自転車のペダルを踏み込むと「カツカツ」「カチカチ」「パキパキ」といった異音が聞こえてきませんか。
そんな異音が気になって仕方がないと思っている人は、結構多いです。
ペダルは、私たちの体と自転車が触れている部分でもあるため、自転車からのメッセージを受け取りやすいですね。
異音が鳴るということは、自転車が発しているSOSと捉えて下さい。異音の対処は難しいと思いがちですが、意外にも自分が行える範囲で対処できるものが多いです。
本記事では、ペダルを踏み込むと異音がなる原因と解決方法について紹介します。紹介する内容を参考にして、是非チャレンジして頂けたら幸いですね。
ペダル付近で異音が鳴る場合は、疑わしいパーツを順番に確認
ある程度長い期間、自転車へ乗り続けた方は、1度はペダル付近から異音を聞いたことがあると思います。
自転車の構造上、足の踏み込む力を受け止めるパーツのペダルには、多くの負荷がかかるもの。
力が加わるということは、パーツ同士をつなげている部位に緩みが生じやすいです。
緩んでしまうパーツは、必ずしもペダルとは限らず、クランクやBB、チェーンリンクなどあらゆるパーツに波及しますね。
この緩みを放置しておくと、更にガタツキがひどくなり、ベアリングやフレームなどを傷めてしまう原因になりかねません。
厄介なところは、異音の発生源を聞いただけでは、「ここが悪い」と特定するのは困難ですよ。
なので、解決するためには、原因と思える箇所を1つ1つ確認するしかないのです。
ここまで読んで「なんだか面倒だな」と思うかも知れませんが、確認するポイントは限られているのでご安心を。
以下に示す流れで確認していけば、思ったより簡単に作業ができます。
それぞれについて説明します。
【原因①】ペダルとクランクの緩み
まず始めに確認するのは「ペダル」ですね。
ペダル単体ではスムーズに回転するのに、自転車へ乗って漕いでみるとガタツキを感じてしまう場合は、ペダル軸とクランクが緩んでいる可能性があります。
クランクをしっかり押さえて、ペダルを前後左右上下に動かしてみて下さい。軸ごとペダルがぐらつくようでしたら、ペダル軸が緩んでますよ。
軸がしっかり取り付けられているのに、ペダルのみがぐらつくようでしたら、ペダル内に緩みがあるのかも知れません。
ペダルレンチを使って、ガッチリ締め付けて下さい。その際、ネジ部の異物やゴミが付着していた場合は取り除くのを忘れずに。
また、固着やきしみの発生を防ぐために、ネジ山にはグリスを薄く塗布しましょう。
六角レンチで固定するタイプのペダルは、ペダル用のゴツい六角レンチを使った方が力が入りやすいです。一般的な細い六角レンチでは、しっかり締め付けられなくて、緩みの原因になります。
【原因②】クランクとBBの緩み
次に確認するのは、クランクの緩みです。
フレームをしっかり押さえながら、クランクアームを自転車の左右方向へ押し引いてみましょう。また、左右のクランクアームを同時に押し下げたり押し上げたりしてみて下さい。
もし、ガタツキやきしみが感じるようでしたら、クランクとBB(ボトムブラケット)の取り付けが緩んでいる可能性があります。
クランク専用の工具を使って締め付けましょう。
尚、BB内のベアリングには、潤滑剤として粘り気のあるグリスが使われているので、きしみ音がするからといって、安易にスプレーオイルを吹きかけるのはダメですね。
そんなことをしてしまえば、グリスを溶解・流出させてしまい、一時的にきしみ音が鳴らなくなっても、ベアリングの摩耗を早めてしまい寿命を縮めてしまいます。
【チェーンに関する話】
ペダル付近だけでなく、チェーンから異音がすることがありますね。下記記事では、チェーンに関する話を紹介します。
【原因③】BBとフレームの緩み
次の確認は、BB(ボトムブラケット)とフレームの緩みです。
BBとクランクの緩みで確認した方法と同じく、片側のクランクアームを押し引きましょう。
その際、反対側のクランクアームが連動してガタつく場合は、BBの緩みが疑わしいですね。
増し締めを行って対処して下さい。
ここまで対処すれば、異音が解消されることは多いですよ。
【原因④】クランクとチェーンリングの緩み
クランクアームとチェーンリングを組み付けるボルトなどの緩みによって、異音が鳴る場合があります。
また、チェーンリングの歪によっては、フロントディレイラーとチェーンリングやチェーンが接触してしまうことも。
そうすると周期的なかすれたような異音がしますよ。自分でも調整できますが、自転車ショップへ持ち込みプロへ任せた方がよいでしょう。
