自分の大切な自転車が盗難に合うと、とても悲しい気持ちになったり、または怒り心頭になるものです。それでは、いったいどのような場所で駐輪していれば、盗難が起こりやすいのでしょうか。
警視庁の調べでは、盗難場所の約50%が住宅で発生していると報告されています。つまり、たとえ自宅でも不用心に駐輪していれば、自ずと盗難リスクが高くなるという訳ですね。
本記事では、盗まれる自転車の特徴と盗難が発生しやすい駐輪場所について説明します。本記事の内容が、盗難防止に役立てて頂ければ幸いです。
盗まれる自転車の特徴
盗まれる自転車は、鍵をかけていない場合が多いです。
2021年(令和3年)の東京都で発生した盗難情報によれば、被害にあった自転車の約60%が鍵をかけていませんでした。そのため、自転車から離れる時は必ず鍵をかけよう。
自転車には多くの種類がありますが、特にロードバイクやクロスバイクなどのスポーツ系自転車が盗難に合いやすい。その理由は、転売目的で盗みを働く人が多いという。
スポーツ系自転車は、中古品でも人気メーカーや高額な自転車ならば高値が付くものだ。それにスポーツ系自転車は、総じて軽量な物が多く、持ち去りやすいといった理由があります。
また、ワイヤーロック型の鍵は、コンパクトで軽く持ち運びがしやすいので、多くのサイクリストが使用していますが、それ1本で鍵をかけているならば注意したい。
コンビニなどで短時間の駐輪時に使用するならば、さほど問題はないのですが、長時間の駐輪に適していません。ワイヤーを切断する工具があれば、犯人は細いワイヤーを簡単に切断できてしまうため、他の堅牢な鍵も合わせて使うと、より安全性が高まります。
自転車の盗難が発生しやすい駐輪場所とは
自転車盗難が多い場所を調べてみると、長時間の駐輪で盗まれている場合が多いです。
そのため「いつの間にか自転車が消えていた」「昨日まではあったけど、今日使おうと思ったら無くなっていた」などそんなパターンが多いですね。
ものの数分、目を放した隙に盗まれるケースもありますが、明らかに駐輪時間が長くなればなるほど盗まれる確率はアップする。
そこで、長時間駐輪する場所を以下にまとめました。
- 自宅や勤務先
- 駅や商業施設の駐輪場
- 旅先で立ち寄った観光地
- 裏路地などの路上
これらの場所に共通するところは「長時間、人目のつくところに駐輪」していることです。つまり、自転車が多く集まるところは、盗難されやすいといえる。
犯人の立場で考えれば、自転車の多い場所は、獲物(自転車)が選びたい放題になる訳だ。また、いつも同じ場所にとめていると、更に盗まれやすくなる。
実際、2021年(令和3年)の東京都で発生した盗難情報によれば、盗難場所のトップ3は以下の通りですよ。
自転車の盗難が多い場所(令和3年 警視庁の調査結果)
- 住宅
- 道路上
- 駐車場・駐輪場
意外と思われる方もいると思いますが、路上や駐輪場よりも住宅の方が盗難に合うリスクが高いのです。先ほども触れましたが、盗難に合った自転車の多くは、鍵をかけていない状態だったことも分かっています。
鍵をかけない理由は、人それぞれですが、恐らく「住宅の敷地内なら安全だろう」と考えていたのではないでしょうか。窃盗犯たちは、そんなあなたの気の緩みを狙っているのです。
自宅や勤務先などでは、路上から自転車が見えていると、犯人に目をつけやすくなるため、路上から見えない場所にとめよう。
具体的には、室内や倉庫など鍵のかかる所へ駐輪できるのがベストですね。また、室外で駐輪するならば、自転車カバーをかけることで盗難防止の効果がアップします。
しかし、自宅ならともかく、自転車に乗って外出する時に、毎回室内保管ができる場所をみつけるのは困難であり、現実的ではありません。
そこで、防犯カメラで撮影されている場所で駐輪したり、同じ場所に長時間駐輪しないなどの工夫が大事になる。たとえ短時間でも自転車の傍から離れる際には、必ず鍵をかけるのを忘れずに。
また、駐輪場は安心感があるように思えますが、普通に盗難被害が多いです。管理されている場所だからと言って、油断せずしっかり自転車に鍵をかけて下さいね。
自転車の盗難に合わないためには、自宅では室内に保管し、外出先では長時間の駐輪をしないのが望ましい。やむを得ず長時間の駐輪をするならば、鍵を2重にかけるなど盗難防止をしっかり行ない、人目のつくところへ駐輪しないよう心掛けましょう。
【旅先の宿泊施設】
旅先の宿泊先でも自宅と同じように、室内で保管ができるのが望ましいです。下記記事では、自転車旅で泊まる宿泊施設の特徴や選び方についてお話します。
警視庁が調べた自転車の盗難件数を分析
