サイクリストは「早く走りたい」と思う方が多いです。
すると、「峠や山道を速く駆け上りたい」と考えてしまうのが、自然な流れではないでしょうか。
実際、ひたすら坂道を上ってトレーニングを繰り返している人が多いのも事実です。
この方法は決して間違ってはいませんが、峠などを上るためには、それなりに練習時間が必要になります。
いつも時間が取れるとは限らないので、短時間で行える筋トレを交えてトレーニングを行うと効果的ですよ。
ロードバイクで勾配の大きな坂道を上るヒルクライムは、確かに辛い運動ですが、上り切った後の充実感・達成感は格別であり、多くのサイクリストを魅了してやみません。
本記事では、ヒルクライムで強くなるためのトレーニング方法について紹介します。
ヒルクライムで強くなるためにトレーニングを継続しよう
日本は島国でありながら、国土の約73%が山地を占める山国でもあります。
そのため、どうしても自転車で遠くまで走るには、山地は避けて通れません。
峠や山道を上るヒルクライムに強くなれば、その可能性は無限大に広がります。
確かにロードバイクで行う運動で、一番辛い運動がヒルクライムですが、トレーニング次第では、十分に強くなることができますね。
そのためには、ヒルクライムに適したトレーニングを行うことが肝要です。
以下に効果的なトレーニング方法をまとめました。
- 長めの坂道を全力で上る
- インターバルトレーニングで心肺強化を図る
- 筋トレで筋肉を鍛える
それぞれについては、後ほど詳しく説明します。
ヒルクライムが強くなれば、よりロードバイクが好きになり、更にトレーニングに身が入りますね。
トレーニングを行って成長するスピードは、個人差がありますが、継続して行うことで、今よりも確実に強くなれるでしょう。
なぜ、ヒルクライムは辛いのか
なぜ、ヒルクライムは辛いのでしょうか。
簡単に言えば、体にかかる負担が大きいからですね。
平地や下り坂と比べて、上り坂では自分の体とロードバイクを上方向へ移動させなくてはならないため、重力に打ち勝たなければなりません。
勾配が大きくなればなるほど、より大きな重力にうち勝つ必要があり、体に対する負担は大きくなります。
特に負担がかかる部分は、心臓や肺などの心肺機能や両足の筋肉に対してですね。
また、肉体面だけでなく精神面にも多大な負荷を伴ないます。
平地で感じる疾走感は全くなく、移動速度も遅いため、景色の移り変わりが遅いです。
そのため、面白みを感じない人もいるでしょう。
【ギアに関する話】
ヒルクライムは、平地と比べて、ロードバイクの車体にも高い負荷がかかります。そのため、ヒルクライムを多用する場合は、耐久性の高いグレードのギアがお勧め。下記記事では、ギアについてお話します。
ヒルクライムで強くなるために鍛える箇所
ヒルクライムでは、心肺機能や筋肉にかかる負荷が大きいため、この2つをポイントに鍛え上げていけば強くれます。
そこで、これらのポイントについてお伝えします。
心肺機能の強化
心肺機能の強化を図れば、軽いギアでペダルを長い間回し続けることができるようになります。
すると、坂道で有利になるのは必然ですね。
また、坂道だけでなく、平地の巡航速度も速めることができるため、心肺機能の強化は全く無駄になりません。
具体的には、インターバルトレーニングなどを取り入れると、効果的に強化できます。
年齢に関係なく、トレーニングを積むことで一定の強化を図れますので、「自分は若くないから」と言って、諦める必要はありません。
筋力の強化
心肺機能と同時に鍛えたいのが筋力の強化です。
自転車は下半身の筋肉が大事と思われがちですが、下半身だけでなく上半身も鍛えましょう。
特に体幹筋は、全身の筋力を作る土台になるため、体幹筋が弱い状態で下半身を鍛えても、十分にその筋力を発揮することができません。
上半身と下半身をバランスよく鍛えるよう意識して、トレーニングを行いましょう。
【ロードバイクの初心者向けのアドバイス】
ヒルクライムのトレーニング方法も含めて、初心者の内に様々な知識を身に付け実践していくと、上達が早いです。そこで下記記事では、ロードバイクの初心者向けのアドバイスをお伝えします。
ヒルクライムに適したトレーニング方法
長めの坂道を全力で上る
前提となるのが、ヒルクライムに適したペダリングスキルをマスターしているかどうかです。
もし、マスターしていなければ、まずはペダリングスキルの取得から始めて下さい。
具体的には、勾配が4~5%程度の緩めの坂道を3~4km/hの低速で上り練習します。
その際、ギアは軽くし、シッテングのみで上りましょう。(ダンシングはNG)
ペダリングスキルをマスターした後は、長めの坂道を麓から頂上まで全力で上ります。
10分から20分程度で上れる坂道ならば、一日に何度も繰り返して、トレーニングができますね。
トレーニングを継続していくことで、平均して出力できるパワーの向上につながります。
慣れてきたら、更に勾配を大きくしたり、距離を長くしたりして、出力できるパワーをより向上させましょう。
インターバルトレーニングで心肺強化を図る
インターバルトレーニングとは、高強度な運動を比較的短い時間で、一定の休憩時間をはさみながら繰り替えてして行う練習方法です。
