夏のサイクリングは、とても過酷だ。とにかく暑いので、上半身を裸で走りたいと思う衝動に駆られるかも。それはそれで色々問題になるので、サイクルジャージ1枚しか着用していない人も少なくないでしょう。
そういう人に限って、サイクルジャージの下にインナーウェアを着るなんて、考えられないと思っているのではないでしょうか。
実はその考え方は、間違っています。夏だからこそ、インナーウェアが必須になりますね。
インナーウェアを着用したからといって、別に涼しくなる訳ではありませんが、着用することによるメリットは計り知れないですよ。
本記事では、なぜ夏場ではインナーウェアを着用した方がよいのか説明します。
夏場は「インナーウェア」を必ず着用しよう
強い日差しが降り注ぐ夏場では、サイクリングをしていると尋常じゃないほど汗をかきます。
あまりにも汗の量が多いので、ボトルの水を飲んだそばから、そのまま汗が出ているのではないかと勘違いするかも。そんな大量の汗は、サイクルジャージ1枚では、吸収するのに無理がありますね。
そこで、インナーウェアが役立つわけです。
もし夏場にインナーウェアを着用していないのであれば、騙されたと思って1度、吸汗速乾性の高いインナーウェアを着用して、夏場にサイクリングへ出かけてみて下さい。違いが良く分かりますよ。
インナーウェアにより、汗を外に逃がして肌にまとわりつかないようにし、外側のサイクルジャージへ汗を渡します。基本的にサイクルジャージも速乾性は高いため、汗を徐々に乾かしてくれますね。
1度インナーウェアの効果を経験した後では、もうインナーウェアを手放せなくなるでしょう。暑ければ暑いほど、夏用のインナーウェアを着用する意味がある。
もしインナーウェアを着用しないままサイクリングを続けていると、パフォーマンスが落ちるばかりで、時間が経つにつれ苦行になることもあり得ます。
インナーウェアの有無はパフォーマンスに影響する
日本では6月から9月にかけて、気温や湿度がのきなみ上昇し、まるで亜熱帯地域のような状態に感じとれます。フィリピンやハワイと比較すれば、日本の高温多湿ぶりが異常に思うかも。
同じ気温でも湿度によっては、体感温度が変わってくる。たとえば気温が28℃で湿度が80%であれば、物凄く蒸し暑いですよ。そんな状態では、サイクリングを楽しむためには、色々と準備が必要です。
尚、夏場に揃えておきたい自転車グッズはこちらで紹介します。
また、同じ28℃でも湿度40%程度では、カラッとしていて意外と過ごしやすく感じられる。つまり、空気が乾燥していた方が、汗が乾きやすくなり、気化熱によって体の熱が奪われていきますね。
このことから湿度の高い低いによって、パフォーマンスに大きな影響を与えます。湿度が高ければ汗が気化しにくくなり、体内に熱がこもる。その結果、心拍が上がり体力が消耗しやすいのです。
夏用の高性能なインナーウェアを着用していれば、効率よく汗を外へ逃がしてくれるので、パフォーマンスの低下を和らげますね。
インナーウェアのポイント、吸水性と疎水性とは
インナーウェアは、汗をコントロールするために着るものです。そのため、夏だけでなく1年を通して重宝しますね。たとえ冬でもそれなりに汗をかくので、着ていた方が無難です。
かいた汗が適量であれば特に問題となりませんが、大量の汗は体温を奪いすぎます。そして何より不快すぎる。
インナーウェアの役割りは、素早く汗を吸収してウェアの外へ押し出すこと。それに加え速乾性の素材で作られているので、乾きが早いのがポイントです。
つまり、この「吸収性または疎水性(そすいせい)」と「速乾性」がインナーウェアの性能となります。その他にも「保温性」があったりしますが、他の性能と比べてそれほど重要視はされません。
よく吸収性と疎水性は勘違いされやすいで、その違いを以下にまとめました。
- 吸水性とは、水を吸い取る性質のこと。そのため、一時的に繊維の中に水分を閉じ込める働きをする。
- 疎水性とは、水となじまない性質のこと。そのため、水分を繊維の外側へ押し出す働きをする。
吸水性に優れた素材には、コットンやレーヨンなどの天然由来の繊維があり、疎水性に優れた素材には、ポリプロピレンやポリアミドなどの化学繊維がある。
