ロードバイクを乗り始めて間もない初心者が、グループライドを経験すると、一度は引っかかってしまうのが「ゆるポタ詐欺」ですね。
「今日はゆるポタだから全然楽に走れるよ」といった先輩ライダーの甘言に、コロリと騙されてしまう。これも経験不足のために起こる悲しき現実です。
一体なぜ、ゆるポタ詐欺がはびこるのでしょうか。別に先輩ライダーは、意地悪でいっている訳ではなく、そこにはきちんとした理由があるのです。
本記事では、ゆるポタ詐欺がはびこる理由と見抜き方について説明します。
ゆるポタ詐欺とは何?
そもそも「ゆるポタ」とは、ゆる~いポタリングの略なので、自転車で散歩のようにゆっくり走るスタイルに使われることが多いです。
つまり、ゆるポタ詐欺とは「ゆるポタ」と称して仲間内(または関係者)で集まり、実際は全然ゆるくないハードな走行を表します。
よく聞くのは「ゆるポタと聞いて参加したのだけど、全然ゆるくない!」「初心者にしては、レベルが高くない?」といったものが多い。
たとえば、初心者がいきなり時速30km前後で、100km近く走らされる機会があったりする。
そんな状況に陥っても、歯を食いしばって、何とか最後まで走り切ろうと努力するものだ。その結果「辛い > 楽しい」となってしまいます。
辛い経験を得て、実力は上がるかも知れませんが、納得できないですね。
ゆるポタ詐欺がはびこる理由
断言はできませんが、先輩ライダーのほとんどは、意識してゆるポタ詐欺を働いていないと思います。
よほど性格が悪い人でもなければ、好んでゆるポタ詐欺を働きはしないものですよ。
ゆるポタ詐欺にあうと、あった当日は「ふざけるな!」と思ってしまいますが、数日たてば大抵は、ケロとしてしまうことが多いですね。
当日に受けたダメージによっては、怒り心頭になることも少なくない。その時の表情は、まるでナマハゲかも知れません。
また、酷くなれば疑心暗鬼に陥ることがあり、人間関係にヒビが入ることもある。
それでもゆるポタ詐欺がなくならないのには、明確な理由があります。そこで、主な理由を以下にまとめました。
- 認識のズレ
- 警戒心が強い
それぞれについて説明します。
認識のズレ
ゆるポタ詐欺が起きる最大の原因は、初心者と上級者の意識が違っているために起こるものだといえます。
特に「速さ」と「距離」の認識が全く異なっている。たとえば、初心者にとっては、平坦路を時速30km前後でずっと走り続けるのは、コクな行為だ。
しかし、上級者ともなれば「たとえ初心者でも、引いてあげたらいけるはず」と考えてしまう人は一定数いるものです。
個人的には、そもそもゆるポタで、時速30km以上の高速移動を行なうのは、いかがなものだろうかと思います。
また、距離の感覚が初心者と上級者でズレることはよくありますね。
よく聞くのは「ゴールまであと少し」「あと少しで山頂だ」というセリフ。この「あと少し」というセリフが曲者で、どれくらいの距離なのか明確ではないのが問題だ。
特にヒルクライムでは顕著ですよ。上級者からすれば、山頂まで残り500mを切ればあと少しかも知れませんが、初心者からすれば山道の500mはまだまだ先の話。
実力差が離れすぎていると、仕方がない部分もあるのですが、初心者からすると、たまったものではありません。
上級者の先輩ライダーからすれば、初心者にロードバイクの楽しさを、より知ってもらおうと考えていたりするものですが、あまりにも実力差が離れすぎていると、結果的に「ゆるポタ詐欺」が発生します。
【ロードバイクの実力アップに関する話】
初心者を卒業するために色々と技術を学ぼう。下記記事では、ロードバイクの実力アップに関する話を紹介します。
警戒心が強い
個人的な感触ですが、ゆるポタ詐欺を働く人は警戒心が強いのではなかろうか。
常に「だまされるかも知れない」と警戒している節を感じる。上級者の中には、剛脚にもかかわらず貧脚を装うことが多いです。
グループライドの際によく聞くセリフとして、「最近ほとんど乗れていない」「今日はゆっくり走る」などがありますが、いざ走り出すと初心者はついていけないことが多い。
あらかじめ予防線を張る嘘というのは、警戒心から生まれるものだろう。もちろん中には、たんに謙虚な人もいるのは確かだ。
警戒心が強すぎる人は、他人に対する配慮や思いやりの心が薄いのかも知れませんね。