このトレーニングは、非常にキツク、肉体面だけでなく精神面にも苦痛を伴いますが、その分大きな効果を期待できますね。
基本的に負荷のかかるトレーニングを20秒行なった後、休憩を10秒挟み、8セット繰り返して下さい。
例えばダッシュ8本やロードバイクで20秒間全力で漕いだり、腕立て伏せやスクワットなどのトレーニングでも効果があります。
このトレーニングの組み合わせは自由ですが、絶対に守って欲しいのは時間を守ることです。
また、短時間で高負荷をかけるトレーニングのため、週2~3回続けられる程度の強度が適正とされています。
そのため、やりすぎには注意しましょう。
インターバルトレーニングの注意事項
- トレーニングの際中に、何か体に異変を感じたら、トレーニングを即中断し、医師へ相談する
- 血圧が高い人は、脳疾患の発症リスクを伴なうため、事前に医師へ診断を受ける
- 体調が悪い時は、無理にトレーニングをしない
筋トレで筋肉を鍛える
ヒルクライムで強くペダルを踏むためには、筋力が高いほど有利になります。
そのため、筋力トレーニングは効果的です。
ロードバイクは、体全体の筋肉を使いますので、複数の関節を動かして、トレーニングするよう意識しましょう。
具体的には、以下の運動が効果的です。
- スクワット
- 腕立て伏せ
- プランク
特にヒルクライムでは、スプリントのような爆発的なパワーが必要ではなく、コンスタントに一定のパワーを出し続けることを求められます。
そのためには、筋持久力を鍛えることが大事ですね。
また、全身の筋力を作る土台となる体幹筋を鍛えるのも重要です。
体幹を鍛えれば、体のブレもなくなり、より安定して走れ、パワーロスを防ぎます。
ロードバイクは、全身運動のため、筋トレする時は、上半身と下半身をバランス良く鍛えることが大事です。
下半身だけ鍛えてもアンバランスな身体になってしまい、最悪、腰を痛めるなど怪我の原因になりかねません。
バランス良く全身が鍛えられるメニューを作り、継続的にトレーニングを続けましょう。
スクワットや腕立て伏せ、プランクについては、知っている方も多いと思いますので、それぞれの運動のポイントを交えて説明します。
スクワット
スクワットは、足や膝、股関節など足の筋肉を全体的に鍛えるため、自転車のトレーニングに適しています。
お手軽に場所に捕らわれず運動できるため、毎日の練習メニューに取り入れましょう。
スクワットを行う上で意識するポイント
- 上半身を真っ直ぐにし、背中を丸めたり、そらさない
- 腰を落とした時に、膝がつま先より前方に出過ぎたり、内側に入ったりしない
- 立ち上がる時に、少し膝を曲げた状態を保つ
- つま先やかかとを浮かせない
- 息を吸いながら腰を落とし、吐きながら立ち上がる
腕立て伏せ
腕立て伏せは、スクワットと同じく、お手軽で場所に捕らわれずできる運動です。
肘と肩関節を使って行う運動のため、ここを鍛えると、ヒルクライムではダンシング時に効果を発揮します。
ヒルクライムで楽に速く走るには、ダンシングは必要不可欠のため、上半身の筋トレも行いましょう。
腕立て伏せを行う上で意識するポイント
- 頭からかかとまでが一直線になるように意識する
- 肘が開ないように、床ギリギリまで身体を沈める
- 身体を沈めた後は、バウンドさせないで、ゆっくり身体を上げる
プランク
体幹トレーニングの定番であるプランクは、シンプルでありながら、体幹筋を効率よく鍛えることができます。
やり方は、仰向けになって肘を地面に付けながら、身体が一直線になるようにお尻を上げて下さい。
そして、そのまま数秒間、その姿勢(フォーム)を保つだけのエクササイズです。
初めの内は「1セット20秒×3セット、セット間のインターバル(休憩)を10秒」を目安に行い、呼吸は止めないように意識しましょう。
正しい姿勢をずっと保っていた場合、運動不足気味な人は、筋肉痛になることもあります。
簡単そうに見えますが、かなりハードな運動です。(正しいフォームならば、30秒間保つもの結構辛いです。)
プランクを行う時間を延ばして、負荷を高めようとするのならば、その方法は止めよう。なぜなら、長時間できると言う事は、それだけ身体にかかっている負荷が少ないため、正しい姿勢で行えていません。
プランクを行う上で意識するポイント
- 正しいフォームが重要なため、頭や背中全体、腰、かかとが一直線になるように姿勢を保つ
坂道に強くなりたいならば、トレーニングは欠かさずに行おう
坂道で強くなりたいならば、地道なトレーニングが欠かせません。
例え坂道を速く上る才能があったとしても、トレーニングしなければ、その才能は開花することはないでしょう。
また、才能がなくても、トレーニング次第では、確実に速くなることができます。
本記事で紹介した以下のトレーニングを是非試してみて下さい。
- 長めの坂道を全力で上る
- インターバルトレーニングで心肺強化を図る
- 筋トレで筋肉を鍛える
継続してトレーニングを行っている内に、いつの間にかヒルクライムに強くなっているでしょう。
【ヒルクラムスポットの紹介】
下記記事では、旅先で堪能したヒルクライムのスポットを紹介します。