このことから、夏場のサイクリングでは、常に発汗し続けるため、疎水性の優れたポリプロピレンを主成分としたインナーウェアが最適といえます。
インナーウェアに採用される素材「ポリプロピレン」とは
「ポリプロピレン」の素材は、疎水性に優れているので、夏用の高機能なインナーウェアに採用されています。
優れた保温性も兼ね備えていますので、初春や秋など朝夕の肌寒い時期にも役立ちますね。
また、繊維の中で最も比重が軽く、伸縮性も良く肌に密着してくれる。そのため、着用していても着ていることを感じさせない自然な着心地が実によい。
先ほども触れましたが、ポリプロピレンは、汗を繊維の外へ押し出して、繊維を通過した汗は逆戻りしません。ジャージの繊維を通じて空気中に発散されますね。
肌面はサラッとした状態を保ち続けるので、ウェアが体にベタっと張り着くのを防いでくれます。
インナーウェアはサイクルジャージとセットで着用する
これまでの説明で、インナーウェアの着用がいかに大事なのか分かって頂けたと思います。
そこで、もしインナーウェアだけでその上にサイクルジャージを着用しないで走ると、涼しく感じられるのか疑問に思いませんか。
インナーウェアだけですと、ほとんど肌に直接風を受ける状態なので、確かに瞬間的には涼しく感じられます。しかし、サイクルジャージを着用しなければ、降り注ぐ紫外線から身を守れません。
この紫外線は日焼けの原因となり、肌は軽い火傷状態となりますよ。また、日焼けが酷くなれば体力の消耗が激しくなり、パフォーマンスは落ちる一方です。
サイクルジャージに使われている素材は、UVカット効果が高いので、インナーウェアとサイクルジャージはセットで着用するのが基本となります。
それぞれが、お互いに足りない機能を補っている相互補完関係を築いているので、インナーウェアだけ着用してサイクリングを行う選択肢はありえません。
休憩中にインナーウェアの有難さがよく分かる
夏場では、他の季節よりサイクリング中に休憩をとることが多くなりますね。インナーウェアの働きのおかげで汗が乾いてくれるので、肌に不快感を感じられずにすんでいます。
もしインナーウェアを着用していなければ汗が一行に乾かず、サイクルジャージが肌にベタベタ張り付いてくる。
特に休憩中では、そのことを強く認識してしまい、かなり不快な思いをします。それに一度感じた不快感は中々拭い去れませんね。
また、冷房の効いたところで休憩するならば、サイクルジャージも10分もあれば乾くでしょう。
ずっと乾かないサイクルジャージを着続けるのは、気持ちが悪い。それに、濡れた状態のままでサイクリングを続けていると、風を受けて体が冷えてしまいます。
そうなると風邪をひいてしまうかも。なので、気温が落ちる前にサイクルジャージを乾かすことは大事ですよ。そうすれば、汗冷えする心配を減らせます。
【ボトルの紹介】
屋外で休憩する際は、木陰など涼しい場所でボトルのドリンクを飲みながら体を休めましょう。下記記事では、自転車用のボトルを紹介します。
インナーウェアは肌透け防止にも役立つ
夏用のサイクルジャージは、メッシュ素材で生地が薄いものが多いです。
そのため、服を透かしてみると向こう側が見えてしまいますね。色の濃いジャージならば、それほど気にすることはないのですが、白色のような薄い色では、肌が透けて見えたりしますよ。
特に汗をかくと、ジャージに水分を含みますので、なおさら透けやすくなります。気にならない人は問題ないですが、気になる人にとっては大問題。
インナーウェアを着用していれば、肌が透けるのを防いでくれます。
まとめ
本記事では、なぜ夏場ではインナーウェアを着用した方がよいのか説明しました。
最期にもう一度、本記事で説明した内容を以下にまとめます。
- インナーウェアを着用すれば、効率よく汗を外へ逃がしてくれるので、パフォーマンスの低下を和らげられる
- 夏場のサイクリングでは、疎水性の優れたポリプロピレンを主成分としたインナーウェアが最適
- インナーウェアとサイクルジャージはセットで着用
- インナーウェアを着用すると、肌透けの防止に役立つ
インナーウェアは、汗をコントロールするために着用するものなので、汗をよくかく夏場ではとても重宝します。
また、夏場だけでなく1年を通して使えるので、サイクリングを行う際には、必ず着用するよう心掛けてみては如何でしょうか。