し過ぎます。標高が高くなるほど、まるでジェットコースターのように長い間、滑空感を漫喫できる。
この滑空感が楽し過ぎてヒルクライムにハマる人もいます。ちなみに私は、このダウンヒルを「下り天国」と呼んでいますね。(笑)
ダウンヒルは、自然に自転車のスピードが出てしまうため、十分に気を付けよう。
ヒルクライムの注意点
ヒルクライムを行う際、主な注意点を以下にまとめました。
- まずは勾配の緩い峠を攻略
- 絶対に無理をしない
- コース全体像や標高差を確認
- 走行時間の目安を事前に把握
それぞれについて説明します。
まずは勾配の緩い峠を攻略
初めてヒルクライムへチャレンジするならば、平均勾配が大きい峠や山道は避けた方が無難です。
始めは平均勾配が3~5%程度の緩い峠を攻略して、経験を積もう。いきなり、平均勾配が7%以上の峠などへチャレンジすると心が折れるかも。
勾配が大きくなるほど、体力の消耗が激しくなりますので、水分補給ができる場所やトイレがある場所について、予め確認しておきましょう。
絶対に無理をしない
ヒルクライムは、特に自分のペースで走るのが鉄則です。
これは上りだけでなく、下る際にもいえます。坂道を上る時は、スピードをあまり出せませんが、下り坂では、自然にスピードが出てしまう。自分で制御できないスピードを出すと、事故の基ですよ。
また、路面に枯れ葉や小枝、小石などが落ちていることが良くありますので、ヒルクライムの疲労で注意散漫な状態で下っていると思わぬ事故にあいかねません。
いつも以上に注意しながら自分のペースで下りましょう。
コース全体像や標高差を確認
ヒルクライムで走るコースを事前にしっかりインターネットなどで確認しておこう。
確認すべきポイントは、走行距離や勾配、標高差です。道幅や路面状態など数字だけでは分からないところもあるため注意が必要ですね。
また、山の天気は変わりやすく、標高は100m上ると、一般的に気温が0.6℃下がるといわれています。つまり、町中で20℃あったとしても、標高が1,000mある山頂では、14℃になり肌寒さを感じるでしょう。
そんな状態で一気に山を下るダウンヒルでは、体感温度が奪われますので、軽量なウインドブレイカーを用意しておけばいざという時に役立ちます。
走行時間の目安を事前に把握
ヒルクライムは、坂道をずっと上り続けるため、平地と比べて時間がかかります。そのため、時間には余裕を持ってチャレンジしよう。
特にサイクリングや自転車旅の道中にヒルクライムコースを通過するならば、平地に比べてスピードが遅くなることを見込んで時間設定しなければなりません。それにより、1日で走れる距離が変わってきます。
また、坂道を上るのに時間がかかるからと言って、下りでいつも以上にスピードを出して時間短縮を図る考えはご法度。先ほども触れましたが、自分がコントロールできないスピードを出すのは事故のもとになり得ます。
楽に坂道を上るコツを身に付ける
ヒルクライムを楽しむためにも、楽に坂道を上がりたいですね。そこで、具体的な坂道を上るコツ(技術)を以下にまとめました。
- 軽いギアを活用する
- ペース配分を意識する
- ペダルを回しやすい姿勢を保つ
- 引き足を使う
- 上ハンドルを使い頭を下げない
- サドルの前側に座る
- 複式呼吸を使う
- 適度に休むダンシングを取り入れる
くわしくは、下記関連記事で紹介します。
まとめ
本記事では、ヒルクライムの魅力や楽しみ方、注意点について説明しました。
最後にももう一度、ヒルクライムの楽しみ方や注意点を以下にまとめます。
- ヒルクライムの楽しみ方
- 風景を楽しむ
- 獲得標高の達成
- 走行時間の更新とイベントの参加
- 楽しすぎるダウンヒル
- ヒルクライムの注意点
- まずは勾配の緩い峠を攻略
- 絶対に無理をしない
- コース全体像や標高差を確認
- 走行時間の目安を事前に把握
初めてヒルクライムへチャレンジするならば、距離が短くて勾配の緩い坂道で経験を積んでいこう。
慣れていないと体力の消耗が激しいため、補給食やボトルの準備も忘れずに。万全な準備を整えてヒルクライムへチャレンジして下さいね。
ヒルクライムの最中に「楽しい」と思えたり、終えた後で「また上りたい」と少しでも思えたなら、それはヒルクライムの魅力にハマる前兆です。今後ますますヒルクライムが好きになっていくでしょう。