警視庁の公式ホームページでは、過去の自転車の盗難情報を開示しており、CSVファイルでダウンロードできます。
そこで、この盗難情報を分析して、2021年(令和3年)に東京都であった自転車の盗難件数を調べた結果を以下にまとめました。
盗難場所 | 件数 | 割合 |
---|---|---|
住宅 | 8,904 | 50% |
道路上 | 3,733 | 21% |
駐車場・駐輪場 | 2,129 | 12% |
その他 | 3,079 | 17% |
合計 | 17,845 |
この表を見てみると、住宅が最も盗難被害に合いやすいことが実に良く分かる。さらに住宅を細かく分けて盗難件数を調べた結果がこちら。
盗難場所(住宅) | 件数 | 割合 |
---|---|---|
4階建て以上共同住宅 | 4,422 | 50% |
その他の住宅(3階建て以下共同住宅等) | 2,808 | 31% |
一戸建住宅 | 1,674 | 19% |
合計 | 8,904 |
この結果から、住宅の中でも共同住宅だけで約81%を占めており、マンションやアパートなどが盗難されやすい事実が浮き彫りになりました。
駐輪場の自転車ロックは防犯用ではありません
町中や駅・商業施設には、有料の駐輪場が整備されていたりします。
有料駐輪場では、自転車の車輪を輪止めする機能があることが多い。すると、自転車がロックされ鍵をかけているような安心感があるのですが、これは防犯用ではないので過信してはいけない。お金さえ支払えば、誰でも持ち去れるので防犯対策は自分で確実に行おう。
また、自転車の入庫時に暗証番号が設定できるならば、忘れずに設定するように。そうすれば、自転車のロックが解除されるリスクをかなり軽減できる。たとえ安心感があったとしても自転車に鍵をかけるのを忘れずに行って下さいね。
商業施設の有料駐輪場では、自転車を駐輪して、1~2時間は無料なところが多いよ。
【ママチャリに関する話】
町中を歩いていると、鍵をかけていないママチャリを見かけたりしますね。自転車から離れる時は必ず鍵をかけましょう。下記記事では、ママチャリについてためになる話を紹介します。
駐輪場の防犯カメラを過信しない
駐輪場では、防犯カメラを目撃した人も多いでしょう。防犯カメラがあれば、犯罪を減少させる治安維持に効果があるのは事実です。
そのため「駐輪場に防犯カメラを設置すれば、盗難は完全に防げる」と思っているならば、その認識は甘すぎる。
一見防犯意識が高いように思えますが、防犯カメラの映像に盗難の瞬間が写っていたとしても、同じ場所で何度も犯行を繰り替えさない限り、犯人を特定するのは困難であり、大きな抑止力になりません。
確かに防犯カメラは、無いよりは有った方が良いのですが、その効果には疑問符(?)が付きます。
残念ながら、警察も自転車の盗難程度では、真剣に防犯カメラの画像解析をしてくれないと聞いたことがありますね。
つまり、防犯カメラがあるからと言って過信せず、自分でしっかり防犯対策を施しましょう。
スポーツ系自転車は室内保管が基本
先ほど住宅に駐輪している自転車は、盗難対象になりやすいと説明しました。特にマンションやアパートなど共同住宅は、被害にあいやすいですね。
ロードバイクなどのスポーツ系自転車は、盗難のターゲットになりやすいので、必ず室内に保管しましょう。室内保管の際には、独身と結婚しているのでは、状況がかなり異なるのをご存じですか。
独身ならば自分で簡単に調整ができますが、家族がいる場合は、室内へ自転車を入れるのを反対される可能性が高いため、事前に話を通しておかなければ喧嘩の原因になりかねません。
下手をするとロードバイクを引退する羽目におちいるかも。また、一人で何台も自転車を所有していると、自転車の保管スペースの確保が難しくなります。
【ロードバイクを引退?】
ロードバイクに乗っていたが、結婚後を機にやめてしまう人もいるでしょう。また、他の理由で引退する羽目におちいるかも知れません。下記記事では、ロードバイクの引退や結婚後もロードバイクへ乗り続けられるのかについてお話します。
まとめ
自転車は、鍵をかけていないと盗難リスクが高まります。自宅や勤務先、駅や商業施設の駐輪場などで人目のつくところに長時間駐輪していると盗難に合いやすいですね。
特にロードバイクやクロスバイクなどのスポーツ系自転車は、中古品でも転売で高値で売れたりするため、盗みのターゲットになりやすいので気を付けよう。
たとえ防犯カメラが設置されている駐輪場であったとしても、過信せずしっかり鍵をかけて防犯対策に努めるのが大事だ。また、コンビニなどで短時間の駐輪でも、自転車の傍から離れるならば、必ず鍵をかけましょう。