【原因⑤】シートポストの緩み
意外に思われるかも知れませんが、シートポストの緩みが原因の場合があります。
実はペダルからやや遠くにあるパーツの不具合でも、ペダル周辺からの異音として感じられたりしますね。
シートポストとサドル、シートポストとフレームの取付け部が緩んでいる可能性があるので確認してみましょう。
立ちこぎなどでサドルに触れなければ異音が鳴らないのでなれば、シートポストの緩みを疑ってみると良いです。
尚、立ちこぎしなくても自転車に乗って、ペダルを漕がずにお尻を動かして確認する方法もありますよ。もしこの方法で異音がするならば、まず間違いなくシートポストの緩みが原因ですね。
しっかり締め直せば異音は収まります。
【原因⑥】クイックリリースの緩み
ロードバイクなどのスポーツ系自転車では、輪行する方も多いでしょう。(私がそうですね)
その際、ホイールの取り外しや取り付けを行ないます。
ホイールを取り付ける際、クイックリリースに緩みがあれば、自転車のペダルを漕いでいる最中に異音が鳴りますよ。
特に輪行を多用する方は、真っ先に疑う点ともいえます。
クイックリリースは、「ガッチリ」と表現できる感じの力で締めつけておけば大丈夫です。
反対に指1本で緩んでしまうのであれば、弱すぎですね。
【輪行に関する話】
先ほどクイックリリースの緩みの話で「輪行」について取り上げました。そこで下記記事では、輪行に関する話を紹介します。
まだまだある異音の原因を紹介
異音の原因になるのは、これまで挙げてきた以外にもまだまだあります。
シートポストのように、ペダルと全く関係ない不具合による異音は、原因の特定が難しいですね。
シートポストはまだ見つけ方が分かるので良いのですが、例えば以下のような原因ならば意外に見つけにくいですよ。
- ビンディングペダルのクリートを取付けるネジの緩み
- ホイールのスポークテンションの緩み
ペダル付近から異音がするのは、1回転毎に1回音がするように周期的に聞こえることが多いです。
特にペダルを強く踏み込んだ際に発生しやすいですね。
グリスの消耗やベアリングの摩耗・破損などが原因でも異音が発生してしまうので、早期の特定が難しい場合があります。
異音の原因がわからない場合の対処方法
自分で確認しても異音の原因が分からない場合は、自転車ショップへ持ち込みましょう。もちろん、最初から自転車ショップへ持ち込むのも有りですね。
プロの目で見てもらえば、自分で気が付かなかったことに気付けて対処してもらえます。
その際、症状をくわしく店員へ伝えて下さい。
自転車のプロは、ほぼ毎日自転車に関わる仕事をしているため、知識も経験も豊富です。症状を聞いただけで、今までの経験から原因を特定してしまうかも。
以下のような具体的な症状を説明すれば、より分かりやすいでしょう。
- 左右どちらのペダルを漕い時に異音がするのか(両方の場合もあり)
- 周期的に異音がするのか、それとも不定期か
- ペダルを強く漕いだタイミングで異音がするのか、それとも軽く漕いでも鳴るのか
- どんな異音がするのか(たとえば「カツカツ」「カチカチ」「パキパキ」など)
- 何時頃から異音が聞こえだしたのか
- 異音が聞こえだした直近で、何か自転車のカスタマイズをしたのか
分かる範囲でメモしておくと、店員へ伝えるときにスムーズに対応できます。
まとめ
本記事では、自転車のペダル付近から異音が聞こえる原因と解決方法について説明しました。
最後にもう1度、説明した内容を以下にまとめます。
- ペダル軸とクランクが緩んでいる場合は、ペダルレンチを使って締め付ける
- クランクとBB(ボトムブラケット)の取り付けが緩んでいる場合は、クランク専用の工具を使って締めつける
- BB(ボトムブラケット)とフレームに緩みがあるならば、増し締めする
- チェーンリングの歪によって異音がする場合は、自転車ショップへ持ち込むのが無難
- シートポストとサドル、シートポストとフレームの取付け部が緩んでいる場合は、締め直す
- 輪行を多用する方は、真っ先にクイックリリースの緩みを疑う
原因が分からず放置しておくと、更にガタツキがひどくなり、ベアリングやフレームなどを傷めてしまいかねません。
異音がするのは、自転車がSOSを上げていると捉え、早期対応に努めましょう。
本記事をまとめるに当たり、たびチャリ!の『自転車のBB付近からパキパキ異音がする時は?【原因と解決策】』の記事を参考にさせて頂きました。