そのため、ゆるポタといいながら、初心者にとっては、ハードモードになる。上級者が初心者に合わせられないのであれば、自分が強くなるしか改善の見込みはありません。
【疲労回復に関する話】
ゆるポタ詐欺にあうと、疲労こんぱいになりますね。下記記事では、疲労回復に関する話を紹介します。
ゆるポタ詐欺の見抜き方
ゆるポタ詐欺の横行により、多くの初心者は、上級者のカモになっているのが現状です。
ゆるポタ詐欺の見抜き方をあらかじめ知っておけば、走行前ならば十分回避は可能ですよ。
そこで、主なゆるポタ詐欺の見抜き方を以下にまとめました。
- 具体的なことを言わない
- 初心者に対する配慮を感じない
それぞれについて説明します。
具体的なことを言わない
上級者の先輩(または後輩)ライダーと一緒に走行するに当たり、具体的な走行コースについて教えてもらえないことが多いです。
とたえば、コース全体の走行距離は教えてくれるのだけど、その道中の詳細は不明確ですね。
特に多いのは、コース上には峠や山道があることを教えてくれるのですが、山頂までの距離や勾配の大きさなどをぼかされる。
かりに勾配に関する話があって大変だと感じたとしても「休憩を取りながら走るので大丈夫だ」みたいな感じで軽く答えてくる。
なので、具体的な回答をもらうためには、「どこで休憩するのか」など具体的な質問をして本当のことを聞き出すのが大事ですよ。
一緒に走るのであれば、それなりに仲が良いはず。ここで全くの嘘を言うような人であれば、人間性を疑うべきかも知れないですね。
ゆるポタ詐欺を避けるためには、先輩ライダーに全てを任すのではなく、具体的な質問をぶつけて具体的な納得のいく回答をもらうことが重要です。
最低でもどんなコースを走るのか聞き出して、事前にチェックしておこう。
Googleマップなどを使えば簡単にコースの把握はできるので、自分の実力を顧みれば、チャレンジ可能か判断できます。
初心者に対する配慮を感じない
グループライドでは、様々な実力を持った人が一緒に走る機会が多いですね。
そのため、ゆるポタ詐欺に引っかかる初心者が現れるのですが、ペースを合わせてくれる仲間がいるかが重要です。
スピードが乗ってくると、初心者は置き去りになることが多いので、千切れる初心者のペースに合わせてくれる人が1人でもいると心強いですよ。
なので、あらかじめ初心者に寄り添って走ってくれる担当者を決めておきましょう。
また、ロードバイクであれば、ゆるポタの走行距離は20~50kmぐらいが多い。(個人的な見解です。)
もし目的地へ早くついたならば、まだ走れるからといって、距離を延長するのではなく、周辺の観光スポットなどへ足を運んだり、食事をしたりして、初心者を無理に走らせない配慮が大切です。
グループライドへ参加する前に、そのような配慮があるのか事前に確認しておきましょう。
【ロードバイク初心者のためになる話】
ロードバイク初心者のためになる話を、下記記事で紹介します。
ゆるポタ詐欺の歴史を繰り返してはならない
先ほども触れましたが、多くの先輩ライダーは、初心者に対して、よりロードバイクを好きになってもらいたいと思っています。
同じ趣味の仲間が増えるのは嬉しいものなので、色々と教えてくれますね。
いずれ、初心者も経験を積んでいけば、中上級者へとなっていきますが、その際、初心者の頃にゆるポタ詐欺の被害にあったならば、そのことは忘れないようにしよう。
そして、後輩ライダーと一緒に走る際には、初心者に寄り添う形で走り、ゆるポタ詐欺の歴史を繰り返さないようにして下さいね。
ゆるポタ詐欺で酷い目に合った経験を、後輩ライダーに引き継がせてはダメですよ。
まぁ~、実際それが難しいので、歴史は繰り返されているのですが・・・・どこかで断ち切りたいものですね。
まとめ
ゆるポタ詐欺は、ロードバイク初心者を地獄へ叩き落す行為として、サイクリストの間では広く認知されています。
ある意味では、ロードバイクを始めるにあたり、誰もが一度は通る道ともいえますね。
初心者だろうが、上級者だろうが楽しみたい気持ちは同じ。しかし、悲しきかな、お互いの認識のズレで起こることが多い。その結果、ゆるポタ詐欺を撲滅するのは難しい。
過度なゆるポタ詐欺に合わないためには、先輩ライダーの甘言に惑わされることなく、自分の実力と根拠のある事実から判断すれば被害は少なくなります。